アグネスゴールド(Agnes Gold)とは1998年日本生まれの競走馬・種牡馬である。
主な勝ち鞍
2001年:スプリングステークス(GII)、きさらぎ賞(GIII)
概要
父*サンデーサイレンス、母エリザベスローズ、母父*ノーザンテーストという血統で、千歳の社台ファームで1998年4月10日に生まれた。
長浜博之厩舎に所属したアグネスゴールドは、2000年12月3日に阪神競馬場でデビューし見事に勝利した。その後年が明けて明け3歳になり若駒ステークスを勝ち、3戦目のきさらぎ賞と連勝したが、この地点では調教師の長浜博之は適距離は短いほうが良いのかもしれないという考えだったようである。この3戦目は後の宝塚記念馬のダンツフレームが居たレースである。
またきさらぎ賞に勝った時の主戦の河内洋はインタビューアーの質問で「どちらに乗る?」との質問で「いやいや、まだまだ」と答えていた。
実はこの時河内洋にはもう一頭、同じ長浜博之厩舎お手馬がいて、かつ同じくアグネスの冠名を付けたアグネスタキオンという有力馬の主戦でもあり、そのこともあっての質問であった。
その後アグネスタキオンは弥生賞を勝ち皐月賞に向かうことが発表され、アグネスゴールドはスプリングステークスに向かった。このスプリングステークスも快勝し、調教師はどちらに乗るのかは河内騎手に任せると答えていたが、骨折が判明し皐月賞の回避休養にあたった。
この年の皐月賞はアグネスタキオンで河内洋は挑み快勝したが、直後に屈腱炎で引退に追い込まれている。
アグネスゴールドは半年の休養後神戸新聞杯から菊花賞に向かったものの共に8着と着外だった。騎乗していた河内洋は「距離は長かった」と語っている。その後は年末の鳴尾記念に出走し3着と復調の兆しが見えかけたが、右飛節に軟腫が見られ再びの休養、1年以上治療に努めたが治療中に屈腱炎を起こし、そのまま引退となった。
種牡馬として
2004年から種牡馬生活が始まったが2007年にアメリカに輸出された。すでに父*サンデーサイレンスの種牡馬が他にもいた事や、海外からサンデーの血統が欲しいとのオファーがあったことなどが理由にあたる。
2008年になり更にパートI国のブラジルに渡り種牡馬生活を送ることとなったが、この地がアグネスゴールドにとって転機になる。
ブラジルでの初年度産駒から重賞勝ち馬を出し、2013年にはAntonella Baby、Abidjanが牝馬3冠のそれぞれ1冠目、3冠目を勝利とG1勝ち馬を早くも出す成績を上げた。
その後も*サイレンスイズゴールド、Mais Que Bonitaがブラジルの牝馬三冠競走を勝つなど活躍している。特に後者はは、2020年のリオ牝馬三冠で1着・1着・2着の成績を挙げ、さらに2021年4月にはJanelle Monaeがリオ牝馬三冠を達成した。
ブラジルに着いた当初では牝馬の産駒が比較的多かったが、近年になって牡馬の活躍馬も出始めている。
2020年にAbu Dhabiがブラジルのダービーに相当するクルゼイロ・ド・スル大賞を勝っている。
またパート1国のアルゼンチンではIvarが2歳GIを強い内容で2勝し、移籍先のアメリカでもシャドウェルターフマイルSを勝っている。
このようにアグネスゴールドは南米で種牡馬として成功を収め、ブラジルでは2019/20年シーズンから2021/22年シーズンにかけて3期連続でリーディングサイヤーになっている。ちなみに2022/23年シーズンは2位だったが、同じく南米で種牡馬として活躍したハットトリックとのワンツーフィニッシュだったりする。
近年は南米産の母馬が日本に輸入されてサトノダイヤモンド、レシステンシア、サトノフラッグを産む等活躍するケースがある。この影響か産駒の*サイレンスイズゴールドが日本に輸入されており、初仔の牡馬を出産後に死亡したものの、唯一の産駒マイネルカーライルが2022年にデビューしている。
2020年に感染症により生殖機能に問題を生じ、高齢もあり種牡馬を引退し功労馬となった。2021年9月27日、上腕骨の骨折のため23歳で死亡した。後継種牡馬にはIvarがいる。
なお、種牡馬として15頭以上のGI勝ち馬を送り出したことにより、この馬の名前は国際的に保護され、基準見直しがない限り二度と再利用されないことが保証されている。
血統表
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
エリザベスローズ 1989 栗毛 FNo.16-a |
*ノーザンテースト 1971 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Lady Victoria | Victoria Park | ||
Lady Angela | |||
*ノーベンバーローズ 1982 黒鹿毛 |
Caro | *フォルティノ | |
Chambord | |||
Jedina | What a Pleasure | ||
Killaloe | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Almahmoud 4×5(9.38%)、Lady Angela 4×5(9.38%)
主な産駒
※太字の競走馬は個別記事あり。移籍後に改名した馬も移籍前の馬名を基準としてアルファベット順に並べている。
2009年産
- Antonella Baby (牝 母 On Your Own 母父 Candy Stripes)
- Abidjan (牝 母 Nina Preta 母父 New Colony)
- Energia Fribby (牝 母 Karla Dora 母父 Nugget Point)
2014年産
2015年産
2016年産
- Abu Dhabi (牡 母 Fugazi 母父 Crimson Tide)
- In Love (牡 母 Last Bet 母父 Know Heights)
- Ivar (牡 母 May Be Now 母父 Smart Strike)
- Mais Que Bonita (牝 母 Feia Que Dói 母父 Scat Daddy)
- Olympic Jhonsnow (牝 母 Je Suis Belle 母父 Crimson Tide)
2017年産
- Culo E Camicia → Pegasus Hero (牡 母 Principessa Capri 母父 Northern Afleet) ※香港移籍後改名
- Honra Real (牝 母 Un'altra Rafaela 母父 Northern Afleet)
- Janelle Monae (牝 母 Just Lucky 母父 Spend a Buck)
- Olympic Kremlin (牡 母 Sweet Lemonade 母父 Lemon Drop Kid)
2018年産
- Doutor Sureño (牡 母 Notável Sureña 母父 Redattore)
- Look of Love (牝 母 Mandjula 母父 Roi Normand)
- Olympic Las Palmas (牝 母 Ulaya 母父 Wild Event)
- Online (牡 母 Quebra-De-Braço 母父 Wild Event)
- Orfeu Negro → Dynamic Spirit (牡 母 Valleyview 母父 Wild Event)
2019年産
2020年産
- Neverwalkalone (牝 母 Zafira 母父 Redattore)
- No Fear (牝 母 Fleche 母父 First American)
- Orla de Ipanema (牝 母 Classic Road 母父 Wild Event)
- Resultante (牝 母 Bitolão 母父 Public Purse)
レース動画
関連コミュニティ
関連項目
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