アジュディミツオーとは、2001年生まれの日本の競走馬・種牡馬である。
主な勝ち鞍
2004年:東京大賞典(GI)、東京湾カップ(地方重賞)、東京ダービー(地方重賞)
2005年:東京大賞典(GI)
2006年:川崎記念(GI)、かしわ記念(GI)、帝王賞(GI)、マイルグランプリ(地方重賞)
※日本がパートI国になったのは2007年から、つまりJpnIなどと表記されるようになったのは2007年からなので、グレードは当時表記とする。
大エースへの道
父は地方リーディングを何度も獲得した大種牡馬アジュディケーティング、母は船橋所属で18戦し6勝を挙げたオリミツキネンという血統。
地方を駆けるために生まれたと言っても過言ではない彼は、母と同じく南関船橋に所属、トップクラスの調教師の一人である川島正行師に預託されることになった。
2~3歳時(2003年~2004年)
2003年9月にデビュー。JRA認定新馬戦を勝ち、早々に休養。翌年は南関のダービー・東京ダービー制覇を目指し4月の3歳戦から始動。圧倒的スピードで楽勝すると次走の東京湾カップでは、同厩舎所属、ダーレージャパンレーシングの持ち馬ということで話題を集めた良血馬ゼレンカを切って捨て3連勝。無敗のまま東京ダービーへ向かう。
しかしここには南関重賞含む5連勝中、全戦4馬身差をつけて圧勝してきた大本命・ベルモントストーム、南関クラシック第一弾羽田盃2着のキョウエイプライドらが揃う、例年以上のハイレベルなレースであった。
さすがに人気はベルモントストームに譲り二番人気となったが、終始ハナを譲ることなく逃げ切り圧勝。一躍3歳最強となった。
しかし一番人気を背負い、二番人気ベルモントストームとのツートップで中央勢を迎え撃ったジャパンダートダービーでは逃げて失速し4着、キョウエイプライドに先着(3着)される結果に終わった。
続く黒潮盃も一番人気で迎えるが、キョウエイプライドの渾身の走りの前に敗れ3着に終わる。このレース後、主戦が当時南関最高の騎手と呼ばれた内田博幸に乗り替わりとなった。
秋以降は交流重賞を中心に走り、日本テレビ盃では当時の南関エース格ナイキアディライトの前に敗れ2着、JBCクラシック@大井では当時の中央最強馬アドマイヤドンに敗れ2着と勝ちきれず。とはいえ相手も強く、決して弱さを露呈したわけではない。
そして、年末の風物詩こと東京大賞典では前走JCダートでアドマイヤドンを破り、主役に踊り出たタイムパラドックス、JBCではハナを譲ったユートピアらをまとめて負かす圧巻の逃げ切りで圧勝。再び主役の座に躍り出た。
南関の大エース
4歳時(2005年)
翌年は、東京大賞典勝ちが評価されたことや川島厩舎とモハメド殿下に関わりがあったということもあり、ドバイへ遠征するところからスタート。
しかしRoses in Mayら海外の強豪とは適性や実力で差があったからか、日本馬の定位置ともいえる6着に敗れる。
しかし、地方所属ながら果敢に打って出たのは評価されてしかるべきであろう。実力では上であろう全盛期のアブクマポーロすら、諸事情で海外遠征は出来なかったのである。
Roses in Mayの作り出したハイペースを、後手を踏みながら道中三番手で必死に食らいついていたことも付記しておく。
その後は検疫や疲れもあり秋まで自重。その秋も調子が戻りきっていなかったのか日本テレビ盃3着、府中遠征となった武蔵野ステークス、ジャパンカップダートはテンで置いていかれ完敗と散々であった。
府中の連敗はスタート地点が芝でうまく走れないことや、落鉄絡みという別の理由もあったとはいえ、少々情けなさはあった。
しかし人気を落とした東京大賞典では悲願のGⅠ制覇を狙う良血馬シーキングザダイヤを切り捨てる逃げで連覇達成。東京大賞典を連覇した初めての馬となった。
5歳時(2006年)以降
翌年は川崎記念をやっぱり逃げ切って快勝。しかしフェブラリーステークスではまたもハナを切れず完敗。地元に戻って地方重賞のマイルグランプリを快勝し向かったかしわ記念ではブルーコンコルドらを抑え快勝。帝王賞に向かう。
ここにはドバイ帰りの中央の絶対王者・カネヒキリが出走。実質一騎討ちとなる。レースはハナを切って飛ばすアジュディミツオーをカネヒキリが猛追する展開となるが、逃げ切って完勝。ダート日本最強といえる存在になった。
しかしその後は燃え尽きてしまったのか、脚部不安の影響もあり、帝王賞の輝きは戻らないまま2009年の帝王賞後引退、種牡馬入りした。
彼の後、南関エースの座はフリオーソに引き継がれた。彼は中央勢を雄々しく迎え撃ち続け、2012年いっぱいで引退した。
種牡馬としてはそこまで注目される存在ではなく、産駒数もディープインパクトや同い年のキングカメハメハと比べると少なく、1/10もいない。数少ない産駒から活躍馬も出ず、一応種牡馬登録こそされているものの2016年を最後に種付けを行っておらず、事実上の引退状態にある。
血統表
*アジュディケーティング 1987 黒鹿毛 |
Danzig 1977 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Pas de Nom | Admiral's Voyage | ||
Petitioner | |||
Resolver 1974 鹿毛 |
Reviewer | Bold Ruler | |
Broadway | |||
Lovely Morning | Swaps | ||
Misty Morn | |||
オリミツキネン 1994 栗毛 FNo.1-b |
*ジャッジアンジェルーチ 1983 栗毛 |
Honest Pleasure | What a Pleasure |
Tularia | |||
Victoria Queen | Victoria Park | ||
Willowfield | |||
ウサロマン 1978 栃栗毛 |
*トンピオン | Tom Fool | |
Sunlight | |||
ビートフラワー | *ネヴァービート | ||
グレートフラワー | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Bold Ruler 4×5(9.38%)、Grey Flight 5×5(6.25%)
主な産駒
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- 2
- 0pt