アスキーとは、かつて存在していた出版、コンピューター開発を手がけた企業である。
概要
1977年に西和彦が中心となってアスキー出版として設立、1982年にアスキーに社名変更した。
コンピューター雑誌『月刊アスキー』を創刊し、コンピューター関連の出版社として始まったが、翌年には米国マイクロソフト社と提携、ハードウェアの企画やソフトウェアの開発、販売業に進出した。
1983年には、マイクロソフトとの共同企画によるコンピューター規格、「MSX」を提唱。多数の国内メーカー(と極少数の海外メーカー)が参加した。1985年にはアスキーが規格の管理を手がけるようになった。
しかし1986年に、古川亨ら一部社員がスピンオフしてマイクロソフトに移籍、提携が解消されて日本法人(現:日本マイクロソフト)が設立された。しかし、上記MSX用BASICやMSX-DOSの提携は継続された。
ゲームソフト販売においては、「ウィザードリィ」シリーズの日本語版が有名である。遠藤雅伸率いるゲームスタジオが大胆にアレンジしたファミコン版はヒット作となった。
ハードの開発にも携わっており、1990年にはZ80互換プロセッサであるR800を開発している。当プロセッサはMSXturboRに採用されたが、CPUの高速性能を活かすことなくMSX市場は終焉を迎えた。
出版部門では『LOGiN』『ファミコン通信』(現:ファミ通)などの人気雑誌を出版し、特にゲーム雑誌や攻略本で多くの売り上げを得るようになる。
その後、映画、ビデオソフトなど多角化戦略を進めるものの失敗し、1990年代後半から経営危機に陥る。その間、積極的な多角化戦略に反対していた塚本慶一郎と郡司明郎の二人が退社、両者はインプレスを設立した。
1999年にはCSKの傘下に入るも安定せず、2002年には投資ファンド系のユニゾン・メディア・パートナーズに売却された。
2000年に、エンターテインメント系雑誌の編集部門およびゲームソフト部門をまとめ、エンターブレインを設立。
2002年にアスキーの書籍出版部門の出版子会社であったアスペクトがアスキー傘下から離脱。また、アスキー(旧)が社名を「メディアリーヴス」に変更、営業部門を全て子会社のアストロアーツに譲渡し、アストロアーツがアスキー(新)と社名変更した。
翌年にユニゾン・メディア・パートナーズと合併した後、2004年に角川ホールディングスが買収、同社の子会社となった。
2008年に、新生アスキーとメディアワークスが合併、アスキー・メディアワークスとなった。
2010年にはメディアリーヴスがエンターブレインに吸収合併され、法人としてのアスキーは消滅した。
アスキーから派生した企業
アスキー・メディアワークスの傘下として残った企業
グループから離脱した企業
- アスペクト
アスキー出身者が独立して設立・参加した企業
関連動画
関連項目
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