あれはてたほし。わくせいRS-121。
むじんのだいちがひろがる このほしにも、かつては こうどなぶんめいが さかえていたという。
このほしに のこされたいせきのひとつ、ハイウェイブラックラインに ひとつのわすれられた でんせつがあった。
そのでんせつを たしかめるために、いま、ひとりの おとこが ブラックラインに おりたった。
ライバーと よばれる おとこが……
概要
アストロ・ファングとは、1990年にA WAVE INC.からファミリーコンピュータ向けに発売されたカーアクションゲームである。
自車を操り敵車を避けながら、ハイウェイブラックラインの各コースを走り抜けるゲーム。奥方向への3Dスクロールを実現しており、プレイヤーは自車の後ろの視線から操作する。ぶっちゃけアウトランやマッハライダー、ハイウェイスターなどの後追い。
が、以下の要素がこのゲームを「カーレース」ゲームではなく「カーアクション」ゲームたらしめ、ただのパチモノから知る人ぞ知る名作へと格上げしている。
エネミーカーへの攻撃
アストロファングの最大の特徴。
走行中に上ボタンを押すことで、敵車や路上の障害物を破壊できるミサイルを発射する。従来のレースゲームの敵車はただ避けるだけの動く障害物だが、これにより選択肢に「破壊する」が加えられている。
各コースの終盤には破壊必須のボスカーが登場するため、走る技術だけではなく、ミサイルを打ち込みやすく敵の攻撃を受けないポジション取りが求められる。
ミサイルには弾数制限があり、最大99発まで所持できる。使ったミサイルはショップ(後述)で購入するか、各コースの最後に現れる補給機から補給を受けることで回復できる。飛行機で来られるなら最初からそっち使えばいいじゃんってツッコミはなしな。
変形
走行中に下ボタンを押すことで、ピザ配達のバイクのような形に変形することができる。車幅が狭くなり障害物と接触しにくくなる一方、ミサイルが発射できなくなるというデメリットもある。攻める場合は車で、安全走行に徹したい場合はバイクと使い分けることが重要。
「燃料」の概念
本ゲームには時間制限が存在しないが、代わりに燃料という概念が存在する。燃料はゲーム開始時には12目盛りあり、「一定時間(距離?)走行する」「敵車と接触する」「障害物にぶつかりクラッシュする」といった要因で少しずつ消費されていき、0になるとゲームオーバーとなる(正確には0になるとアクセルが効かなくなり、エンジンブレーキで停車した瞬間ゲームオーバーとなる)。
特にクラッシュは必ず1目盛り減るため、非常に被害が大きい。かといってクラッシュを恐れて低速で走り続けると、燃費が悪化するため、それはそれで問題となってしまう。プレイヤーは安全運転と高速走行の両立で悩むこととなる。
ショップ
コース内の特定のポイントに存在するショップに入店すると、走行中に稼いだスコアとアイテムを換算することができる。入手できるアイテムは以下の6つ。
- 燃料
- 燃料を最大値まで回復する。回復なしでの完走は不可能であるため、大抵の場合これを購入する必要がある。ただし、クラッシュのしすぎでスコアを削られている場合、燃料すら買えなくなることも…。
- ミサイル
- 使用したミサイルを補給する。ボスを倒せる分だけのミサイルは常に確保しておきたい。
- ファング
- タイヤの両輪に刃を取り付け、横から体当りしてきた敵を破壊する。大変爽快な武器だが、敵にぶつかろうとして障害物に体当りしてしまう事故も多い。また、真正面の敵には効果がない。
- クラッシュ1回で消滅してしまうため、強化ボディやバリアとの併用が望ましい。
- スノータイヤ
- 凍った路面ではグリップが効かなくなり、ちょっとしたコーナーでもコースアウトしてしまう。しかこのアイテムがあれば、凍った路面でも通常通りに走行することができる。まあ元々コース外に振り出されやすいゲームなので、多少マシになる程度ではあるのだが。
- こちらもファングと同じくクラッシュ1回で消滅してしまう。
- 強化ボディ
- ボディを強化し、接触した敵車を吹き飛ばす効果と障害物に接触してもクラッシュしなくなる効果を得る。敵車を3回弾き飛ばすか、1回クラッシュを防ぐと効果が消滅する。
- 最大の利点はクラッシュを回避できること。本ゲームは燃料が非常にタイトなので、一度クラッシュを回避できるだけで非常に楽になる。クラッシュさえしなければ効果が持続するため、慣れたプレイヤーにとっては後述のバリアよりも恩恵が大きい。
- バリア
- 一定時間強化ボディ状態をキープし、ぶつかり放題になることができる。初心者には強化ボディよりもこちらがおすすめ。
- バリアを買ったはいいものの、敵がまばらで障害物もなく結局役に立たない、というのはよくあるパターン。
コーススタート前の全体マップで、コースのどの位置にショップがあるかをあらかじめ知ることができる。左右の分岐の一方にしかショップがない場合も多いので、位置は必ず暗記しておくこと。
アイテム
路上に転がっているPと書かれた丸いカプセルを拾うことで、ショップで購入できるアイテムと同じ効果を即座に利用することができる。
必ず道路の中央に配置されているのだが、コーナリングの真っ最中に突然現れて、「ふざけんな! そんなもん取れるか!」と叫びたくなることも多々ある。
路面上の岩
要は道の真ん中を走ってれば、コーナーも楽だしアイテムも回収できるんだろ? と快調に吹っ飛ばすプレイヤーに、思い切り冷水をぶっかける存在。
配置パターンは「コース中央に縦一列」「コースの右1/4と左1/4くらいの位置に交互に配置」「中央パターンと左右パターンの組み合わせ」の3パターンある。プレイヤーは常に岩が迫っていないか気を配る必要があるのだが、先の見通しが効かない上り坂で、ほぼ予告なしでいきなり岩が現れる場合もある。こうなるともはや泣くしかない。
上記を総合すると、「可能な限り速度を出しつつコーナリングしつつ敵車を避けつつミサイルをぶっ放しつつ状況に応じてバイクに変形しつつ障害物を避けつつアイテムを回収しつつゴールまで走るゲーム」であるということが分かって頂けるかと思う。実際、コーナリングしながらのミサイル発射等、複数の要素を同時に求められることも多いので、非常に操作が忙しいゲームである。
最初は1面の完走さえままならないかと思うが、操作に慣れてくるとこの忙しさが癖になる。実際、「マイナーなのでクソゲーかと思ったら意外と遊べるゲームだった」という評価も多い。
関連商品
何とAmazonでも取り扱われている。手数料込みでも500円でお釣りが来るので、買ってみるのも一興。
- 0
- 0pt