アスペとは、略語である。
- アスペクト(Aspect) - 言語学・文法学の「相」という意味を表す英単語。
スペルが同一でアスペと称する、フランスの物理学者「アラン・アスペ(Alain Aspect)」が存在するが。
「アスペクト」は「アスペクト」と称したほうが無難。 - アスペクト比 - 矩形における長辺と短辺の比率。主に動画の縦横比として使われる。該当記事を参照。
これは「アス比」と略した方が無難。 - アスベスト - 石綿のこと。日本では製造や使用が規制されている。
それ「アスヘ゜スト」やなくて「アスヘ゛スト」や! - アスペルガー症候群(Asperger Syndrome, AS) - 発達障害の一種。該当記事を参照。これの略語として使われることが多い。
- 4から派生したネットスラング。
ここでは5について述べる。
概要
「アスペ」とは現在で言う「自閉症スペクトラム障害」こと、旧「アスペルガー症候群」の略語だったのだが、
この言葉が生まれた詳しい時期などは不明であるが、「略語としての」アスペは「アスペルガー症候群」の記事ができた辺りにはすでにあったと思われる。
意味合いとしては以下のようなものとして使われることが多いと思われる。
精神医学の診断は難しく、例えばネットのやりとりだけでは、最低でも原稿用紙100枚分は必要(対話なら一時間程度に相当する)。これはもちろん専門家が実名を晒して自分が責任を持つ業務として真剣に診断した前提である。
それでもアスペルガー症候群のようにADHDが隣接していたり時に混じったりもするような場合、診断を間違えることは稀でなくある。
ダウン症のような外見的所見もなく、さらに知的レベルも問題なく、診断は困難を極める。
というか、昔なら「個性」で片付けられていたものが、傾向が極端な場合でもよりよく生活する補助が可能になったと理解してもよい。
ネット上の、原稿用紙半分にも行かないやりとりで大雑把な診断をつけられるのなら、その方法を論文にした方が良い。きっと大発見として精神医学の歴史に大きな足跡を残すことができるほどの成果であろう。
なお、本来の「アスペルガー症候群」の症例を見ると、現在使われている意味合いの「アスペ」とは全くもって違う。
この言葉を使う際に気を付けるべきこと
この言葉自体ネットスラングであり、ネットスラングを日常の会話で使うこと自体がそもそもとして常識を疑われても仕方ないことであるが、「アスペ」自体に相当な侮蔑的な意味合いを持っているので使う際には相当な注意を払う必要がある言葉である。
ネットのやり取りだけでアスペルガー症候群だと判断するのはまず無理である。また、アスペルガー症候群の症例とは全く関係ないようなものでも、この言葉が使われてしまうということもある。
詳しくはアスペルガー症候群の記事でもふれているのだが、これ自体には、「知能が年齢相応に発達していない」というのはない。
平均的という場合が多く、むしろ知能が定型(いわゆる健常者のこと)よりも高いという場合もある。
「情報強者」と呼ばれる人ならば「アスペ」と「馬鹿」や「池沼」等の言葉の意味を把握し、使い分けることが出来るはずで、出来ない人は「情報弱者 = 情弱」と言えるかもしれない。
また、コミュ障という意味合いで使ったとしても、「TPOを弁えた言葉を選ぶことが出来ない」ということを示しているので、結果としてはこれまた自身に跳ね返り「自分はアスペである」と言っているようなものである。
要するに、「バカって言った方がバカ」の「バカ」が「アスペ」に文字通り変わっただけのような感じになり、使った側が文字通りの「バカ」として受け取られかねないような侮蔑的な意味を持つ言葉、ということである。
もちろん、スラングではなく「アスペルガー症候群」の略語として使われていることも多くある。TPOや空気を弁えた上で、「アスペ」と見かけただけでその人を叩くのはもちろんやってはいけない。
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