アッティラとは、
概要
中央アジアからヨーロッパへ、4世紀の終わりに進入を開始したフン族の王。父親はフン族の王ルーアの弟ムンズク。ルーアが死んだ後、兄ブレダと共同統治をしていたが、兄が死ぬとフン族の唯一の王として単独統治をした。
アッティラが王になる以前に、フン族はすでにゴート族を蹴散らし、アラン人を滅ぼし、東西ローマ帝国を敗北させて、莫大な賠償金を手に入れていた。フン族に負けた部族はその配下となり、フン族の先手として侵攻に加わった。
436年にブルグント軍を壊滅させ、443年には東ローマ帝国を完膚なきまでにたたきのめし、更にガリア遠征を企図した。この遠征で、一時期ガリアを領有したフンの領域は大西洋にまで及んだ。これに対し、ローマ帝国(西ローマ帝国)も軍を繰り出し、ゲルマン諸族との連合でフンに臨んだ。これがカタラウヌムの戦いである。結果、アッティラは敗北したものの、ローマ方の西ゴート王テオドリックも戦死し、ローマ軍も追撃が不可能なほどの打撃を被った。これにより、西ローマは立ち上がる力をなくし、ゲルマン諸族に侵されていく。
一方、フン族にとってこの戦いは、敗北ではあったものの致命的ではなかった。そのため、翌年にはイタリア侵攻を始めている。しかし、この時はフン族内部の疫病と時の教皇レオ1世の説得によってかろうじてローマ略奪は避けられた。
453年に死亡。彼が死んだことでフン族はばらばらになっていく。
Civilizationにおけるアッティラ
Civilization5の拡張パックであるGods and Kingsでフンの指導者として登場。
Civilizationの戦争狂といえばモンテスマが有名だが、アッティラは「神の災い」の名の通り、モンテスマを上回るとんでもない戦争狂である。
そしてその思考パターンに合致し、周辺の文明に災いを振りまく一因となるのが強力な2種類のユニークユニットである。
1つ目は戦車弓兵の代替ユニットである弓騎兵。戦車弓兵といえば移動は数字上は4と優秀なものの、丘陵や森林などを通るとすべての移動が消費されてしまうという欠点が大きく、ぽんこつユニットと評価されがちなのだが、弓騎兵はその移動ペナルティがなく、白兵戦闘力増加、そして命中率Iの昇進がついているために平地にいるユニットへの攻撃力もアップしているのである。
もう1つは槍兵の代替ユニットである破城槌。戦闘力は落ちているし、対騎乗ボーナスはないし、防御時のペナルティもある、さらに攻撃は都市に対してしか行うことができない。しかしこれらの欠点を補って余りあるのが対都市ボーナス+300%という圧倒的な破壊力である。この破壊力のため、2~3体の破城槌からの攻撃を受けたらたとえ防壁を作っていてもあっという間に陥落してしまう。また、援護Iの昇進付きなので遠隔攻撃には強い。
そして重要なのが、これらのUUが作成可能になるのが太古時代であること。そのため、高難易度でアッティラが近くにいた場合、これらのUUでラッシュをかけられ、一気に滅亡してしまう可能性が高まるのである。
また、指導者特性により都市の破壊速度が2倍となるため、占領した都市を片っ端から破壊して不幸に悩まされることなく次々と攻め込んでくるのである。
なお、AIの性格を見てみると、好戦的かどうかの指数は3位タイ(1位はモンテスマとナポレオン)、友好宣言の締結しやすさはモンテスマと並んで最下位となっている。まさに戦争狂。
ちなみに、フン族が遊牧民で都市を持たなかったことを反映して、固有の都市名は首都である「アッティラの宮廷」だけしか存在せず、2都市目以降の都市名は他文明の優先度の低い都市名からランダムで選ばれる。当然ながら日本や中国も候補となるため、那覇や高知、邯鄲などの漢字の都市名が出てくることも。
『ナイトミュージアム』のアッティラ
この映画では博物館の展示物が魔法によって動き出すのだが、アッティラの蝋人形もその一つ。容貌は髭モジャのアジア系で、遊牧民族のような衣装に身を包んでいる。残念ながら馬には乗らない。他の人形のように英語はしゃべらないため、意思疎通は難しい。
気に入らない相手は八つ裂きにする主義で、フン族の部下を率いて新人警備員の主人公にも襲い掛かる。主人公はアッティラが史実で魔術に興味を持っていたことをヒントに手品を見せる事で一時的に和解するが、手品はタネが割れてしまったため再びアッティラは主人公を八つ裂きにしようとする。最終的にアッティラの幼年期の心の傷を主人公がいやすことに成功し、完全に和解した。
その後のシリーズ2作品にも引き続き登場している。
『Fate』シリーズにおけるアッティラ
女体化した姿で「アルテラ」名義で登場。スマホアプリ『Fate/Grand Order』にて先行登場し、のちにPS4/PSVita用ソフト『Fate/EXTELLA』にてメインキャラとして登場する。
詳細はアルテラ(Fate/Grand Order)の記事参照。
「ニーベルンゲンの歌」におけるアッティラ
ゲルマンの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」においては「エッツェル」名義で登場。
ブルグントの姫クリームヒルト(英雄ジークフリートの妻であったが、彼が殺されたため未亡人)を妻に娶る。しかし、クリームヒルトの真の狙いは前夫ジークフリートを殺したブルグントの武将ハーゲンへの復讐にあった。(そのジークフリートの死の顛末については同叙事詩の前半に語られている)
二人が結婚してから数年して、クリームヒルトの提案によりブルグントのグンテル王とハーゲンら主だった武将がフン族の王城に招かれ、饗宴が開かれた。クリームヒルトはやってきたハーゲンに事の次第を問い詰めるも彼は全く悪びれずに彼女を煽り返す始末。
こうして、堪忍袋の緒が切れたクリームヒルトはハーゲンを暗殺すべく手勢を差し向けるが、それはハーゲンの弟ダンクワルトとの武力衝突にいたり、その事態を聞き及んだハーゲンは、クリームヒルトとエッツェルの目の前で二人の間に生まれた王子を斬殺する。
こうしてエッツェルの望まぬ形でフン族の軍勢とハーゲンらブルグントの将らとの全面衝突となってしまった。凄惨な血で血を洗う戦いの末に結局ブルグント側は全滅し、グンテル、ハーゲンは捕らえられ、特にハーゲンはクリームヒルト自らの手で首をはねられた。しかし、フン族側も多数の将を失うことになり、そのあんまりな展開にキレた客将のヒルデブラントは全ての元凶であるクリームヒルトを斬り殺してしまった。
…という救いのない話である。
関連動画
関連項目
- 世界史
- フン族
- 東ローマ帝国
- 西ローマ帝国
- Civilization
- Civilizationシリーズに登場する指導者の一覧
- Fate/Grand Order / Fate/EXTELLA
- クリームヒルト
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%A9