アディショナルタイム(Additional Time)とは、サッカーにおける追加時間である。
概要
2000年代までの日本では和製英語でロスタイムと言われていたが、現在はネイティブに準じてAdditional Timeが使われている。「AT」と略すことも多い。
サッカーの試合時間は原則として前半45分+後半45分だが、試合中に負傷者やハプニングなどで試合が中断された場合は、空費された時間を本来の試合時間とは別に追加する。
アディショナルタイムをどの程度取るかは主審が判断し、電光掲示板で示される。
この表示は秒単位切り捨てである。例えば3分と掲示された場合、実際の追加時間は3分ちょうどとは限らず、3分00秒~3分59秒の間のどこかということになる。
アディショナルタイムの試合展開
(後半の)アディショナルタイムは、負けているチームにとっては逆転する最後のチャンスであり、勝っているチームには逆転されないように気の抜けない時間である。同点の場合は両者がその両方である。
そのことから、アディショナルタイム中に逆転勝利という展開や、逆に勝っていたのにアディショナルタイムで逆転されたという悲劇など、様々なドラマを生んでいる。
また、ゲームの勝敗に関係なくとも、得失点差でリーグ順位や決勝リーグ進出の可否が決まるような場合もある。
そのようなギリギリの試合においては、アディショナルタイム中いつ笛が鳴るかとサポーターが固唾を呑んで見守り、その結果に一喜一憂する。
アディショナルタイムは、試合の不公平さを是正するためにあるものだが、笛が鳴るまで試合展開の分からないスリルをサポーターに与えることにも寄与しているといえるだろう。
一方、アディショナルタイムの終了は主審が判断することから、審判への批判の材料になりやすい。そのため、極端に長い/短いアディショナルタイムのせいで逆転した試合では、主に負けた方からブーイングが上がることもある。
有名な試合
- 1994 FIFAワールドカップアメリカ大会アジア地区最終予選 日本対イラク ……日本が2-1でリードして迎えた後半AT、終了間際にイラクが同点ゴール。試合は引き分けとなり、日本は本大会出場を得失点差で逃した(ドーハの悲劇)
- 2011 AFCアジアカップ 日本対シリア ……荒れた試合の中、日本がなんとかリードを保って終盤に入るが、6分という長いATが表示されたことで解説の松木安太郎の怒りが爆発(ふざけたロスタイム)
- 2018 FIFAワールドカップロシア大会決勝トーナメント1回戦 日本対ベルギー ……後半AT終了間際、ベルギーはGKを起点として一挙にカウンターで決勝ゴールを叩き込み、日本は初のベスト8を逃した(ロストフの14秒)
- 2018 J1リーグ第33節 清水エスパルス対ヴィッセル神戸 ……後半AT(表示は4分間)中に試合が中断した際、主審がルール誤認により、中断していた時間を全てATに加算したため、「終わらないATに選手いら立ち→ラフプレー・乱闘発生→中断によりAT延長」という悪循環が発生し、試合終了時の時計は108分50秒だった。ATの間に清水は同点ゴールを挙げたものの2人が負傷、神戸はイエロー3枚を受けた
関連動画
関連項目
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