アド・バードとは椎名誠によるSF小説。第11回日本SF大賞受賞作品。
概要
椎名誠による長篇SF三部作の第一作目に当たる。『すばる』 1987年7月号から1989年12月号にかけて連載された。古くから当作の根本的イメージは作者の頭の中にあったらしく、友人の個人SF誌に寄せた短篇[1]から、実に15年もの間温め続けた末の力作である。
あらゆる技術が動員された広告競争の末に荒廃した未来世界。大空にCMが投影され、水道の蛇口が商品名を連呼する。そんな異様な世界を舞台に、父を捜す冒険に旅立つ兄弟を描く。ブライアン・W・オールディスの有名長篇を下敷に、椎名作品独特の造語や表現が鏤められており、不条理だが何処か懐かしい雰囲気を持つ世界を巧みに表現している。
ちなみにタイトルの "アド・バード" とは作中に登場する企業宣伝用に創られた人工鳥の事である。"アド" は "advertising" 、即ち "広告" を指す (例 : "アドバルーン")。
アニメ化の話も持ち上がったが、何時の間にか無かった事になった様だ。
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関連項目
註釈
- ^[1]『星盗人』 創刊号に「アドバタイジング・バード」という題で掲載された。本来は連載という形で書かれたのだが、同誌が創刊号きりで続かなかったため、プロローグのみとなっている。同作はその後、『SF本の雑誌』に転載された。
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