アナザーライダーとは、特撮ドラマ『仮面ライダージオウ』に登場する仮面ライダーにして怪人の総称である。
概要
タイムジャッカーがオーマジオウに代わる魔王候補として擁立するために生み出している存在。本来の変身者(以下「オリジナル」と表記)から抽出した仮面ライダーの力を持つライドウォッチ「アナザーウォッチ」を契約者として半ば一方的に選出した人物と融合させる事で生み出される。名称は「アナザー+元のライダー名」。身体のどこかに元となったライダー名の英字および出典作品の放送開始年数が記されている。
オリジナルに概ね類する能力を有しているが、基本的にアナザーライダーは怪人と戦うための理由や使命、もしくはライダーシステムの必要条件といった該当する仮面ライダーに変身するための因子が足りない人物を無理矢理変身させた存在である。その副作用によりライダーの力が歪んだ形で発現している事を視覚的にわかりやすく伝えるためか、ライダーが怪物化したような異形の姿となっており総じて歯を剥き出しにした生物的な顎(クラッシャー)や眼球が造形されている。多くの作品においてライダーのパワーソースが敵と同じないし類似することを考えると、その不気味で歪な姿形は力に飲まれたライダーのなり損ないという事を暗に示していると言える。元祖仮面ライダーである1号に例えるなら怪人バッタ男に成り得た可能性の分岐をそのまま具現化したようなものである。
仮面ライダーを生物的なデザインにアレンジするという点ではバンダイスピリッツコレクターズ事業部が販売しているフィギュア「S.I.C.」が思い浮かぶ人もいると思われるが、こちらは敵である事を強調するためかより凶悪かつグロテスクな方向を突き詰める形で差別化されている。ただし単にグロテスク化するのではなく何らかのネタが盛り込まれている事が多く、それを連想して探し当てるのも『ジオウ』視聴における醍醐味の一つだろう。
アナザーライダーの存在が齎す影響
アナザーライダーは発生と同時にその歴史線において正式な仮面ライダーとして認識される歴史改竄を引き起こす。補完計画2.5話で明かされたジオウ世界における第1のルール「同じライダーの力は同じ時間には共存できない」法則により、タイムジャッカーに力を奪われアナザーに取って代わられたオリジナルは仮面ライダーとしての力を失っていき、果てはライダーとしての記憶や活躍の軌跡が消失する。
メタ的に言えば放送された筈の本来の番組そのものが最初から無いものとして扱われるため、オリジナルのみならず怪人を含めた出典作の登場人物達にも影響が及ぶ事になる。実際の事例をあげるとアナザービルド発生後には万丈龍我の力と記憶も失われていたほか、アナザーフォーゼ発生時にはスコーピオン・ゾディアーツが消滅している。中には草加雅人や駆紋戒斗の様に生死の運命すらも変わってしまうケースも確認されている。一部例外もみられるが、これはオリジナルが極めて特異な存在故にアナザーライダーおよびタイムジャッカーの介入を受ける法則を回避できるためだろう。
ただしアナザーライダーの変身解除から復活までの間は一時的に歴史改竄がリセットされ影響を受けていた人物達の力と記憶が復活する。それだけでは直接的な解決にはならないが、これにより常磐ソウゴらが記憶を失う前の彼らと接触する機会を作ることはできる。
対策
アナザーライダーに戦闘不能に陥るほどのダメージを与えれば変身は解けるものの、ジオウ世界第2のルール「アナザーライダーは同じライダーの力でしか倒せない」法則により、ただ倒すだけでは核であるアナザーウォッチを破壊することはできず、タイムジャッカーが再起動させることで容易に復活可能なうえ、その際は時間停止を仕掛けてくるため阻止する事はほぼ出来ない。ウォッチを破壊してアナザーライダーの存在を完全に抹消するには元のライダーの力を行使する必要がある。第1章では基本的にアナザーライダーに記されている時代に移動して倒すという流れだったため年号の一致も必要条件と思われていたが、第2章からはその過程を挟まなくなっている。各アナザーライダーを撃破した際のフォームから推察するに、アーマータイムにのみそのような制限が設けられているとも考えられる。
前項でも述べた通り、アナザーが存在するだけで力を失ってしまう第1章の状況においてはオリジナルで対処することは事実上不可能に近かった。実際には多少のタイムラグが発生し得るようで、オリジナルが短時間ながら変身してアナザーと交戦できた事例もあるが、基本的に倒すまでに変身を維持できてはいない。実際にアナザーライダーを完全に撃破したオリジナルはジオウとの同時攻撃によって撃破したケースも含めて響鬼、カブト(この二名は変身者が原作と異なる)、アギト、電王と少数に限られる。こういった事情もありアナザーライダー対策としてはレジェンドライダーの力を継承した証である「ライダーアーマー」が必要だったが、第2章以降ジオウII、ゲイツリバイブ、ジオウトリニティ、ウォズギンガファイナリーといったレジェンドライダーウォッチがなくともアナザーウォッチを破壊可能なフォームが次々と登場した現在、この法則は形骸化したといえる。仮面ライダーディケイドもEP43でアナザーライダーを撃破しており、トリックスターの機能によってアナザーウォッチを破壊できるようだ。理論上はカメンライドでも同様の事が可能かもしれないが詳細は不明。
第1章ではライダーアーマーの元となるライドウォッチの受取はリセット期間中に記憶を取り戻したレジェンドから託されるという形が大半であり、実際リセットの件を知ったEP08では仁藤攻介の記憶を復活させるためにソウゴが能動的にアナザーウィザードの仮撃破を行い、その間に明光院ゲイツが記憶を取り戻した仁藤に接触を図るという方法でウィザードライドウォッチを入手している。
撃破後
力を継承するといえば聞こえがいいが、アナザーウォッチが破壊された後はライドウォッチを所有するジオウ達がそのライダーに相当する存在として認識される模様(つまり上述した「第1のルール」がここでも当て嵌まることになる)。実態は黒ウォズがEP03のアバンで語った通りアナザーライダーに代わりジオウが力を奪っている形となっており、どの道タイムジャッカーの干渉が発生した時点でオリジナルの力(ケースによっては記憶ごと)が失われるという結果に変わりはない。
また、この歴史改編の流れにより契約者もアナザーウォッチを与えられてからの一連の出来事は無かった事になり、アナザーライダー化していた記憶も失われるようだ。
EP29以降においてはオリジナルの記憶は保持されたままライダーの力のみが失われている。これに関しては後述するパラドックスとの折り合いによるものと考えられる。
EP29以降のアナザーライダーに関する謎
EP29以降に登場した、アナザージオウ同様に年号が2019と表記されている現代産アナザーライダーに関しては、発生してもオリジナルの記憶や力が保持されているだけにとどまらずこれといった歴史改竄が起こっていないかのような状況が生じており、『ジオウ』第1のルールが当てはまらない。これに関して東映公式サイトでは新しいパラドックスが発生しているのだという。
EP37で加賀美新が言及した、1999年の隕石飛来によって20年そこらで元の通りに復興することなど到底あり得ないほどの壊滅的打撃を受けた『仮面ライダーカブト』の渋谷と、何事もなかったかのように人混みが行き来するジオウ世界における渋谷の矛盾はそれをわかりやすく示したケースである。この状況に関してウォズは「二つの世界が混じり合っている」、門矢士は「大分時空が歪んでいる」と発言している。
※以下、未確定事項に関する推察
実はこのパラドックスと似たような事態は第1章の段階でも起きている。TVシリーズでソウゴがビルドウォッチを得た事で桐生戦兎は『仮面ライダービルド』に纏わる記憶を失い外見以外葛城巧になっていたのに対して、『平成ジェネレーションズFORVER』では『ビルド』原典最終話から地続きの「桐生戦兎」としてのパーソナリティと記憶を有した状態で登場しており、龍我共々ソウゴ達とは面識がないかのような反応を見せていた。
明確に『ビルド』と別世界であることが『平成ジェネレーションズFINAL』で判明した他の平成2期作品の面々がEP03以降に登場している事も考えれば、第1のルールに準じた事態が起きているEP23以前の旧作ゲスト達に関しては少なくとも特殊な立ち位置にある士と『仮面ライダー電王』の面々を除き、原典の作品に概ね準拠した軌跡を辿った「『ジオウ』世界の住人」と考えるのが自然だろう(理屈としては『仮面ライダーディケイド』の南光太郎や『MOVIE対戦2010』の鳴海ソウキチの様にオリジナルキャストが演じたリ・イマジネーションライダーに近いと思われる)。
その上でウォズおよび士の証言を照らし合わせると、公式サイトが言及したパラドックスの実態とは『ジオウ』世界のライダーの力をもとにアナザーライダーが発生した後に、『ジオウ』視点での並行世界にあたる各平成ライダー原典作品の人物や事象によって欠けたピースが補われる現象であるという仮説が考えられる。つまり、剣崎一真を例にとればジオウ世界の剣崎がアナザーウォッチ生成のために力を奪われた後、存在を『仮面ライダー剣』本編の世界線上にいる剣崎で上書きされた…という事になる。EP47でライドウォッチの破損に呼応して次々と発生した世界の融合はその時に突如起きたものではなく、すでにこの頃から少しずつ始まっていたのであろう。最終的にジオウの世界がキャパシティの限界を迎え、それに呼応してライドウォッチが壊れていったということか。
EP29以降のゲスト達がライドウォッチ継承後も記憶を維持しているのも出身世界の違いによる折り合いと思われるが、該当ライダーの力を失う点は以前のゲスト達と変わっていない。剣崎や津上翔一はライダーの力がウォッチに取り込まれていたという明確な描写で説明がつくが、モモタロス(EP40)の場合はそれがないにもかかわらずウォッチを譲渡した途端に電王への変身が出来なくなっており、ライドウォッチの継承が判定された段階で原典世界のオリジナルであろうが力が失われるという事なのかもしれない。
例外として士はソウゴがディケイドウォッチを手に入れ力を継承したにもかかわらずディケイドへの変身は可能なままであり、その力を半分とはいえスウォルツが奪い取ってしまった時へのリカバーも含めて『ジオウ』における法則が通用しない「世界の破壊者」の規格外ぶりをうかがわせる。ただし電王に関しても変身できなくなったことが確定しているのはあくまでモモタロスであり、特異点である野上良太郎にもこれが適応されるのかは不明である(そもそも『仮面ライダー電王』自体が特異な作品であるため『ジオウ』世界の電王と原典の電王が別個に存在しているのかも不明なのだが)。
アナザーライダー目録
名前をクリックすると各アナザーライダーの解説にジャンプします。
太字のアナザーライダーに関しては別の記事内に記載されているのでリンク先のページを参照してください。
目次 | ||
---|---|---|
リストの通りアナザーライダーの元ネタは大半を各作品の主役ライダーが占めており、EP44のアナザードライブ・アナザーディケイド登場を以て平成主役ライダー20人分のアナザーライダー完走が達成された。それ以外のアナザーライダーも存在するため総数はゆうに20を超える。
近年の作品は怪人の数が減少傾向にあった(特に『エグゼイド』と『ビルド』)が、アナザーライダーは所謂「今週の怪人」枠を終盤まで維持している。これだけの数のアナザーライダー(&カッシーン)のスーツおよびアナザークウガのCGを制作した東映スタッフの頑張りをねぎらいたい。
アナザービルド
身長:196cm
体重:99kg
特色/力:能力吸収と、その能力に応じた特殊攻撃
契約者:2017年のバスケ選手(演:森大成)
契約したタイムジャッカー:ウール
登場回:EP01、02、25、28、42、43
2種類のネビュラガスを投与して生み出された新型のスマッシュ…ではなく、本来自動車事故により選手生命を絶たれるほどの重傷を負う筈だったバスケット選手を被験者として選んだウールが、戦兎から仮面ライダービルドラビットタンクフォームの成分を採取して作り出した「アナザービルドウォッチ」を注入することで発生したアナザーライダー第1号。
胸部に「BUILD」、背中に「2017」の文字が書かれている。体の至る所に『ビルド』の物語で勃発した戦争を暗喩するかのような弾痕を彷彿とさせるディテールがあり、ラブ&ピースを信条とする戦兎との対比ともとれる。複眼のカバーは展開する事が可能で、内部にはビルドのライダーズクレストのモチーフでもある歯車の様な形状の眼球を覗かせる。
人間をエンプティボトルに成分として吸収しフルボトルを生成してその力を利用する事が可能。オリジナル同様ベストマッチの組み合わせが存在し、戦兎と違い実際に使う事なくその判別が可能。ボトル使用時はベルトに装填するのではなく飲み込んで体内に取り込む。腰につけているそれは飾りか。エンプティボトルの形状がライダーシステムに用いるタイプのフルボトルではなくスマッシュボトルのそれという点が、アナザーライダーは怪人に属する存在であることを強調している。元がバスケット選手ということもあってか、ラビットタンクの能力を行使する以外に掌からバスケットボール型の火炎弾を生成して攻撃する事もできるが、代わりにドリルクラッシャーに相当する武器は持っていない。
スポーツ選手や運動部員といったスポーツに関わりのある人物を標的にフルボトル生成を続けており、この件は連続行方不明事件として新聞でも記事になっている。その覚束ない言動から見るに後に登場するアナザーライダー達と違って変身者の意識は明らかに異常をきたしており、アナザーウォッチの操り人形と化して正気を失っている事が伺える。『ビルド』の敵怪人であるスマッシュが中盤から登場する改良型(ハード、ロスト等)を除き被験者の正気が失われている事のオマージュであろうか?
ジオウデビュー戦の相手としてギリギリスラッシュの直撃を食らい、変身解除に追い込まれ気を失った状態で茂みに落下。直後に現れたゲイツがジオウを襲撃したこともありそのまま放置され、のちにウールがアナザーウォッチを再起動させた事で復活。その後もジオウとゲイツの前に出没し、撃破されては復活を繰り返してアナザーウォッチ破壊の手段を知らない彼らを苦しめる。
戦兎との会話で対策を思いついたソウゴがゲイツと共に跳んだ2017年では「水泳」と「弓道」のベストマッチを発見し(水に関連する行為と弓による攻撃という共通点から、おそらく海賊レッシャーフォームのオマージュであろう)ビルドやクローズ、更に途中参加したジオウ・ゲイツと交戦。ビルドとクローズはアナザービルドの影響によって戦闘中に力を失うも、ジオウビルドアーマーのボルテックタイムブレークとクローズライドウォッチの力を行使したゲイツのギワギワシュートによって撃破された。
自動車事故自体がなかった事になりバスケ選手は事なきを得たが、ジオウがビルドの力を奪う形となった事でジオウ世界に於ける『仮面ライダービルド』の物語が封印された結果、「桐生戦兎」が誕生するルーツであるエボルトの干渉自体が無かった事になったため、龍我の隣にいた物理学者は「佐藤太郎の顔をした葛城巧」という存在に書き換えられた。ジオウ世界第3のルールによると「オトナの事情にツッコむ奴は馬に蹴られる」ので何故顔が佐藤のままなのかという点に関してはあまり深入りしないでおこう。
バスケ選手はその後EP25にてアナザーオーズに変身した加古川飛流にアナザービルドの残滓を奪われる役回りで再登場したのだが、この時も「アナザービルドの契約者」と呼ばれており本名は明かされなかった。
EP42に登場したアナザージオウⅡに召喚された個体はアナザーカブトと共にツクヨミを追跡している際、障害物を飛び越えようとして転倒する一幕がある。「天才」物理学者が変身するビルドのアナザーライダーとして間抜けさを演出するための意図的なものとする説もあるが、アナザーカブトのリアクションを見る限りでは撮影中のアクシデントをNGにせずそのままOKにして採用したと考えるのが自然か。
アナザーエグゼイド
身長:205cm
体重:97kg
特色/力:ゲームの世界と現実の往来/格闘アクション
契約者:2016年の飯田(演:児玉貴志)
契約したタイムジャッカー:オーラ
登場回:EP03、04、25、28、42、43
「医者が救ってくれないなら、俺が救うしかない…邪魔をするな…」
アクションゲーム「マイティアクションX」のプレイヤーキャラであるマイティをモチーフにした姿のバグスター…ではなく、心臓疾患にかかり救急搬送されている息子のケイスケに付き添おうとしている飯田という男性が、宝生永夢から奪い取った仮面ライダーエグゼイドアクションゲーマーレベル2のデータを取り込んだ「アナザーエグゼイドウォッチ」に感染することで発生したアナザーライダー。
背部にあるレベル1フェイスの左目および胸部に「EX-AID」、レベル1フェイスの右目に「2016」と書かれている。ベルトは一見元ネタがわからないかもしれないが、ゲーマドライバーのバックルを上から見た様な形状をしている。また、後頭部にはムテキゲーマーをモチーフにしたと思しき黒いドレッドヘア状の触手が生えている。
エグゼイドとプレデターを足して割ったような姿をしているが、そもそもプレデターは出渕氏がデザインした『電撃戦隊チェンジマン』のキャラクター・副官ブーバが元ネタであり、アナザーエグゼイドは意図的にプレデターに似せた可能性もある。
オリジナルのエグゼイド同様アクションゲームのようなアクロバティックな戦闘が得意で、チョコブロックを利用した戦法や攻撃が命中した際に発生する「HIT!」のエフェクトも共通する。また、バグスターウイルスAを召喚・使役する能力を有している。
携帯ゲーム機を介してゲーム世界と現実を行き来することができ、マイティアクションXに似た「誰もクリアしたことのないゲーム」を生み出した後、そのプレイヤーの前に現れては意識を次々と奪い取っており、ソウゴの友人である小和田もその毒牙にかかった。被害者は小柄な若者という共通点があり、標的を絞り込んだのはケイスケに移植するために必要なサイズの心臓を持つドナーを集めるためだった。
ジオウエグゼイドアーマーがアナザーエグゼイドを倒したのち、ケイスケは永夢のはからいもあり鏡飛彩によって無事治療されており、2018年に戻ったソウゴは健康になったケイスケとすれ違っている。EP25ではバスケ選手同様アナザーライダーの残滓を求めた飛流に襲撃されており、意識を喪失した状態で救急搬送されている。
アナザーフォーゼ
身長:200cm
体重:95kg
特色/力:生体エナジーの吸収と供給/各種エネルギーモジュール
契約者:2011年の佐久間(演:水石亜飛夢)
契約したタイムジャッカー:スウォルツ
登場回:EP05、06、28、43
「邪魔をするな…全ては、カリンのため…」
かつて魔界と呼ばれた世界に封印された種族・アクマイザーにして、アリシア連邦で改造されたコズミックエナジーを動力とする機械生命体・宇宙鉄人…ではなく、如月弦太朗から奪った仮面ライダーフォーゼベースステイツのコズミックエナジーを宿す「アナザーフォーゼウォッチ」によって発生したアナザーライダー。スイッチャーならぬウォッチャーに選ばれたのは何らかの理由で力を求めていた佐久間龍一という男。
右肩に「FOURZE」、左肩に「2011」と書かれている。オリジナルの様に「宇宙キター!」のポーズや頭をなでる動作を見せている。
18歳の天秤座の女子高生を襲撃し、スイッチ型デバイスに取り込んでその生体エナジーを奪い取っていた。オリジナルの様にベルトのスイッチを押すことで様々なモジュール状のエネルギー体「エネルギーモジュール」を召喚して攻撃することができ、劇中ではロケット、ランチャー、チェーンアレイ、チェーンソーを再現している(しかもアナザービルドと違いオリジナルと同じ音声が流れる)。
ジオウフォーゼアーマーによって一度倒されるが、直後にアナザーファイズへと変貌を遂げた。ボディの各部にはファイズのフォトンストリームを思わせる赤いラインが走っており、視聴者の間では次回予告の段階でアナザーファイズとの関連性が予測されていた。
アナザーファイズ
身長:186cm
体重:91kg
特色/力:生体エナジーの供給と吸収
契約者:2003年の佐久間
契約したタイムジャッカー:オーラ
登場回:EP05、06、25、28、43
世にも珍しい白黒以外のカラーが着いたオルフェノク…ではなく、仮面ライダーファイズの特質を備えた佐久間のアナザーライダーとしてのもう一つの姿。乾巧から奪った力によって作られた「アナザーファイズウォッチ」により発生した。右肩に「FAIZ」、左肩に「2003」と書かれている。
ライダーズギアの使用者として想定されたオルフェノクが元死人であることを意識してか、胸部は肋骨が剥き出しになったような形状となっており、フォトンストリームは血管のような生々しい印象を与える。複眼内部にはアナザーライダー特有の眼球やオルフェノクの肉体崩壊時に吹き上がる炎を思わせるディテールが覗き、アンテナの形状は裏モチーフである鮫の鰭ないし555本編でも印象に残るモルフォ蝶の羽を彷彿とさせる。元々ファイズのスーツは護衛対象であるアークオルフェノクを模して造られたという設定があり、アナザーライダーのデザインコンセプトを照らし合わせるとアークを逆輸入したデザインとも取れる。下半身や腕部の形状はアナザーフォーゼと同じで、モジュールベイスメントもそのままだが、『555』に〇、△、×の意匠を持つライダーがいることを考えると実に秀逸である。
ジオウによって撃破されたアナザーフォーゼの装甲が剥がれ落ちると共にその姿を現したが、2011年の時点ですでにアナザーファイズとしての力は尽きかけており、すぐにアナザーフォーゼに戻った。佐久間は共に流星塾で暮らしていた間柄の山吹カリンを2003年に交通事故で失っており、カリンを生かすためオーラと契約して彼女と同じ年齢・星座の女性を襲撃して彼女たちの生体エナジーを集めていたのだが、8年の年月が経ちその力が徐々に失われている事に焦燥していたところをスウォルツが持ち掛けてきたアナザーフォーゼの契約に縋りついた…というのが事の真相である(「新しい体験」と発言していたことからスウォルツは佐久間がアナザーファイズと化していたことを承知で二重契約を行った事になる)。草加がカリンを手にかけようとしていたのも、他人の生命で強引に生き永らえている事への罪悪感から同じ流星塾出身の草加にカリンが介錯を頼んだためだった。
最終的に2003年でゲイツファイズアーマーによってアナザーファイズが、2018年でジオウフォーゼアーマーによってアナザーフォーゼが倒されることでアナザーウォッチは二つとも破壊された。その影響で肉体を維持する手段を失ったカリンは「自分の人生を生きて」と佐久間に伝え、謝罪の念を漏らす彼の前で消滅していった。アナザーフォーゼをオリジナルの活動時代ではない2018年でジオウがとどめを刺すことに成功しているが、これが二重契約による影響なのかは不明である。
アナザーウィザード
身長:198cm
体重:90kg
特色/力:魔法を操る
契約者:2012年の早瀬(演:粟島瑞丸)
契約したタイムジャッカー:ウール
登場回:EP07、08、28、43
「この力さえあれば、全部うまくいくはずだったのにぃ!」
禍々しい魔導士のような出で立ちのファントム…ではなく、操真晴人から奪った仮面ライダーウィザードフレイムスタイルの魔力が込められた「アナザーウィザードウォッチ」が、経営者の死によって閉鎖の危機に陥っていた「MAGIC HOUSEキノシタ」のスタッフ・早瀬の絶望と共鳴して発生したアナザーライダー。ぼろぼろのマントに「WIZARD」、背中に「2012」と書かれている。
後頭部に輪っかのようなものが生えており、頭部全体がウィザードリングに見立てたような形状になっている。顔はオリジナル同様宝石を模してはいるが、ファントムが現出する直前のゲートを想起させる様な罅が入っている。アナザーファイズ同様骨がデザインモチーフに取り入れられており、髑髏のような形状の両肩や胸部(フレイムドラゴンが胸部に生成するウィザードラゴンの頭部「ドラゴスカル」からの連想だろう。ぼろぼろのローブもフレイムドラゴンに準拠した配色になっている)や手の骨を模したバックルのハンドオーサーの他、後頭部には脊椎とも頭を鷲掴みにする悪魔の手ともとれるような意匠が見受けられる。これらはファントムの現出がオルフェノクの発生同様人間の死を土台としていることへの暗喩や、ウィザードの単独映画「in Magic Land」に登場した人骨で作られた装置であるタナトスの器をイメージしたものと考えられる。
オリジナルと違い姿を変えたり指輪を付け替えずとも各スタイルの魔法を使うことができ、EP07終盤でツクヨミに対して行使したスリープの魔法は距離を置いた状態から発動しており、明らかにオリジナルより強化されている。早瀬はこの魔力を利用してマジシャン「ウィザード早瀬」としてキノシタを立て直しており、少なくともこの時点では他人に危害を加える真似はしておらずそのことが理由でソウゴとゲイツの間で衝突が起きている。
亡き父から経営を引き継いだ木ノ下香織に密かに思いを寄せており、それが仕事の動機にもなっていたのだが、同僚の長山が以前から恋仲だった彼女との結婚、そして早瀬により大きなステージに立って貰いたいという考えのもとマジックハウスを閉館する旨を報告したことで事態は一変。結果的に抜け駆けされる形となった事への絶望と怒りを覚えて長山を襲撃し、遂に道を踏み外した。ゲイツファイズアーマーによって一度は変身解除に追い込まれるものの、ウォッチを再起動させたオーラに言われるがまま長山と香織に絶望を叩きこもうと活動を再開した。エンゲージリングによってファントムの脅威に晒された人々に希望を灯した魔法使いであるオリジナルに対し、片思いの対象が他人との結婚=エンゲージするという事実に絶望し、その赴くままに動くマジシャンというのはあまりに皮肉としか言いようがない。
ジオウフォーゼアーマーによって変身解除させられた2018年の早瀬は、戦闘中ソウゴに「必要なのは魔法の力ではなく想いを伝える勇気だ」と説得された事を受けて思い人にまで危害を加えてしまうほどに暴走した自分を悔い改め、ゲイツウィザードアーマーによってアナザーウォッチを砕かれた6年前の自分に対してウォズから借りたファイズフォンX越しに「結果はきっと変わらないが、お前の未来は必ず変わる」と、励ましのメッセージを送り香織に思いを伝えるよう促した。
その後は「MAGIC Cafe AQUA」にてマジシャンとして活動していた。アナザーライダーの残滓を集めて回る飛流の襲撃を受けるが、ジオウに阻止されたことでこの時は難を逃れる。そして嘗ての勤務先であるキノシタ跡地を訪れるが、アナザーウォッチを与えられた場所でもあったためか一度消滅したはずのアナザーライダー時の記憶がフラッシュバックし、混乱しているところに現れたに飛流により残滓を回収されてしまった。
アナザーオーズ
身長:194cm
体重:86kg
特色/力:3種の動物の能力を操る
契約者:2010年の檀黎斗…改め檀黎斗王
契約したタイムジャッカー:ウール
登場回:EP09、10、25、28、41、43
「私が、王だぁぁぁぁぁあぁぁ!!」
タカ・トラ・バッタのコアメダルから生み出された合成獣系グリード…ではなく、火野映司から奪った仮面ライダーオーズタトバコンボの力で作り出した「アナザーオーズウォッチ」を正史では仮面ライダーゲンムにして幻夢コーポレーションのCEOであった檀黎斗に装填したことで発生したアナザーライダー。レジェンドライダーがまさかのアナザーライダー化という衝撃の事態を迎えたが、ぶっちゃけこの男ならあまり違和感がないのは気のせいだろうか。ウールが彼に目を付けたのは今までの契約者にはない強い欲望が理由とのこと。
オーラングサークルの中段に「OOO」と書かれており、中央のOにはトラメダルらしきレリーフが刻まれている。背部のプレートには「2010」と記されているが、右側の0の部分に罅が入っていたせいでゲイツとツクヨミは初見の際に年号を2016と勘違いしている。
全体的にタトバコンボをグリード風にアレンジしたようなデザインが特徴で、首周りの白い毛や翼の様な頭飾りはアンクを、籠手状のトラクローや肩などに見られる小さいトゲ上の装飾はカザリを、脚部の形状はウヴァを彷彿とさせる。ジオウオーズアーマーの攻撃を受けた際にセルメダルが散らばっており、グリード同様セルメダルで肉体が構成されているようだ。オーラングサークル上段のタカのレリーフは怪人としての側面を強調するアクセントなのかショッカーマークのワシに似ており、そこから膨らませると中段のOOOはショッカーマークの地球、更に下段のバッタはショッカーに屈したライダーとの解釈もできる。この構図は歴史改編によりショッカーの支配下に置かれた世界が舞台である映画『オーズ・電王・オールライダーレッツゴー仮面ライダー』や『スーパーヒーロー大戦GP仮面ライダー3号』を思わせるともに、王として何れは世界征服を果たそうとする黎斗の野心の現れとも見れる。他のアナザーライダーに比べると怪物っぽさはやや抑え気味な感があるが、曲がりなりにも正史では正式なライダーだった影響なのかもしれない。
オリジナルのタトバ同様タカ・トラ・バッタの性質を併せ持ち、それを活かした戦闘スタイルを得意とする。セルメダルを使い屑ヤミーらしき怪物を生成するというグリードに類似した能力を有しており(しかも態々割る必要がない)、家来として使役している。屑ヤミーといえばふらついた動作が特徴だが、変身者を考えるにデンジャラスゾンビも意識した人選なのだろう。ちなみに後述の泉比奈にリクエストした衣装のテーマもゾンビであり、更に言えばゾンビゲーマーとタトバコンボのポーズも偶然似ていたりする。
正史の黎斗は己の才能を他者に誇示するという自己顕示欲に突き動かされマイティノベルXまで突っ走り続けたが、ソウゴが永夢から力を継承したことで『仮面ライダーエグゼイド』の歴史が封印された結果、バグスターウイルスが発生しなくなった事で「檀黎斗神の名を捨て一周回ってただの檀黎斗に戻った男」にまで至るまでの根本が失われてしまい、母である櫻子は形見ともいうべきポッピーピポパポを残すことなく病死した可能性が高い。永夢という最高のモルモットを得ることが出来なかったためにクリエイターとしての「神の才能」が刺激される事もなく、父である檀正宗との確執がのしかかる中で行き詰まりを感じるほどに追い込まれてしまう。そんな状況下でアナザーライダー化した影響により神をも超える王になるという野心を目覚めさせ、その欲望にも歪みが生じ権力欲や征服欲の側面が強まってしまったようだ。
そしてアナザーライダー化してから6年後の2016年に正宗を絶版に追いやり絞殺し檀コーポレーションの乗っ取りに成功(正宗の遺体は発見されておらず、失踪事件として扱われている)。社名を檀ファウンデーションと改めて自らを「檀黎斗王」と名乗り、2018年には日本からの独立宣言をった。また、歴史改編によって国会議員となった王の力を得る筈だった男…すなわち映司を拉致し、自身に真正面から反発した比奈に対しては興味を抱き妃に迎えようと目論む。そしていい魔王を目指し勉強をしようと接触を図ってきたソウゴに対しては、既に王となった自分のもとにいれば諦めがつくであろうという打算のもと王室直属の騎士団長として迎え入れている。
ゲイツは突如出現したタカウォッチロイドの攻撃により黎斗が落としたゲンムライドウォッチを回収後、2016年に移動してゲイツゲンムアーマーに変身しアナザーオーズを一度撃破するが何事もなくコンティニューしており、結局は2010年でジオウオーズアーマーが撃破するという他のアナザーライダーと同じ形でとどめを刺す事になった。正史においてはゲンムだったと言えどあくまでアナザーライダーとしてのパワーソース・発生時代はオーズに準ずる以上、ウォズの言う通りオーズの力が無ければ倒せなかったわけだが、2016年のアナザーオーズが撃破された際2018年の黎斗に一時的に異変が生じていたことから、実はゲンムとオーズの両方の力で倒す必要があり先述の異変はその片方のフラグが満たされたサインだった、という可能性もある。
ちなみにレギュラー陣からは散々な言われようであり、黎斗の姿を生で見た際ツクヨミからは「何かこいつヤバイ」と言われている。その気持ちよくわかります。そして魔王信奉者であるウォズからは「王を僭称する者」として訝しがられてたあげく、ジオウに倒された際は「偉大なる魔王が生まれるための偉大なる肥やし」とトドメの一言を言い渡された。実際ソウゴにとって反面教師と言う名の糧となったので強ち間違いではない。今までのアナザーライダーと違い決着後のフォローがなかったが、正史の黎斗を形作るための因子が悉く抜け落ちた事を考えれば、魔王生誕のためのモルモットに成り下がるのは必然だったのだろう。逆を言えば『エグゼイド』正史における黎斗がいかに危ういバランスの元に成り立っていたかを己が身を以って証明したという事だろうか。そばに転がり落ちたアナザーウォッチは一見砕けたような描写がなく何らかの形で再登場するという説もあったが、EP25冒頭にて思わぬ形で姿を見せることになる。
アナザー鎧武
身長:203cm
体重:105kg
特色/力:亜空間への干渉/大剣
契約者:2013年のアスラ(演:友常勇気)
契約したタイムジャッカー:スウォルツ
登場回:EP11、EP12、25、27、28、41、43
「5年だ…俺は5年をかけて頂点に立った! 誰にも邪魔はさせない!」
鎧武者の様な外骨格が特徴のオーバーロードインベス…ではなく、葛葉紘汰から奪った仮面ライダー鎧武オレンジアームズの力で作り出した「アナザー鎧武ウォッチ」が、何らかの理由で戒斗によってチームバロンから追放されたアスラという男の身体を侵食する事により発生したアナザーライダー。
右肩に「GAIM」、左肩に「2013」と書かれており、ライドウェアの形状はオリジナルよりも和の要素が強くなっている。髪を剃り落とした月代のような感じの頭部と後頭部から垂れ下がった髪は落武者を彷彿とさせ、パルプアイ内部のツインアイは自身をチームから追放した戒斗への恨みからか怒りの形相を見せている。クワガタにあたるフロントブレードは額になく頭頂部に突き刺さっており、そこから流血しているかのような模様も相俟って非常に痛々しい。全体的にその頭部形状は黒影に似ているとの声もある(初瀬亮二もアスラ同様チームメイトから見放され怪人化の道を辿ったダンサーという共通点がある)。
装甲はオリジナルに比べて錆び付いた様な色をしており、腐ったミカンないし枯れ木をイメージしているものと思われる。また、肩には枯れ枝もしくはヘルヘイムの植物による侵食を形容したかのような植物の蔦らしき意匠がある。錠前のような形状のバックルについているカッティングブレードは刃の向きがオリジナルと真逆であり、その見た目やサラシ状のベルトから切腹を連想させるデザインとなっている。
得物は大橙丸とロシュオの武器を足して割ったような形状の大剣で、オリジナルと違い無双セイバーに相当する武器は所有していない代わりにオレンジ状のエネルギー弾による攻撃が可能。初級インベスらしき怪物を召喚・使役したり、亜空間への干渉により原典同様ヘルヘイムの森に通じているクラックを開く能力を持ち、クラックは通常のものとは異なり裂け目が錆び付いている。
追放への逆恨みで戒斗をヘルヘイムにに隔離し、それ以降も同じ手口で5年間もの間チーム内の邪魔者を排除し続けた事でチームバロンを乗っ取っており、この一連の行為は連続失踪事件として新聞に取り上げられている。EP11の冒頭では早くも2013年に転移して鎧武アーマーを装着したジオウとの対決が描かれており、必殺技をまともに食らったが始まりの男として覚醒していた紘汰の(恐らくは時間を跳躍した)介入により倒されることなくその場を逃走している。また、2018年では3日後の時間軸からやってきたもう一人のジオウがアナザー鎧武を倒そうとした現在のジオウを制止している。
彼等がまだアナザー鎧武を倒すべき状況にはないと言う考えに至ったのはヘルヘイムから「良い魔王になるために必要な存在」であるゲイツを救い出すためであり、ソウゴや戒斗の助力もありクラックの裂け目を通じてゲイツは無事帰還を果たし、スウォルツによってヘルヘイムに投げ込まれた鎧武ライドウォッチもコダマスイカアームズの支援により彼が持ち帰る形で再びソウゴの手に戻った。2018年では現在の、2013年では3日後のジオウ鎧武アーマーによってトドメを刺されアナザーウォッチは崩壊し、チームバロンの面々もその際に開いたクラックから帰還。戒斗は凶行に走ったアスラに対し「自分の力で頂点を掴み取る覚悟がない奴に居場所はない」と辛辣な言葉で引導を渡しその場を去った。
変身者のアスラは阿修羅に由来する名前を持つことから鎧武外伝に登場したシュラを意識している節がある。シュラもチームバロンを追われた者という共通点を持ち、彼が変身するブラックバロンはある意味アナザーバロンともいえる存在である。
アナザーゴースト
身長:204cm
体重:96kg
特色/力:人間の魂を吸い取る
契約者:2015年のマキムラ(演:堀池直毅)
契約したタイムジャッカー:ウール
登場回:EP13、EP14、25、27、28、42、43
「人を傷付ける奴は、許さない…」
人間界の英雄である天空寺タケルの眼魂から作られた眼魔…ではなく、天空寺タケルから奪った仮面ライダーゴーストオレ魂の力で作り出した「アナザーゴーストウォッチ」を、妹のミカを鉄骨の落下事故から庇った警察官のマキムラに埋め込むことで発生したアナザーライダー。
パーカーの背中部分に「GHOST」「2015」の文字が書かれている。オリジナルが幽霊を題材に扱ったことを反映してか、アナザーライダーの中でも特に不気味な姿をしており、一見するとホラー映画のモンスターと言われても違和感がないレベルである。黒いウィスプホーンが生えた頭部にはイーディス長官こと仙人を思わせるような白髪が生えており、差し詰めジャック・オー・ランタンの色をしたヴェノムといった感じの形状をした顔面には縫い目の様なものが見られる。まるで人の皮で作られたマスクを縫い付けた様な構造になっており、洋画『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスを彷彿とさせる(あちらは単に被っているだけという違いはあるが)。至る所にリベットが撃たれた黒いスーツのデザインは『仮面ライダー剣』の怪人であるアンデッドを想起させる。幽霊→アンデッドという連想なのだろうか。また、破けた袖から露出した前腕は血管が剥き出しになっているうえにところどころ腐敗しているかのような造形であり、遺骨が裏モチーフと言われているオリジナルに対してゾンビを意識しているかのようである。黎斗「神の許可なくゾンビライダーを名乗ることは(ry」貴利矢「はいはい黙ってなって、神」
マキムラは先述の事故の際、ウールが持ち掛けた契約を断りミカを助け身代わりとなって死亡した後にアナザーウォッチを埋め込まれ無理矢理アナザーライダーとして蘇生させられた。力づくで復活させられたという違いはあれど、死後に仮初の命を与えられた存在という点ではオリジナルと同じである。ウォッチによって生命活動を維持している状態のため、仮に変身が解除された場合は再び絶命してしまう。その事実をウールから告げられた際はさすがのソウゴも戦うのを躊躇っていた。
人間の魂を抜き取って胸の不気味な眼球に取り込んだり眼魔コマンドに類似した怪物を召喚・使役する能力を持ち、抜き取った魂から生み出したパーカーにより自信を強化する事も可能。アナザーライダーとして蘇生した後は人命にかかわる事故を引き起こそうとしていた者の魂を奪い取って回るという生前の警察としての使命感が暴走するかのような行動を続けていた。魂による強化は知らなかったようで、ウールにその能力を教えられて実行した際は力を制御できずに暴走して無差別的に周囲の市民に襲い掛かり、止めに入ったソウゴの魂を肉体から引き離し幽霊状態にしてしまった。
ソウゴと共に2015年に遡ったタケルの手によって事故が事前阻止された事でマキムラの事故死は発生しなくなったものの、時間停止を発動させたウールが強引にマキムラにアナザーウォッチを埋め込んだため結局アナザーゴーストの発生までは防げずじまいとなった。その後タイムジャッカーの妨害を振り切ったソウゴ・ゲイツと工事現場にて対峙。最後はジオウディケイドアーマーゴーストフォームによって撃破されたことでアナザーウォッチは崩壊し、マキムラは元に戻った。強引にウォッチを埋め込まれていたせいか、アナザーライダー化していた頃の記憶はなかった模様。
アナザーダブル
身長:195cm
体重:85kg
特色/力:格闘、風と黒煙を操る、フォームチェンジに応じた特殊攻撃
契約者:不明(声:伊藤健太郎)
契約したタイムジャッカー:ティード
登場回:映画『平成ジェネレーションズFOREVER』、EP43
「サイクロン」と「ジョーカー」のガイアメモリをパワーソースとするドーパント…ではなく、左翔太郎とフィリップから手に入れたと思しき仮面ライダーダブルサイクロンジョーカーの記憶がプログラムされた「アナザーダブルウォッチ」を媒介とする半分こ怪人アナザーライダー。映画『平成ジェネレーションズFOREVER』に登場し、ティードの放つ刺客として仮面ライダー達に立ち塞がる。
左腿には「DOUBLE」、右腿には「2009」の文字が確認できる。2つの半身を繋ぎ止めているのはセントラル・パーテーションではなく生々しい縫い目であり、あしゅら男爵が如く2つの体を継ぎ接ぎしたようなその痛々しい姿は後述の頭部形状もあわせてまさしく「二人で一人に成り損なった仮面ライダー」と呼ぶに相応しい。頭部は側面にも目のようなものを備えており、よく見ると横向きになったサイクロンサイクロンとジョーカージョーカーの顔をくっつけたような異形の形状である。また、側面の角はクウガ・アギトに似ているが、これが何を意味するのかは不明。
右半身はウィンディスタビライザー(オリジナルのサイクロンボディが身に着けているマフラー)の代わりにミイラのような包帯が部分的に巻かれているほかオリジナルに比べ青みがかった色をしており、ナスカ・ドーパントに近い色合いのようにも見える。有志によって作られたコラ画像「ナスカジョーカー」が疑似的に実現してしまったというべきか。一方左半身はジョーカー繋がりという事で相川始の正体であるジョーカーを意識してか、アナザーゴースト同様アンデッドのレザースーツを思わせる質感をしている。バックルの形状は鳥を模しておりエクストリームメモリを想起させる。半身の能力を切り替える能力を持ち、その能力に応じて体色が変わるというオリジナルの特徴が受け継がれており、作中ではルナジョーカーに変異してフータロスを翻弄した。
最後はジオウダブルアーマーによって倒されたが、尺の関係で人間態は登場しないままに終わっておりその正体は明かされていない。
2023年1月になって、プロデューサーの白倉伸一郎がツイッターでアナザーダブルの没設定を明かした(→該当ツイッター)。それによれば、アナザーダブルの正体は元ライダーファンの現ライダーアンチという設定だったという。さらに、アンチになった理由として2011年に発生した東日本大震災でライダーが助けてくれなかったことがほのめかされている。しかし、あまりに重い設定だったためか、消化しきれず全カットになってしまった。
TV本編にはEP43でアナザージオウIIに召喚された個体として登場。アナザーファイズと共にウールとオーラを捕獲するための刺客としてスウォルツに差し向けられたが、またもジオウダブルアーマーに倒された。
アナザー電王(‘07)
身長:190cm
体重:87kg
特色/力:アナザーデンライナーの使役、荒々しい戦闘
契約者:久永アタル
契約したタイムジャッカー:ティード(ウォッチを与えたのはアナザーダブル)
登場回:映画『平成ジェネレーションズFOREVER』
「ライダーなんか存在しねえんだよ。消えろ、消えちまえ!」
昔話「桃太郎」から鬼の親分をイメージして実体化したイマジン…ではなく、フータロスを追ってソウゴと共に過去の時代を訪れたアタルに、アナザーダブルがティードによって生成されていた「アナザー電王ウォッチ」を憑依させることで発生したアナザーライダー。
アナザーデンガッシャーをマウントしているローブの部分に「DEN-O」「2007」の文字が刻まれている。アナザー電仮面の複眼部分は悪魔の角を思わせる形状(イマジンの他者に取りついて身体を操るという特性からロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリの触覚がモデルとの説もある)で、バックルはデンオウベルトとは似ても似つかず、シルエットやカラーリングがン・ダグバ・ゼバと類似している。アナザー電仮面は展開する事が可能で、アナザーライダー化する前の自分自身と遭遇した際、挑発的な表情を浮かべながら素顔を見せている。
また、発生と同時に「アナザーデンライナー」なるものも生み出されている。外見はデンライナーゴウカとアナザー電王の顔を足して割ったような感じで、ティードの移動基地として使用される。
アナザー電王に変貌したアタルはそれまでの友好的な態度が嘘のようにティードの先兵としてフータロスやソウゴに牙をむいており、明らかにアナザーウォッチの支配下に置かれて正気を失っていることが伺える。
このアナザーライダーの存在は即ちティードが良太郎の力を奪い取ったことを意味していた…かに思われていたが、ティードの本拠地から転移させられた別空間で彼の目の前に現れたのはオリジナルの電王であった。電王のアナザーウォッチ生成はできても、特異点である良太郎の力と記憶を消去する事はタイムジャッカーを以てしてもかなわず、オリジナルの電王はアナザーが発生してもなお健在だったのだ。白倉Pが電王をディケイドと共に劇薬と位置付けていた真意はここにあったのだろう。オリジナルとアナザー、2人の電王の対決はオリジナルが繰り出したデンライダーキックによって終結し、アタルはティードの支配下から解放された。そしてこれは同時に、机上の空論とされていたオリジナルのライダー本人によるアナザーウォッチの破壊が実現した瞬間でもある。
アナザークウガ
身長:9.23m
体重:6.4t
特色/力:翅による飛行、火球
変身者:ティード
契約したタイムジャッカー:無し(ティード自身が変身したため)
登場回:映画『平成ジェネレーションズFOREVER』、EP43
「根絶やしだ…ライダー共は…根絶やしにしてやるううう!!!」
グロンギに属するン・ダグバ・ゼバとは別個体のクワガタ種怪人…ではなく、平成ライダーシリーズ開始の前夜である2000年1月29日へと時空転移したティードが、後の時代で五代雄介に齎される事になる仮面ライダークウガマイティフォームの力を九郎ヶ岳遺跡に封印されていたアークルから直接抽出して作り出した「アナザークウガウォッチ」を自ら取り込んでアナザーライダーへと変貌した姿。
右肩に「KUUGA」、左肩に「2000」と書かれている。5本ではない手足の指(故にサムズアップは不可能)や長く伸びた腕、バッタの様な形状の脚部など人型から明らかに外れた体形であり、その異形の造形は漫画版クウガにおけるグロンギを思い起こさせる。複眼の奥に有しているアナザーライダー特有の眼球は左右に4つずつ、計8つ存在しており不気味さを一層引き立たせている。
アナザーライダーは通常オリジナルと身長・体重が一致するのに対してアナザークウガはタイムマジーンと張り合うほどの巨体の持ち主でありこれまでのアナザーライダーとは大きくかけ離れた規格外の存在と言えるだろう。また、オリジナルには無い飛行能力を有しており、昆虫の様な翅を広げながら空を飛ぶ姿はクワガタの怪獣そのものである。配色はマイティフォームのそれを踏襲しているが、四肢の尖った意匠などアルティメットフォームを思わせる部分も見受けられる。
平成ライダーの歴史その物を塗り替えて消滅させようと目論み、その圧倒的なパワーを以ってタイムマジーンをあしらうが、まだアークルにはクウガの力が宿ったままであり、遺跡で対峙したゲイツがそこから作り出したクウガライドウォッチがティードの計画を狂わせることになる…。
ちなみにEP41では「加古川飛流変身の像」の周りに並ぶアナザーライダーの像の中にアナザークウガの姿もあったが、他のアナザーライダーとの兼ね合いもあり人間大サイズにまで縮小している。EP43ではアナザージオウIIに召喚された個体が登場し、口から火炎弾を吐き出してジオウ達に応戦したが他のアナザーライダー共々撃破されている。
アナザーアルティメットクウガ
身長:16m
体重:9.76t
特色/力:破壊光線/怪力/飛行
変身者:ティードと久永シンゴ
契約したタイムジャッカー:無し(ティード自身が変身したため)
登場回:映画『平成ジェネレーションズFOREVER』
自らアナザークウガとなりライダー達に立ち塞がるもジオウクウガアーマーが搭乗したタイムマジーンに敗北を喫したティードが、平成ライダーの記憶を持たない特異点であるシンゴにアナザークウガウォッチを埋め込んで融合したことで仮面ライダークウガアルティメットフォームの力を宿したより強力なアナザーライダーへと変貌を果たした姿。
アルティメットフォーム同様全身が黒に染まっており、腕の数が4本に増えたことでより昆虫然とした外見となっている。立ち位置は悪役その物にもかかわらず複眼は雄介が変身したオリジナルのアルティメットフォームと違い赤色で黒に染まっていない。
口から吐き出される破壊光線と、胸部から放出する黒煙より召喚される大量の怪人で世界中を究極の闇で覆い込もうとするも、フータロスの力によって集結した平成主役ライダー(とレーザー)達によって怪人軍団は全滅。自身はゲイツとクローズが操縦するタイムマジーン(ゲイツ機)に叩き落され後にライダーキックを次々と食らい、最後はマイティキック、ボルテックフィニッシュ、タイムブレークの挟撃により撃破され、取り込まれていたシンゴは解放された。
アナザーシノビ
身長:186.1cm
体重:86.2kg
特色/力:シノビの力を操る
契約者:2019年の神蔵蓮太郎
契約したタイムジャッカー:ウール(ウォッチはスウォルツからの"お年玉")
登場回:EP17、18
「この力が俺を変えてくれたんだ。それで俺は…王になるんだ!」
虹蛇から放たれた刺客…ではなく、ゲイツがオーマジオウを討伐したことで分岐したとされるもう一つの未来における2022年のライダー、仮面ライダーシノビの力を宿す「アナザーシノビウォッチ」を媒介とするアナザーライダー。契約者に選ばれたのはソウゴが見た夢の中の2022年でシノビに変身していた神蔵蓮太郎その人で、友人に危害を加えようとしていたゴロツキに「力の使い方を間違えている」と立ち向かうも返り討ちに会い、力に渇望していたところにウォッチを与えられこの姿になった。後にオリジナルのライダーとなる人物がアナザーライダー化したという異例のケースだが、本来の変身者であっても因子が満たされる前の時期では正規のライダーになれないものと推測できる。
右前腕に「SHINOBI」、左前腕に「二千二十二」と記されており、元が和の要素をモチーフにしたライダーのためか他のアナザーライダーと違いオリジナルの時代がアラビア数字ではなく漢字表記となっている。髑髏のような顔つき、各部にみられる骸骨のレリーフ、肋骨の様な胸部等、アナザーファイズやアナザーウィザード同様にその容姿には骨の要素が盛り込まれている。その姿をわかりやすく説明するなら忍者の姿をした骸骨といったところか。戦闘ではオリジナル同様に忍法を駆使して発火、竜巻、水流といった様々な自然現象を操ったり、影の中に潜んで移動する事が可能なほか、鉤爪や忍者刀による近接戦闘も行う。
アナザーシノビと化した蓮太郎は忍法を駆使して先述のゴロツキ達を襲撃しており、幾ら相手が悪党とはいえ特別な力のない人間に対する報復という形でライダーの力を行使してしまっている。これは渇望していた力を得たはいいがそれを持て余し、ゴロツキに言い放った「力の使い方を間違えている」という言葉が本人にそのまま跳ね返っている事を意味する。つまり2019年の蓮太郎には心の準備もないまま突如強制的に与えられたものと言えど力を真っ当に使うだけの十分な覚悟や信念がまだ備わっていないと考えるのが妥当だろう。但しシノビはソウゴやゲイツが知らない本来とは異なる歴史に存在するライダーであり、それがアナザーライダー化に影響している可能性も否定出来ない。
タイムマジーンではシノビのいる時間軸には移動できないためにソウゴやゲイツにはシノビライドウォッチを手に入れる手段がなく、それを指してスウォルツは「無敵」と称している。
仮面ライダーウォズのタイムエクスプロージョンによってしめやかに爆発四散されるも、スウォルツの手で復活して退散。スウォルツの言葉に誘導される形でいずれこの力を以って王になる事を決断したが、その後白ウォズによっておびき出されたソウゴから「未来の自分を信じてアナザーの力を棄てる勇気を持て」と説得されたことでスウォルツによるアナザーウォッチ再起動を阻み、未来の己を信じて自分自身で未来を切り開くことを宣言。この覚悟を受けてシノビの因子を察知した白ウォズはすかさず端末に「シノビウォッチが生まれた」と記述しシノビミライドウォッチを生成した。スウォルツが強引にウォッチを再起動したことで蓮太郎は再びアナザーシノビと化してしまうが、ウォズフューチャーリングシノビに撃破されアナザーウォッチは砕け散った。
ソウゴは未来で蓮太郎が正しき力を持つと信じているが、彼がシノビの因子を芽生えさせたという事実により結果的にソウゴは王としての未来を自ら遠ざける形となり、その事を黒ウォズからも指摘されている。
アナザークイズ
身長:203cm
体重:99.9kg
特色/力:他者の知識を奪い取る
契約者:2019年の堂安保(演:斉藤陽一郎)
契約したタイムジャッカー:オーラ
登場回:EP19、20
「お前の知識を寄越せ…」
別の時間軸における2040年からやってきた未来のライダー・堂安主水=仮面ライダークイズの力を内包した「アナザークイズウォッチ」を媒介とするアナザーライダー。その正体は主水の父親である研究者の堂安保。才能を認められながらも結果が追い付かず、切羽詰まっていたところにアナザーウォッチを与えられ、研究者を襲ってはその知識を吸収して回っていた。主水のいた時代では既に故人であり、研究に執着するがあまり家族を顧みなくなっていたらしい。
右側頭部に「QUIZ」左側頭部に「2040」の文字が確認できる。クイズは頭を使う動作(脳トレ)であるという発想からか、頭部・両肩・胸部・バックルと至る部分が脳味噌を模している。この非常にグロテスクな姿は研究への執着心の末に知識欲を暴走させた保の精神状態の体現とも取れる。両肩には電気信号や頭を使う事による脳への刺激をイメージしているのか、電極のような意匠が刺さっている。頭部にあるミリオンクエスチョン(「?」マーク状の器官)は天辺が眼球を模したシルクハットのような形状で、体の各部には血管を思わせる赤と青のチューブが巡っている。
ウォズフューチャーリングシノビの攻撃で一度変身解除に追い込まれるも、オーラによって再起動しその場から逃走。白ウォズの手でクイズと再び対峙させられ、オーラの時間停止を打ち破ったゲイツとクイズの同時攻撃によって再び撃破される。その後変身を解除した主水から人生で誰かを愛したとしたらそれは誰かを問われると、妻である事を明言し蟠りを氷解させた。
しかしオリジナルであるクイズの攻撃を食らったにもかかわらずダメージが不十分だったのかアナザーウォッチの破壊には至っておらず、オーラの手によってまたしてもウォッチを埋め込まれてしまう。白ウォズが主水にブランクウォッチを翳して入手したクイズウォッチで変身したフューチャーリングクイズの攻撃によって三度撃破され、今度こそアナザーウォッチは砕け散った。
今までのTVシリーズに登場したアナザーライダーとは違いオリジナルのクイズと共存しているという異例の事態となっているが、そのクイズに対する答えは第20話放送後に東映公式サイトで明かされた。クイズは白ウォズが未来から呼び寄せたライダーという点が肝であり、アナザークイズの発生でもし主水=クイズという事実が消滅すると白ウォズが主水を2019年に連れてくる理由が失われ、アナザークイズ発生に必要な2040年からの主水招聘自体が無かった事になり必然的にアナザークイズも発生しないというタイムパラドックスが起きてしまう。結果アナザークイズ発生やクイズミライドウォッチ生成は主水のクイズとしての力や記憶を揺るがすには至らなかったという事のようである。同じ未来のライダーであるシノビは元の活動時代である2022年でアナザーウォッチが生成されたため、少なくともクイズとは事情が異なる。
ちなみに前腕や脛から足首にかけての形状がアナザー鎧武とほぼ同じだが、EP25にアナザージオウの変身という形で再登場したためスーツがそれの改造かは不明。
アナザーリュウガ
身長:190cm
体重:90kg
特色/力:鏡の中の異世界と現実の往来/鏡で敵の攻撃をはね返す
契約者:2019年の鏡像の城戸真司
契約したタイムジャッカー:ウール
登場回:EP21,22
「お前にも俺は倒せん。俺は仮面ライダーリュウガだからな」
ミラーワールドに生息する漆黒の龍人型ミラーモンスターにして劇場版『EPISODE FINAL』およびTVスペシャルに登場した仮面ライダーリュウガの力を内包する「アナザーリュウガウォッチ」を媒介に発生したアナザーライダー。史上初となるサブライダーのアナザーライダーであり、元が敵役だったこともあってかアナザーライダーの中でも特に凶悪そうな雰囲気が漂っている。
その正体はアナザーシノビと同じくオリジナルのリュウガであるミラーワールドの城戸真司(つまり、ミラーモンスターでもある。以下、「裏真司」と表記)。『龍騎』TVシリーズ最終話で時間軸をループして繰り返されてきたライダー達のバトルロイヤル自体が神崎兄妹によって完全にリセットされて行われなかった事になり、それまでのループでミラーモンスターと契約してライダーとなった者達もアナザーライダーの有無に関係なくその記憶を失っている可能性が高く、ミラーワールドも先の改変によって開かれる事なく現実との繋がりが断たれていた筈だった。しかし士はタイムジャッカーに「数千回に一度鏡が割れる瞬間にだけ繋がる」と語っており、その情報を頼りにウールは割った鏡の中に裏真司を発見し、アナザーウォッチを提供している。失われたライダーシステムをアナザーウォッチとして復元する所に改めてタイムジャッカーの底知れぬ能力が垣間見える。
左胸に「RYUGA」右胸に「2002」と書かれているが、リュウガが元々ミラーワールド内の存在だったことを反映してか文字が左右反転している。その姿はどちらかというと『HERO SAGA』に登場したリュウガサバイブに近く、更に言えばサバイブを中華風にアレンジした感じになっている。オリジナルの契約モンスターであるドラグブラッカーが東洋の竜をモチーフにしている事からの発想だろうか。左腕にブラックドラグバイザーがない点もサバイブと同様だが、武器はドラグバイザーツバイではなく無印同様のドラグセイバーおよびドラグクローであり、ドラグクローでの攻撃時にはドラグブラッカーと同じ鳴き声が発せられる。ウォッチを見ればわかるが、アナザーライダー特有の眼球を内蔵した複眼はちゃんと存在しておりその部分は龍騎同様にバイザーが隆起している。また、ベルトのベントホルダーは龍がVバックルを加えたようなデザインになっている。劇場版の様にドラグブラッカーを使役できるかは不明だが、もし可能だとしてもアナザー電王のケースから禍々しい姿に変貌しているものと思われる。
オリジナル同様ミラーワールドと現実世界を自由に行き来できるほか、攻撃を受けると鏡を発生させて相手にそのまま跳ね返すというチートじみた能力が追加されており、受けるダメージが大きければ大きいほど反射するダメージも増大する。ただし跳ね返せるダメージには限界があり、後述するジオウIIの攻撃は強すぎて反射する前に鏡が叩き割られてしまっている。優勢であってもトドメを刺さず撤退する描写があることから現実世界での行動時間に制限時間がある点は以前のリュウガと変らない模様。
リュウガと対関係にある仮面ライダー龍騎=現実世界の真司が嘗て記者として携わっていたニュースサイト「OREジャーナル」の元フォロワーを襲撃し続けている。現在はすでに閉鎖されており、元編集長の大久保大介はSNSの隆盛により一般人が気軽に情報発信が出来る様になった事で時代のニーズに合わなくなったためと語っている。真司は裏真司の存在に気付いており、自宅の鏡やガラスを目張りして襲撃を防ぐという榊原耕一と同じような方法で対策をしていたが、ストーブを消し忘れていたせいで大久保の情報を頼りにソウゴとゲイツが自宅を訪ねた頃には一酸化炭素中毒寸前という事態に陥っていた。ミラーワールドとの繋がりがほぼ断たれた以上2002年に遡りオリジナルのライドウォッチを入手して倒すという今までの手段は通用しないが、白ウォズは真司本人を始末すればアナザーリュウガも消せると考えており、彼を突け狙い始める。
真司は裏真司についてOREジャーナルから離れていった読者達を無意識のうちに恨んでいた己の心の闇が具現化した存在ではないかと考えており、それがOREジャーナルの元フォロワーを襲撃している理由と推測している。逆恨みだと思いつつも心の奥底にはそんな情けないことを考える自分がいることを認めており、鏡像の自分も本当の自分として受け入れなければ先へは進めないという彼の言葉を受け、ソウゴは未来の自分にかける決意をミラーワールドの自分に宣言し、金色のジオウウォッチIIを受け取った。
白ウォズのノートに誘導される形で行われた再戦ではゲイツのタイムバーストを反射して息の根を止めるが、ジオウウォッチIIの力で時間が巻き戻されたことでゲイツが復活。ウンメイノー
ソウゴが変身したジオウII相手には反射能力も通用せず、未来予知によって行動を読まれてしまい反撃も儘ならずミラーワールドへの撤退も先にガラスを割られたことで失敗。最後はキングギリギリスラッシュによって撃破され、ソウゴから「城戸真司はあんたを受け入れた。後はあんたが城戸真司を受け止める番だ」と諭された。
『龍騎』のライダーは基本的にVバックルさえあれば誰でも変身可能であり、数あるライダーの中でもある意味変身資格とは最も縁遠い部類であるにもかかわらず、よりにもよってオリジナルがアナザーライダー化しているという非常にややこしい存在である。上述の通り『龍騎』本編の戦いがリセットされVバックルの存在ごと無かった事になった影響でライダーとしての因子を失っていたか、単純にアナザーウォッチはオリジナルの変身者であろうと関係なくアナザーライダーに変えてしまうという可能性が考えられる。それでもジオウ達を圧倒したその様は本来の変身者としての面目躍如といった所か。
東映公式サイトでは、『龍騎』の歴史はなくなってもライダーバトルが繰り返されていたという事実は消失しておらず、ミラーワールドの出現と共にリュウガ復活が果たされたのではないかという説が語られている。
アナザーキカイ
身長:210.5cm
体重:1.8t
特色/力:有機物への寄生
宿主:不明→樹木→ウール
契約したタイムジャッカー:オーラ…になる筈だったがなかった事になった
登場回:EP23,24
「何で…何で僕が…?」
ソウゴが夢の中で見た、オーマジオウが君臨する時代からさらに半世紀以上先の未来である2121年の世界を支配する機械生命体ヒューマノイズ達から人類を守るべく戦う機械の青年・真紀那レントが変身する仮面ライダーキカイの力を有するアナザーライダー。タイムジャッカー達も全く出自を知らず、特定の人物が変異して発生したわけでもない正体不明の存在である。
胸部に「KIKAI」、左肩の後部に「2121」の彫刻刀で掘られたような文字が書かれている。木でできた怪物のような姿をしており、触覚の形状など部分的に名残はあるもののいかにもメカニカルな外見のオリジナルとは似ても似つかない。漢字で書くなら機械ならぬ「木塊」或いは「木怪」ないし「奇怪」といったところか。木がモチーフなのは「機」「械」の部首が木偏であることやレント役の入江甚儀氏が主演した『キカイダーREBOOT』の原作である『人造人間キカイダー』の漫画版に於ける基盤とされるピノキオからの発想であろう。
本体は触覚・鼻・顎を形成している昆虫型の生命体であり、有機物に寄生して人型の身体を得る能力を持ち、肉体が失われても別の有機物を宿主とすれば復活が可能。鞭状に伸ばした左腕の触手による攻撃の他、オリジナルの様に体に力を貯めて「キカイデハカイダー」「フルメタル・ジ・エンド」に類似した技を放つことが出来る。ただしソウゴがこの怪人をキカイのアナザーライダーと認識できたのはこの技を見たからではなく、アーマータイムで独自のずれた解釈をする感性故らしい。
アナザーウォッチを媒介としていないためか、ジオウIIの力をもってしても宿主で形成した肉体を破壊するのが精一杯で、本体を倒す事は出来なかった。アナザーキカイウォッチの生成を目論むスウォルツはウールを触媒にしてアナザーキカイの力を安定させればウォッチを作成可能になると踏んで、ジオウIIに敗れた本体が活動を再開する前に拾いソウゴが見た予知夢の通りウールに寄生させてアナザーキカイの憑代にしてしまった。イレギュラーな形にはなるがアナザークウガに続いてタイムジャッカーがアナザーライダー化した事例となる(TVシリーズ本編では初)。
この非常事態に対してオーラがウールを助るべくライダー達に協力を依頼した事を機に、ソウゴたちはアナザーキカイ打倒という利害一致のもと一時休戦という形で共闘することになった。ソウゴは夢の中の2112年の世界でレントが「WILL BE THE BFF(BEST FRIEND FOREVER)」という合言葉で皆を励ましていた事を彼の仲間であるマルコという少年から聞き、それがアナザーキカイをシャットダウンするためのパスワードと直感。
白ウォズのノートで採石場おびき出されたアナザーキカイとの戦いでは上述のワードを打ち込むもエラー表と認証されてしまう。そこに駆け付けたツクヨミはソウゴが子供の頃から持っていたロボットの玩具の背中に書いてあった「WILL BE THE KING」を打ち込むよう告げた。しかしキカイの力を手に入れることに迷うゲイツが躊躇う隙を狙い、時間停止で割って入ったオーラが先述のワードを打ち込むとアナザーキカイはシャットダウンし、アナザーキカイウォッチが生成される。オーラが協力を申し出たのは全てウールを傀儡に新たなる王を生み出すための嘘であり、アナザーウォッチを彼女に埋め込まれたことでウールは再度アナザーキカイに変貌し、暴走しながらミサイルを乱射してツクヨミを葬り去ってしまう…かに見えた。
ここでアナザーリュウガ戦でも見せたジオウIIの時間遡行能力でツクヨミがワードを打ち込むよう告げるところまで時間が巻き戻る。一瞬の躊躇がツクヨミの生死を分ける事を思い知ったゲイツはジオウIIがオーラを足止めしている間にパスワードを打ち込み、白ウォズはキカイミライドウォッチの生成に成功。フューチャーリングキカイによってアナザーキカイは倒され、本体は跡形もなく消え去った。解放されたウールに対し、オーラは最初から自分とスウォルツの策略でウールをアナザーキカイの憑代に選んだことを明かした。ウールはオーラと共に撤退したが流石に今回の扱いは納得がいかなかったようでこの一件を根に持っているらしく、EP36でスウォルツが北島祐子に「お前の意見など求めていない」と言われ絶句したときには思わず吹き出している。
玩具に書かれていた文字が正解のパスワードだった事からツクヨミはソウゴには自分が思い描いた未来を作り出す力をもつと確信し、ソウゴの人知を超越した力に強い戦慄と恐怖を覚えた。玩具に書かれていたワードとソウゴの見た夢がキーとなって仮面ライダーキカイがいる未来が成立し、それを基に発生した存在が出自不明とされていたアナザーキカイの正体のようである。
アナザーブレイド
身長:201cm
体重:101kg
特色/力:大剣を操る
契約者:栗原天音
契約主:白ウォズ
登場回:EP29、30、43
「始さああああああん!」
アンデッドの細胞と剣崎一真のデータを基に造られた改造実験体トライアルA…ではなく、白ウォズがスウォルツから譲り受けた仮面ライダーブレイドの力を宿す「アナザーブレイドウォッチ」を、『仮面ライダー剣』から年月が経過し成人した栗原天音に与えたことで発生したアナザーライダー。化身時にアナザーブレイドの頭部を模した禍々しいデザインに歪められたオリハルコンエレメントが天音の体を通過するというオリジナルに類似した現象が起きている。
一応『ジオウ』初となる女性怪人なのだが重騎士のようなごつい体格であるためかソウゴ一行も正体が女性であることには気づかず、黒ウォズも初見で「彼」と呼称している。アンダースーツはアナザーゴーストやアナザーダブルの左半身同様アンデッドを思わせるリベットが打ち付けられたレザー調で、至る所にトゲ状の装飾がある。眼球は人間のそれに酷似した不気味な形状で複眼状のカバーが存在しないが、これは剣崎が変身するオリジナルブレイドのエレファントアンデッド戦におけるマスク割れ演出へのオマージュや『剣』最終話で人ならざる者であるジョーカーなった剣崎とは逆に変身者が人間であることの強調との説がある。また、胸部から腹部にかけての装甲は天音の相川始への想いを反映してかスペードともハートともとれるような形状をしており、更に腹部には上述のスート2種をモチーフとするブレイドと仮面ライダーカリスを現しているのか、ジョーカーの紋章を逆さまにしたようなマークが刻まれている。
体の各パーツはスペードスートを中心に様々なアンデッドを思い起こさせ、巨大なスパイクの生えた肩装甲はリザードアンデッドやボアアンデッド、頭部のディテールはトリロバイトアンデッドの子孫たる三葉虫、角の部分はビートルアンデッドないしカブトムシの英訳(rhinoceros beetle)から転じてライノセラスアンデッド、人間そっくりの眼球はヒューマンアンデッド、両腕のアンモナイト状の刻印はシェルアンデッドのラウズカードのイラスト、ベルトのバックルに刻まれた髑髏はウロボロスの骨を模した上級アンデッドのバックル彷彿とさせる。このアンデッドの寄せ集めの様な姿はベルトにラウズカードを通すことで該当するアンデッドに直接変身できるというジョーカーの性質や、13体のアンデッドと融合したキングフォームへの皮肉が込められているという見方もできる。
武器は醒剣ブレイラウザーに似た大剣で、オリジナルでいうところの回転式カードトレイにあたる部分には丸のこが装着されている。刀身はカマキリの鎌と湾曲したスペードを模したような模様が向かい合っており、ブレイドとカリスの対比とも言うべきデザインになっている。腹部のスペードマークから放出される電撃や大剣の切れ味強化といった能力を行使している事から、キングフォームの様にラウズカードを用いることなくその力を発動できる模様。
背中の左側に「BLADE」の文字が確認できるが、右側に書かれている年号は2004ではなくアナザージオウと同じく「2019」となっている。黒ウォズの指摘した通り発生した時代は2019年だが、その点で共通するアナザークイズ、アナザーリュウガおよび2000年に発生したアナザー電王(劇場版個体)に記されていたのはオリジナルの活動年代だった。この違いはタイムジャッカーによる意図的なルール改変によるものらしく、以降に発生したアナザーライダーも同様の法則になっている。剣崎や始はライダーの力およびジョーカーであるという事実を保っており、アナザーブレイド発生による歴史改竄は全く引き起こされていない可能性すらある。仮に今までのケースの様にアンデッドが消滅した場合、ヒューマンアンデッドもいなくなり人類史そのものが無くなる恐れがあるためであろうか?
『剣』最終話の後、始はいつ頃からか居候していたハカランダを去っており天音もその行方を知らずにいた。白ウォズが天音をアナザーブレイドに変えたのは、自分の意図に反し続けるゲイツのせいで未来のビジョンが見えなくなった事でいっそこんな世界は破滅してしまえばいいという考えに至り、始に戻ってきて欲しいと思いながらも心の奥底でその思いを押し殺していた彼女を利用して剣崎と始を引き合わせ、後述するある手口によってジョーカーを一人にすることでモノリスによるダークローチ召喚を再開させるという思惑があっての事だった。戦いの運命を避けるために始と会うわけにはいかない剣崎とは対照的に始との再会を切望する天音は正にブレイドのアナザーライダーとしてはうってつけのモルモットだったわけである。アナザーブレイドへと変貌した事で天音はその想いを暴走させ、始の居場所を力尽くででも聞き出そうと関係者がいるであろうフォトスタジオに出没して回っていた。
ジオウIIの力であれば理論上撃破可能なはずだが、肝心のジオウウォッチIIは海東大樹によって盗まれており、ブレイドウォッチもないEP29時点ではソウゴ達にアナザーブレイドを倒す手段は存在しない。やむを得ず鎧武アーマーに変身して対抗するジオウであったが、アナザーブレイドの気配をかぎつけた始が姿を現す。「その子に手を出すな」と発言したことからアナザーブレイドの正体が天音であることを見抜いているのか、彼女を守ろうという一心でカリスに変身しジオウを食い止める。しかしその直後カリスを察知した剣崎が現れ、アンデッドの本能と運命に導かれるかの様に二人の戦いが再び開始してしまった…。と、ここまでは概ね白ウォズの思惑通りに事が進んでいるが、一方で白ウォズの方も海東から受け取ったジオウウォッチIIおよびゲイツリバイブウォッチと共鳴を起こし、ジオウトリニティライドウォッチが出現するという予測外の事態に立ち会っていた。
ブレイドのライトニングブラストに巻き込まれて変身解除に追い込まれた事、始がその名を発したことで剣崎も目の前の女性が天音であることに気づいて我に帰ったように剣をおさめ、始はその場から去っていった。その後を追い現在始が隠れ住む霧双荘を訪れた天音は何も言わずハカランダから姿を消した真意を知るも、そこに白ウォズのノートに誘導される形で剣崎が現れ始との戦いを再び始めてしまう。更に二人の戦いを止めようとした天音は白ウォズによってウォッチを再起動させられたことでアナザーブレイドに再度化身し、正気を失ってブレイドとカリスを無差別的に攻撃する。そして二人からライダーとジョーカーの力を奪い取ってしまい(オリジナルのラウズカードによるアンデッド封印から発展した能力と思われる。また、ジョーカーでなくなったことの証明として剣崎と始は血の色が赤くなっている)、彼女がジョーカー=封印されていない唯一のアンデッドと認識されたことでローチの如く大量量産されたジョーカーらしき存在を引き連れたモノリスが出現し、世界崩壊の危機が訪れる。
しかし駆け付けたソウゴが白ウォズから手渡されたトリニティウォッチによりゲイツ、黒ウォズと融合・変身したジオウトリニティによって撃破され、砕け散ったアナザーウォッチと共に彼女が奪った力によって生成されたブレイドウォッチとカリスウォッチが排出される。ブレイド・カリスの力がライドウォッチに取り込まれたことによりジョーカーの存在そのものが封印されバトルファイトが終焉を迎えたと認識されたのか、それと同時にモノリスも消滅していった。元の姿に戻った天音は始に何かあったらすぐに駆け付けること言葉をかけられ、「自分の世界を探してみる」と新たな人生の一歩を踏み出すことを約束した。戦いの運命と過去の柵から解放された剣崎、始、天音が明るい未来へ進むことを期待したい。
ジョーカーの力は元が人間であった剣崎は兎も角、誕生の瞬間からアンデッド・ジョーカーであった始にとって根本たる要素の筈にも関わらずそれを失ってもなおその場に存在しているが、長らくヒューマンアンデッドの姿を借り続けた事で精神の在り様が変化していった結果、相川始としての精神は残ったままヒューマンアンデッドと存在が統合されたとも考えられる。
アナザー龍騎
身長:190cm
体重:90kg
特色/力:火炎攻撃
契約者:加納達也(演:石田隼)
契約主:仮面ライダーオーディン?
登場回:RIDER TIME 仮面ライダー龍騎、EP43
ミラーワールドに生息する深紅の龍人型ミラーモンスター…ではなく、スピンオフドラマ『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』に登場する仮面ライダー龍騎の力を有するアナザーライダー。加納達也という男が変身し、現実世界で一般人たちを襲撃している。変身時は自らアナザー龍騎ウォッチを起動するというアナザージオウ同様のプロセスを踏む。
アナザーリュウガと姿形が似ているが、胸部の「RYUKI」「2002」の文字は反転しておらず、ドラグセイバーを右手に、ドラグクローを左手に装着しているといった違いがある。フェイスガードの形状もアナザーリュウガと大きく異なり、複眼が露出している。
加納がアナザー龍騎となった経緯にはミラーワールドに真司たちを招聘し十数年越しのライダーバトルを開催したサラという女性が深く関与していた。嘗て加納はお互いの不注意が招いた自動車事故でサラをひいてしまい、彼女が回復するまで見舞いを続けていた。そのうちに二人の間に愛情が芽生え退院後二人は正式に恋仲となるのだが平和な時間は長続きせず、サラは事故の古傷が原因で昏睡状態に陥ってしまう。サラを助けたいという想いに付け込んだ何者かによってアナザーウォッチを与えられてアナザー龍騎と化してからは、サラに代わりとなる命を与えるため人々を無差別的に襲撃し、仮面ライダーオーディンに変身する謎の男(声のみ原作のオーディンと同じく小山剛志氏が担当)が被害者の生命エネルギーを集めるという殺人ゲームを現実世界で開始した。その目的は神崎士郎が試みていた新しい生命による蘇生を想起させる。アナザーウォッチを与えた人物はこの謎の男と思われる事からアナザーキカイ同様タイムジャッカーの介入が行われていないアナザーライダーという事になるが、彼の素性に関しては一切が不明である。
本作におけるミラーワールドの戦いはアナザー龍騎と化した加納を止めるための戦力を求めてミラーワールド内部に存在するサラの精神体が開催したものであり、事を重く見た彼女はタイムリミットの前倒しを宣言し、早期決着を真司達に促した。
龍騎ウォッチを持たないジオウとゲイツを苦戦させる中、ミラーワールドの戦いに勝ち残った真司が変身したオリジナルの龍騎が立ちはだかり彼との戦闘に突入するが、その最中に頭の中でサラの声が響き渡る。真司は現実世界に帰還するためにサラから残り少ない命を受け取っており、そのことを彼から知らされたアナザー龍騎は戦意を喪失。謎の男によって生命エネルギーを与えられて暴走するも、ソウゴとゲイツが真司と再会した際(ちなみにこの時真司はゲイツを秋山蓮と見間違えており、ゲイツと蓮が似ているという視聴者の間で囁かれていたネタが公式化した)に生成された龍騎ライドウォッチの力でソウゴが変身したジオウディケイドアーマー龍騎フォームによって撃破された。変身が解除されて倒れたシーンで加納の出番は終了しており、その後の去就は明らかになっていない。
ソウゴとゲイツは龍騎ウォッチがないために対抗する術がないかのようなやり取りをしていることから『RT龍騎』の時系列はジオウII登場以前(具体的にはEP20以前)と考えられるが、本作の時系列に関しては番組プロデューサーである白倉伸一郎氏がTwitter上で答えを提示しており、それによれば「ドラマ的には28話後、ソウゴ&ゲイツのバトル方面だけ21話前」との事である。
TV本編にはEP43にてアナザージオウIIに召喚された個体が登場。
"アナザーアギト”
身長:195cm
体重:95kg
特色/力:人間を自身と同じ姿に変えて増殖する
契約者:不明
契約したタイムジャッカー:スウォルツ
登場回:EP31、32、41、43
バッタに近い風貌をした、アンノウンと呼ばれる超越生命体の一種…ではなく、アギトの力によって翔一が変身する仮面ライダーアギトの力を有するアナザーライダー。
ご存知の通り、アナザーアギトというキャラクターは『仮面ライダーアギト』において木野薫が変身する仮面ライダー(以下、木野変身体と呼称)として既に存在している。名称法則がアナザーライダーともろに被っているため、もしアギトのアナザーライダーが登場した場合どのような扱い・姿になるのかは『ジオウ』最初期の頃から議論になっており、当時アナザーアギトのデザインを担当し今作にもアナザーライダーのデザイナーとして参加している出渕氏もそのことを突っ込んでいた。
EP31にて満を持して登場する事になったが、その姿形はアギトを怪物然にアレンジしたようなものではなく、概ね木野変身体に準じたものになっている。しかし胸部にある「2019」「AGITΩ」の文字、眼球を備えた複眼、アギトグランドフォームと同じ身長・体重といった差異はあくまでもこの存在が仮面ライダーアギトのアナザーライダーに相当する者、即ち「アギトに変えられてしまった者」に位置づけられることを物語っており、「アギトであろうとする者」たる木野変身体とはガワが似ているだけの別物と考えるべきだろう。アナザーダブル同様正体は不明だが、木野はウォルクリス・ファルコから受けた致命傷が元で17年以上前に既に死亡しており少なくとも彼でない事は間違いないだろう。それ以外の外見的特徴としては常時開放状態で不敵な笑みを浮かべているような表情のクラッシャー、アギトのライダーズクレストに似たデザインの肩の紋章、赤く発光するバックルやアンクポイント、原典よりも明るめの体色、身長・体重の関係か木野変身体より細身な体型などが挙げられる。「仮面ライダー図鑑」のページに記載されたインタビューによると、今後は両者を区別するため木野変身体は「仮面ライダーアナザーアギト」が正式名称になるとの事である。
オリジナルと違いフォームチェンジは出来ないもののストームハルバード、フレイムセイバー、シャイニングカリバー(劇中未使用)に相当する武器を召喚する事が可能な他、噛みついた人間を別個体の「アナザーアギト」に変えるという能力を持つ。EP32の描写を見るに人類の多くが宿しているとされるアギトの力を強制的に起動しているのだろう。「アギトの力を持つ者が他者をアギトに変える」という構図はあかつき号事件に通ずるものがある。
変異体にもアナザーライダーの性質が宿るため、従来通りの手段で元に戻すことは可能だが先述の能力もそのまま有しており放置しているとゾンビの如く次々と増殖を招いてしまう恐れがある。なお変異体はスーツ製造の手間の関係からか元々の衣服を着用したままとなっており、スウォルツが作り出した第一個体とはそれで判別が可能。噛みついて個体を増やすという能力から『仮面ライダーアマゾンズ』を連想する声も上がっており、胸部の文字を見たソウゴの「アギオメガ」という発言もアマゾンオメガに因んだネタと考えられなくもない。個体ごとに頭部形状に微妙な差異が見られ、『仮面ライダーオーズ/OOO』のバッタヤミーを流用したと思しき後姿(EP31)や、カマキリヤミー、『仮面ライダー鎧武』のイナゴ怪人、『アマゾンズ』の兵隊アリアマゾンを改造したと思しき個体(EP32)が確認されている。
警視庁のG3ユニット演習場を襲撃して回っており、G3がターゲットではないかと考え演習場に駆け付けたソウゴ達と戦闘になる。自信を止めようと立ち塞がるジオウ達には目もくれずG3を襲撃して3体に増殖し乱戦となった事で、『アギト』終盤で示唆されたアギトへ覚醒した者たちと人類の対立という構図が歪んだ形で実現してしまう(複数の「アナザーアギト」が発生する様は木野の有名な台詞「アギトは俺一人でいい…」への強烈なアンチテーゼを感じさせる)。変異体の片方が尾室隆弘に襲い掛かろうとするも、そこに割って入ったツクヨミが無意識のうちに時間停止を発動したことで失敗に終わり、劣勢を悟ったのか3体ともその場から撤退。
別の演習場に移動して隊員を襲撃していたところを尾室の報告によってソウゴ達が駆け付けた事で再度乱戦に突入となり、この場は力を結集させるべきと判断したジオウIIの判断により3人はジオウトリニティに融合。この時ウォズがソウゴの覇道の証を喧伝するためとして空気を読まずに名乗りを宣言したことで、G3部隊の面々はおろか理性を失い暴走しているはずの「アナザーアギト」軍団すらも困惑を禁じ得ず一旦戦況は仕切り直しになる。改めて再開した戦闘で変異体の内の一体がジオウトリニティによって撃破されるも、いつの間にか他の個体は姿を消してしまっていた。
先の戦場に姿を見せていなかった第一個体は、同じ頃ツクヨミの力を目覚めさせようと目論むスウォルツによって嗾けられ彼女に襲い掛かっていた。風谷真魚から「アンノウンらしき存在が暴れている」との連絡を受け、「アナザーアギト」の存在を察知してその場に現れた翔一が変身したアギトグランドフォームとの戦闘になるが、演習場から立ち去っていた変異体達が一斉に現れアギトを包囲してしまう。実は「アナザーアギト」はこれ以上ソウゴ達にライドウォッチを集めさせまいと先んじてライダーの力を回収すべきと判断したスウォルツがアギトをおびき寄せるたmに生み出した存在であり、歴史改竄がこれと言って確認できないのもそれが理由である。目論見にはまりながらもフォームチェンジを使い分けて奮戦するアギトによって変異体は次々と退けられるものの、ウールがその内の一体から力を抽出して作り出したウォッチをアギトに翳してその力を奪い取りアギトウォッチを生成し、これを埋め込まれた第一個体がアギトグランドフォームそのものの姿に変異してしまう。
その後ウールに率いられる形で街中に出没し、ワイズマンモノリスに相当する胸部の器官から発せられる光によって人々から強制的にアギトの力を目覚めさせ、街を埋め尽くすほどの勢いで変異体を大量発生させるという闇の力が見たら卒倒必至の地獄絵図を作り上げてしまう。何とかジオウIIとゲイツリバイブがこれらを撃退するも、その間にウールと第一個体は別の場所へと移動しそこでも変異体増殖を行う。大群をジオウ・ゲイツ・ウォズの3人が迎え撃つ中、加勢したG3=翔一に変異体が襲い掛かるがツクヨミの時間停止によって動きを封じられゲイツリバイブとウォズに倒される。さらに第一個体がジオウIIの攻撃を受けた事で排出されたアギトウォッチの奪還を許して「アナザーアギト」の姿に戻り、翔一は再びアギトに変身。ジオウトリニティとアギトトリニティフォームの六位一体の力で大群が次々と撃破され、第一個体も2体のダブルライダーキックによってとどめを刺された。ちなみにこの共闘シーンでは『アギト』の挿入歌にして平成ライダー初の挿入歌「BELIEVE YOURSELF」が流されるというアギトファン感涙ものの粋な演出が盛り込まれており、この時第一個体は何故か変異体をかき分けて自らキックを食らいに行くかのようにジオウとアギトに突撃するという、ライダーキックに自ら向かってくることが多かったアンノウンのオマージュと思われる動作を見せている。先述の挿入歌をはじめとする演出や展開にテンションMAXになったファンとネタにされることもあるが、微かに残っていた変身者の理性がスウォルツの操り人形から解放されることを望みわざと倒されに行ったのでは?いう説もある。
元々オリジナルのアナザーアギトの生物的なクラッシャーを含む有機的な造形および羽状のマフラーという『アギト』の敵であるアンノウンを思わせる意匠はアナザーライダー達にも通ずるものがある。出渕氏はアナザーライダーのデザイン制作においてこの辺を意識しているのかもしれない。
東映公式サイトでは「『仮面ライダーアギト』においてはアナザーアギトもアギトの一種であり、人によって外見の見え方が変わっていた。(原文ママ)」と解説されており、翔一がEP31で第一個体に特に変わったリアクションを見せなかったのも木野変身体とはまるで異なる外見に見えたか、或いはアンノウンに似た気配を感じ取ったためと思われる。
アナザー響鬼
身の丈:7尺3寸(約222cm)
目方:41貫(約156kg)
特色/力:鬼の力
契約者:鼓屋ツトム(演:野田理人)
契約したタイムジャッカー:ウール
登場回:EP33、34、43
「ふざけるなぁ!」
クジゴジ堂周辺に生息が確認された、敵対関係にあるはずの鬼を思わせる姿形をした等身大サイズの魔化魍…ではなく、仮面ライダー響鬼の力を有するアナザーライダーで、響鬼を呼び寄せ響鬼ライドウォッチを手に入れるために作り出された。正体はソウゴの元同級生・鼓屋ツトム。幼少時から鬼になることを志しており、王になるというある意味浮いた目標を持つ者同士であるソウゴとは小学校時代にお互いの夢をかなえるという約束を交わしていた。後にヒビキを名乗っていた桐矢京介に師事していたが、現在は何故か京介の元を離れて鬼の修行をやめてしまいゲームセンターに入り浸っていた。名前の元ネタは『仮面ライダー響鬼』二十五之巻から二十七之巻に登場した、鬼の修行をやめた者という共通点を持つ津村努か。
胸部の「HIBIKI」、背中の「2019」はオリジナルが和の要素を持つライダーである影響か縦書きされている。頭部にはオリジナルよりも大型化した角を有し、後部には乱れた毛髪らしきものが生えている。『響鬼』のライダーである鬼達は仮面ライダーとしては異形の姿形であるためぱっと見全体的なフォルムはそこまでの異物感がないという声もあるが、鼻や口(クラッシャー)といった顔の意匠の存在が彼等とは決定的に異なる存在であることを物語っており、開いたクラッシャーの内部には更に鬼幻術・鬼火使用時に露出する口を思わせる小さなもう1つのクラッシャーが存在するという異形ぶりである。肩当ては鬼の顔を模した形状(いわゆる鬼瓦)になっており、こちらは仮面ライダー歌舞鬼、或いは変身音叉音角や音撃棒・烈火の阿・吽が元ネタだろう。仁王像や金剛力士像、風神・雷神を想起させる羽衣や腰巻が見受けられるが、これらは響鬼が寺で太鼓の修行をするシーンから、或いは仏教における羅刹・夜叉からの連想とする説がある。仏教に於いて悪鬼羅刹は守護神として扱われており、魔化魍という災いから人々を守る異形の戦士である猛士の鬼達と通ずるものがある。
音撃棒に近いサイズの二本の金棒を武器として所有し、音撃鼓の形状はオリジナルに酷似しているが黒と金の部分の配色が入れ替わっている。戦闘においては音撃棒に炎を纏わせたり、鬼火を思わせる紫色の炎を吐き出すといったオリジナルと類似する能力を操る。金棒には音撃武器の証である鬼石が付いておらず、これはアナザー響鬼が正規の鬼達と違い清めの力を持たず鬼の力を暴力と破壊にしか使えない事を示唆していると共に、見方によっては鬼の修行を投げ出してしまっているツトムの現状への皮肉と捉えられる。
『仮面ライダーディケイド』に登場したリ・イマジ版ヒビキが変異した魔化魍「牛鬼」とは響鬼をルーツとする怪人、言い換えれば凶悪な怪物としての鬼という共通点を持つ事からアナザー響鬼のスーツはそれの流用・改造になるのではないかと言われていたが、それらしき部位は見当たらない。
ヒビキを誘き出すというウールの意図の下、ソウゴとゲイツに戦いを仕掛けるもその最中に割って入ったトドロキが割って入る。トドロキが変身した仮面ライダー轟鬼が音撃斬・雷電激震でとどめを刺そうとした最中に京介が放ったと思しき火球に妨害され、アナザー響鬼はその隙に撤退。後に事情を尋ねたツクヨミに対し、トドロキはアナザー響鬼を魔化魍に堕ちた鬼の成れの果てだと認識し「鬼の不始末は鬼がつける」という仕来たりに従い彼の師匠である京介に代わって自分が討伐しようとした事と、京介がヒビキを名乗っている事の真相を語った。
その後京介を誘い出すための囮としてウールに嗾けられ轟鬼との再戦に突入するが、ツクヨミの知らせを受けてソウゴとゲイツが駆け付けた時にはすでにウールの介入でトドロキが返り討ちにあってしまっていた。金棒の打撃力にパワーで対抗するためにジオウエグゼイドアーマー、ゲイツリバイブ剛烈に変身したソウゴ達に追いつめられ、最後はジオウIIおよびゲイツリバイブ疾風にフォームチェンジした二人に撃破され変身解除。正体がツトムであることを知ったソウゴは事の経緯を知るべく話を聞こうとするも、時間停止で妨害を働いたウールがウォッチを再起動させてツトムを再度アナザー響鬼に変えてしまう。暴走する弟子を止めるべく鬼に変身した京介であったが、その姿は13年前と同じ京介変身体のままだった。トドロキが言うには、京介は彼の師匠にしてオリジナルの響鬼である日高仁志からヒビキを襲名していない「ただの鬼」にもかかわらずヒビキを自称していたに過ぎなかったというのだ。襲名前に勝手に弟子をとるというのは前代未聞の事らしく、トドロキはそのことを快く思っていなかった。
京介が響鬼でない事を知り興が冷めたウールの指示により撤退した後、しばらくしてから市街地で京介を襲撃し防戦一方に追い込むほどの猛攻を見せる。ゲイツの連絡を受けて駆け付けたジオウIIが京介の援護に入るが、あろうことかキングギリギリスラッシュを京介は身を挺して受け止め、その間にアナザー響鬼は逃走した。戦闘後、どう足掻いても自分は憧れのヒビキのようにはなれないと心中を騙る京介に対し、ソウゴは仮にヒビキを僭称していた身だとしても京介こそがツトムにとってのあこがれのヒビキであったことは間違いないと指摘。アナザーライダーの呪縛からツトムを助けるために戦う決意を固めているソウゴに京介は心を許し、ツトムと本気で向き合う覚悟を決意。アナザー響鬼の目撃情報を得たゲイツとツクヨミの報告を受けてソウゴ達と共に現場の工場に急行した。
京介は未だ追いつけないヒビキという高い壁に悩む自分に師事を志願してきたツトムを当初は渋々弟子に取ったが、今はツトムがいてくれたからこそ一人前の鬼になれたと自分の想いをアナザー響鬼に吐露。その時ポケットの中から輝きと共に響鬼ウォッチが現れ、これを手にした京介はヒビキが自分を認めた証なのだと確信。ウォッチを起動する事でオリジナルと寸分たがわぬ姿の響鬼へと変身し、トドロキの元で一日修行を行い迷いを振り切ったウォズもこれに応えて新たなる響鬼の誕生を祝福。アナザー響鬼は京介響鬼の音撃打とジオウトリニティのトリニティタイムバーストによって完全撃破され、元のツトムの姿に戻る。戦いが終わった後、響鬼ウォッチをソウゴに託した京介へ再度弟子入りを志願したツトムの姿に感銘を受けたトドロキも嘗ての師であるザンキのように弟子を取ろうと思い立ち、立花日菜佳の元に相談へ向かうのだった。
アナザーキバ
身長:200cm
体重:98kg
特色/力:アームズモンスター
契約者:北島祐子(演:釈由美子)
契約したタイムジャッカー:オーラ
登場回:EP35、36、41、43
「私はいずれ、この世の女王となる身…跪け!」
ビーストクラスに属する、チェックメイトフォーのクイーンを自称するコウモリを彷彿とさせるファンガイア…ではなく、紅渡が変身する仮面ライダーキバ キバフォームの力を有する「アナザーキバウォッチ」を媒介に発生したアナザーライダー。真名は北島祐子。とある殺人事件の容疑者として逮捕され、無実を訴えながらも2015年に実刑が確定し刑務所に収監されていた。久々に新たなる王の候補として生み出されたアナザーライダーである。
頭部にはコウモリの耳の様な大きな装飾を持ち、この装飾や複眼部分はファンガイア特有のステンドグラス状の体組織で覆われている。口を開き牙をむき出しにした顔つきや「KIVA」「2019」と書かれたコウモリのような翼はバットファンガイア・リボーンを、マントや肩当の色はダークキバを、目玉や牙の様な衣装を持つ肩当の形状はキバ飛翔態を想起させる。バックルはキバットバットIII世というよりはザンバットソードのウェイクアップフエッスルに近い形状で、右の脛にはオリジナルと違い拘束具が存在しない。フエッスルホルダーに相当する物は太ももに装着されているが、そこにマウントされている物体はフエッスルではなく西洋に於いて吸血鬼をはじめとする妖怪退治に用いられる銀の弾丸に類似している。これはオリジナルのキバである渡が人類と吸血鬼の一種であるファンガイアとのハーフという設定から転じて、ヴァンパイアハンターの力を持つ人と吸血鬼のハーフとして伝承される「ダンピール」を基にしたものと考えられる(更にヴァンパイアハンターという点から言えば仮面ライダーイクサにも通ずる要素と言える)。
戦闘に於いてはアームズモンスターのガルル・バッシャー・ドッガを武器として使役するが、オリジナルと違い使用武器毎によるフォームチェンジはない。この内ガルルはバグスターウイルスA等と違ってガワが同じ別存在というわけではなく次狼本人である事から残り2名もラモンおよび力その人と思われるが、なぜ彼らが渡を差し置いて祐子に付き従っているのかは不明。祐子の強靭な意思がその力を増幅しているのか、変身していない生身の状態でも片足で自動車を止めたりマンホールの蓋を軽々と投げ飛ばしたりと常人離れした身体能力を発揮している。
アナザーライダーの力を得て刑務所を脱獄して以降は、法を正し自分の様に冤罪に泣く者たちを救済するという大義名分を掲げてこの世の女王となるという野望を抱いており、アナザーウォッチを与えたオーラをもパシリ呼ばわりする等タイムジャッカーの手にも余る事態となっている。野望成就の手始めとして事件の関係者への復讐を目論み、自分の冤罪を晴らせなかった菊池弁護士を襲撃。彼を守ろうとするジオウを高圧的な態度で怖気づかせると、アームズモンスターたちを呼び出しジオウを撃退させる。変身を解除すると「……ふ……かわいい子……」とソウゴの顎下を猫の様にそっと撫でるが、その仕草にソウゴは覚えがあった。2008年、小学生時代のソウゴに仲良くして接してくれたセーラー服の女子高生が別れ際に同じことをしていたのだ。あの時の初恋の人が祐子に違いないと考えたソウゴはそれを理由に彼女は無実だという曖昧な主張をしてゲイツを呆れさせてしまう。
次は自分を起訴した杉村検事を襲撃しようとしたが、ターゲットが事件の関係者であることを見抜いていたソウゴとゲイツが立ちはだかった事で未遂に終わった。何故女王になりたいのかを問われた祐子はその理由を話しソウゴとゲイツを動揺させるがその直後、パシリ呼ばわりされた挙句頬に傷をつけられた恨みからアナザーキバを失敗作として排除しようとしたオーラが彼女に衝撃波を放ってくる。これを間一髪かわすとアナザーキバに変化してライダーに変身したゲイツと対峙するが、その一方ソウゴの脳裏には祐子の過去のビジョンが突如として出現。そのビジョン内では「哲也」なる男と一緒にいる祐子、そして夜の公園で女の死体を前にした無言の哲也の姿が映っていた。我に返ったソウゴが変身しようとしたとの時、宇宙から隕石が飛来。
現場に駆け付ると隕石の中から現れた仮面ライダーギンガに対して自身を「この世をすべる唯一の法律と」宣言して襲い掛かるが、この世の法は通用しないと言い返したギンガが放ったエネルギー派に吹き飛ばされてしまう。ジオウトリニティを圧倒するギンガの戦いを傍観した後何処かへと姿を消すが、ソウゴ達とタイムジャッカーは新たなる脅威であるギンガに対抗すべく彼女と手を組もうと考えていた。協力を申し出てきたスウォルツ達を跪かせるも、品位にかかわるとして要請を断った挙句ギンガの存在をなかったことにすると言い放ち、自分を非難したスウォルツに「お前の意見は求めていない」と返した。その場を立ち去る前にソウゴの事を覚えていると発言したことで初恋の女性=祐子とソウゴに改めて確信させ、浮かれ気分の彼から「セーラさん」なるあだ名をつけられた。
次のターゲットとして及川判事を選び、襲撃のために彼の元に現れたがその現場付近にはギンガも襲来しており、自分を狙ったギンガの攻撃から身を挺して庇ったソウゴを忠実な下僕として介抱。しかし今まで付き従っていた祐子に見切りをつけ「その女は腐っている」と糾弾した次狼とソウゴの戦いになり、祐子はいつの間にかその場から姿を消してしまう。
ソウゴを介抱した際、復讐をやめるように頼まれ一旦頷いてはいたがそのような気はさらさらなく、雨の中集まった3人の復讐対象に吸命牙らしきものを放ちまとめて始末すると嬉しそうに狂喜した。その様に愕然とするソウゴに対し、酷い雨の日に生まれて以来自分の心はずっと雨が降り続いている、と自分の心境を悲しげに形容する。そんな彼女に対して自分が傘になると宣言するソウゴの元に、殺人事件が発生した2015年に跳んでいたゲイツが調査内容の報告をしに現れた。
事件の真相は哲也の交際相手の女性を祐子がマンホールの蓋で撲殺したというものであり、さらに被害者はソウゴのビジョンの中に移っていた死体その人だった。祐子には自分の嘘を真実と思い込んでしまう悪癖がありそれによって自分を冤罪と思い込んでいたにすぎず、次狼が祐子を腐った女と称し見切りをつけたのも彼女が正真正銘の殺人犯という事に感づいたからである。一触即発の気まずい空気が流れる中、雨がはれて活動を再開したギンガがその場に現れ、祐子は応戦したジオウIIを庇い戦いに参加。最終的にジオウ・ゲイツ・ウォズの同時攻撃によってギンガは倒された。
翌日、とある式場で現在の恋人である由紀と結婚式を挙げていた哲也の元に現れ、復讐の仕上げとして彼らを抹殺しようとするがそこに駆け付けたソウゴ達と交戦になる。次狼から受け取っていたキバライドウォッチの使用を躊躇するジオウを圧倒するが、その様子を見かねたウォズが割って入り、先日スウォルツから奪取したギンガミライドウォッチによって仮面ライダーウォズギンガファイナリーに変身。緊急事態という事で祝福を短時間で済ませたウォズによって撃破され、アナザーウォッチを失う。駆け寄ったソウゴに対して「全人類の傘になれ」と言い残した直後、恨みを忘れていないオーラが放った衝撃波でとどめを刺され彼女の復讐劇は幕を閉じたのだった。アナザーライダーとしてはティードに次ぐ2人目、TVシリーズでは初の死亡者となった(マキムラはそもそも最初アナザーゴースト化する前に死亡しており、その死もなかったことになったためここでは該当しない)。
後日傷心のソウゴは麻生ゆりに似た女性と出会う。自転車を修理した礼として女性は「ありがとう、かわいい坊や」と言いながらソウゴの頬を撫で、自転車に乗りその場を後にした。彼女の後姿が幼少期に出会ったあの女子高生と重なって見えたが、果たして祐子ではなく彼女こそが真の初恋の相手だったのか、それとも…?
さてレギュラー陣をその尊大さでひっかきまわした彼女だが、その行動や立ち位置は下記の様に『仮面ライダーキバ』のライダー変身者を彷彿とさせる要素が多く見られる人物でもある。
- 足で車を止める動作…名護啓介/仮面ライダーイクサ
- 「判決」というフレーズ…登太牙/仮面ライダーサガ(その後に続く「有罪」は釈氏がドラマ「スカイハイ」で演じた主人公・イズコのきめ台詞「お逝きなさい」のパロディ)
- 刑務所からの脱獄犯…杉村隆/仮面ライダーアーク
- 女性戦士という点…麻生恵・ゆり/仮面ライダーイクサ(『ディケイド』が出典ではあるがキバの要素を持つ女性戦士いう点では光夏海/仮面ライダーキバーラとも共通する)
また、キャプテン・アメリカよろしく盾や投擲武器としてのみならず殺人の凶器として用いるなど至る所でマンホールの蓋を使用しており、マンホールがtwitterのトレンド上位にあがったほか、ハッシュタグとして「マンホールクソコラグランプリ」なるものが横行する等計り知れない影響(?)を与えている。
アナザーカブト
身長:195cm
体重:95kg
特色/力:高速戦闘
契約者:矢車想
契約したタイムジャッカー:ウール
登場回:EP37、38、42、43
「弟に手ぇ出すな…」
地球に棲むカブトムシに近い性質を持つワーム成虫体…ではなく、カブトゼクターの有資格者たる天道総司が変身する仮面ライダーカブトの力を有する「アナザーカブトウォッチ」によって仮面ライダーキックホッパー=矢車想が羽化したアナザーライダー。
右太ももに「KABUTO」、左太ももに「2019」と書かれている。その姿はまさしくカブトムシを模したワームといった感じで、戦国武将の鎧兜の様な形状の頭部(いうまでもなくカブト→兜という連想だろう)にはオリジナルよりも大型化した角がはえ、青い複眼状の意匠の下に眼球を覗かせる。肩、太もも、わき腹など各部に昆虫の脚を思わせる意匠を備えており、右肩の角は映画『GOD SPEED LOVE』に登場した仮面ライダーコーカサス・ヘラクス・ケタロスを、赤い外装はカッシスワームをはじめとする甲殻類型ワームの外骨格を彷彿とさせる。バックルにはカブトゼクターではなくカブトムシの幼虫のような装飾が、顔にはサナギ体と同じ頬を覆う手のような意匠が確認でき、幼虫・サナギ・成虫というカブトムシの成長段階を取り入れたデザインとなっている。これは地中で暮らすカブトムシの幼虫・サナギの様な日陰者でありながら光への執着を捨てきれなかった地獄兄弟の二律背反性を表現したものともとれる。何れにせよ、嘗てカブトとワームの双方をを敵視していた男が紛い物のカブトの力を持つワーム似の怪物にその身を堕とすというのはいかにもアナザーライダーらしい皮肉がきいている。
戦闘ではオリジナルのカブト同様にクロックアップによる超高速での戦闘やライダーキックによる必殺の一撃を放つ。また、クロックアップ発動時はマスクドライダーのそれに比べて低音の音声が流れる。オリジナルにおけるカブトクナイガンに相当する武器は所有していないが、ホッパーゼクターの資格が健在なので従来通りキックホッパーに変身して戦う事も可能。
弟分である仮面ライダーパンチホッパー=影山瞬と行動を共にしているがこの影山はワームが擬態した偽物(体型の事に突っ込むと馬に蹴られます)であり、本物は『仮面ライダーカブト』終盤で自ら望んで矢車の介錯を受けて既にこの世を去っている。擬態影山は同胞のワーム達を乗せた隕石を地球に落下させ彼らとともに侵略を行おうと画策している一方、矢車もワームだろうとその記憶を引き継いだ擬態影山を弟分と見做しその考えに基づいて協力しており、現在は共に仮面ライダーガタック=加賀美に追われる身となっている。この行動原理は日下部ひよりの正体が本物のひよりに擬態したシシーラワームでありながらも掛け替えのない存在として扱った天道の信念と一見似通っているが、ZECT時代も含めてワームと敵対し続けた『カブト』本編とは逆にワームの侵略計画に加担する立場になることを承知のうえで擬態影山と行動を共にしているという背景があるため、天道と違い負の側面が強い。事情があったとはいえ弟分を手にかけ12年以上もの間孤独に苛まれていた事を考えればその誘惑に負けてしまうのも致し方ない話ではあるのだが…。
ワームの対処にあたっていたジオウIIとガタックの前に出現して彼らと対峙したパンチホッパーを庇うと、クロックアップを発動してともに撤退した。その後ソウゴとウォズを利用して加賀美を誘き出そうと目論んだ擬態影山の罠にまんまと嵌って隠れ家の倉庫にやってきた加賀美に襲い掛かる。ソウゴとウォズはその目論見を看過しており、ウォズギンガファイナリーが放った重力波によってパンチホッパー共々押さえつけられるも、その最中現れた隕石の対処にあたるべくジオウが宇宙へと飛び立った事で仕切り直しになる。戦闘再開後、クロックアップによってウォズを翻弄するも、ギンガワクセイフォームへと変身したウォズが放った水金地火木土天海エクスプロージョンをよけきれずに直撃を食らってしまう。しかしキックホッパーに変身して爆炎から姿を現すとライダーキックを放ってウォズを怯ませその隙にパンチホッパーとともに撤退。置き土産として倉庫の外に「地獄」と書かれた置き手紙と共にカップ麺を残していった。
その後ゲイツが隕石破壊に向かったジオウフォーゼアーマーを見守る中、撤退した直後にもかかわらず川の中を歩きながらゲイツの元に現れて呟いた。「今…誰か俺を笑ったか?」と……。擬態影山を守ることに執着する理由をゲイツに問われると、ワームの擬態であろうが弟は弟として意に介してないようなそぶりを見せる一方、倒さねばならぬ時が来ればもう一度自分の手で始末をつけるとも語っており、ゲイツはそんな矢車に嘗てソウゴに必要ならば自分が倒すと宣言した自分の姿を重ねた。直後にゲイツがソウゴとの通話で影山の名を口にした途端、突如ゲイツに襲い掛かりアナザーカブトに羽化して擬態影山の元に向かう。擬態影山はソウゴが宇宙に行っている間に加賀美を捕まえて置き手紙に書かれていた場所に監禁し、人質解放の交換条件として隕石破壊に必要なフォーゼウォッチとギンガウォッチを奪い取ろうとしていたのだ。
現場に駆け付けるとソウゴとウォズに助けられガタックに変身して擬態影山に襲い掛かる加賀美を一蹴し、パンチホッパーと共に撃退するとウォッチを奪い撤退。擬態影山さえいればいいという考えに凝り固まるがあまり地球に危機を齎すことすら辞さない立場にまで堕ちた矢車であったが契約主のウールにとって地球崩壊は不本意であったため、隠れ家でカップ麺をすすっているところをウールによってウォッチを奪われ、最終的にスウォルツとツクヨミを通じてソウゴとウォズの元に戻っていった。
そして地球への下降を続ける隕石の下、ビルの屋上にて擬態影山と共にゲイツ、ウォズと戦っていたがこの戦いは相打ちに終わり、そこに駆け付けたソウゴと加賀美を含む6人は同時にライダーに変身。隕石破壊のためにジオウフォーゼアーマーとウォズギンガファイナリーが宇宙へ向かい、キックホッパーに変身した矢車はパンチホッパーと共にゲイツリバイブ剛烈とガタックを迎え撃つ。ガタックとのライダーキック勝負で返り討ちに会い変身解除に追い込まれながらもすぐさまアナザーカブトに羽化してガタックを撃破するが、戦いを諦めない信念に応えて現れたカブトゼクターにより加賀美がカブトに変身。クロックアップによる超高速戦闘に突入するも劣勢に追いやられ、ゲイツリバイブ疾風によって致命傷を受けたパンチホッパーを助けようとした隙を見て割り込んだカブトが放ったライダーキックによって倒され、その後巨大隕石もジオウトリニティとツクヨミの連携によって無事破壊された。
戦いが終わった後、生命の限界を迎えた擬態影山に駆け寄り「もう一度兄貴と呼んでくれるか」と問うも、擬態影山は隕石ごと同胞を葬られた事への絶望からか、擬態を解き「お前は俺の兄貴なんかじゃない」と矢車を突き放しあくまでも人間ではなくワームとして逝く道を選んだ。この断末魔の発言には自信の死を以て影山瞬への未練を断ち切って貰いたいというという矢車への思いが込められていた可能性も指摘されているが、再び「影山」を失っ事で矢車は孤独に戻ってしまい「誰か俺を笑ってくれよ…」と自嘲気味に呟きながら独り姿を消していった。そんな矢車に対し、ゲイツは自分が擬態影山を葬ってしまった事への謝罪の念を漏らすしかなかった…。
ちなみに作中で登場したカップ麺は『カブト』本編で地獄兄弟が食していたあの兄弟ラーメンである。さり気無く当時よりグレードアップし兄貴塩・弟味噌改め「極兄貴塩」「極弟味噌」という名称になっており、わざわざ「令和」と書かれている芸コマぶりである。EP37で置いていった極弟味噌はこの後ウォズがおいしく頂きましたとさ。
アナザー電王(‘19)
身長:190cm
体重:87kg
特色/力:荒々しい戦闘
契約者:遠藤タクヤ(演:後藤大)
契約したタイムジャッカー:オーラ
登場回:EP39~41、43
『平成ジェネレーションズFOREVER』に登場したものとは別個体のアナザー電王。アナザーウォッチの製造者も異なる。劇場版個体との差異はローブの部分に書かれている年号が「2019」であることと、ティードとオーラの能力の差故なのかは不明だがアナザーデンライナーを持たない点である。
2年前に病気の姉であるサユリを失っており、その原因が恋人だった大澄ユキヒロが彼女を病院から連れ出したことにあると考え、彼を恨んでいるというオリジナルの電王である良太郎とは真逆の背景を抱えており、その恨みを晴らすためにデンライナーを奪うようオーラに促された。修理中のデンライナーを狙って姿を現すが、ジオウ達と仮面ライダーゼロノス=桜井侑斗によって変身解除に追い込まれ、オーラとともに撤退した。
オーラによってウォッチを再起動され、再びデンライナーを狙い街中に出没するが、Mゲイツが変身したゲイツリバイブ剛烈、更にはユキヒロと「タクヤを助けたい」という内容の契約を交わし実体化したモールイマジンアックスハンドが立ちはだかり、最終的にジオウ・ウォズ・ゼロノス・デネブも交えての混戦になる。その最中順一郎によって修理が完了したデンライナーが到着すると、ジオウトリニティとゼロノスベガフォームが戦っている隙を見て侵入してデンライナーを奪取し、2017年5月11日へと跳ぶ。
サユリが入院している病院へ行きユキヒロが連れだす前に彼女の病室へ向かうおうとするも、ゲイツリバイブに阻止される。戦闘中にデンライナーを奪い取ったモールイマジンに協力を持ちかけられると、同乗して姿を消した。
そのころ2017年のタクヤは、ユキヒロがサユリを外に連れ出したのはすでに自分の命が助からない事を知っていたサユリに頼まれたためだったことと、その真意をタクヤに語らなかったのも例え恨まれようともそれによってタクヤの心に空いた穴が埋まるのならば、という覚悟を背負っての事だったとソウゴから明かされた。真相を知った知ったタクヤは、アナザーライダーとかした未来の自分を止めるようソウゴ達に懇願した。
ユキヒロとサユリの目的地は病室に飾ってある写真に写っていた二人の想い出の場所の灯台であり、アナザー電王はモールイマジンと共にそこへ向かっていた。写真から場所を特定したソウゴとモモタロスが立ちはだかるが、モールイマジンはデンライナーで過去の時代から多数のNEWモールイマジン(曰く同一人物らしい)を連れてきており、数の上ではアナザー電王側が圧倒的優位に立っていた。しかしソウゴを信用したわけではないが認めてやってもいいと言う侑斗に諭されたモモタロスが一度取り上げた電王ウォッチを改めてソウゴに投げ渡したことでグランドウォッチが改めて生成される。グランドジオウへと変身したソウゴと彼が召喚した歴代平成ライダー、グランドジオウに召喚された電王に憑依したモモタロスが憑依してフォームチェンジしたクライマックスフォーム、そしてゼロノスによってモールイマジンは次々と倒され、最後はアナザー電王もオールトゥエンティタイムブレークによって撃破される。
戦いが終わった後タクヤは灯台へと向かい、サユリから最後にユキヒロと二人で灯台から広がる光景を見たかったという願いを聞く。その真意を知ったタクヤの心からはユキヒロへの蟠りが解消し、感謝の言葉を述べたのだった。
アナザードライブ
身長:199cm
体重:102kg
特色/力:重加速、アナザートライドロンの使役
契約者:オーラに擬態したパラドックスロイミュード
契約したタイムジャッカー:スウォルツ
登場回:EP44、45
「やっと会えた。私…」
トライドロン・タイプスピードのデータを取り込んだ個体番号2019のロイミュード進化態…ではなく、泊進ノ介が変身する仮面ライダードライブタイプスピードの力によって作られた「アナザードライブウォッチ」によって発生し、スウォルツによってウールとオーラを始末するための刺客として放たれたアナザーライダー。正体はパラドックスロイミュードで、今作では泊エイジではなくオーラに擬態している。アナザーリュウガに続き夏映画の敵キャラクターが変身したアナザーライダーであり、EP41で像として先行登場していた。
左肩に「2019」、胸部左側に「DRIVE」と書かれている。ドライブに擬態したロイミュードといった感じの外見であり、プロトゼロに似たような顔つきをしている。顔面の左半分はパラドックスロイミュードの出典元である『サプライズ・フューチャー』における超デッドヒートドライブのマスク割れを思わせる半壊したような状態になっており、左目のカバーは頬の方にずり落ち眼球が露出している。魔進チェイサーを彷彿とさせるジャンクパーツの様な外装、バックルから垂れ下がるコード、ゴルドドライブ同様にタイヤがなく代わりにブレーキディスクとサスペンションの残骸の様なパーツが露出した胸部の襷ライン等、タイヤが外れてしまうほどに大破した事故車あるいは廃車を思わせる意匠が各部に見られる事から、この顔面は事故にあった被害者をも連想させる。
左腕にはシフトブレスの代わりにドア銃を模した盾を装備し、「KEEP OUT」と書かれた黄色の標識テープが巻かれている。恐らくは事故によって破損し歪んだ車のドアがモチーフであろう。カバーが罅割れたバックルは壊れたまま放置されっぱなしで埃を被った車のメーターの様なデザインであり、メーターの針を時計のそれに見立てて壊れた時計の様に見えるとの声もある。
ドライブは相応しい素質を持つ変身者、ベルトさん、シフトカーのパーソナリティが揃ってこその存在だが、こちらはアナザーライダーの例に漏れず変身者に必要な因子もなければ受け皿たるシフトブレスを持たぬためにシフトカーを宿すこともできず、ガラクタの様なバックルはベルトさんの様な意思も温もりも感じられない抜け殻も同然である。ドライブの根幹をなす3つの要素が全て欠落し、更にはもう一つの欠かせないパーツであるタイヤすらないアナザードライブはドライブの紛い物としてこれ以上なく説得力のあるデザインといえよう。
戦闘においてはオリジナルのドライブが装着するタイヤに類似した形状のエネルギー弾を打ち出す他、正体がロイミュードということもあってか当然の如く重加速を引き起こすことができるが、アナザーライダー化の影響によりパラドックス本来の機能に制限がかかっているのか『サプライズ・フューチャー』のようにグローバルフリーズが引き起こされてはいない。重加速によってタイムジャッカーの時間停止やゲイツリバイブ疾風の超スピードにも対抗してみせたが、無重力である宇宙の力を操るウォズギンガファイナリーには通用しなかった。このほかにアナザートライドロンを召喚・使役する事も可能。
スウォルツの元から逃走しているウールに重加速を仕掛けて突如襲い掛かったが、時間停止能力により取り逃した。その後、クジゴジ堂に匿われていた筈のオーラの姿が見えない事を知り彼女を探していたウールの前に再度出現。現場を目撃したツクヨミの銃撃も意に介さず彼女に迫ったが、そこへ突然現れた仮面ライダーアクアが割って入る。更にソウゴとゲイツが駆け付け、アクアがツクヨミを連れて撤退したことで戦況はグランドジオウおよびゲイツリバイブ疾風との1対2になる。重加速によって疾風の持ち味であるスピードを殺すも、ウールの時間停止によって動きを封じられ、ライダー2人の必殺技の直撃を食らう。
爆炎の中からオーラの姿で現れると、そこに割って入ったスウォルツがジオウ達の相手をする中悠々と立ち去った。疑心暗鬼に陥っていたウールの前に出くわして彼に襲い掛かっていたところに本物のオーラが姿を現すと、自身がオーラにになり替わろうと彼女を抹殺しようとするがゲイツとウォズの妨害により失敗に終わる。しかし誤解が解けたとして安堵したウールのもとに駆け寄ったオーラが「生き残るため」と称して彼を刺殺する様を見て「流石私! 私以上に私!」と狂喜。この事がソウゴの怒りを買い、グランドジオウと召喚されたドライブが繰り出したスピードロップによってバイラルコアごと破壊され完全消滅した。
このパラドックスロイミュードの出自は作中で特に触れられていないが、アナザーディケイドが呼び出したライダー達と同様に元は劇場版の敵キャラであり、仮面ライダーダークドライブの変身者でもある事を考えると彼らと同じくアナザーワールドから召喚された「ダークライダー」の1人であった可能性が高い。
アナザーゼロワン
身長:206.9cm
体重:89.2kg
パンチ力:8.7t
キック力:50.1t
ジャンプ力:ひと飛び61.8m
走力:100mを4.1秒
特色/力:格闘/飛翔/バッタのような攻撃生物の放出
契約者:ウィル
契約主:フィーニス
登場回:映画『令和ザ・ファーストジェネレーション』
「私が飛電インテリジェンスを乗っ取り、ヒューマギアが笑える世界を作る…」
20世紀初頭に姿を消した昆虫の絶滅種「ロッキートビバッタ」のロストモデルが付加されたマギア…ではなく、飛電或人が変身する仮面ライダーゼロワンライジングホッパーのデータイメージから構築された「アナザーゼロワンウォッチ」を飛電是之助の元社長秘書型ヒューマギアであるウィルが取り込むことで発生したアナザーライダー。
右大腿部に「ZERO-ONE」、左大腿部に「2019」と書かれている。般若の面のような形状のマスク部分が目を引くが、側頭部にも赤いラインが迸った目の様なものが確認でき、マギア特有の「複眼と元となった生物を模した目を併せ持つ4つ目」という構造を意識しているかのよう。さらに変身者がヒューマギアという点はマギアと完全に合致している。背中には昆虫を思わせる羽が生え、大腿部の装甲は突き出たような形状になっている。アナザーライダーの例に漏れずオリジナルに比べ有機的な外見をしているが、AIをテーマの一つに掲げている『仮面ライダーゼロワン』のコンセプトから見ればこの有機的なデザイン自体が作品への皮肉と言っていいだろう。
戦闘ではオリジナル同様の高いジャンプ力を生かした肉弾戦のほか、背中の翅をはばたかせることで強風を発生させたり大量の小型バッタメカを召喚する事も出来る。
オリジナルのゼロワンである或人はこのアナザーライダーの発生によりゼロワン本来の力を発揮できぬままゼロワンドライバーを奪い取られてしまい、何者かから受け取った滅亡迅雷フォースライザーを用いて仮面ライダー001に変身して立ち向かう事になる。左橙部の「2019」はゼロワンの活動時代であると同時に『ジオウ』後半のアナザーライダー共通の年号でもあり、さらにゼロワンの世界も「12年前にデイブレイクが起きた」事実が改変され「12年前にヒューマギアが反乱を起こし支配された世界」へと変貌してしまう事となる。何度目だ歴史改変による支配
しかしサブライダーの変身ツールであるショットライザーやフォースライザーが健在である事、或人が元の世界の記憶を有している様子からもわかる通り、既存ライダーの能力に関しては士の様に或人のゼロワンへの力が封じられた以外これといった変化は見受けられない。
作中の動向はヒューマギアの記事におけるウィルの項目を参照。
アナザー1号
身長:10.19m
体重:9.1t
パンチ力:65.1t
キック力:92.4t
ジャンプ力:ひと飛び86.5m
走力:500mを4.6秒
特色/力:巨体を生かした肉弾戦、火炎弾
契約者:フィーニス自身が変身するため不在
変身者:フィーニス
声:石井康嗣
登場回:映画『令和ザ・ファーストジェネレーション』
秘密結社ショッカーが生み出したバッタ型改造人間の究極系…ではなく、タイムジャッカーのフィーニスが昭和ひいては全仮面ライダーの始祖たる仮面ライダー1号の力を持つアナザーライダーへと変貌した姿。媒体となる「アナザー1号ウォッチ」は本郷猛から力を得るのではなく、ソウゴが継承した全平成ライダーの力を奪い取ることで生成された。また、この姿では一人称が「僕」から「私」に変わる。
サイクロン号に仮面ライダー旧1号の上半身が融合したような仮面ライダーコアバイクモードと酷似した異形の姿をしており、首には昆虫の脚のようなマフラーをつけている。人型の脚を有していないこの構造は仮面ライダーの象徴的必殺技たるライダーキックを否定しているかのようである。過去に石ノ森章太郎が生み出したキャラクターを彷彿とさせる要素も見受けられ、仮面ライダーの企画段階でであるクロスファイヤーのゴーグルに類似した胸部の赤十字、スカルマンを想起させるクラッシャーの内側に存在する口腔等がそれにあたる。年号(恐らく1971か発生年代の2007)と「1」の文字がどこに記されているかは不明。
ちなみにアナザークウガとは「巨大な非人型」「各年号シリーズの元祖ライダーを元ネタにしたアナザーライダー」「冬映画のボス敵」「アナザーライダー化したタイムジャッカー」と数多くの共通点がある。
フィーニスが目論んだゼロワンの世界における歴史改変は、ソウゴ達をおびき寄せアナザー1号ウォッチを生成するための餌であった。そしてこの力を用いて新時代における「始まりのライダー」となりライダーが人類を支配する歴史を作ろうとしている。
アナザー新1号
身長:12.75m
体重:10.8t
パンチ力:116.5t
キック力:165.3t
ジャンプ力:ひと飛び177.0m
走力:500mを2.4秒
特色/力:鋭い刃を備えた副腕/巨体を利用した格闘攻撃
契約者:フィーニス自身が変身するため不在
変身者:フィーニス
声:石井康嗣
登場回:映画『令和ザ・ファーストジェネレーション』
「私こそが、原初のライダーだ…」
2007年のゼロワンの世界における戦闘からソウゴ一行が撤退した際、置き去りにしたタイムマジーン・ゲイツ機と融合し更なる強化を遂げたアナザー1号。
上半身が白と銀を主体とした生気の感じられないカラーリングとなり、両肩および下半身から計3対のバッタを思わせる脚が生えている。
アナザーディエンド
身長:194cm
体重:88kg
特色/力:カッシーン軍団及び歴代怪人の召喚・使役
契約者:白ウォズ自身が変身するため不在
変身者:並行世界の白ウォズ
登場回:Vシネマ『仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』
外道衆を代表する大ショッカーの幹部…ではなく、仮面ライダーディエンドの力を内包する「アナザーディエンドウォッチ」によって発生したアナザーライダー。TVシリーズ最後にリセットされた世界を舞台とするスピンオフVシネマ『仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』に登場する。
同じくディエンドの力を持つ怪人として外道衆のアヤカシ・チノマナコがディエンドライバーを用いて変身した「チノマナコディエンド変身態」が存在したが、アナザーディエンドの頭部および上半身の装甲は驚くほどこのチノマナコディエンドと酷似した形状になっており、側頭部および肩にはアナザーディケイドを彷彿とさせる巨大な角が生えている。それ以外の部位はアナザーディケイドに類似しており、スーツは恐らくこの2怪人の流用・改造と思われる。右肩側面に「DIEND」、左肩側面に「2018」の文字が確認できる。
以下にヒーローショーのネタバレを含むので閲覧は自己責任でお願いします。 |
――――――――
ネタバレ許容者以外
立 入 厳 禁
――――――――
ノーライダー
よみうりランドで開催されていた仮面ライダージオウヒーローショーに登場したアナザーライダー…っぽい何か。ショーの司会にプロトタイプのアナザーウォッチを与えた事で発生した。ぶっちゃけるとアナザーライダーのスーツが完成していなかったという大人の事情によって登場した存在である。
外見は仮面ライダー1号や2号に何となく似ているが、顔つきは全く異なり、大きな鼻腔や耳、鋭い歯の並んだクラッシャーを有している。また、胸部には「NO RI DER」と書かれている。
この文字をローマ字読みすると、一時期仮面ライダーを霞ませるほどの人気を獲得し(半ば冗談交じりではあるが)ライダーの歴史を断絶させた原因とも言われているあのキャラクターの名前になるが、関連性は不明。彼は確かに正規の仮面ライダーとしては認められなかったかもしれないが、アナザーライダーと決定的に異なるのは歴代のライダー達に決して負けない熱く強い意志と信念である。彼もまたレジェンドとして人々の心に刻まれた仮面のヒーローなのだ。
そして、映画『Over Quartzer』にてこの男が仮面ライダーシリーズに衝撃の登場を果たす。仮面ライダーではない者だからこそのメッセージが物語にどのような影響を与えるのかはぜひスクリーンで確かめてほしい。
アナザーウォッチについて
タイムジャッカーがアナザーライダーを発生させるために作り出しているブランクウォッチに似た形状のデバイスであり、アナザーライダーの核ともいうべきアイテム。ブランクウォッチにオリジナルの持つ力を取り込むことで生成される。
発生した時代で対応するライダーアーマーや、特別な力を持つ特定フォームの力によってアナザーライダーが倒されることで契約者の体内から排出されて砕け散る。アナザーゴーストのケースから、死者を復活させることも可能なようだ。
商品展開
アナザーウォッチがプレミアムバンダイ限定で「DXアナザーウォッチセット」として商品化。カバーパーツを付け替えることで各種アナザーウォッチを再現でき、ジクウドライバーなどとの連動も可能。第1弾はEP08までに登場した5体、第2弾はEP09~16および平ジェネFOREVERに登場した6体、第3弾はEP17~20および23~34に登場した7体、第4弾はEP35以降およびRIDER TIME IIに登場した7体のウォッチが、「DXミラーワールドウォッチセット」ではミラーワールドのジオウライドウォッチとセットでアナザーリュウガウォッチがラインナップされている(第4弾以外は予約終了済)。
更にアナザーライダー自身も食玩「SO-DO」シリーズで商品化される。「装動外伝 仮面ライダージオウANOTHER」と銘打ち、通常のナンバリングタイトル(「RIDE◯◯」)ではなく「創動」のアクションガーディアンズの様な番外編としてリリースされる。第1弾「ANOTHER1」ではPVで試作品が公開されたアナザービルド、アナザーエグゼイド、アナザーファイズ、アナザー鎧武が、第2弾「ANOTHER2」ではアナザーダブル、アナザー電王、アナザーフォーゼ、アナザーオーズが、通常シリーズ最終弾となる「RIDE11」ではアナザージオウが、更に装動仮面ライダーゼロワンの最終弾「AI10」ではアナザーディケイドとアナザーゼロワンがラインナップされる。『ジオウ』登場ライダー全商品化の対象外であり、AI10収録の2体を以って商品化を終了する事(と同時に装動ジオウ補完計画の完了)が宣言された。
余談
- アナザーライダーの身長・体重はアナザークウガ、アナザージオウⅡ以外元となったライダーのそれと一致している。
- 『仮面ライダーエグゼイドトリロジー アナザー・エンディング』にもアナザーパラドクスというライダーが登場するが、元のライダーがサブライダーという事もありあまり話題には上がってない。
- 「ライダーの力を持つ怪人」は以前にも『仮面ライダーディケイド』に登場したチノマナコディエンド変身態などのケースがある。こちらも元のライダーを怪物の様に歪めた姿であり、アナザーライダーの前身と言えるかもしれない。
関連項目
- 仮面ライダージオウ
- タイムジャッカー
- ライドウォッチ
- ショッカーライダー - 敵組織によって作られた怪人としての仮面ライダー繋がり。
- 仮面ライダーシン - グロテスクなデザインをしたライダーの先駆け。映画『Over Quartzer』に登場する仮面ライダーゾンジスのモチーフの一つでもある。
- 人造人間ハカイダー - 1995年に東映ヒーローフェアのネオライダー枠で公開された同じく石ノ森章太郎原作作品の映画。同作のラスボスを務める「ミカエル戦車」のデザインは仮面ライダーキカイのモチーフであるキカイダーをグロテスク化させた様な姿をしており、「悪役サイドのキャラクター」という意味でも「アナザーライダーのルーツ」とも言うべき存在である。
- 個別記事のあるアナザーライダー化した人物
- 平成ライダーの登場人物一覧
- にせヒーロー
- ふるたん(通称「アナザーキュアホイップ」)
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- なし
- 46
- 0pt