アフリカンゴールド(英:African Gold)とは、2015年生まれの日本の競走馬。栗毛の騸馬。
新聞を読む馬ならぬTwitterをする馬である。愛称は「アフゴ」「アフンゴ」。
概要
父ステイゴールド、母*ブリクセン、母父Gone Westという血統。
父は言わずと知れた誰もが愛さずにはいられない阿寒湖育ちの黄金旅程。2015年に死亡し、2016年生まれの産駒は1頭しかいないため、事実上のラストクロップ世代にあたる。
母はアメリカからの輸入繁殖牝馬で、自身は3戦1勝だが父ゴーンウェスト、母デニッシュともアメリカGⅠ馬という良血である。
半兄に2014年のドバイワールドカップを7歳で制したAfrican Storyがいる。
2015年3月26日、日高町のダーレー・ジャパン・ファームで誕生。オーナーはステイゴールドに辛酸を嘗めさせられた青い勝負服でおなじみのゴドルフィン。
馬名意味は「アフリカの黄金」と登録されている。由来は兄名+父名だろう。
失われた黄金を求めて
2歳~3歳(2017年~2018年)
栗東の西園正都厩舎に入厩し、デビューは2017年12月23日の阪神・芝2000mの新馬戦(9着)。その後2戦を敗れたあと、2018年4月、京都・芝2400mの未勝利戦では松若風馬を鞍上に外から上がり33秒9の末脚を繰り出して同じステゴ産駒の1番人気メイケイゴールドをハナ差差し切り、4戦目で未勝利戦を突破。以降はしばらく(後述の去勢まで)松若騎手が主戦となる。
5月のメルボルントロフィー(500万下)は先行策から直線抜け出しもドレークにかわされ2着に敗れたが、7月の渥美特別(500万下)を先行策から上がり最速の末脚を繰り出す堂々たる強い勝ち方で2馬身半差の快勝。夏場は休んで10月の兵庫特別(1000万下)は2番手追走から持ったままで直線抜け出し、騎手が追い出すと後続を突き放す一方で4馬身差の圧勝。
この好内容での連勝を受けて、追加登録料200万円を支払い、GⅠ菊花賞に出走することになった。
さて、クラシックに挑むことになったアフリカンゴールド。この時点ではまあよくいる「夏の上がり馬」候補であったわけだが、この2018年10月、Twitterにひっそりとひとつのアカウントが生まれた。アフリカンゴールド(本人)(@AfricanGold_Win)である。
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https://twitter.com/AfricanGold_Win/status/1049200358419914752
いったい誰が運用しているのかも定かでないこのアカウント、上記ツイートのいいね数などを見ればわかる通り決して知名度も高くなかったが、この後もアフリカンゴールドの情報を発信するアカウントとして運用されていくことになる。
本番の菊花賞は単勝24.5倍の9番人気。道中前目につけたがスローペースで馬群が詰まって終始外目を回らされることになり、直線の瞬発力勝負にはついていけず12着に敗れた。
4歳(2019年)
明けて4歳となった2019年はGⅡ日経新春杯から始動。鞍上にフィリップ・ミナリクを迎えたがブービー15着と惨敗。鞍上も松若騎手に戻して自己条件の1600万下に戻ったが、3月の御堂筋Sは4着、4月の烏丸Sは2着となかなか勝ちきれない。
ステゴ産駒らしく気性がかなり荒く、日経新春杯ではパドックで暴れてミナリク騎手を振り落とそうとしたり、調教でも鞍上を振り落としたり立ち上がったりと、落ち着きを欠くこと甚だしく調教もままならなかったため、2019年6月、とうとう去勢されることになってしまった。
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https://twitter.com/AfricanGold_Win/status/1143493978949476353
去勢効果で落ち着きが出て、ついでに上記ツイートがそこそこバズって知名度も上がり(?)、騸馬となって初戦のマレーシアカップは4着に敗れたが、続く10月の六社Sでは平地再挑戦で話題の1番人気オジュウチョウサンが直線で沈んで行くのを尻目に好位から抜け出し押し切り勝ち。オープン馬に昇格した。
昇格初戦は11月のGⅡアルゼンチン共和国杯。クリストフ・ルメールを鞍上に迎えて1番人気に支持されたが、直線で馬群を割って追い込んだもののムイトオブリガードには届かず3着。
とはいえ重賞でも初めて馬券に絡み、改めて翌年からの活躍が期待された、のだが……。
5歳~6歳(2020年~2021年)
明けて2020年から6歳2021年の年末までの2年間は、出るレース出るレース2桁着順の惨敗続き、鞍上もコロコロ変わり、はっきり言ってほとんど書くことがない。
2020年にはそこまで3戦連続2桁着順なのに無謀にも グランプリの宝塚記念に出走したが(単勝413.5倍の18頭中17番人気)、逃げ宣言をしたものの逃げることもままならず、4コーナーでもうついていけなくなり、ブービーのグローリーヴェイズからさらに3秒も離された大差最下位に終わる。
宝塚記念のあとは秋を全休して2021年初戦の白富士S(L)で4着に入ったものの(ちなみにこのとき勝ったのが翌年の大阪杯を勝つポタジェ)、以降はオープン特別ですら掲示板入りもままならないレースが続き、Twitterアカウントの呟きも「もうひと花咲かせたい」と悲壮感が滲み出てきていた。
さて、そんな負け続きの中で迎えた2021年12月のGⅢ中日新聞杯。何しろ惨敗続きで収得賞金を積めておらず除外対象だったところ、回避馬が出てどうにか出走できたこのレースで、アフリカンゴールドはなんとレースの戦法をTwitterのアンケートで決めるという奇策に出る。
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アンケートの結果は逃げ。前走から鞍上を任されるようになった国分恭介騎手がこのアンケート結果を知っていたのかは定かでないが、ともあれレースがスタートする。先手を取ったのは8番人気のショウナンバルディ。それをぴったりマークして2番手で追走するのは……アフリカンゴールド! 2頭でマイペースに逃げる格好になり、そのままショウナンバルディとともに逃げ粘って後続を完封して2着!
重賞初制覇こそ届かなかったが、2年ぶりの馬券圏内である。しかもこのレース、ここまで惨敗続きだったアフリカンゴールドは18頭中ブービー17番人気。3着にも10番人気のシゲルピンクダイヤが突っ込んだため、馬連10万6010円、3連複37万4280円、3連単236万8380円という大波乱の決着となった。
7歳(2022年)
明けて7歳は日経新春杯から始動。12番人気ながら今回も積極的な先行策を採り、一緒に先行した2頭が力尽きて沈む中で直線でも粘って5着としっかり掲示板を確保、上々の滑り出しとなる。
惨敗続きの間は中団から後方で待機したまま後ろでちょっと順位を上げて終了というレースが多かったアフリカンゴールド。それがTwitterアンケートの成果かどうかはさておき 中日新聞杯から明らかにレース内容が一変した。
国分騎手と西園師によれば、去勢で落ち着いた代償だったのか、どうもアフリカンゴールド自身の走る気がだいぶ薄れていたらしい。騎手が強めに促してやらないとなかなか走ろうとしないが、ちゃんと促してやれば促しただけきっちり走るし、そもそも走る気が薄いので道中折り合いの心配もない。そうすると元々スタミナがあるので、序盤からどんどん促して行かせてやっても直線でそのまま粘れる……ということに陣営が気付き、先行策に活路を見出すことになったようである。
2月13日 京都記念(GⅡ)―ゴールドを取り戻せ!―
そして迎えたGⅡ京都記念。ここ2走の結果が良好とはいえ、7歳の重賞未勝利馬、鞍上の国分騎手はこの年まだ平場ですら未勝利と、人馬とも実績に乏しいアフリカンゴールドは単勝51.5倍、13頭中ブービーの12番人気であった。そんな中、アフリカンゴールドは再びアレを繰り出す。そう、Twitterでの戦法アンケートである。
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https://twitter.com/AfricanGold_Win/status/1492331590546239491
やはり今回も選ばれたのは逃げ。そして迎えたレース本番、外枠から果敢にハナを切りに行ったのは……青い勝負服のアフリカンゴールド! 1番人気のユーバーレーベンが先行策を採って他の馬がそれをマークするのを尻目に、Twitterアンケート通りの逃げの手を打ち、人気薄でノーマークなのをいいことにマイペースにレースを引っぱっていく。直線に入っても小雨の降る稍重の馬場で後続が伸びを欠く中、逃げて逃げて誰にも並ばせず、そのまましてやったりの押し切り勝ち。
2019年10月の六社S以来、実に2年4ヶ月ぶりの勝利で、7歳にして嬉しい重賞初制覇。国分騎手はこれが2022年初勝利、重賞勝利は2018年マーメイドステークス(アンドリエッテ)以来3年8ヶ月ぶり。馬の気持ちを見抜いてその力を信じた騎手と、それに応えた馬のまさしく人馬一体。ともにGⅠ初勝利が7歳でのことだった父と兄の血も想起させる、実に痛快な勝利であった。
ステイゴールド産駒はこれで17年連続重賞勝利。父*サンデーサイレンスの記録に並び、残された子供たちが紡ぐ黄金の旅程にもまた新たな1ページが刻まれたのであった。
なお、アフリカンゴールド(本人)はこの勝利について「3年前に失ったゴールドをようやく取り戻した気分 」とのこと。
4月3日 大阪杯(GⅠ)―vs現役最強馬&新星逃げ馬―
晴れて重賞ホースとなったアフリカンゴールドは、続いてGⅠ大阪杯へ乗りこんだ。
レース前は昨年の年度代表馬エフフォーリアと、5連勝で注目の的となった逃げ馬ジャックドールの完全な二強ムード。アフゴはといえば、堂々と逃げ宣言はしたものの、Twitterで「マカヒキ先輩とアダルト連合を結成しようかな!! 主な任務はレイパパレちゃんの護衛😚」とか言っていたら、本当にレイパパレの隣になったはいいものの、マカヒキと一緒に大外8枠15番に入れられてしまう。
逃げ馬にとって外枠の8枠15番というのは相当不利なものであり、おまけに今度はもっと強い逃げ馬がいるし、前走はあくまでノーマーク故の一発と見られたか、単勝92.9倍の11番人気に留まった。
そんな中、アフゴはやっぱり今回もTwitterアンケートを繰り出す。今回はもう戦法は満場一致で逃げ一択なので、「どう逃げるか」のアンケである。
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さすがに大逃げという無謀な策がアンケートで選ばれることはなく、普通の逃げ戦略になった。
レースだが、内枠からハナを主張するジャックドールに、アフゴは果敢に競りかけていく。結局ハナは奪えず2番手でジャックドールを追走する格好になり、ウインマリリンとレイパパレ(前年の覇者)が3番手グループ、ポタジェとヒシイグアスが5番手グループにつける形に(そのあとは開いた)。
ジャックドールとアフゴが競り合ったため、前半1000mは58秒8とハイペースで流れる展開。アフゴは直線入口まで番手で粘ったが、さすがに直線では力尽きてかわされていった。それでもずるずる沈没することはなく、最終的には勝ったポタジェと0.6秒差の7着。
着外ではあるものの、大外枠、前走と違って競り合ってのハイペースの流れと、不利な要素の中でも垂れずに踏ん張れることは示し、撃沈したエフフォーリア(9着)とそれをマークして巻き込まれたアカイイト(10着)のGⅠ馬2頭に先着したので、重賞ホースとしての実力は見せたと言えるだろう。本人も「…現役最強馬に勝った😏」と満足げであった。
6月26日 宝塚記念(GⅠ) ―宝への鍵はまだ遠く―
続いては次走をアンケートで決めようとしたが、アンケの結果が確定する前に陣営から次走はGⅠ宝塚記念と発表された。当たり前だ。
ファン投票の結果は全体32位、特別登録した中では11番目で惜しくも優先出走権は獲得できなかったが、京都記念の勝利と中日新聞杯の2着で充分な出走馬決定賞金を持っていた(登録した残り10頭中4番目)ので、無事に出走が決定。2年前にはほとんど思い出出走みたいな立場で挑み、大差で惨敗したグランプリに、今度は重賞を勝った実力馬の一角として胸を張って挑むことになった。
その宝塚記念は近年稀に見る豪華メンバー。特に春天を圧勝したタイトルホルダー、ドバイターフで世界に名を轟かせたパンサラッサという現役最強の逃げ馬2頭が参戦したことで、「アフゴが玉砕覚悟でパンサラッサに競り掛けるのか、それともタイトルホルダーと番手争いをするのか」が展開予想における注目ポイントに。1枠2番という内枠を引いたこともあり、超豪華メンバーのグランプリの展開の鍵を握るという立場になった。さらには同じステゴ産駒の同期、海外で父のゴドルフィンキラーの血を覚醒させたステイフーリッシュも出走。ゴドルフィン所有馬として同父対決にも注目が集まった。
今回は戦法アンケを行わず迎えたレース本番。1枠1番で同じく先行馬のオーソリティが除外となったため最内となったアフゴはこれを好機とハナを切り……たかったが、逆にやや出遅れてしまう。それでも抜群のスタートを決めたタイトルホルダー、それを交わしていったパンサラッサに次ぐ3番手につけたが、前2頭が作り出した1000mのペースは驚愕の57秒6! そんなペースではさすがに粘りこめるはずもなく、第3コーナーから他馬に交わされていき、最終的にはタイトルホルダーが叩きだしたレコードの前にブービー16着に終わった。ちなみにステイフーリッシュ(9着)にはとくにどうということもなく交わされた。なお、同じステゴ産駒7歳馬のもう1頭マイネルファンロンが14番人気で5着と健闘。そっちかよ! とはいえ大差の最下位に終わった2年前からの成長は間違いなく見せられたといえよう。
7月15日~8月14日 アイドルホースオーディション
宝塚の戦いを終え、秋に向けて休養に入ったアフゴ。しかし今年の活躍で、彼の輝ける舞台はレースだけに留まらなくなっていた。そう、京都競馬場のアイドルホースオーディション 2022である。
STEP1(1人1回10頭まで投票可)で選ばれた上位10頭から決選投票となるSTEP2(1人1頭を1日1回まで)が行われ、上位5頭がぬいぐるみ化されるというこの企画。昨年はメロディーレーン、キセキ、ライスシャワー、カレンブーケドールといった面々の中でなんとヨシオが1位になったことでも話題になった。
今年も行われたこの投票。7月28日にSTEP1の上位10頭が発表されたが、なんとアフゴはその上位10頭にランクイン。ぬいぐるみ化を賭けた決選投票に進む権利を獲得した。無名だった1年前からは信じられない出世である。
しかしぬいぐるみ化を争う残り9頭は、父ステイゴールドをはじめ、オニャンコポン 、ゴースト 、ディープボンド、ハヤヤッコ、パンサラッサ、メイケイエール、ヨカヨカ、リフレイムという現役を中心にいずれ劣らぬネタ馬 個性派揃いの濃い面々。GⅠ級の豪華メンバーに果敢に挑んだものの、力及ばず上位5頭にランクインすることはできなかった(ぬいぐるみ化はピンクの5頭)。
なおSTEP1の得票数は5696票で4位だったことが判明(1位メイケイエール、2位ディープボンド、3位リフレイム)。17票差の5位だったゴーストはともかく、STEP1では1300票差をつけていた8位ヨカヨカと9位ステイゴールドに(リフレイムともども)逆転された格好となった。結果発表時「ゴドルフィン所有馬だから親父に差された」と一部で言われていたが、あながち間違いでもなかったようである。
7歳秋―再び厳しい戦いが続く―
秋は10月10日のGⅡ京都大賞典から始動。最内の1枠1番をゲットしたものの、同じく逃げ馬のユニコーンライオンとディアスティマが出てきたこともあって逃げるのは難しいと見られたか、14頭中12番人気(ただし人気は割れに割れており、単勝25.6倍)。
とにかくマイペース逃げに持ち込みたいので国分騎手はスタートからビシバシ鞭を振るったものの、二の足がつかず外のユニコーンライオンとディアスティマに前に出られ、結局3番手のレースに。4コーナーから国分騎手が押していくものの反応は鈍く、直線で沈んで人気通りの12着に終わった。
当初はこのあと天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念の秋古馬三冠全てに出走するという90年代みたいなローテを表明していたが、京都大賞典の惨敗でさすがに厳しいと思い直したのか、次走は11月のGⅡアルゼンチン共和国杯へ。鞍上は相棒の国分騎手が前日に落馬負傷したため、短期免許で来日中の英国のトム・マーカンドが騎乗した。18頭立ての14番人気(単勝46.8倍)。
レースはキングオブドラゴンが大きく逃げ、アフゴは2番手でそれを追走。直線でキングオブドラゴンが物見をしてラチにぶつかり後退、残り400m前で一度は先頭に躍り出たが、残り400mを過ぎたところで後続に呑み込まれて10着。
7歳シーズンは結局これで終了。重賞制覇を果たして一躍大きく名を上げたものの、その後は再び厳しい感じで終わってしまった。
8歳(2023年)
種牡馬入りの道はなく走れるだけ走るしかない騸馬なので8歳となる2023年も現役続行。昨年5着のGⅡ日経新春杯から始動。鞍上は国分騎手に戻り、14頭立ての12番人気。
稍重の馬場、同じ逃げ馬のキングオブドラゴンなどがいる中、大外枠からいつも通り国分騎手が押していき、ハナを切ったアフリカンゴールド。道中積極的に競り掛けてくる馬はおらず、久々にスローペースの単騎逃げという自分のペースに持ち込んだ。4コーナーから後続が追ってくるものの、直線でもキングオブドラゴンとの追い比べを内で粘ったものの、残り200m手前で力尽き、後続に呑まれて9着。
連覇を目指したGⅡ京都記念では、前年覇者なのに、気が付けば去年よりずっとオッズが高い111.2倍の10番人気。そして隣に同じ逃げ馬の🦄🦁ことユニコーンライオン、さらにその隣にまたキングオブドラゴンがいるという、アフゴにとっては厳しい枠となる。そしてその通り、スタートからユニコーンライオンに前を塞がれ、さらに外からキングオブドラゴンに締められては後退せざるを得ない。もうどうにもならず中団後方からのレースになってしまい、見せ場のないまま9着。
続いてはGⅡ阪神大賞典。3000mのレースは去勢前の菊花賞以来である。前年の菊花賞・有馬記念2着のボルドグフーシュと菊花賞3着のジャスティンパレスの4歳馬2頭、そして3連覇を目指すディープボンドの3強ムードの中、114.0倍の10番人気。しかし今回はアフゴに追い風が吹いていた。そう、他に逃げ馬がいないのである!
スタートから押していく大外枠のディープボンドを制するように、国分騎手が押しまくってハナを切ったアフゴは、そのまま1000m64秒9のスローな楽逃げに持ち込んだ。オッズ的にも完全なノーマーク、国分騎手のゲキに応えて直線に入っても粘るアフゴ。久々の逃げ切り大穴が開くか、と一瞬夢を見たが、残り200mでボルドグフーシュに捕まり、さらにジャスティンパレスにあっさりかわされ、最後はブレークアップにも差されて4着。とはいえディープボンドに先着し、昨年の京都記念以来の掲示板確保。スローな楽逃げさえできればまだまだ戦えることを示した。
この好走でGⅠ天皇賞(春)へ。果敢に逃げ宣言するも、引いた枠はなんと大外8枠17番。ただでさえタイトルホルダーがいるのでスローな楽逃げはほぼ不可能な上に、雨で渋った稍重の馬場にこの枠では……というわけで213.8倍の13番人気。
しかし内目の枠からいつも通り逃げの構えのタイトルホルダーに、アフゴと国分騎手は果敢に競り掛け、押しに押しまくってハナを奪う。アフゴの果敢な挑戦に新装・京都競馬場は大歓声。そのまま1000m59秒7のハイペースで入ったアフゴだったが、1コーナー前でタイトルホルダーに先頭を譲る。さすがに飛ばしすぎたので抑えるか……と思いきや、なんとそのままずるずると後退し、向こう正面で国分騎手が下馬、競走中止。さらにタイトルホルダーも4コーナーで失速、そのまま競走中止となってしまい、京都の歓声は悲鳴に……。不幸中の幸い、アフゴは心房細動、タイトルホルダーは跛行でともに命に別状はないとのことだったが、逃げ馬対決はなんとも言えない結末となってしまった。
幸い、その後異常はなく、5月2日には元気に運動している姿を見せた。近日中には放牧の予定とのこと。
アイドルホースオーディション2023
そんなわけで休暇を迎えたアフリカンゴールドであるが今年もあの季節がやってきた。そう、アイドルホースオーディションの季節が。
去年は最後の最後で親父に差し切られるというなんとも言えない終わりを迎えたが、今年はその無念を晴らすべく予選を1位で通過。
現役馬2頭、引退馬1頭の去年よりも2枠狭くなった人形化の枠を争う最終選考においては全14万9244票のうち30545万票を獲得する圧倒的1位でアイドルホースオーディション1位に輝いた。
アイドルホースオーディション後、そして9歳(2024年)、引退まで
その後、札幌記念(GII)ではユニコーンライオンがハナを切り、それを見る形の2番手で進めるも、最後はまとめて失速し12着。京都大賞典(GII)は1000mを61秒6というスロー逃げに持ち込み、最後は4頭につかまるも5着と掲示板を確保。ステイヤーズS(GII)では、先にハナを切るが、アイアンバローズにつっつかれつつの形に。1000mを63秒9とするが、1周目3コーナーでどんどんアイアンバローズに置いて行かれ、アイアンバローズが大逃げする形に。こうなっては力を出し切れず12着。
9歳を迎えて2年前に制した京都記念(GII)だが、最後の直線であっさりバビットに抜かれるとあとはずるずると後ろへ下がっていき10着。
結果このレースをもって引退となり、阪神競馬場で乗馬になるとのこと。
血統表
ステイゴールド 1994 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
ゴールデンサッシュ 1988 栗毛 |
*ディクタス | Sanctus | |
Dronic | |||
ダイナサッシュ | *ノーザンテースト | ||
*ロイヤルサッシュ | |||
*ブリクセン 1998 鹿毛 FNo.10-c |
Gone West 1984 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Secrettame | Secretariat | ||
Tamerett | |||
Danish 1991 鹿毛 |
*デインヒル Danehill |
Danzig | |
Razyana | |||
Tea House | Sassafras | ||
House Tie |
クロス:Northern Dancer 5×5(6.25%)
関連動画
関連リンク
関連項目
- 競馬
- 競走馬の一覧
- 2018年クラシック世代
- ステイゴールド産駒 (以下4頭は同期の産駒)
- サンデーサイレンス系
- アフリカンストーリー - 半兄
- 騸馬
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- ダノンマジェスティ
- アーモンドアイ
- ジャスティファイ
- ブラストワンピース
- ベリーエレガント
- マイネルファンロン
- タニノフランケル
- リュウノユキナ
- ステルヴィオ(競走馬)
- スタディオブマン
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