ニコニコ大百科:植物 アブラナ |
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分類 ? |
(クロンキスト) フウチョウソウ目アブラナ科アブラナ属 (APG) アブラナ目アブラナ科アブラナ属 |
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学名 ? |
Brassica napus | |
アブラナ科 Brassicaceae? | ||
アブラナ - カブ - カラシナ - カリフラワー - キャベツ - クレソン - コマツナ - ダイコン - タカナ - ブロッコリー - ミズナ - ワサビ |
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このテンプレートについて |
アブラナとは、アブラナ科に属する植物のひとつ。「菜種(ナタネ)」「菜の花(なのはな)」などとも呼ばれ、名前の通り種子から植物油を搾ったり、また開花前のつぼみを食用にするなどで利用される作物である。
ポケットモンスターの登場人物のナタネについては「ナタネ(ポケモン)」を参照のこと。
概要
原産地はヨーロッパ~中東付近とされる。アブラナにもいくつか品種があり、よく見かけるのはセイヨウアブラナ(西洋油菜)という外来種で、日本在来種もまだ現存・栽培されている。春になると黄色い小さな花を咲かせ、この花が一面に広がる菜の花畑は各地で春の風物詩として親しまれている。千葉県の県花として有名だが、他にも愛媛県伊予市や愛知県田原市など、様々な自治体で市町村花に設定されている。
日本などで使われている菜種油の原料として広く栽培される二年草で、収穫した種を搾ることで油を抽出する。日本の国産菜種油もあるが、多くは海外から輸入している。世界的には中国やカナダ、日本国内では北海道や東北地方での生産量が多い。種のみならず、つぼみなども春野菜としても食用にされる。
植物としては繁殖力が強く、栽培は比較的容易。小学校の理科の授業でアブラナを育てた、という人も少なくないだろう。雑草などとして見掛けることもしばしば。
アブラナは放射能に汚染された土壌の除染に効果があるとされ、現在福島の被災地域で盛んに植えられているが、一方でその効果は眉唾ものとも言われている(ヒマワリも同じく)。
菜種油
アブラナの最たる利用方法は、名前通りの「菜種油」の採取である。古くから世界中で使われてきた油のひとつで、炒め物・揚げ物など何にでも使えるのが強み。油の搾りかすは肥料としても使える一挙両得の優れ物。
ただし、菜種油にはエルカ酸という脂肪酸の一種が含まれており、これを過剰に摂取すると心臓に悪影響を及ぼすとして、長らくアメリカ合衆国などでは使用が禁止されてきた。そりゃお前らの食生活が脂っこすぎるからいけないんだよ。これを解決するために、隣国カナダでは品種改良が行われ、エルカ酸などの人体に有害な物質を含まなくさせた「キャノーラ種」というアブラナの品種を誕生させた。「キャノーラ油」とはこのキャノーラ種の油であり、一方の「菜種油」はキャノーラ種以外のアブラナから採ったものである。キャノーラでない菜種油でも、近年のものはエルカ酸を含まない品種が主流なので、前述のアメリカンな食生活でも利用できるようになっている。
「サラダ油」は菜種油や大豆油などから、低温で固まりやすい固形分を取り除いたもの。普通の菜種油と同じく炒め物・揚げ物などに使うほか、ドレッシングの材料などにも使われる。アブラナ以外の原料が混ざったものも多く、用途は似てるが菜種油とは別物である。
菜の花のおひたし
冬から春にかけて、菜の花のつぼみを摘み取ったものが春野菜として全国に出回っている。緑のつぼみから黄色い花がほのかに覗く姿はかわいらしく、主におひたしにして料理の彩りに添えられる。
調理方法はほうれんそうとほぼ同じで、ほうれんそうよりもアクが少ないので、茹でる時間は短くてよい。ブロッコリーなどと同じく、花が開ききらないうちに食べてしまうのが理想。
なばな
上記のつぼみを食べる「菜の花」は、在来種のアブラナが多い。一方で、搾油用に広く栽培されているセイヨウアブラナは成長すると身が硬くなるため、柔らかいうちに摘み取った茎や若芽を葉物野菜として食用にしている。これらは主に「なばな」という名前で流通しており、ほうれんそうに比べると硬いがブロッコリーに近い甘みがある野菜で、やはりおひたしに最適。他には炒め物、和え物、汁物、混ぜご飯、さらに鍋料理やパスタ料理の具にしても美味とされる。
この「なばな」は三重県桑名市長島町が産地として有名である。もともとこの町は古くから搾油用のアブラナの栽培が盛んだったのだが、油になる菜種を量産するには茎や若芽をある程度摘み取る必要があった。捨てるのがもったいないので摘んだ茎や若芽は副産物として地元で食べていたのだが、これが結構おいしかったので昭和30年ごろに最初から食用としての栽培が始まった。そして昭和40年代ごろには「三重なばな」というブランド名も付けて大々的に販売され始めた。「なばな」という名前が定着したのもこれが始まりだったとされる。
この長島町には「なばな」から名前をとった「なばなの里」という施設もある。しかし四季折々の様々な花をテーマとした植物園であり、別にこの野菜や菜の花に特化した施設ではない。
アブラナ科
アブラナはアブラナ科アブラナ属の植物である。このアブラナ科にはキャベツや大根に代表されるような、野菜として身近な植物が多く含まれており、これらもアブラナに近い特徴を持っている。特にアブラナ科の花はその多くがアブラナに似た黄色くて小さい花を咲かせるので、菜の花畑だと思っていたものは実はカブの畑だった、ということも。
以下は主なアブラナ科の植物の一例。これだけで八百屋ができそうなほどである。
アブラナ科の植物同士を掛け合わせる品種改良もよく行われており、山口県のはなっこりーなどはブロッコリーとサイシン(菜の花に似た中国野菜)のアブラナ科植物の掛け合わせで生まれた野菜である。
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