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アマンタジン(Amantadine)とは、パーキンソン病A型インフルエンザの治療である。別称は1-アミノアマンタン、1-アダマンチルアミンなど。先発医薬品の販売名シンメトレル®

概要

有機化合物
アマンタジン
アマンタジン
基本情報
Amantadine
化学 C10H17N
分子量 151.25
化合物テンプレート

アマンタジンは、アダマンタン(C10H16)の水素原子1つがアミノ基(-NH2)に置き換わった構造をもつ第一級アミンである。A型インフルエンザウイルスの脱殻を阻するアダマンタン系抗ウイルス薬であるが、剤耐性を獲得したウイルスが増えたためインフルエンザの治療に用いられる機会はほとんどない。

1959年アメリカ合衆国A型インフルエンザウイルスに対する選択的な増殖制作用が発見され、抗ウイルス薬として開発された。1968年パーキンソン病の患者にインフルエンザ感染予防のため投与された際、パーキンソン病の症状を著しく改善したことから、パーキンソン病の治療に使用されるようになった。日本では、1975年パーキンソン病治療として発売された。脳梗塞後遺症の治療効果も認められ、1987年に適応が追加された。1997年に新A型インフルエンザウイルスH5N1)のヒトへの感染が発生し、A型インフルエンザパンデミックが危惧されたため、1998年A型インフルエンザウイルス感染症の適応も追加された。

サンファーマ株式会社より、アマンタジン錠剤および細粒剤がシンメトレル®の名で製造販売されている。販売名のシンメトレル®は、アマンタジンの構造が対称(シンメトリー)であることに由来する。ジェネリック医薬品も製企業各社より製造販売されている。

効能・効果

用法・用量

パーキンソン症候群の治療において、成人には初期量1日100mgを1~2回に分割して経口投与し、1週間後に維持量1日200mgを2回に分割して経口投与する。症状や年齢に応じて適宜増減する。

脳梗塞後遺症に伴う症状の治療において、成人には1日100150mgを2~3回に分割して経口投与する。ただし、投与12週で効果が認められなければ投与中止。症状や年齢に応じて適宜増減するが、1日の最大投与量は300mg

A型インフルエンザの治療において、成人には1日100mgを1~2回に分割して経口投与する。症状や年齢に応じて適宜増減するが、高齢者や腎機障害のある患者の1日の最大投与量は100mg。発症後は速やかに(48時間以内に)投与を開始する。耐性ウイルスの発現を防ぐため、投与期間は短期間(最長でも1週間)とする。また、インフルエンザワクチンの入手が困難な場合やワクチン接種が禁忌となる場合には、予防の的で使用できる。

作用機序

パーキンソン病は、質-線条体系のドーパミン神経系の変性によってドーパミン量が減少し、アセチルコリンの作用が相対的に増強することで、筋固縮や振戦などをきたす疾患である。血管障害剤の副作用によって同様の症状(パーキンソン症候群)をきたす例もある。アマンタジンは、ドーパミン神経系におけるドーパミンの遊離促進、再取り込み抑制、生合成促進により、ドーパミン神経系の機進させることで、パーキンソン病パーキンソン症候群を改善する。

インフルエンザウイルスは、その表面に水素イオンチャネル活性のある膜タンパク質M2タンパク質)を有する。M2タンパク質ウイルス周囲の水素イオン濃度(pH)を検知するのに用いられ、増殖に適した環境(宿細胞内)において脱殻(ウイルスRNAやウイルスタンパク質放出)の引き金となる。アマンタジンは、A型インフルエンザウイルスM2タンパク質を阻し脱殻を阻することで、ウイルス増殖を抑制する。B型やCインフルエンザウイルスには効。

アマンタジンにはNMDAグルタミン受容体(NMDA受容体)阻作用もあり、細胞内への過剰なCa2+流入を抑制し神経細胞を保護する。NMDA受容体拮抗でありアマンタジン類縁物質であるメマンチン(1-アミノ-3,5-ジメチルアダマンタン)はアルツハイマー認知症の症状進行抑制に用いられているが、アマンタジンは適応ではない。

禁忌・副作用

アマンタジンは、投与量の85~95%が未変化体やN-アセチル体として尿中に排される。したがって、腎機の低下している患者では減量や投与間隔延長といった調整が必要であるほか、重篤な腎機障害のある患者への投与は禁忌である。なお、アマンタジンは血液透析でも除去されにくい。

奇形性の疑われる症例の報告があり、妊婦または妊娠の可性のある女性への投与も禁忌である。アマンタジンは中へ移行するため、授乳婦への投与も禁忌とされている。

副作用としては、めまい、立ちくらみ、頭痛、不眠、食欲不振、吐き気、口渇、浮腫(むくみ)などがある。重大な副作用として精神症状(幻覚妄想、せん妄)の報告がある。

同種同効薬

アダマンタン系抗ウイルス薬として、ほかにリマンタジン、アダプロミン、メマンチンなどがあるが、抗ウイルス薬として日本で上されているのはアマンタジンのみ。リマンタジンアメリカ合衆国インフルエンザパーキンソン病の治療として販売されている。アダプロミンはA型B型両方のインフルエンザウイルスに有効とされ、ロシア連邦インフルエンザ治療として販売されている。メマンチン(メマリー®)は日本でも販売されているが、インフルエンザパーキンソン病の治療には用いられておらず、アルツハイマー認知症の症状の進行を遅らせる的で利用される。

アマンタジンはA型インフルエンザにしか使用できず、ウイルス剤耐性を獲得している懸念がある。したがって、インフルエンザの治療にはオセルタミビルタミフル®)、ザナミビルリレンザ®)、ラニナミビルイナビル®)、ペラミビルラピアクタ®)といったノイラミニダーゼ阻に使用される。

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