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アムロジピン
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アムロジピン(Amlodipine)とは、カルシウム拮抗である。先発医薬品の販売名ノルバスク®ファイザー)、アムロジン®大日本住友製薬)。

概要

有機化合物
アムロジピン
アムロジピン
基本情報
英名 Amlodipine
化学 C20H25ClN2O5
分子量 408.88
化合物テンプレート

アムロジピンは、ジヒドロピリジンカルシウム拮抗(Ca2+チャネル遮断)である。血管滑筋を弛緩させ血圧を低下させる作用があり、高血圧症狭心症の治療に用いられる。

イギリスの製企業ファイザーが、作用持続時間の長いカルシウム拮抗探索研究において創出した。多くのカルシウム拮抗半減期が数時間程度であるのに対しアムロジピンの半減期は約36時間と長いため、1日1回の投与で24時間効果が持続する。日本では1993年医薬品として承認されており、ファイザーよりノルバスク®大日本住友製薬よりアムロジン®の名で製造販売されている。現在ではジェネリック医薬品も上されている。また、高血圧症の治療であるアジルサルタンやカンサルタン、高コレステロール血症の治療であるアトルバスタチンなどとの配合剤もある。

一般にカルシウム拮抗は、グレープフルーツジュースとの飲み合わせが良くない。それはグレープフルーツに含まれるフラノクマリン類が、小腸の物代謝酵素CYP3A4を阻してカルシウム拮抗の吸収を増大させるため。アムロジピンは較的そのを受けにくいが、Cmaxピーク時の血中濃度)やAUC(物の曝露量の標)が上昇したというデータがあるため、アムロジピン内中はグレープフルーツジュース飲用を避けたほうが難だろう。なお、フラノクマリン類によるCYP3A4阻効果は3~7日間ほど続くことがあるため、を飲むタイミングと数時間けたところでは免れえない。グレープフルーツ以外にも、夏ミカンダイダイブンタンなどにもフラノクマリン類は含まれているため注意を要するが、温州ミカンカボスレモンなどはフラノクマリン類をほとんど含まず相互作用の心配が少ない。[1]

効能・効果

用法・用量

高血圧症の治療の場合、アムロジピン2.5~5mgを1日1回内する。症状に応じて適宜増減し、効果が不十分なら1日10mgまで増量可である。6歳以上の小児ならアムロジピン2.5mgを1日1回内し、最大量は1日5mgまでとする。

狭心症の治療の場合、アムロジピン5mgを1日1回内する。症状に応じて適宜増減する。

作用機序

カルシウム拮抗は、細胞膜に存在する電位依存性Ca2+チャネルを遮断して理作用を示す。電位依存性Ca2+チャネルには、L、N、Tなどのサブタイプがあり、ジヒドロピリジンカルシウム拮抗血管滑筋細胞に存在するLCa2+チャネルを遮断する。LCa2+チャネル遮断によって細胞内へのCa2+流入が抑制され、血管滑筋が弛緩して血管が拡するため、血圧は低下する。

また、末動脈の拡により末血管抵抗が減少するため、後負荷(心臓の収縮期に心筋にかかる負荷)は軽減される。冠動脈の拡により冠血流量は増加し冠攣縮(発作性の異常血管収縮)も緩解する。これらの作用は狭心症の症状を善させる。

抗炎症作用や抗化作用の報告もある。

禁忌・副作用

ジヒドロピリジン化合物に対する過敏症の既往歴のある患者への投与は禁忌である。

妊娠中の女性妊娠している可性のある女性への投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に可2022年以前は添付文書上禁忌となっていたものの、この適正性について検討され、禁忌の項より削除された。

副作用として、頭痛、顔面潮、浮腫などがある。速効性のカルシウム拮抗は反射的に頻脈を起こすことがあるが、アムロジピンは作用発現が緩徐であるため頻脈をきたしづらい。

同種同効薬

アムロジピンは、カルシウム拮抗(Ca2+チャネル遮断)であり、その構造からジヒドロピリジン系に分類される。これらは以下に示すように、“-dipine”(~ジピン)という共通の幹をもつ。

一般名 売名 標的 一日量 半減期
ニフェジピン アダラート®CR L 20~80mg 8.1時間
ニカルジピン ペルジピン®LA L 40~80mg 7.6時
マニジピン カルスロット® L 10~20mg 7.3時
ベニジピン コニー® T/N/L 2~8mg 3.8時間
シルニジピン アテレック® N/L 5~20mg 8.1時間
アムロジピン ノルバスク®
アムロジン®
L 2.5~10mg 約36時
アゼルニジピン カルブロック® T/L 8~16mg 20時

カルシウム拮抗は電位依存性Ca2+チャネルを遮断する。電位依存性Ca2+チャネルには、L、N、Tなどのサブタイプがあり、カルシウム拮抗はLCa2+チャネルを遮断するが、TないしNのCa2+チャネルを遮断するカルシウム拮抗(ベニジピン、シルニジピン、アゼルニジピンなど)もある。TやNのCa2+チャネルが遮断されると、心拍数や脈拍数が低下し、糸球体内圧低下による腎保護効果も得られる。

配合剤

アムロジピンは、アンジオテンシンII受容体拮抗高血圧症治療)、HMG-CoA還元酵素阻(高コレステロール血症治療)などとの配合剤が上されている。用量の微調整がしづらく半錠分割や粉砕ができない欠点はあるが、2~3種類のが1つにまとめてあるため用回数が減ったり費用が安くなったりする利点もある。

アムロジピン + アンジオテンシンII受容体拮抗薬

高血圧症の治療に用いられる。

アムロジピン + アンジオテンシンII受容体拮抗薬 + チアジド系利尿薬

高血圧症の治療に用いられる。

アムロジピン + HMG-CoA還元酵素阻害薬

高血圧症または狭心症と、高コレステロール血症を併発している患者の治療に用いられる。

関連動画

関連項目

脚注

  1. *グレープフルーツ以外にも注意したい食材 - 大阪府立病院機構 大阪国際がんセンターexit

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