アラビア語とは、アフロ・アジア語族セム語派に属する言語である。
ملخص(概要)
アラビア語とは本来アラビア半島でのみ話されていた言語に過ぎなかったが、イスラームの広がりに伴い、その聖典であるクルアーンが厳密にはアラビア語で書かれたもののみが原則とされたため世界的な広がりを見せることとなった。
その結果地域によってさまざまなヴァリエーションが生まれることとなった。
その何よりの特徴はやはり右から左に文字を記すことにある(これは同じセム語派であるヘブライ語にも共通している)。
直巷にあふれる言説にアラビア語に母音が存在しないなるものがあるが、それは文字を書く際母音が(本来それを表す母音記号があるにもかかわらず)書かれないということの誤解である。
الأبجدية(アルファベット)
アラビア文字を参照。
قواعد(文法)
現代標準アラビア語の人称の区別は、
1人称:単数・複数
2人称:男性単数、女性単数、双数、男性複数、女性複数
3人称:男性単数、女性単数、双数、男性複数、女性複数
の合計12種類である。
人称代名詞 | 単数 | 総数 | 複数 |
---|---|---|---|
3人称男性 | هُوَ (huwa) | هُمَا (humā) | هُمْ (hum) |
3人称女性 | هِيَ (hiya) | هُنَّ (hunna) | |
2人称男性 | أَنْتَ (anta) | أَنْتُمَا (antumā) | أَنْتُم (antum) |
2人称女性 | أَنْتِ (anti) | أَنْتُنَّ (antunna) | |
1人称 | أَنا (anā,ana) | 複数形で代用 | نَحْنُ (naḥnu) |
人称については口語において3人称女性複数は使われず3人称男性複数に置き換えられる例が非常に多い。また双数形の利用も文語よりは少なくなっている(特に動詞)。
またアラビア語の名詞は性と数の区別に加えて、主格・属格(一部は所有格に相当)・対格(一部は目的格に相当)の格変化も存在する。
アラビア語の動詞は基本的に子音を示すアルファベット3文字の語根(4文字語根等も存在する)を派生語の基礎としており、そこにどのような母音をつけるかで基本形~派生形第10形までの10種類に分かれる(古典アラビア語では第15形まである)。
- 第1形:XaYaZa、XaYiZa、XaYuZaの3種類で基本的な動詞(これを基本形とする)
- 第2形:XaYYaZaで使役や反復などを表す
- 第3形:XāYaZaで相互行為を表す
- 第4形:aXYaZaで使役を表す
- 第5形:taXYYaZaで2形の再帰的な表現を表す
- 第6形:taXāYaZaで相互行為を表す
- 第7形:inXaYaZaで再帰的な表現を表す
- 第8形:iXtaYaZaで再帰的な表現を表す
- 第9形:iXYaZZaで色の変化を表す
- 第10形:istaXYaZaで要求を表す
※XYZは語根の子音
上記の完了形動詞はいずれも人称・数・性に合わせて語幹部分の前後に接頭辞・接尾辞をつける形で区別が行われる。
なお人称代名詞同様、完了形・未完了形動詞の女性複数は口語ではほぼ用いられず男性複数で代用することが一般的である。
動詞完了形の活用 | 単数 | 双数 | 複数 |
---|---|---|---|
3人称男性 | ---a | ---ā | ---ū |
3人称女性 | ---at | ---tā | ---tunna |
2人称男性 | ---ta | ---tumā | ---tum |
2人称女性 | ---ti | ---tunna | |
1人称 | ---tu | 複数形で代用 | ---nā |
一方未完了形動詞(現在もしくは未来を示す)については以下の形が基本であり、文中の文法的に役割に応じて語末の子音を変えたり除去したりするなどして変化をさせる。
動詞未完了形の活用 | 単数 | 双数 | 複数 |
---|---|---|---|
3人称男性 | ya---u | ya---āni | ya---ūna |
3人称女性 | ta---u | ta---āni | ya---na |
2人称男性 | ta---u | ta---āni | ta---ūna |
2人称女性 | ta---īna | ta---na | |
1人称 | a---u | 複数形で代用 | na---u |
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