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アルタイとはモンゴル語で「金」を表す言葉で、以下の名称に使われる
- アルタイ山脈 -モンゴル西部に位置し、モンゴル高原の西境を成す。
- アルタイ諸語 -モンゴル語・トルコ語などが属する言語系統。
- アルタイ共和国(ロシア) -テュルク系アルタイ人によって構成されるロシア連邦内の共和国。
- アルタイ地方(ロシア) -3に隣接するロシアの地方行政区分の一つ。
- アルタイ地区(中国)-中華人民共和国新疆ウイグル自治区の地方行政区分の一つ。
- ゴビ・アルタイ県(モンゴル)-モンゴルの県(アイマグ)の一つ。
- アルタイ(戦車)-トルコで開発された戦車。
ここでは、1及び2について解説する。
1,アルタイ山脈の概要
モンゴル・ロシアに跨がって存在する山脈。名称は「金の山」を意味し、昔金が発掘されたことに因む。
乱掘による枯渇が原因で経済的にはあまり重要視されていない。
モンゴル高原の西境に位置し、歴史的にモンゴル高原の遊牧国家西部の天然の国境を成してきた(東突厥と西突厥の国境など)。また、ナイマン部などの部族はアルタイ山脈を根拠地に活動した。
現代においてはモンゴルと中華人民共和国領新疆ウイグル自治区の国境を成す他、モンゴル系民族とテュルク系民族の分布の境界線も成す。
2,アルタイ諸語の概要
西アジア・中央アジア・北アジアで広く使用される言語系統。モンゴル語・トルコ語・満洲語などが属する。共通の祖先に遡るアルタイ語族をなすとされる言語の総称である。
一言で言えば「遊牧民の使用する言語」であり、モンゴル人を筆頭に遊牧民の多くがアルタイ系言語を話す。
かつてはウラル語族(ハンガリー語、フィンランド語が属する)と共にウラル・アルタイ語族を形成し、世界三大語族(残りは印欧語族とアフロ・アジア語族)の一つであると言われたが、現在では否定されている
アルタイ諸語に属する言語は以下の3グループに大別され、これらの下にさらに細かい分類がある。
- テュルク諸語
最大の言語はトルコ語で、テュルク系言語話者の半数を占める。 他にも中央アジアやシベリア中央部にかけての広大な地域に多数の言語が分布する。 - モンゴル諸語
最大の言語はモンゴル語。モンゴル周辺に分布する。 - ツングース諸語
シベリア中央部からオホーツク海岸にかけて散在する。独立国の主要言語の地位をもつテュルク系やモンゴル系と異なり、これに属する言語は中国およびロシアの少数民族の言語ばかりである。ほとんどが絶滅寸前の状態にあり、もっとも有名な言語であろう満州語も例外ではない。
さらにここに日本語と朝鮮語(いずれも系統不明)が含まれることもある。もし日本語に仲間がいるとすればアルタイ系はその最有力候補であるが、両者の近縁性は未だ証明されていない。そもそも、モンゴル系、テュルク系、ツングース系が同一祖語を持つことすら確証が掴めないのが現状であるし、系統のわからない言語が地理的に近い場所で話される言語と関連付けて議論されるのもよくあることである。
アルタイ系の言語が用いられるのは次のような地域である
- モンゴル(モンゴル系)
- カザフスタン(テュルク系)
- キルギス(テュルク系)
- ウズベキスタン(テュルク系)
- トルクメニスタン(テュルク系)
- アゼルバイジャン(テュルク系)
- トルコ(テュルク系)
- 中国東北三省(トゥングース系)…内満洲
- ロシア沿海州地方(トゥングース系)…外満洲
- 東トルキスタン(テュルク系)
- タタールスタン(テュルク系)…以下はロシア連邦内の共和国も参照。
- バシコルトスタン(テュルク系)
- チュヴァシ(テュルク系)
- ハカス(テュルク系)
- アルタイ(テュルク系)
- トゥヴァ(テュルク系)
- カルムィク(モンゴル系)
- ブリヤート(モンゴル系)
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