アルフォンス・エルリックとは、『鋼の錬金術師』に登場する、主人公エルリック兄弟の弟である。通称「アル」。
概要
原作開始時点では14歳。兄は豆粒ドチビニーサンことエドワード・エルリック、父はヴァン・ホーエンハイム、母はトリシャ・エルリック。とはいえ、家庭の事情により兄と共に名乗るのはご覧の通り、母方の姓である。母の人体錬成を試みた際に対価として肉体全身を奪われ、兄の再錬成によって魂だけが「真理」から帰還、ヴァン・ホーエンハイムが鎧コレクションの一つとして保管していたフルアーマーに定着した。以後、兄と共に肉体を取り戻す旅をしている。
体は鎧であるため、三大欲求と触覚、味覚、嗅覚が無い。その影響で食事も睡眠も不要となってしまい、肉体疲労もしなくなった。また、鎧である今の体から、自分が兄だと思われることも。
同じく鎧に魂を定着させた存在であるナンバー66と対峙した際、魂が鎧という本来の肉体でない場所に無理やり定着させられた現状は、拒絶反応という限界がいつ訪れてもおかしくない「時限爆弾付きの身体」であると知る。また、真理に奪われた肉体は真理の扉の前に幽閉されているような形で存在している。どのようなプロセスが働いたのか不明なのだが、人体錬成失敗で兄弟同時に分解された際、兄とは精神を介して混線しており、最低限の栄養・睡眠については兄から吸い取る形で確保されている(ただし必要最低限しか供給されていないため、肉体はかなり衰弱している様子)。
性格は温和で優しい兄思い。兄が兄なので、若干大人びている面もあるが、感情表現が豊かであり、子供として扱われることや頭をなでられて喜ぶなど、歳相応の一面を除かせる。また、原作で多くの人と出会ったことにより精神的に成長し、ついにはキンブリーに皮肉を返すほどにまでなった。これはグリードやオリヴィエの影響である。また、兄よりはかなりマセており、小説やゲームで恋する事から作者から「天然タラシ」と言われてしまった。なお、鎧の中には猫か女性が潜んでいることがある(2003アニメDVD特典の裏鋼より)
能力
- 錬金術
- 錬金術も扱えるが、兄とは違って当初は錬金術を行う際に錬成陣を書く道具を必要としていた(それでも国家錬金術師に匹敵する程の高い実力がある)。しかし、ある事件をきっかけにショックで忘れていた「真理を見た時の体験」を思い出し、錬成陣が無くても手パンで錬金術を発動できるようになる。
- 2003アニメは終盤賢者の石にされたことにより陣なしでも使えたが、石の反応が身体に負担をかけない様、使用はしなかった。劇場版「シャンバラを征く者」では、元の身体で4年にわたる旅を忘れたため心理の扉も覚えておらず陣無の錬成はできず、手袋に描かれた錬成陣で錬金術を使う。
- 体術
- 鎧という巨大かつ頑健な、重量のある体を活かした肉弾戦も得意。師・イズミ直伝の体術が、この巨体によりますます強化されることになった(が、イズミ本人にはあっさり投げ飛ばされる)。しかし鎧になる前は弱かったかというとそんなことはなく、元々兄が「兄弟ゲンカで勝てたことがない」と発言するなど、生身だった頃から既に兄より体躯が良くケンカには強かったという設定がある。
- 鎧の身体
- その特性上、魂を定着させている鎧の血印(鎧の胴内部、背中側の首寄り)を削り取られたり変形させられると即死してしまうが、それ以外では不死に近い肉体となっている(拒絶反応という名の寿命を除けば)。生身だと思い込んで脳天や頚、鎧の継ぎ目を狙ってくる相手にはその存在自体がフェイントとなり、銃弾も無効。通常の人間が生存不可能な灼熱や極寒でも平常どおり活動可能で、いくら動いても筋肉疲労しない。さらに、腕や脚などを万一破壊されてもそれ単体で致命傷にはならず、失ったパーツさえあれば錬金術により繋ぎ合わせて再生可能。痛みも眠りもなく換えの効く便利な肉体だなとグリードに羨ましがられるも、本人は触覚も味覚も無い今の身体から脱して何としてでも元の体を取り戻したい、という確固たる意思に揺らぎは無い。
- また、鎧の中身の空洞には人間1人分を匿うことも可能。ただし本人のポリシーにより、「女性と猫以外は入れない」ことになっているらしい。
- 2003アニメでは終盤キンブリーにより爆弾に錬成されるが、傷の男と7000人にも及ぶ軍兵達により、「賢者の石」そのものとして錬成され、軍やホムンクルスに追われるようになった。
声優(釘宮病など)にまつわるアル話
釘宮病の感染源(いわゆるA型)でもある。主に女性が発病するが、たまにショタコンの男性や腐男子にも感染・発病するというかなり困ったウィルスなので注意。
過去にもNHKアニメ「十二国記」に登場する少年の麒麟「泰麒」の声も行ったが、この作品がきっかけで「釘宮理恵は少年役もできる」とより広く認知されるようになった。オーディションについては最初からアル役で呼ばれており、当初は事務所からアルのセリフに相当するマンガのコピーだけ貰っており、本格的に原作を読んだのはなんとオーディション会場でだった。オーディション当初は男の人がやると思っており、たとえ落ちたとしても後悔だけはしないよう、全力で頑張ろう!! と気合いで臨んだという。不安も合ったようで、最初はアルに釘宮がついていくような感じだったと語っている。一方でエドワードを演じた朴は、オーディションのときに釘宮と初めてエドとアルを演じた時に「あ、これは絶対理恵と私でやるんだな」って思ったと語っている。
アフレコ当初、現在のようにエフェクトを使用せず、空き缶越しに喋っていたのは有名な話。FULLMETAL ALCHEMISTの時は、前作と重なっている部分があって、釘宮の中には記憶が2種類あるっていう感じだったという。また、現場には9歳から80歳過ぎの役者がいた為、「自分が喋ってないときは常に観察させていただいているというか。何か盗み取ってやろう」と思える現場だと語っている。
余談だが、演じてる釘宮はアルフォンスの他にキャスリン・エル・アームストロング(第1作・第2作共通)、シャオメイ、真理(共に第2作のみ"まり"じゃねぇぞ)を演じている。
関連動画
関連静画
関連項目
- 鋼の錬金術師
- エドワード・エルリック / ニーサン
- 弟
- 釘宮理恵 / 釘宮病
- ショタ
- 鎧
- 賢者の石
- さまようよろい(作者が「アルの鎧姿のヒントにした」と答えている)
- 椿鬼奴(当キャラにダンボールを用いて扮してものまね芸を披露するというネタ動画がある)
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