アルマジロとは、アルマジロ科の生物の通称である。実在の動物。
曖昧さ回避
概要
アルマジロの語源はスペイン語で、「武装する小さなもの」を意味するarmadoから取られている。アルマジロ科に属する全20種類が丸くなれるとよく勘違いされるが、実際に丸まれるのはミツオビアルマジロとマタコミツオビアルマジロの2種だけである。
背中に鱗甲板(りんこうばん)と呼ばれる堅い鱗状の甲羅のようなものを持っており、丸まる事でこの鱗甲板を展開。強力な防御力を発揮する。その堅さたるや、銃弾を弾き返すほど。当然、天敵の爪牙も受け付けない。この自然界にあるまじき防御力を以って外敵から身を守る。ただこの鱗甲板は非常に重く、機動性が犠牲となっている。さすがに幼少期は鱗甲板が発達しておらず、天敵に装甲を貫通されて捕食されてしまう。逆に丸まれない他のアルマジロ科は、穴へ逃げ込む事で外敵から逃れる。天敵はジャガー、ピューマ、オオカミなど。しかし丸まれるアルマジロ科は凄まじい防御力を持っているため助かるケースが多い。
主にブラジルなどの中南米に生息。最近では北アメリカ大陸でもよく見掛けるようになっている。温暖な気候を好み、熱帯雨林、草原、砂漠などに生息している。夜行性で、昼間は住処となる穴の中で18時間ほど寝ている。夜になると外に出て、鋭敏な嗅覚でエサを探す。地中20cmに潜む小さな獲物をも感知できる。前肢に丈夫な爪を持ち、地面を掘って果実や木の根、トカゲなどの小動物、昆虫を食べる。ヒアリまで食べてくれるので人類にも有益な面を持ち合わせている。ごくまれに鳥の卵や死肉を食べる。寿命は8年から12年ほど。飼育下では20年以上生きた例も。アルマジロは群れず、単独で生活する。泳いだり、山に登ったり、ジャンプしたりと意外と身体能力が高い。また酸素を取り込む独特な体型をしており、水中でも6分間息を止められる。これを活用して川底や池を歩いて渡り、逆に歩けない時は胃や腸を膨らませて浮力を確保し、水面に浮かんで渡河する。器用なヤツである。適応能力も高く、森林や草原だけに留まらず郊外の住宅街にも生息可能。メスは生後わずか1年で交尾可能となり、1年のうちに4匹を産むので繁殖力にも長けている。冬眠はせず、ほぼ1年に渡って活動している。
原産地の南アメリカではアルマジロを食す文化があったり、甲羅をチャランゴという楽器の材料にしたりするなど身近な生物として認知されている。アルマジロ科は中南米にしか生息していないが、唯一ココノオビアルマジロのみ中南米外へ生息域を広げている。一部の個体がアメリカ合衆国に進入し、1880年代のテキサス州で最初の生息が確認された。その後も生息域を広げ、サウスカロライナ州やイリノイ州でも確認されるように。ココノオビアルマジロの流入は、地球温暖化による気温上昇や天敵不在の環境が原因とされている。このようにアメリカ合衆国でも相当数が生息していて、ペットとして飼育されたり、テキサス州の動物に指定されたりしている。個体数が増加し続けているため、狩猟対象としている州もある。駆除の際はショットガンを使用する事を推奨している。余談だが、保安官が拳銃で駆除しようと発砲したところ、鱗甲板に跳ね返されて義母に命中した例が確認されている。義母は一命を取りとめ、アルマジロは衝撃で死亡していたとか。
近年ではペットとして飼われることもあり、アメリカではメジャーな愛玩動物となっている。日本でも特に条約で禁止されていないので、一般家庭でも飼う事が出来る。値段はおおよそ30万円から50万円ほど。意外にも人に懐き、犬のように甘えてくるという。室内で飼うと穴を掘ろうとして床をボロボロにしてしまうので対策が必要。また温暖な土地に住んでいるので寒さに弱い。ちなみにアルマジロは、人間以外でハンセン病に罹患する唯一の動物。ハンセン病の研究にも用いられている。
関連動画
関連項目
亜留間次郎氏関連(風評被害)
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