アル・サレム(Al Salem)とは、『銀河英雄伝説』に登場するキャラクターである。
CV.北川米彦(石黒監督版OVA)、酒井敬幸(Die Neue These)。
概要
自由惑星同盟軍中将、第9艦隊司令官。艦隊旗艦は<パラミデュース>。名前から地球の中東地域に祖先を持つと思われるが、フルネームは不明。
石黒監督版OVAにおける容貌は黒髪黒髭。つまりアップルトンの色違い。
「Die Neue These」でも言葉で表現すると似たような容貌になるが、髭はより短めとなっている。
第9艦隊とともに帝国領侵攻作戦に参加したが、アムリッツァ前哨戦のさなかに旗艦<パラミデュース>への被弾により重傷を負い、副司令官ライオネル・モートン少将に指揮権をゆだねた。
なお、石黒監督版OVAではアップルトン中将らとともに第六次イゼルローン要塞攻防戦に参加(作戦会議での登場)、および第三次ティアマト会戦に関する戦略決定にて事前の作戦会議に出席している(本戦には参加していない)のが確認できる。
帝国領侵攻作戦
帝国領侵攻作戦に参加したが、アムリッツァ会戦の際、帝国軍ミッターマイヤー艦隊の猛攻に全く対処できず敗走を開始。敗走途中ミッターマイヤー艦隊が第9艦隊の艦列に突っ込むほどの迅速な艦隊運動を見せ、旗艦のすぐ横に帝国軍艦艇が並走するに至る。ここから、『疾風ウォルフ』の異名がミッターマイヤーに奉られることとなる。
並走していたこの時点では幸いにして敵味方があまりに密集し過ぎているためず戦闘にならなかったが、そんなアホな状況を見かねたミッターマイヤーが減速命令を発したことで後背から攻撃を受けるようになり旗艦<パラミデュース>も被弾。肋骨を折る重傷を負い、艦隊副司令官モートン少将に指揮権を委ねる旨命令して気を失った。以降登場、言及はなく詳細不明。
この時指揮権を移譲したものの登場がなかったモートン少将が艦隊の混乱をまとめて名を挙げ、さらに第八次イゼルローン攻防戦へ援軍として赴き、”神々の黄昏”作戦発動にあたってはついに第14艦隊司令官に任じられるなど活躍し、登場シーンもある程度あったことを考えると、実に地味ーな退場の仕方であると言わざるをえない。でもアムリッツァ退場組(除くウランフ)の扱いは総じて地味だから仕方ないのかもしれないが。少なくとも「ああっ」のひとことで潰されるよりはマシ
Die Neue Theseでの活躍
「Die Neue These」ではミッターマイヤー艦隊の追撃の速さに驚くのみで、負傷シーンはなかった。第9艦隊自体はアムリッツァ星域まで撤退を果たして本戦に参加しているものの、アル・サレムの動向は作中には描写されていない。「Die Neue These 星乱」劇場公開時の配布特典「英雄列伝」では、致命的な打撃を免れアムリッツァへの撤退には成功したものの、本戦ではロイエンタール艦隊を相手に難戦を強いられたことが記されており、少なくともアムリッツァ星域までは生存した模様である。
ちなみに、艦隊司令官となって以降のミッターマイヤー、ロイエンタールの双方と同格の立場で交戦した経験を持つ同盟軍指揮官は、原作ではヤン(アムリッツァ会戦と回廊の戦い)とビュコック(ランテマリオ星域会戦とアムリッツァ会戦)の例がわずかにあるのみ。一続きの戦い、それも補給難の帝国領進攻作戦で彼らと同じ立場におちいった点はたいへん気の毒なことである。
能力
ウランフのように勇猛果敢に戦うシーンも無く、ボロディンのように名将たちに賞賛されもせず、アップルトンのようにアムリッツァまで無事後退できた訳でもないため、評価が難しい。
ただし、ミッターマイヤーを相手に即殲滅されていないあたり、無能とはいえない。
関連項目
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