アレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラム(Alexander Siegfried von Lohengramm)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。「銀河英雄伝説」全編で最後に誕生した登場人物。
概要
ローエングラム朝銀河帝国第二代皇帝。獅子帝ラインハルト・フォン・ローエングラムとヒルデガルドの間の息子である。その生と治世はともに新帝国暦3年に始まった。
故キルヒアイス大公の「ジークフリード」の名を受けて「アレクサンデル・ジークフリード」と名付けられ、ごく僅かな皇太子時代には「アレク大公(プリンツ・アレク)」の通称で呼ばれた。
彼は父の病床の側でフェリックス・ミッターマイヤーを友とし、幼少の間は母ヒルデガルドが摂政皇太后として国務を執ることとなる。
ローエングラム朝の安定要素
初代皇帝ラインハルトの短い治世の後の幼帝ということで、王朝自体の安定に不安を抱かれる方も多いかと思うが、その心配は恐らく杞憂である。実際、ラインハルト死亡時のローエングラム朝銀河帝国においては、乱世を招くような要素は徹底的に排除されていると言ってよいだろう。
ローエングラム朝の安定を担保する要素としては、以下の事が挙げられる。
- 国家体制の完全な確立
いわゆる「征服国家」と異なり、ローエングラム朝の成立過程においては旧王朝からの譲位という体制をとっている。このため国家を維持するのに必要な官僚制をそのまま引き継いでおり、改めて構築する必要がなく、新国家の成立時にありがちな内政の混乱が抑制される。 - 外患の排除
旧王朝時の最大の敵であった自由惑星同盟は新王朝の成立過程で滅亡している。残存したイゼルローン共和政府もまた、守りにくいバーラト星系での自治承認という形で実質的な武装解除が確定している。もう一つの外部不安要素であった地球教もまたパウル・フォン・オーベルシュタインの策謀によりその最後の集団を殲滅しており、既知の領域内に一切の組織的外敵が存在しない状況下にある。 - 内憂の消滅
ローエングラム朝の軍人中でもっとも大きな野心と権力を保持していたオスカー・フォン・ロイエンタールが即位前年に叛乱の末死亡しており、また組織的に不安点になりかねなかった軍務尚書オーベルシュタインもラインハルトと時を同じくしてテロによって死している。「獅子の泉の七元帥」として残る最高位軍人がこれ以上の野心を抱くとは考えにくく、ことその首座にあるウォルフガング・ミッターマイヤーは誠実と廉直をもって知られる人物であることから、国家を揺るがすレベルの内憂は存在しなくなっている。 - 民衆の支持
150年間に渡る帝国同盟間の戦争を平定してローエングラム朝が成立し、さらには市民の権利を大幅に拡大して貴族の特権を排除する政策を進めたことから、旧王朝の臣民からの支持は極めて高い。同盟市民は専制国家の支配に否定的であるものの、効率性の高い帝国の統治は市民サービスにおいて旧同盟のそれを凌駕しており、不満は抑制される傾向にある。ハイネセンに設置される自治政府が立憲帝政を提案する可能性も高く、実現すれば市民の不満は更に解消されると考えてよい。 - 有能な政治代行者の存在
幼帝ゆえ、皇帝としての政務が取れないという問題に関しても、先帝ラインハルトにその政治手腕を認められたほどの存在である摂政皇太后ヒルデガルドの代行と、グルック、ブルックドルフといった有能な閣僚の補佐によって遺漏なく国務が遂行されると考えられる。帝国宰相と目されたシルヴァーベルヒを欠いたとはいえ、王朝開闢以来の名官僚たちはいまだ健在である。 - 原作者による担保
原作における記述で、摂政皇太后ヒルデガルドが国母としてその政治手腕を発揮し、新王朝を盛り立てていくことが示唆されている。田中芳樹がそう言ってるんだから間違いないッ。ローエングラム朝は安定するッ!
そういうわけで、ローエングラム朝は安泰である。きっとそうに決まってる。
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関連項目
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