アンサーソングとは、早い話が「歌の続編もの」である。
概要
小説や映画、漫画などであれば、特定の人物を複数の作品へ登場させる、舞台になる街を固定するなどの手法で関連を持たせることは可能だが、1作品あたり3分半~5分ほどでストーリーを練り上げる歌では、内容で関連性を持たせることはなかなか難しい。
そこで、既存の曲と関連を持たせたことを強調するために生まれた、一種の宣伝用語でもある。
ヒップホップ界では、アンサーの本来の意味が指すまま、批判への返答として作られた曲がこう呼ばれている。
なお、♪一生一緒にいてくれや の詩でおなじみとなった「Lifetime Respect」の「女版」が2007年にヒットした際に広まった「アンサーソング」という呼称だが、意外と歴史は古く、
1969年発売の、「黒ネコのタンゴ」を卵とする「ドラネコのゴーゴー」のジャケットに、日本初のアンサーソングと記載されていた、と各種文献で語られている。
アンサーソングの実例
- ジョニィへの伝言/五番街のマリーへ
- 1978年にソロデビュー後、「for you…」、「桃色吐息」、「はがゆい唇」などをヒットさせた高橋真梨子が、ペドロ&カプリシャスでボーカルを務めていた時期の1973年にリリース。明確な言及こそないが、詩の内容、リリース順が続いているなどの状況から続編認定を受けている。
- 余談ながら、2000年1月リリースのm.o.v.eのアルバム『worlds of the mind』収録の「Cafe ROZA -for Jonney & Mary-」は、この2曲の合間をつなごうと独自に書かれたものである。
- 未来予想図II
- おそらく知名度では日本で1、2を争う、DREAMS COME TRUEの代表曲のひとつ。
1992年リリースのアルバム『LOVE GOES ON…』にて第2作が、1994年リリースの『MILLION KISSES』に第1作が収録されているが、曲ができた順番に沿った命名であり、世に届ける順番は意識していなかったとのこと。
2007年には、シリーズ3作目にあたる「ア・イ・シ・テ・ルのサイン~わたしたちの未来予想図~」がシングルリリースされている。 - 関白失脚
- さだまさしの代表曲のひとつである「関白宣言」の続編として1994年にリリース。
黙って俺について来いと「宣言」してはみたものの、時代や結婚期間の変遷とともにその威厳が薄れていく悲哀を歌ったもの。
「関白宣言」をモチーフにしたのではないかと言われる曲も多数あり、平松愛理「部屋とYシャツと私」、西野カナ「トリセツ」などが該当。 - ジ・アンサーソング
- 2004年リリースの嘉門達夫のシングル。アンサーの相手は、副題で明言されているようにテツandトモ。前年に流行語大賞も受賞した、あらゆる「なんでだろう」への回答に挑んだが、決してディスリスペクトではなく、笑いを交えて相乗効果を狙ったもの。
- let go again
- 卵となった「let go」は、2004年にヒットしたm-floのシングル。E-girlsの一角にあたるFlowerの、2014年リリースのアルバム『Flower』にて、詞を書き替えて収録。m-floのメンバーであるVERBALがプロデュースとラップで参加した。
関連項目
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