アンチ・ホモセクシズム(Anti homosexism)とは、同性愛主義を批判する立場である。ここで批判の対象に上がっているのは、ホモセクシズム(同性愛主義)もといポリティカル・ホモセクシュアルである。
2017年8月20日現在、「"anti homosexism"」でのGoogle検索結果は7件のみ。日本語カタカナ表記の「アンチ・ホモセクシズム」はもう少し多く147件だが、そのほぼ全てはこのニコニコ大百科の記事あるいは「ピクシブ百科事典」でのこの言葉の記事である。ほとんど使用されていない言葉だということになる。
なおニコニコ大百科においてこの記事「アンチ・ホモセクシズム」および「性的指向(広義)」の記事の初版作成者は同一人物だが、「ピクシブ百科事典」においても「アンチ・ホモセクシズム」と「性的指向(広義)」の記事の初版作成者は同一人物である。つまり、おそらくこの人物が自分の主張を広める目的でニコニコ大百科とピクシブ百科事典にこの2つの言葉の記事を作成したものかと思われる。
概要
重要なのは「アンチ・ホモセクシズムはホモフォビアではない」ということである。
アンチ・ホモセクシズムは過剰な排他的同性愛賛美である「ホモセクシズム(同性愛主義)」を批判する立場であり、「ホモセクシュアル(同性愛)」を嫌悪しているとは限らない。
ホモセクシズムと似た概念に「フェミニズム」があるが、こちらは「アンチ・フェミニズム Anti feminism」という概念がよく知られている一方、同性愛主義に対して対立する概念は存在していないかのように扱われている一面がある。同性愛主義を批判する立場は同性愛嫌悪を主張する「ホモフォビア」と一緒にされているところもある。
フェミニズムとホモセクシズムは共に密接な関係があり、フェミニズムの傍流にホモセクシズムがあり、ホモセクシズムの傍流にフェミニズムがあるというような現状が存在している。したがって、フェミニズムに対してアンチ・フェミニズムという批判的な検討が加えられている一方、ホモセクシズムに対して批判的な検討が加えられないのはフェアではなく、片手落ちである。また、「ヘテロセクシズム」という語がよく知られているのに対し、「ホモセクシズム」という語がないかのように扱われるのも不平等である。
ホモセクシズムは「LGBTムーブメント」とか「ゲイリブ運動」のような曖昧な語が多用されており、「ホモセクシズム」と呼ぶことは少なく、 それらの「ポリティカル・ホモセクシュアル」にも批判的検討が加えられる余地があるということが分かりにくくなっている一面がある。
ホモセクシズムの問題点
性的少数者間差別
性的少数者間差別とはある性的少数者が他の性的少数者を差別する行為であり、ホモセクシズムは性的少数者差別を助長しているという指摘がある。
同性愛や無性愛を「性的指向」と呼称する一方、人間ではないものを愛しているとか、ある特定のシチュエーションが好きという指向を持った人は「性的指向」ではなく「性的嗜好」であると主張し、それらの者が「性的指向」であると名乗ることを否定しようとしている行為などが挙げられる。それらの指向も含めて「性的指向(広義)」と呼称するべきだという指摘もある。
「ホモフォビア」という語の恣意性
「ホモフォビア」という言葉は同性愛自体ではなくポリティカル・ホモセクシュアルを批判する言説にも多用されており、誤用であるばかりではなく、理性的な批判をフォビア=生理的嫌悪感の問題に矮小化させる効果を持っている。
ヘテロセクシュアルに対する差別
根拠もなくホモセクシュアルの人間はヘテロセクシュアルの人間よりIQが高いと言ってみたりする言説が言われることがあるが、このような言説が批判されることは少なく、称賛されることもある。これはヘテロセクシュアルに対する差別、あるいは差別を是認する行為である。
注意すべき点
注意すべき点として上記のような問題点の指摘は「同性愛」に対する批判ではなく、「同性愛主義」に対する批判であるということである。したがって、「同性愛」は賛成するが「同性愛主義」は批判するという立場もあり得るかもしれない。「同性愛」と「同性愛主義」は別の概念である。
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