アンディ・マレー(Andy Murray)とは、イギリス(スコットランド)のテニス選手である。BIG4の一人。リアル四天王の中でも最弱の存在。
一部ではゲームのやり過ぎが原因で彼女に振られたという残念なエピソードでも有名。この彼女、キム・シアーズさんとはその後仲直りしており、2015年に結婚、2016年には子どもも生まれた。
兄ジェイミーもテニス選手(ダブルス専門)で、世界ランキング1位も経験したトッププレイヤーである。デビスカップなどでは兄弟ペアで出ることも。
概要
Andy Murray | |
基本情報 | |
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国籍 | イギリス |
出身地 | スコットランド: ダンブレーン |
生年月日 | 1987年5月15日 |
身長 体重 |
190 cm 84 kg |
選手情報 | |
利き手 | 右 |
バックハンド | 両手打ち |
デビュー年 | 2005年 |
テニス選手テンプレート |
1987年生まれでラファエル・ナダルの1歳年下にあたるスコットランド出身の選手。これまでの最高ランキングは1位。ネットに出ることもできるしストロークで粘ることもできるオールラウンドな選手だが、クレーコートは苦手にしている。一方インドア大会に強く、2016年末時点で現役ではロジャー・フェデラーに次ぐ勝率を誇る。また両手打ちバックハンドからのストロークのカウンター能力には定評がある。2014年に入って逆転されたが、2013年末の時点ではフェデラーに対して11勝9敗と勝ち越していた貴重な選手。
2016年末に英国王室から「ナイト」の叙爵を受けたため、日本のネットでも(好調な時は特に)「サー」と呼ばれることが増えた。調子が悪い時はマレェとか言われる
経歴
2012年以前
2008年の夏ごろから一気にランキングを上げ、ナダル、フェデラー、ジョコビッチの3人とあわせて4強・四天王・BIG4と呼ばれるようになった。しかし他の3人とは異なり四大大会、特にウィンブルドンを制覇できなかったことから、「ウィンブルドン現象を表す選手」、「イギリス勢の中で一番マシな成績なのだから、早くウィンブルドンで優勝しろ」、「マレーは四天王の中でも最弱(AA略)」…と散々煽られた。
2008年全米オープン、2010年全豪オープンで比較的相性の良いフェデラーと、2011年の全豪オープンで直接対決3連勝中だったジョコビッチと決勝を戦ったが、いずれもストレートで敗れておりメンタルの弱さが指摘されていた。ジュニア時代からイギリスの次世代エースとして注目されていたが、イギリス人選手の四大大会男子シングルス優勝は70年以上出ていなかったため、過剰な期待を受けていたところもあるようだ。
2012年
新たなコーチとしてイワン・レンドルを招聘。ウィンブルドンではイギリス人として74年ぶりに決勝に進出、フェデラーにセットカウント3-1で敗れはしたものの、四大大会決勝で初めてセットを奪う。続いてウィンブルドンを会場として使用したロンドン五輪でも決勝進出。再びフェデラーとの決勝となったが、今度はストレートで圧倒して金メダルを獲得した。またロンドン五輪ではローラ・ロブソンと組んだ混合ダブルスでも決勝進出、こちらはベラルーシのマックス・ミルニー/ビクトリア・アザレンカ組に敗れたが銀メダルを獲得した
これらの活躍で今まで以上に期待が膨らんで迎えた全米オープン。決勝でノバク・ジョコビッチをフルセットで下し、四大大会5度目の決勝にして遂に初優勝を挙げた。イギリス人選手としては1936年フレッド・ペリー以来の男子シングルス優勝となった。また四大大会5度目の決勝での初優勝は現コーチであるレンドル以来2人目とのことである。
2013年
全豪オープンで決勝に進出したが準決勝のフェデラー戦でフルセットを強いられたこともあって決勝でジョコビッチに敗れ準優勝に終わる。苦手の全仏を故障で欠場した後、迎えたウィンブルドンはフェデラー、ナダルらが序盤で敗退する大荒れの大会となったが、きっちりシードを守って決勝に進出。決勝では第1シードのジョコビッチをストレートで破り、ついに悲願のウィンブルドン優勝を挙げた。同大会男子シングルスでのイギリス人チャンピオンは上述ペリー以来77年ぶりとなった。ちなみにウィンブルドンにはコート外にスクリーンで試合観戦できる丘があり、以前は地元イギリスの有力サーブ&ボレーヤー、ティム・ヘンマンの名前から「ヘンマン・ヒル」と呼ばれていたが、最近では「マレー・マウント」と呼ばれている。
残る目標はランキング1位だが、2013年全米オープン後に腰の手術に踏み切りツアーを離脱。この年は最終的に4位で終わった。
2014年
全体的に低調で最終ランキングは6位、TOP10から落ちた時期もあった。恐らく手術の影響なのだろう、サーブの威力と攻撃性の低下が指摘されている。後者についてはレンドルとのコーチ契約が終了した影響もあるのかもしれない(その後は元女子テニスNo1のアメリ・モレスモをコーチに付けている)。秋以降フル回転でポイントを稼ぎツアーファイナルズ出場権を得たが疲労の色は濃く、錦織圭に初めて負けたほか、比較的得意にしていたはずのフェデラーには6-0、6-1の惨敗を喫しラウンドロビン敗退に終わった。負け方を見ると復帰1年目は無理しない方が良かったのでは、という気もするが自国のロンドン開催なので出ないわけには行かなかったのだろう。
ちなみにフェデラーがツアーファイナルズ決勝を故障棄権したため急遽ジョコビッチとエキシビションマッチを行ったが、報道によると「自宅のソファでマリオカートを満喫中に電話でオファーを受けた」のだという。相変わらずのようで安心したファンも多いのではないだろうか。
2015年
ジュスティーヌ・エナン同様に燃え尽きたと言う声やアメリ・モレスモのコーチ能力を怪しむ人が多かったものの、四大大会開幕戦の全豪オープンでは決勝まで進出。しかしジョコビッチに敗北し、準優勝に終わる。これまで苦手にしてきたクレーコートだがミュンヘンで初優勝すると、直後のマドリッドでもナダルを下して優勝している。全仏オープンではまさかの準決勝進出でジョコビッチをフルセットまで苦しめており、敗れたものの決勝前に大きく体力を削った。これまでポイントを望めなかったクレーで稼げたのが大きかったか、自身初めてランキング2位でシーズンを終えている。
また、この年はデビスカップでイギリスとして79年ぶりの優勝を達成している。ウィンブルドンと同じくフレッド・ペリーの時代以来の快挙となった。
2016年
全豪オープン、全仏オープンと共に決勝進出しながらジョコビッチに敗れ、準優勝に終わる。このまま年間シルバースラム達成かと思われていたが、ウィンブルドンではジョコビッチが早期敗退。シードをしっかり守り、決勝でもミロス・ラオニッチを寄せ付けず、故障復帰後では初の四大大会タイトルを獲得した。この芝シーズンからレンドルもコーチに復帰しており、早速効果が出た形となった。さらにリオデジャネイロ五輪でもシングルス金メダルを獲得。五輪シングルス連覇を果たした。その後は全米オープンこそ準々決勝で錦織に敗れたが、アジアシリーズ以降は連勝を重ねる。ジョコビッチが失速する中、パリMSの優勝でついに1位に立った。ツアーファイナルズは仕込ではないかと思うほど厳しい組み分けになったが、こちらも見事全勝優勝を達成、年度末1位でシーズンを終えた。
ジャパンオープンでの活躍
ジャパンオープンには2006年、2011年、2012年の3回出場がある。まだ10代だった2006年は初戦でチェコのベテラン、イリ・ノバクに敗れている。第2シードでの出場となった2011年は決勝でトップシードのナダルをフルセットで下して優勝した。特に最終セットはナダルに4ポイントしか与えない見事な勝利であった。2012年は連覇を目指したが、準決勝で若手ビッグサーバーのミロス・ラオニッチにフルセットで敗れた。
上記の3回とも、ダブルススペシャリストである兄ジェイミーと組んでダブルスにも出場している。このうち2011年はノーシードから勝ち上がり、こちらも優勝してしまった。ジャパンオープンにおける単複同時制覇は1991年のステファン・エドベリ以来20年ぶりの快挙である。
主な実績
- ウィンブルドン優勝2回(2013年、2016年)
- 2012年全米オープン優勝
- ロンドン五輪シングルス金メダル
- リオデジャネイロ五輪シングルス金メダル
- 全豪オープン準優勝5回(2010年、2011年、2013年、2015年、2016年)
- 2016年全仏オープン準優勝
- 2012年ウィンブルドン準優勝
- 2008年全米オープン準優勝
- 2016年ツアーファイナルズ優勝
- ロンドン五輪ミックスダブルス銀メダル
- ATPランキング最高1位
プレースタイル
安定感のあるストロークが武器のカウンターパンチャー。相手のショットを落ち着いて返し徐々に厳しい打球を打ち込んでいき相手のミスを狙う。バックハンドショットも定評がありまた長身を活かしたサーブも強力。若い頃からずっとクレーコートを苦手にしていたが、2015年から見違えるほど成績が良くなった。ここでポイントを稼げるようになったのがランキング1位獲得に大きく影響した。
おまけ:2012年ウィンブルドン決勝を現地で観戦していたイギリス著名人
その他国外からも過去の名選手が来ていた。女王陛下は別件で先に予定が埋まっていたため来ていなかったが、予定さえ合えば現地観戦していたとのことで注目度の高さが伺える。上記のうちスコットランド出身のファーガソンは全米オープンでも応援に駆けつけた(全米オープンではショーン・コネリーもいた)。ウィンブルドンの観客は四大大会の中ではおとなしいと言われていたが、今回の決勝では終盤マレーコールが巻き起こるなど珍しい場面が見られた。単に今までは地元選手が最後まで残らなかったのでエキサイトする機会が少なかったのかもしれない。
関連動画
77年ぶりのイギリスの悲願達成の模様
関連商品
関連項目
- テニス
- ロジャー・フェデラー
- ラファエル・ナダル
- ノバク・ジョコビッチ
- BIG4 (テニス)
- ウィンブルドン
- ModernWarfare2 - 彼女に振られる原因になったゲーム。どうやらその後、復縁したらしい。
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