アンドロメロスとは、1983年(昭和58年)2月28日から1983年(昭和58年)4月29日まで放送されていた、円谷プロ製作の特撮番組、およびその番組の主人公のことである。
グラビア版について
ウルトラマン80が終了した1981年、雑誌「てれびくん」誌上で展開されたのが、アンドロメロスの原型となる『ウルトラ兄弟物語アンドロメロス』、そして『ウルトラ超伝説アンドロメロス』である。『ウルトラ兄弟』とタイトルに付いているように、ウルトラマンの世界観を継承しており、登場する怪獣も改造ブラックキングや改造ゴラといった過去のウルトラ怪獣のサイボーグが多い。
登場人物
- アンドロウルフ
アンドロメロスの鎧に似た、赤いコスモテクターに身を包んだアンドロ超戦士。メロスの時のように、ウルトラセブンがブラックホールに消えたのと入れ替わるように登場したため、「その正体はウルトラセブンなのでは・・・?」と噂されたが、 そんなことは無かった。ちなみに、彼は『ウルフ星人』という設定なのだが、ウルトラマンレオにそんな宇宙人がいたような気が・・・。
- アンドロマルス
オレンジ色のコスモテクターに身を包んだアンドロ超戦士。前述の<ウルトラ超伝説アンドロメロス>より登場したルーキーであり、唯一 巨大化能力(その大きさは、全長1km以上もある怪獣戦艦並みまで可能)を有する。
- アンドロフロル
『ウルトラ超伝説アンドロメロス』にて結成されたアンドロ警備隊で唯一の女戦士で、白色のコスモテクターに身を包んでいる。ちなみに、居村眞二氏の漫画『ウルトラ超伝説』では「美雪ケイ」という女性への変身を披露した。
TV版について
前述のとおり、1983年(昭和58年)2月28日から1983年(昭和58年)4月29日まで放送された作品で、トリプルファイター以来となる帯放送形式(月曜日~金曜日)が採られた。撮影方法として、当時の特撮番組には珍しいビデオ撮影の採用、スーツアクターおよびアクトレスとして『仮面ライダー』でお馴染みの大野剣友会の起用など、特撮番組的にも、円谷作品的にも挑戦的な番組であった。
内容についてはグラビア版を踏襲しており、登場怪獣にマグマ星人やメカバルタンといったウルトラ怪獣を登場させるなど、ウルトラマンの世界との繋がりを匂わすような描写はしているものの、内容的にはオリジナルの世界観と言える。
ストーリー
アンドロ警備隊の拠点であるアンドロベースに、負傷したアンドロウルフが担ぎこまれてきた。彼の証言によると、ナッツ星に<グア軍団>と名乗る戦士たちが現われ、ウルフに襲いかかってきたのだという。
ウルフの言葉に只ならぬ危険を感じたメロスはマルス、フロルとともにナッツ星α、ナッツ星βの調査を開始するが、そこで待っていたのはダクミラン、マグマ星人、そしてグア軍団侵略軍団長のジュダであった!
今ここに、アンドロ警備隊とグア軍団の戦いの火ぶたが切って落とされた!!
登場人物
アンドロ警備隊
- アンドロメロス
アンドロ警備隊の隊長であり、この番組の主人公。緑色のコスモテクターに身を包み、胸には宇宙警備隊隊長であるゾフィーから送られた勲章(ウルトラクロス)がある。ダブルサーベルというブーメランを武器に戦う他、アンドロビームと呼ばれる光線技を使用する。のちに、地球の北極に眠る伝説の鎧<グランテクター>を手に入れ、パワーアップする。 - アンドロウルフ
グア軍団の侵攻を伝えた、赤きコスモテクターの戦士。番組冒頭から重傷を負い、しかも再登場まで時間を有したため、少々影が薄いのが否めない。武器は、コスモテクターの両肩に取り付けられたソォードUというブーメラン。 - アンドロマルス
オレンジ色のコスモテクターを有した戦士で、腕にはマルスSPと呼ばれる小型コンピューターが取り付けられている。劇中では、アンドロ超戦士として初めてファイティングベムと戦った。必殺技は腕から発射する光線技、コスモバズーカ。打ち方によってはスペシャルコスモバズーカとしての発射も可能。 - アンドロフロル
白いコスモテクターに身を包む、アンドロ警備隊唯一の女戦士。実はアンドロ族の王家の子孫らしく、スーパーバリヤーやフロルウイングによるテレパシーなどの超能力を有する。ちなみに、中の人はアクトレスの方が担当している。
グア軍団
- ジュダ
剣を操るグア軍団の侵略軍団長。のちに『ウルトラマン物語』にも登場するが、名前が同じのみで別人。 - ギナ
グア軍団侵略軍団長のひとりで、ムチの使い手。ギリシャ神話のメドゥーサを思わせる姿をしている。 - モルド
ハンドアックスを手に戦うグア軍団侵略軍団長。 - グア
グア軍団を指揮する帝王であり、その正体はなんと・・・!
<アンドロメロス=ゾフィー>説について
時折、「アンドロメロスの正体ってゾフィーでしょ?」というコメが動画内で見られるので、ここではその経由を紹介。
グラビア版の第1話では、復活したエースキラーによってゾフィーがブラックホールに落とされるという展開がある。この時、ゾフィーはブラックホールからのエネルギー吸収で生死の境をさまよっていたのだが、偶然にもコスモテクターの持ち主であったアンドロ人セザルに遭遇することになる。
セザルはゾフィーを救うため、ブラックホールからの影響を遮断可能なアンドロテクターをゾフィーに与えるだが、これによりセザルはブラックホールからの影響を受けて死んでしまう。この自分の死を顧みない行為に感動したゾフィーは、セザルの意思を継ぐ者としてアンドロメロスを名乗ることに・・・。これがアンドロメロス誕生の瞬間である。
その後、セザルの息子であるブノワが登場し、ゾフィーが彼に託したことから2代目アンドロメロス・・・つまり、<ウルトラ超伝説>やTV版に登場するアンドロメロスが誕生した。
以上のことから、”ゾフィーがアンドロメロスだったのは『ウルトラ兄弟物語アンドロメロス』でのみ”と言えることになる。後にこの設定は正史として組み込まれ、「ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀」において初代メロスのゾフィー、ギャラクシーレスキューフォースの一員となった2代目メロスのブノワが久々に再開を果たした。
内山まもる版メロスとの関わり
アンドロメロスと名前が混同している方がいるかもしれないので、こちらで補足を。
メロスとは、ウルトラマンレオの放映終了後に小学館の『小学三年生』で連載が始まった漫画『さよならウルトラ兄弟』(のちに『ザ・ウルトラマン』と改題)で初登場したオリジナルウルトラマンで、宇宙警備隊アンドロメダ支部の隊長である。登場当初は自信満々なうぬぼれ屋であったが、自分のミスでウルトラ戦士(アウラの父)を死なせてしまったことを機に改心、真のウルトラ戦士に目覚める。ちなみに、ファイタスという弟がいるが、こちらも少々うぬぼれ屋である(やはりこちらも、のちに改心)。
鎧を身にまとい、アンドロランというブーメラン状のカッターを有し、必殺技にはレーザーショット・アンドロメロスという名前の光線技もあることから、アンドロメロスとの関連性を疑われているが、特にそういった設定、描写は語られていない。 当時を知る山田正巳氏によると、内山まもるのメロスもヒントになっておりデザイン画段階では内山版メロスに寄せたスケッチも用意されていたようだ。 『円谷プロ全怪獣図鑑』 の解説では、鎧を纏ったウルトラマンという設定は内山版メロスが元になったと記されている。
1981年5月号からウルトラマン80に続く新たなウルトラヒーローとして小学館の児童誌での展開が始まるのだが『ザ・ウルトラマン』が連載されていた『小学三年生』4月号の予告では、なんと内山版メロスそのものが次号から展開が始まる新戦士メロスとして掲載されており、5月号に掲載された予告漫画はアンドロメロスと『ザ・ウルトラマン』のキャラクターであるジャッカル大魔王が戦う内容であった。さらに翌6月号からは内山まもるによるアンドロメロスのメディアミックス作品の一つである『ウルトラ戦士 銀河大戦争』の連載が開始された。
『ザ・ウルトラマン』はウルトラマンレオの終了後の、『アンドロメロス』はウルトラマン80終了後のウルトラシリーズを紙面で支えた作品という共通点もある。
ちなみに、漫画のみの登場であるメロスだが、『ウルトラマンマックス』にてサプライズでの登場が検討されていた。しかし、メロスに関する版権の問題(円谷プロ以外の会社が版権を有していたため)で実現出来ず、その結果、メロスをモチーフにした運び屋ウルトラマンゼノンが誕生したと言われている。
そんな2015年、日本アニメ(ーター)見本市にてこの『ザ・ウルトラマン』におけるジャッカル大魔王との戦いをアニメにした短編作品が公開。晴れてメロスは漫画媒体から映像コンテンツに進出することになった。
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