アンブロークン(Unbroken)とは、以下の言葉を指す。
曖昧さ回避
映画「Unbroken」(邦題:「不屈の男 アンブロークン」)
2014年に製作・公開されたアメリカ映画。ユニバーサル・ピクチャーズ製作。
監督はアンジェリーナ・ジョリー、主演ジャック・オコンネル。また撮影監督を、『ショーシャンクの空に』『ノーカントリー』『007/スカイフォール』などを手がけた巨匠ロジャー・ディーキンスが担当している。
撮影場所でもあったオーストラリアで2014年11月17日に先行上映され、アメリカでは同年12月25日公開予定。日本での公開は2016年2月予定。
原作はアメリカでベストセラーとなったローラ・ヒレンブラントのノンフィクション小説「Unbroken: A World War II Story of Survival, Resilience, and Redemption」。
オリンピック選手でもあり、太平洋戦争中に日本軍の捕虜体験をした、ルイス・ザンペリーニを描いた物語。凄惨な拷問を受け、トラウマに悩まされながらも、最終的に長野オリンピックの聖火ランナーを務めるまでに至った彼の生涯と心中が描かれる。
あらすじ
イタリア系移民のルイスは、幼い頃から足が速かった。
やがて陸上選手となった彼は、1936年のベルリンオリンピック・男子5000mで金メダルを獲得。4年後の次回大会にも意欲を燃やす。
しかし、1940年の東京オリンピックが開催されることはなかった。
陸軍に入隊した彼は、航空隊員として太平洋戦争に参加する。
1943年5月27日、乗っていた爆撃機が太平洋に墜落。47日間に及ぶ漂流の末、大日本帝国陸軍に救助され捕虜となった。
当初は捕虜として正当な扱いを受けていたルイスだったが、金メダリストと知られた途端、渡邊睦裕伍長によって凄惨な拷問を受ける。
来る日も来る日も理不尽な暴力に晒され、彼は消耗していく。
(以下、ネタバレにつき反転)
最終的に、何とか彼は、死ぬ前に終戦を迎える。しかし、無事本土に帰った後も、拷問のトラウマと渡邊への憎悪に苦しみ続ける。しかし、悩みぬいた彼は長い月日を経て、憎悪を超えた境地へと到達する。
キャスト(実際の人物像について)
- ルイス・ザンペリーニ : ジャック・オコンネル
実在の人物。あらすじに書かれたとおり、イタリア系移民で、元オリンピック代表。
1998年には長野オリンピックで聖火ランナーを務め、実に52年ぶりにオリンピックの舞台に立っている。また、渡邊氏との対談を長らく望んでいたが、それが実現することはついになかった。2014年7月、今作の完成を見ることなく、97歳で没している。 - 渡邊睦裕 : 雅-MIYAVI-
実在の人物。近衛歩兵第一連隊所属。最終的な階級は軍曹。
捕虜に凄惨な拷問をしかけたことで当時から有名で、マッカーサーから重要指名手配戦犯に指名された(しかし最終的に、占領終結まで逃げ延びている)。情緒不安定な男で、拷問を加えたかと思えば、相手を部屋に招いてキャンディを振る舞ったこともあった。
長野オリンピックに際して、自らの拷問が、命令ではなく、自身の感情によるものであったことを認めている。また、拷問の事実を認めたもののザンペリーニに謝罪することはなく、対談を求めるザンペリーニに応じることもなかった(ただし、1995年のインタビューでは元捕虜へ謝罪している)。2003年、85歳で没している。
日本での反響、旧日本軍の描写について(一部ネタバレ)
原作はノンフィクションであり、映画もそれに準じてTrue story(真実の物語)と宣伝されているが、日本国内では、史実と違う描写があるとして批判を浴びている。
主に、「漂流中の米兵に対する機銃射撃、捕虜に対する虐待(殺害)、人体実験、はては捕虜を生きたまま食べる人肉食といった描写・表現があること」を、捏造として批判するものでる。
また、日本軍を一方的な加害者として描いており、公平ではないとする意見もある。
一部では「反日捏造映画の公開に反対する!」という署名活動も巻き起こっているほど。
日本では2016年2月に「不屈の男 アンブロークン」の邦題で上映予定。
「史実と違う描写」について
漂流中の米兵が機銃掃射を執拗に受けるシーンが今作には存在するが、これに対しては「戦闘能力を失った敵に対して機銃を掃射することはない」とする当時の日本軍兵士の証言がある。だが、日本軍全体でその言葉を守れていた事を立証するものは何も無い。
捕虜への拷問、虐待を捏造だとする意見もあるが、そもそもザンペリーニと渡邊の双方がこれを認めており、学術的な信頼性の高い証言や記録が数多くある以上、今更捏造と主張するのには無理がある。
人体実験や人肉食については、映画では登場しない。原作において、日本軍捕虜となった兵士の末路の一例として挙げられる一文があるのみである。「生きたままの人肉食(小笠原事件)」や人体実験(相川事件)といったものもあるが、少なくとも今作の本筋とはほぼ関係がない。
日本側の描写について
今作で描かれる拷問は、上述の通り、軍の指令によるものではない。これらは渡邊伍長個人の感情や考えによるものとして描かれ、したがって物語も、日本とアメリカという国単位ではなく、渡邊伍長とルイスという2人の人間を軸として展開する。また、東京大空襲によって日本の民間人が重大な被害を受けるシーンも映画にはある。
このことから、少なくとも、日本そのものを邪悪な国として描き、加害者として一方的に糾弾するような内容ではない。
なお映画には登場しないが、原作では、捕虜に優しく、終戦後には捕虜から感謝状を貰った日本側の兵士の存在も書かれている。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
アンブロークンに関するニコニコミュニティを紹介してください。
関連リンク
関連項目
- 1
- 0pt