アンモシエラ(Ammothyella)とは、2021年生まれの日本の競走馬。栗毛の牝馬。
主な勝ち鞍
2024年:JBCレディスクラシック(JpnⅠ)、ブルーバードカップ(JpnⅢ)
概要
父*ブリックスアンドモルタル、母サンドクイーン、母父ゴールドアリュールという血統。
父は2019年にアメリカで芝GⅠを5勝し、ダート中心のアメリカで芝馬ながら年度代表馬に選出された馬。社台SSで種牡馬入りし、アンモシエラは初年度産駒の1頭。
母はダート短距離を走って9戦1勝。3代母*フェアリードールの牝系はトゥザヴィクトリーを筆頭に多数の活躍馬を輩出している活気あるファミリーである。アンモシエラは第2仔。
母父はサンデーサイレンス産駒唯一の中央ダートGⅠ馬で、2010年代のダート界を産駒が席巻し続けたダートの大種牡馬。母父としての産駒にはオメガパフュームがいる。
2021年2月3日、浦河町の桑田牧場(主な生産馬にヘリオス、エルトンバローズなど)で誕生。オーナーはパンサラッサでおなじみの一口馬主クラブ・広尾レース。1万4000円×2000口(=2800万円)で募集された。
砂嵐を巻き起こせ
2歳(2023年)
騎手時代から牝馬の扱いに定評のある栗東・松永幹夫厩舎に入厩。仕上がりは早く、2023年7月1日、中京・ダート1400mの新馬戦で角田大河を鞍上にデビュー。5.1倍の2番人気に支持されたが、インでレースを進めるも直線伸びず見せ場なく6着。このとき大外一気のとんでもない末脚で勝ったのがラムジェットであった。
続く9月の小倉・ダート1700mの未勝利戦では幸英明を迎えたが、ここもあまり見せ場なく5着。ここでも勝ったのは後の兵庫JG勝ち・全日本2歳優駿2着のイーグルノワール。
中2週で阪神・ダート1800mの未勝利戦では松山弘平を迎え、ここは大外枠から出遅れてしまい、後方から押し上げていって直線で脚を伸ばしたものの、サンライズジパングに4馬身千切られて2着。デビューから3戦続けて負けた相手が後の重賞馬ってどんな巡り合わせなのか。
ともあれ引き続き松山と向かった4戦目の京都・ダート1800mの未勝利戦ではスムーズに先行すると、直線で後ろを思うままぶっちぎって7馬身差で圧勝し勝ち上がる。
続いて同条件の1勝クラス・もちのき賞に坂井瑠星を迎えて挑むと、ここもスムーズな先行策から早めに先頭に立ち、後続の追撃をアタマ差振り切って勝利。
この連勝で陣営は全日本2歳優駿に登録したが、収得賞金900万円での抽選に漏れ、あえなく除外となってしまう。
仕方ないので陣営が選んだのは、なんと芝のホープフルステークス(GⅠ)。鞍上は藤田菜七子。ここには同様に全日本2歳優駿を(JBC2歳優駿の2着賞金のせいで収得賞金が10万円足りず)除外になったサンライズジパングが一緒に出てきていた。仲良く単勝万馬券の人気薄だったが、サンライズジパングがまさかの3着激走したのに対し、こちらは2番手で先攻したものの3角でもう手が動く展開となり、直線で沈んであえなく最下位15着。まあそんなもんであろう。
3歳(2024年)
明けて3歳、陣営は牝馬ながらこの年から新設された3歳ダート三冠を目指すことを選択。まずは賞金を稼ぎに、交流重賞となった船橋のブルーバードカップ(JpnⅢ)へと向かった。鞍上は坂井瑠星。ちなみにサンライズジパングも登録していたが10万円不足で除外。同じ松永厩舎のバロンドールに次ぐ3.1倍の2番人気に支持されたアンモシエラは、インの4番手でレースを進めると、直線で外に出して脚を伸ばし、前2頭との3頭横並びの激闘をクビ差差しきって勝利。見事牡馬相手に重賞初制覇を飾る。
しかし羽田盃はトライアルの優先出走権だけで中央枠がほぼ埋まるため、この賞金だけで直行というわけにはいかず、続いて権利を取りに坂井とともにトライアルの京浜盃(JpnⅡ)へ。ここでも牡馬ハビレに次ぐ3.0倍の2番人気。レースは大外枠から3番手の外で進めたが、直線で地方馬サントノーレにぶっちぎられ、7馬身も離されて2着。
ともあれ優先出走権は確保したので、本番の羽田盃(JpnⅠ)へ。鞍上は横山武史となった。サントノーレは回避となったが、やはり前走のちぎられっぷりとと牝馬ということでか、中央勢4頭では最下位の4番人気となった。最内枠のアンモシエラは2番人気ブルーサン、地方馬ティントレットと3頭でのハナ争いとなったが、内を活かしてハナを確保。3角でブルーサン、4角でティントレットが脱落し、堂々と先頭に立って後続を突き放すが、そこに襲いかかってきたのが白毛馬アマンテビアンコ! 後ろをぶっちぎっての追い比べとなったが、1馬身差かわされ惜しくも2着。しかし3着は8馬身ちぎり捨てて世代トップ層の実力を示した。
続いて二冠目・東京ダービー(JpnⅠ)。アマンテビアンコが離脱し、ここではユニコーンSを勝ってきた新馬戦以来のラムジェットが断然の1番人気。坂井瑠星が戻ったアンモシエラは4.8倍の3番人気となった。ここでも好スタートからハナを切ったアンモシエラを、2番人気サトノエピックがマークしてきて、3番手にラムジェットというスタートから3強のレースという雰囲気。そのままレースを引っぱり、直線でサトノエピックとの叩き合いに持ち込んだが、外からラムジェットにぶっちぎられ、サトノエピックにも競り負けて3着。好走はしたものの、牡馬相手に三冠タイトル奪取とはならなかった。
夏休みを挟み、秋はJBCレディスクラシックを目標に定め、三冠目のジャパンダートクラシックではなく、3歳限定戦に変わったマリーンカップ(JpnⅢ)を選択。鞍上は引き続き坂井。牡馬相手に対等に渡り合っただけに牝馬相手ならと1.6倍という断然人気に支持されたが、アンデスビエントが競り掛けてきて、明らかなオーバーペースでの逃げとなってしまう。アンデスビエントが先に脱落したがアンモシエラも4角でもういっぱいになってしまい、あえなく4着。
そんなわけで佐賀のJBCレディスクラシック(JpnⅠ)では、羽田盃以来の横山武史を迎えた。グランブリッジとアイコンテーラーが人気を分け合う中、3歳勢ではマリーンカップを勝ったテンカジョウが3番人気で、アンモシエラはその後塵を拝する8.1倍の4番人気となった。
しかし今回は、相手に意地でも逃げたいという馬はいない。大外8枠11番のアンモシエラと横山武史は好スタートから一気にハナを奪うとインに切れ込み、アイコンテーラーが絡んできたもののそれを制してハナを取りきる。そのまま一気に後ろを離して快調にペースを刻むと、2番手のアイコンテーラーが伸びあぐね、3角前でもどんどん後ろを離していく。そのまま後ろを大きく突き放し、砂の深い最内を通って直線を向いたアンモシエラ。後ろからはグランブリッジらが追いかけて来たが、佐賀の短い直線でこれだけ離せば完全なセーフティリード。終わってみれば4馬身差で鮮やかな逃げ切り勝ち、見事なしてやったりの騎乗でダート女王に輝いた。
横山武史騎手はダートGⅠ級初勝利。広尾レースは海外GⅠはパンサラッサで勝っているが、国内GⅠ級は初勝利となった。
血統表
*ブリックスアンドモルタル 1997 栗毛 |
Giant's Causeway 1983 黒鹿毛 |
Storm Cat | Storm Bird |
Terlingua | |||
Mariah's Storm | Rahy | ||
*イメンス | |||
Beyond the Waves 1997 黒鹿毛 |
Ocean Crest | Storm Bird | |
S.S.Aroma | |||
Excedent | Exceller | ||
Broadway Lullaby | |||
サンドクイーン 2015 栗毛 FNo.9-f |
ゴールドアリュール 1999 栗毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ニキーヤ | Nureyev | ||
Reluctant Guest | |||
フィエラメンテ 2008 鹿毛 |
タニノギムレット | *ブライアンズタイム | |
タニノクリスタル | |||
*フェアリードール | Nureyev | ||
Dream Deal |
クロス:Northern Dancer 5×5×5×5(12.50%)、Storm Bird 4×4(12.50%)、Nureyev 4×4(12.50%)、Roberto 5×5(6.25%)
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