アームズフォートとは、『アーマードコア フォーアンサー』(以下ACfA)に登場する巨大兵器である。
概要
アームズフォート(以下AF)とは、『アーマードコア・ネクスト』(以下ネクスト)と呼称される戦略級機動兵器に代わる主力兵器として企業が開発した兵器である。規模は小型でも数百メートル、巨大なものでは数キロにまで及び、その形態も多岐にわたる。従来作にも同様の大型機は存在していたものの、このように兵器としてのカテゴリーが与えられたのは本作が初であり、また規模も文字通り桁違いである。
当然として、その維持コスト、建造コストは莫大であり、大企業以外の保有はほぼ不可能である。AFの最大の利点は多数の凡人によって制御されているために、被害の穴埋めが容易という点である。これは事実上の天才である『リンクス』の能力が不可欠なネクストに対し、兵器システムとして決定的なアドバンテージである。
またハードウェアとして安定した戦力を発揮できることもあり、事実としてAFの前では並程度の『ネクスト』と『リンクス』はむしろ『狩られる側』となってしまった。
結果、パワーバランスを『個人』にゆだねるリスクも避けられ、戦争形態は再び『物量とパワー』に回帰することとなる。『ネクスト』と『リンクス』という少数の個人が軸となった『国家解体戦争』と『リンクス戦争』の経緯を考えれば、皮肉とも言えるだろう。
しかし、逆に言えば『ハードウェア以下でもなければ以上でもない』存在であり、『ネクスト』でも撃破は不可能ではない。むしろ、AFを撃破できなければ『リンクス』としての価値は激減する時代と言っても良く、実際に一流『リンクス』の一部からは『大型AFを墜とせてこそリンクス』とも認識されていたようである。
以下に作中に登場したAFを記す。
スピリット・オブ・マザーウィル
スピリット・オブ・マザーウィルはACfAに登場する企業『Bernard and Felix Foundation』通称『BFF』の保有するAFである。これによって、BFFは10年以上地上の覇権を握り続けていた。
全長2.4kmに及ぶ6脚歩行タイプ。ありていにいえば山が一つ歩いているようなもの。六門の巨大な実体弾砲を備え、多数のミサイルランチャーと近接防衛用の火砲を備え、さらにノーマルの母艦としての機能もあり、多数の飛行甲板を備える(ただし、何故かゲーム中では航空機は使用しない)。
主砲の射程はAC軍事評論家『岡部いさく』氏によると100kmから200km、また元BFF社員の談では『半径100kmは絶対防衛圏』とされる。
その防衛力は圧倒的であり、ACfAオープニングムービーでは最高クラスのネクストの一機であるホワイトグリントの襲撃を退けていた。
ただ、建造時期が古く、新登場した技術であるヴァンガード・オーバード・ブースト(以下VOB)を使用しての超高速強襲に対応しきれていないためか、主砲の命中精度が異様に低い。なおかつミサイルランチャーや主砲を攻撃すればダメージが心臓部に伝播してしまう、という致命的欠陥を抱えている。他にも、中央のアイランドの周りに存在する甲板を破壊すれば楽に沈められる事が確認されており、かつて一級建築士であった姉歯氏になぞらえ、姉歯AFなどと呼ばれることもある。また、そのイニシャルからSOM、もしくはマザーつながりでカーチャン呼ばわりもされる。
ちなみにネットワーク対戦のステージとしても登場し、オブジェクトが破損しない為、地形戦が行いやすい。
The Mother Will Comes Again
グレートウォール
グレートウォールは、ACfAの企業『Global Armaments』通称『GA』の開発した『地上最強』と評される列車型AFである。全長7kmとAFの中でも最大級であり、大量のノーマルを搭載・運用できる母艦能力と、多数の火砲、ミサイルランチャーを搭載している。また、緊急時には後部車両を切り離す事が可能である。
基本的に外部からの攻撃は意味を為さず、もっぱら内部侵入による破壊が最善手とされる。(ただし、ゲーム中ではバグを利用すれば外側からの破壊も可能)
GAの社章が側面に大書されており、四角い段ボール箱が列車として走っている、というやはりGAらしいといえばらしすぎる造形であった。(GAは重厚長大型の兵器開発を得意とする)
スティグロ
スティグロとは、ACfA登場企業の『インテリオル・ユニオン』が開発した新型の水上型AFである。大きさは中型とされる。
最大の特徴は機体前面に配された大型のレーザーブレードで、これを展開しながら敵艦隊、あるいは敵部隊に突撃する、という極めて攻撃的なAFである。また、これには4系統では廃されたレーザーブレードによる光波の発生が可能である。多数のミサイルも搭載されている。
平均的なネクストではオーバードブーストでも追いつけないほどの高い機動性を持つが、そのしわ寄せなのかAFとしては耐久力が低めであり、突っ込んでくるところを待ち受けて攻撃すればアッサリ撃破されてしまう。
味方側に回ってくれる事があるAFなのだが、むしろ味方に回った方が限り無く鬱陶しいという本末転倒ぶりを見せる(ミッション報酬が撃破数での出来高制であり、共闘というよりは競争になるため)。ちなみにというか、当然轢かれればダメージを受ける。ただ、ルート次第ではそれ以前のミッションでスティグロを沈めているケースもあるため、因果応報とも言えなくもない。
イクリプス
イクリプスとは、『インテリオル・ユニオン』と『トーラス』が共同開発した空中飛行型の量産型AF。全翼機と呼ぶのも憚られる機体形状は、皿の端に翼がついたような、としか表現の仕様が無い。
レーザーキャノンやミサイルなどで武装しているが、これらはいずれも下側についており、仰角をつけることも困難なことから、対地攻撃用の兵器であるようだ。制空権を他の部隊が確保した後に攻撃する事が大前提なのだろうが、無限飛行が可能なネクストの場合、弱点である上を取られてしまうため、ほぼカモネギ。
作戦エリアを反転しながら攻撃してくるが、反転中に撃墜するとまるでフリスビーのように回りながら落下する。一見の価値あり。
余談だが、インテリオルは前作でフェルミと呼ばれる空中要塞を開発している。今作でも一部ミッションで登場するが……イクリプスとは明らかに設定上とゲーム中の強さが逆転している。
ギガベース
ギガベースとは『GA』が開発した拠点型のAF。形状は双胴方の弁当箱、という喩えがもっとも適切で、陸上、海上での活動を可能としている。
武装はGAらしく実弾兵装で固められており、長射程の主砲、ミサイルやグレネードなども大量に搭載している。 そして、BFFのマザーウィルとは異なり、VOBの対策がなされているのか、回避機動を行わなければネクストといえども接近中に撃破されてしまう。
しかし、近距離での防衛力は低めであり、特に双胴の接続部分が弱点でもある。またダメージ判定が全部位共通のため、外壁を射突型ブレード(とっつき)で攻撃されると一撃で沈んでしまう。
味方として登場することもあり、その強力な主砲で支援砲撃を行ってくれる。が、登場する敵機がネクストとさほど変わらないサイズであるため、戦果はそれほど期待できない。流れ弾が自機に当たることも。
カブラカン
カブラカンとは『アルゼブラ』(旧称『イクバール』)が開発した突撃型AF。前面には掘削用のシールドが配されており、無限軌道にて移動する。装甲が分厚く、正面からの攻撃は無謀。通称『走る結界』である。形状は有り体に言って、辞書の下に丸い台、である。ちなみにグレートウォールと同様、側面には社章が描かれている。
唯一の弱点は無限軌道で、ここを破壊することで動きを止めることができる。無限軌道はスカートによって防御されており、これが地雷や爆風でまくれ上がった隙を狙って侵入し、攻撃することとなる。
また、内部に多数の無人兵器を格納しており、ネクストの接近時にはこれらを展開して対処する。個々の無人兵器の戦闘力はともかく数が多いため、弾切れには注意する必要性がある。その点だけはひたすらに厄介。
ランドクラブ
GA製のものと、インテリオル製の2タイプが存在する。どちらが開発主体となったかは不明だが、インテリオルのグループ企業にはかつてのGAの欧州法人、GAEを母体とするトーラスがあり、GAE時代に基礎設計が既に存在していた可能性もある。いずれも多脚型であるが、移動方法は無限軌道である。
GA製は実体弾砲台を搭載し、当たりさえすれば極めて高威力であり、アルゼブラがこれを鹵獲し、黒く塗装して守備用に用いていたケースも存在する。インテリオル製は多連装のレーザー砲台を搭載しており、同じく命中すれば極めて高威力である。また、どちらも護衛機として多数のノーマルを輸送する能力を持つ。
多数量産されている為、一番遭遇する機会の多いAF。
ソルディオス・オービット
GA製のランドクラブに、(明言されては居ないものの)おそらくトーラスが独自の改修を施した物。旧『GAヨーロッパ』と旧『アクアビット』が開発していたソルディオス砲(コジマキャノン)を複数搭載し、それらを浮遊砲台として運用可能である。
ソルディオス砲の浮遊の原理は全く不明であるが、ネクスト向けの技術であるクイックブーストやアサルトアーマーなども可能としており、瞬間火力は極めて高い。さらにランドクラブ本体が破壊されても、ソルディオス砲自体は独自に稼働を継続できる。
特筆すべきは、公式に『変態』扱いされたという部分であろう。まさに変態技術の結晶である。
なお、変態呼ばわりをしたのはプレイヤ-のオペレーターと、GA傘下の有澤重工社長である有澤隆文の二名である。前者はともかく、後者にだけは言われたくはない台詞である。
(というのも、後者は爆発物や装甲に対して専門性を持っている企業の社長であり、その武装である両肩武器のOIGAMI(老神温泉に由来)の威力が飛びぬけて高く、その展開ギミックも異様に凝っていることから、変態企業の部類に入るためである。要約すれば、お前が言うな)
アンサラー
アンサラーとは『オーメル・サイエンス』と『インテリオル・ユニオン』が共同開発を行ったAFである。外観を例えるならば、骨だけの傘のようなもの。
最新のコジマ技術を惜しげもなく投入し、コジマミサイルやレーザー砲、大量のミサイルにアサルトアーマーといった地上の汚染を何ら考慮しないものとなっている。少なくとも、企業は地上をいくら汚染しようとも構わない、と認識していることがこのAFより透けて見える。さらに、遠距離からの攻撃を防御する新型の防御機構を備えており、遠距離からの砲撃は意味を為さない。
傘の内側には大量のレーザー砲とコジマミサイルが備わっており、地上目標に対して脅威的な殲滅力を発揮する。本体よりも上空の敵機に対しては通常弾頭のミサイルしか使用できないが、発射数が非常に多い。
これだけならば死角の無いAFのように思えるのだが、ゲーム中では中心部に射突型ブレード、すなわちとっつきを当てることによって一撃で沈む。要はマザーウィルとならぶ姉歯AF。
ジェット
ORCA旅団の保有するAF。開発元は不明。外観は端的に言えば、黒い王蟲。
名前の由来は黒玉(jet)であるが、これはつづりがジェットエンジンのjetと同じ為ややこしい。
レーザーキャノンとレーザーブレードを搭載し、生活圏を破壊することが目的とされている。極めて重装甲であり、外部からの攻撃をほとんど受け付けない。弱点は上部に開いた放熱板であり、ここを攻撃することで比較的楽に仕留める事が可能。
特にレーザーブレードの威力は非常に強力であり、まともに直撃を受けるとネクストでも一撃で大破しかねない。ブレードは機体の各部から高速で薙ぎ払うように使用されるため、接近するにはリスクの高い相手。
また、弱点の放熱板を無くして、小型化したバージョンも存在する。こちらも蟲呼ばわりされる。
関連動画
上述のホワイトグリントがマザーウィルに撃退されたオープニングムービー
関連商品
関連静画
関連項目
- 5
- 0pt