アーモンド(英:Almond 和:ヘントウ)とは、ナッツの一種である。
原産地はアジア西南部で、現在では、世界各地で栽培されている。
概要
アーモンドという名前を聞くと、まず真っ先にナッツの形が思い浮かぶだろう。だがしかし、あの形のまま生育するというわけではない。
学名や分類群を見てもわかるように、桜の近縁種であるアーモンドは、樹高が約5mほどに達する落葉高木である。日本では、3~4月にかけて、桜とよく似た花が一斉に咲き、3~4ヶ月後に実が熟するのである。
なお、果実が自然に落下しないため、収穫する際には専用の機械(動画参照)で揺さぶって実を落とす必要がある。ただし日本では、果実の熟する時期が梅雨と重なってしまうため、果肉が割れた時点で収穫しないと腐敗してしまう。
食品としてのアーモンド
アーモンドの可食部は、果実の中でも仁と呼ばれる部位である。わかりやすく言うと、梅干しの種を割った際に、中にある柔らかい部分と同じものである。
果肉と種子の殻を取り除いた状態のものを生アーモンドといい、これを炒るか、もしくは揚げて食用にすることが多い。主だった食用例としては、塩をふってそのまま食べたり、スライスして料理や洋菓子の材料として用いたりすることが一般的。
また、アーモンドにはスイート種とビター種の二種類がある。このうち、ビター種は苦さの原因として青酸化合物が多く含まれるため、大量に摂取すると有毒なので注意。ただし、少量であれば鎮咳・鎮痙薬になる場合もある。
一方のスイート種は、アーモンドの普及にともなって品種改良が活発になされ、現在では100種類以上の品種がある。
アーモンドと健康
アーモンドは非常食として活用されるほど、栄養価が高いことが知られている。起源をたどれば、旧約聖書の時代、すなわち紀元前の頃からアーモンドの効果が記述されているほどである。
例えば、強い抗酸化力を持ち、アンチエイジングに効果を発揮するビタミンEがアーモンドには多く含まれている。具体的には、一日にアーモンドを22粒食べることで、成人男性が一日に摂取するべきビタミンEの目安量をクリアすることができるのである。
とはいえ、アーモンドを100gも食べたらカロリー過多になるのではないのかという感覚を覚えるかもしれない。しかし20粒で約120kcalと、そこまでカロリーが高いわけではないばかりか、脂肪を燃焼させるために不可欠な栄養素であるビタミンB2も多く含有している。
では、アーモンドはダイエットに使えるのだろうか。
結論から言うと、リバウンドが少ないダイエットが可能だという研究結果がある。ハーバード大によって、一日の摂取カロリーを抑えたダイエットを6ヶ月行うと、アーモンドを摂取したグループに効果的な体重減少が見られ、リバウンドも一年間は見られないという報告がなされているほどである。
(※ただし、アーモンド以外の食事をバランスよく取ることが必要である。アーモンドばかりを食べていればダイエットが出来るというわけではないので、その点には注意するべきである)
さらに、アーモンドに含まれるオレイン酸やリノール酸といった不飽和脂肪酸には、血液中の悪玉コレステロールを減らすことで血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化や心疾患などのリスクを低くする効果がある。このことからも、アーモンドに健康的な効果が高いことが言える。
それだけではなく、アーモンドに豊富に含まれる不溶性の食物繊維は、水を含んで膨らむことで腸内をコーティングする。その結果、便秘の改善のみならず油分の吸収抑制や食欲抑制、さらには血糖値上昇の緩和や高血圧改善といった副次的な効果を得ることができるのである。
・・・と、至れり尽くせりな書き方をしたが、アーモンドばかりを食べ過ぎるともちろんカロリー過多で太る。
アーモンドで痩せると過信しすぎるのではなく、アーモンドを食べてもそこまで太らないという感覚を持ち、栄養バランスの崩れをアーモンドで補う程度に留めることが大切である。
アーモンドと美容
アーモンドは美容にも効果があることが知られている。上の項目でも書いたように、アーモンドにはビタミンEが大量に含まれている。このビタミンEはアンチエイジングに高い効果を示す抗酸化物質であり、アーモンドはgあたり含有量が最も多いとされているのである。
また、AGEsという、タンパク質と糖類の結びつきによって発生し、蓄積することによって老化や生活習慣病の原因となってしまう物質の排出を促進する効果があることも発見されている。
和名と派生
アーモンドの和名は「ヘントウ(扁桃)」であり、漢字で扁桃と書いた際には「アーモンド」と読む場合もある。
なお、人体に存在する扁桃は、アーモンドの種子の形に似ているため命名されている。
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関連項目
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