アーロイ(Aloy)とは、ゲーム『Horizon』シリーズの主人公である。
概要
本作の主人公であるノラ族の狩人。
ノラ族の異端者ロストによって育てられ、自身も異端者として一族から忌み嫌われる幼少期を送る。掟により、異端者は一族の者と話をすることを禁じられていたため、幼いアーロイの話し相手はロストのみ。アーロイと同年代のバストたちからは「母無し子」などと呼ばれ蔑まれていた。自分たちの扱いに納得できないアーロイは、毎年行われる義勇兵への試練に合格し長老の許しを経て異端者からの脱却を強く望むようになる。
やがて、ロストとの訓練を経て成長したアーロイは義勇兵への試練に参加し、トップの成績で合格する。しかし、そこでカルト集団「エクリプス」の襲撃にあい、バストたち他の試練参加者たちが次々命を落としていく。アーロイは駆け付けたロストに庇われ九死に一生を得るが、ロスト本人は爆発に巻き込まれ死を迎えた。エクリプスが去った後、アーロイは長老ティルサの招きにより、自分が発見された山「大いなる母」の中にあるハッチへと連れて来られ自分の出自を知る。ティルサの計らいにより「天命の使者」として故郷を離れることになったアーロイは、襲撃したエクリプスを追い自分が何者であるか、世界の謎を解き明かす旅に出ることになる。
人物
性格は好奇心旺盛かつ知性に富む。
子どもの頃から古代遺跡を遊び場としていたこともあり、未知のテクノロジーに偏見を持たず機械への関心は人一倍強い。頭の回転が速く、知識の吸収力は飛び抜けている。狩人としての資質は言わずもがな、サバイバル能力や咄嗟の状況判断にも優れる。
一族の掟をはじめとした原始的宗教観に縛られず、現実を見定め行動する姿勢はこの世界の人間から異質に見られることもある。しかし、時として人を惹きつけ動かす原動力ともなり、作中ではヴァールやエレンドなど彼女に好意を寄せる人間も見られる。
義父であるロストは生きる術を教えてくれたかけがえのない存在であり、エクリプスの凶襲により彼を失った時は大きな悲しみと怒りを抱き、仇として彼らへの復讐心を抱くことになる。
旅の道中で出会う謎の協力者サイレンスからは精神的な甘さを指摘され辛辣な言葉を浴びせられることが少なくない。が、彼の言動に打ちのめされることはなく、時に毅然とサイレンスを言い負かせるだけの芯の強さを見せている。
なお、イベントシーンではプレイヤー自身がアーロイの行動を決める場面もある。破壊的なアクションを取る、賢明なアクションを取る、信念や共感に基づいたアクションを取る、の3択の内どれを選択するかによってストーリーやクエストに多少の変化が生まれる。本筋の物語自体は変わらないが、周回プレイで違う選択肢を選びアーロイやNPCの反応を楽しむのも一興だろう。
身体能力は非常に高い。幼少期ですら、悪ガキのバストが高台から投げた石を素手でキャッチし、彼の手をピンポイントに狙って石を投げ返す芸当が出来るあたり、才能の片鱗が窺い知れる。
熟練ハンターであるロストから狩りの訓練を施され成長すると更に身体能力が向上。崖降り時のアクションは驚嘆の一言で、崖から飛び降りて空中で身体を反転させ飛び降りた崖にロープを投げて滑り降りる、というアクロバティックなモーションを披露してくれる。
そんな優れたな身体能力を持つアーロイですらフィールドに跋扈する機械獣を狩るには一筋縄ではいかず、初見ではウォッチャー一匹仕留めるのにも痛手を負うことも多い。機械獣のほとんどはアーロイよりも足が速く攻撃力も馬鹿にならないため、正面から打ち倒そうとすれば自分が狩られる側になる。そのため、プレイヤーはどうやって機械獣を倒すか知恵を振り絞り、アーロイと共に狩りの術を学んでいくことになる。
彼女と共にプレイヤー自身も成長し、やがてサンダージョーやストームバードなどの大物を狩った時の喜びは筆舌に尽くしがたいものがあるだろう。
アーロイの正体
アーロイの正体は21世紀に活躍した科学者、エリザベト・ソベックのクローン。
作中の21世紀では、テッド・ファロという男の企業によって製造された自己複製する機械「スワーム」の暴走により、人類絶滅が時間の問題とも言える状況にまで追い込まれていた。それに対抗すべくエリザベト・ソベックは「プロジェクト:ゼロ・ドーン」計画を発案。計画の内容は、現在の人類が滅亡しスワームが活動停止した後、人工子宮で生まれた人類が文明を再構築する、という途轍もないものだった。
計画を実行に移すべくエリザベト率いる科学者たちは、人類滅亡後にスワームを停止させ文明を再構築するAI「ガイア」を開発。刻一刻と人類滅亡へのカウントダウンが進む中、プロジェクトメンバーは懸命に計画を遂行しようと尽力した。しかし、ガイアを保管するシェルターに故障が生じ、誰かが外側からハッチを閉めなければ機械の侵入を許しガイアが破壊されてしまう事態に陥る。外側でハッチを閉める人間は確実に死ぬことになるが、エリザベトはこれに自ら志願。ハッチを閉めた後に死を迎えた。
エリザベトの死後、精神を病み狂人と化したテッド・ファロがガイアの副次機能であるアポロを消去しプロジェクトメンバーを抹殺する暴挙を犯したものの、ガイア本体は活動を続けていた。その後、発信不明のデータを受信したことで副次機能の一つハデスが制御不能に陥る。ハデスは本来の役目を放棄し、独立した自我で地球上の生命を再び消滅させようと企むがガイアはこれを阻止するため自爆を選択。しかし、自分が消えればゼロ・ドーン計画は不完全な形で終わることになる。ガイアはエリザベトのクローンを生成することで、やがて自分を再起動させてくれると信じて消滅。こうして、本作の主人公アーロイが生まれた。
余談
- 英語圏ではアーロイと呼ぶと“合金”を意味するアロイ(Alloy)と誤解されるためか、エイロイ(Aloy)と発音されることが多い。
- アーロイの顔のモデルはオランダの女優であるハンナ・フックストラ(Hannah Hoekstra)。ゲーム制作者の一人ヨヘェン・ウィリムセン(Jochen Willemsen)がインフルエンザにかかり家で休みながら映画を見ていると偶然彼女が目に留まり「彼女こそアーロイだ」と直感し採用が決まった。
関連リンク
- 「Horizon Zero Dawn」はキャラクターのコンセプトアートから始まった。開発者が語るユニークな制作過程とは - 4gamer.net
- 祝2周年! PS4®『Horizon Zero Dawn』の開発スタッフから届いた貴重な制作秘話を公開! - PlayStation.Blog
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