イエッタイガーとは、地下アイドル系ライブを発祥とするコール(掛け声)の一種である。
「イエ→家」「タイガー→虎」と当て字にして「家虎(いえとら)」とも呼ばれる。
概要
主に地下アイドル系ライブの観客によって行われる「MIX」と呼ばれるコールがあり(曲のテンポに合わせて「タイガー!ファイヤー!サイバー!…」などの単語を連続で叫ぶ)、その冒頭に「イエス」と掛け声を入れることから派生したのが「イエッタイガー」である。(イエスタイガー!→イエッタイガー!)
楽曲のラストのサビ直前に差し込むことが多いため、ラスサビ前に1小節のタメ(無音からのフィルなど)が入るような楽曲が対象となりやすい。リズムは主に2パターンあり、楽曲によって使い分ける。
正確な発祥についてははっきりしないが、イエッタイガーが広まるきっかけとなった代表例としては、アイドルユニット「ベイビーレイズJAPAN」の楽曲「夜明けBrand New Days」で観客が行っていたものが挙げられる。(下記YouTube動画 3:46頃)
→熱苦しくてうっとおしい!? ベイビーレイズJAPAN「夜明けBrand New Days」【LIVE映像】
イエッタイガー禁止の流れについて
観客が独自に激しいコールやパフォーマンスを行う所謂「ヲタ芸」は一部界隈で独特の文化を形成していったが、そのような風習の無かったアイドル・声優・アニメ系のライブにまで波及していったことでトラブルも多発したため、近年では過激な応援行為をライブ運営側が禁止する傾向にある。(→「厄介」の記事を参照)
そういった中でイエッタイガーは多くの場合「楽曲と無関係の単語を、ラスサビ前の静寂になるタイミングで叫ぶ」という性質上非常に目立つため、槍玉に挙げられやすい。演出や他の観客への妨害行為になるとして、演者側からも問題視したり禁止する声明が相次いでいる。
「ベイビーレイズJAPAN」の楽曲「夜明けBrand New Days」
元々虎をモチーフに使用していたグループでもありイエッタイガー自体は問題になっていなかったが、コールと同時にサイリウムを一斉に頭上に投げる危険行為も広まり、注意を行っても繰り返されたため同グループは同曲の演奏を一時期封印することになった。(観客がサイリウムを投げる光景は関連動画を参照)
→解散直前!ベイビーレイズJAPANが生登場! | ミューコミプラス
「私立恵比寿中学」
ライブ後の公式ブログにて「サビ前のイエッタイガー」「ダミ声で意味不明な事を言う行為」などを注意事項として挙げている。(2016/4/25)
「fripSide」sat氏
コンサートツアー仙台公演にて、「white forces」の演奏中にイエッタイガーコールをした観客が居たため、演奏後のMCで苦言を呈した。(2016/12/19)
サビ前のあそこは無音を感じてもらうために作ってんだよ。意図があんだよ。ぶち壊してほしくねえんだよ!なんだイエッタイガーって。面白いと思ってるの言ってるやつだけだぞ!?
→fripSide concert tour 2016-2017 仙台公演レポート(ウェブ魚拓)(※アーカイブ消滅)
「けものフレンズ」イベント運営
アルバム発売記念フリーライブの際、会場アナウンスにて「トラさんのコールはご遠慮ください」という表現を用いて、楽曲に元々含まれているコール以外は禁止とした。(2017/6/24)
→けものフレンズ公式の世界観を壊さないように「イエッタイガー!」を禁止した結果 | はちま起稿
「でんぱ組.inc」夢眠ねむ氏
同グループの楽曲「おつかれサマー」でイエッタイガーが差し込まれるタイミングが夢眠ねむ氏の歌唱パートと被ってしまう事も影響してか、「夢眠さんはガチ恋口上とイエッタイガ撲滅マンだから…」とツイートしている。ただしヲタ芸が嫌いなわけではなく好みの問題であるとも話している。(2017/7/22)
「けものフレンズ」公式
FNS歌謡祭にて「ようこそジャパリパークへ」のライブ演奏が行われた際、「東へ吠えろ」のフレーズのあとに観客のイエッタイガーコールが聴こえてきたことでSNS上で物議を醸した。(本来この箇所は手拍子のみで、コールは存在しない。)
これを受けてか、後日配信されたけもフレ公式ニコ生特番にて、該当部分では新たなコールとして「うー!がぉー!」と吠えてほしいというアナウンスを出し、暗にイエッタイガーを防止する措置を取った。(2017/12/20)
「BanG Dream!」の声優ユニット「Roselia」
- 旧メンバーの遠藤ゆりか氏が、Roseliaの楽曲はブレイクの無音も含めて一つの音楽であるという旨ツイートしている。同じく明坂聡美氏も無音の重要性についてツイートしている。
- ライブ運営は「ライブにお越しの皆様へ」というお知らせを毎回掲載し、「過激な応援行為」等のほか「演出の妨げになる1人だけ目立つ掛け声(IETTAIGA!)」を名指しで禁止している。
- 2020年2月1日に行われた単独ライブ「Rausch」に際しては、「LOUDER」という楽曲の演奏前にメンバーの櫻川めぐ氏が「無音はシーっだよ」というお願いをしていたが、そのような思いも虚しくイエッタイガーコールをした観客が居たほか、改造ペンライトを使用した者もおり退場処分となった。
→Roselia ライブ 名曲「LOUDER」で家虎発生 ~ | まとまめ
ブシロード代表・木谷高明氏
上記Roseliaのライブでの事態を受けて、BanG Dream!の運営元ブシロードの代表・木谷氏がイエッタイガーを根絶していく旨をツイートした。この「家虎根絶」宣言は大いに話題となり、イエッタイガーを知らなかった一般層にもその存在が広く認知されることとなった。(2020/2/2)
お知らせ。家虎根絶する方向で動きます。今後、明らかにライブの妨害に当たるものは退出に留まらず、ブラックリスト化。場合によっては損害賠償請求など法的手段の検討もさせて頂きます。ご理解よろしくお願いします。
その他の見解など
- 自身のライブでイエッタイガーを公認しているアーティストの例
- ライブレボルト
- せのしすたぁ →せのしすたぁ公式 - X(Twitter)
関連動画
関連項目
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