イオリ・セイとは、TVアニメ『ガンダムビルドファイターズ』の主人公の一人である。CV:小松未可子
概要
ガンプラを主に取り扱っている模型店「イオリ模型店」の一人息子。中学一年生で聖凰学園に通っている。
父はガンプラバトル世界選手権準優勝の経歴を持ち、ガンプラ普及のため世界を放浪しているイオリ・タケシ、母はイオリ模型店を実質的に仕切っている美人母のイオリ・リン子。
容姿や髪の色は母リン子の血を受け継いでおり、ガンプラに対する熱意やガンプラのこととなると豹変する点は父タケシの影響を強く受けている。なお、夢中になると目がしいたけになるのはリン子、タケシ双方からの遺伝である。まさしくこの親にしてこの子あり。
非凡なプラモデル製作技術を持ち、出来栄えが強さに比例するガンプラバトルの場において機体性能で一般的なファイターとガンプラを凌駕してしまうほど。
優しい性格をしており、信頼を大事にし、そう滅多に他人のことを悪く言わない。
ガンプラバトルのパートナーとなった自称、異世界の住人であるレイジに振り回されたり、歳相応に感情に素直。そのせいで一部のショタ趣味なファンからは3人目のヒロインとも言われている。
同時に、劇中で起こる様々な出会いや事件の中で熱い男らしさを身につけてゆくのも見所の一つ。
クラスメイトのコウサカ・チナとは劇中のガンプラの縁で親交が深く、ガンプラ製作を教える中で親しくなり、今や頼り頼られの関係にある。ある意味で家族以上の理解者となった彼女に少なからず好意を覚えている模様。
セイとガンプラ
幼いころに父が大会で活躍したシーンを目撃し、「自分の作ったガンプラで活躍する」という夢を持ったことが彼の原点である。
前述のとおり、中学生にもかかわらず卓越したプラモデル制作技術を持つ。合わせ目消し、塗装等もきっちりこなすうえにスクラッチビルドによるオリジナル改造まで施す高い技術力を持つ。
ほとんどのガンダム作品主人公機を自ら製作、店内の展示スペースに飾り客からは好評を得ている。どれもガンプラの製作経験がある人物ならば一目見ただけで凄さが分かる代物。
また、ガンプラに対しての愛情とプライドも人一倍あり、自分のガンプラも敵のガンプラもぞんざいに扱うサザキ・ススムのことは快く思っていない。愛情もやや行き過ぎている感があり、授業中や寝る間も惜しんでガンプラの改造案を一人練っていたりする。
ガンダムの知識も豊富で、劇中では客にウイングガンダムの概要を詳しく説明し、逆にドン引きされるほどの重度のガンダムオタクでもある。
自室もガンダム……というかガンプラ関連グッズが満載。あと、自室でガンプラを作る割りにかなり整理が行き届いており、けっこうマメな性格なのかもしれない。
一方、自宅(模型店)にはガンプラバトル施設があるにもかかわらず、ガンプラバトルは非常に弱い。
どのくらい弱いかと言うと、国内ランキング2980891人中2959201位という散々な有様。自らを下手と称しつつも、泥臭く勝利を収めていったガンダム主人公は過去にもいたが、「どうしようもなく弱い」という点では異例の主人公ともいえる。
ガンプラ選手権ではひょんなことで出会った天才的なバトルセンスを持つレイジをパートナーに迎え、火器管制を行う第二パイロットとして戦っていく。
そして決勝戦前のお祭ではついにレイジの駆るビギニングガンダムと対戦。
レイジの戦いを間近で見てきた中で「自分のガンプラを傷付けたくない」という思いから来るバトルの消極的な姿勢を「全力で戦って楽しむ」という考えを持つことで克服。
ビルドガンダムMk-Ⅱの性能を存分に発揮して互角の勝負を繰り広げ、お互いだけでなく祭りの参加者皆を大いに盛り上げた。
巨大結晶の暴走による要塞攻略戦では、ビルドストライクをレイジに託し、自らもビルドガンダムMk-Ⅱで出撃。最後は結晶を破壊するべく、粒子のすべてをビルドブースターMk-Ⅱに託し、ブースターをビルドストライクガンダムに再装着、ありったけのプラフスキー粒子でRGシステムを起動し、結晶の破壊に成功した。
製作ガンプラ
ビルドストライクガンダム
BUILD STRIKE GUNDAM FULL PACKAGE ビルドストライクガンダム フルパッケージ |
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型番 | GAT-X105B/FP |
全高 | 17.7m |
重量 | 96.3t |
搭乗者 | イオリ・セイ レイジ |
武装 |
第七回ガンプラバトル選手権に向けてセイが製作していたガンプラ。デザイナー脳内に降りてきた神様はファーストガンダムの生みの親でもある大河原邦男。
ベストセラーのガンプラ、「ストライクガンダム(HGエールストライク)」をベースに、各所にオリジナルパーツを導入した。そのため、目立つ部分を見ればラインを残してストライクとは別仕様ということがわかるデザインとなっている。
頭部はほぼ独自モデル。左右4門のバルカンや角ばったストライクに比べて丸みのある姿にリニューアルした。
また肩部、ストライカーパックのハードポイント(ソードランチャーが入るところ)に大型のブースターを搭載する。
左右腰部、「HGアカツキ」からの流用と思われるビームサーベルとラックに換装。ラックはセイにより回転軸が増設されているため、左右どちらの腕でも抜刀できる。
工作精度が高いセイの技術がダイレクトに反映されており、可動域から運動性、スピード、パワーなど基本スペックは高いがコントロールする難易度も高く、戦闘テクニックに乏しいセイでは性能が引き出せないという弱点がある。
後に飛び入りで参戦したレイジがコントロールし、トップクラスのビルダーにも対抗出来るようになった。
更に、選手権では以下の追加武装を施した『フルパッケージモード』として戦う。
- 「HGアカツキ・オオワシ装備」等を参考に、ビーム砲による火力増強と可変翼の揚力で空中戦を可能にし、分離飛行してファイターとして戦うことが可能な『ビルドブースター』を背面に装備。
装備時は青い塗装や補助翼の多い可変翼の形状でフリーダムガンダムのような見た目になる。 - 右腕部のビームライフルは金属パーツを内蔵した自作品。サイズこそよく見るガンダムのビームライフルだが、出力可変式で最大時はプラスチック製のハイパーメガランチャー以上の出力を発揮できる。艦載砲並みの威力。
- 左腕部にはチョバムシールド。小型であるが、何層のプラスチック薄板を手作業で重ね合わせた複合装甲により、大型のビーム兵器の直撃に表面が焼けるだけで耐える。
以上の手間を惜しまない装備により、レイジの腕もあいまって互角の状況では一般的なファイターとガンプラを軽く凌駕する性能を発揮。
セイ曰く「レイジの腕を信用し、一般的なガンプラファイターでは扱いきれないほどの速度を発揮」する代物。
ガンプラの出来が反映されるガンプラバトルにおいて、これほど多くの自作パーツを組み込んで問題なく動き、その筋では変態技術と賞賛されるバンダイのキットを凌ぐ性能を発揮するあたりセイ自身の非凡な工作精度の高さを証明する作品であるともいえる。
第六話、ユウキ・タツヤとの決闘で大破。修復に入ることとなる。
ビルドガンダムMk-Ⅱ
BUILD GUNDAM Mk-Ⅱ ビルドガンダムMk-Ⅱ |
|
型番 | RX-178B |
全高 | 18.5m |
重量 | 78.6t |
搭乗者 | レイジ |
武装 |
レイジとの特訓やビルドストライクのメンテナンスの合間を縫って制作していたガンプラ。
デザイナー脳内に降りてきた神様はガンダムエクシア、ガンダムAGEシリーズ等を手がけた海老川兼武。
地区大会決勝を目前にして大破したビルドストライクに代わってセイとレイジの愛機となる。
ベースは恐らくHGUC ガンダムMk-Ⅱ (エゥーゴカラー)。
父、イオリ・タケシはRX-78で準優勝したため、まさに二代目のガンダムとしてうってつけと言える。
コンセプトは『ガンダムMk-Ⅱが4号機で開発中止とならず、ギャプランなどの技術を合流させた5号機が存在していたら』というIF設定による。
エゥーゴカラー(白色)なのはセイの趣味『やっぱり5号機も盗まれた』という設定によるらしい。ここのセキュリティどうかしてますよ!
額のアンテナ部や胸のダクトが新規であることを除いてモビルスーツ部分の外見的変化は少ない。
が、目玉の装備である『ビルドブースターMk-Ⅱ』はほぼ合体時は追加ブースターとして機能する他、ムーバブルシールドバインダーのキャリア、エネルギー供給源でもある独自設計。
ムーバブルシールドバインダーはギャプランの手甲についている“ビーム砲内蔵の装甲板”。それをガンダムMk-Ⅱ仕様にコンパクト化している。
モビルスーツ部の腕に接続しており、ビルドブースター自体の可動域が広いのは勿論、砲部分を分離してモビルスーツ部の携行武装としたり、逆にモビルスーツと独立したビーム砲としても運用可能で射線を妨げない。
ビルドブースターMk-Ⅱだけで分離・戦闘ができる。合体する際にブースター側のコックピットブロックが分離するのはGディフェンサーと同仕様であり、スーパーガンダムのニュアンスも含ませてあることがわかる。
総合的なデザインとしてはは「ガンダムMk-Ⅱの背中にコンパクトなギャプランである“ビルドブースターMk-Ⅱ”が被さっている」とイメージするといいかもしれない。
ヤサカ・マオの技術を目の当たりにし、レイジやユウキ・タツヤなどの操縦技術に感化されてセイの脳内には更なる発展プランがある模様。このあたりも含めて外伝『アドバンス・オブ・ゼータ ティターンズの旗のもとに』などにも沿った“機動戦士Ζガンダム”の世界観を尊重したチョイスに愛が感じられるところ。
このビルドブースターMk-Ⅱは後の要塞攻略戦で、セイとレイジ、二人の力で最後の突破口を開く鍵となった。
スタービルドストライクガンダム
STAR BUILD STRIKE GUNDAM スタービルドストライクガンダム |
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型番 | GAT-X105B/ST |
搭乗者 | レイジ |
特殊 | ユニバースブースター装備 アブゾーブ・システム ディスチャージ・システム RG・システム |
武装 |
ビルドストライクガンダムが大破した後、修復ついでの改良を加えたもの。
世界レベルの実力を目にし、対策を模索して煮詰まる中、原作の世界観に縛られない自由な発想で突破口を開き完成させた文字通りの『新境地のガンプラ』。
ライフル・シールドに背部から胸部へ羽織るように被さる『ユニバースブースター』をはじめ、身体の各所に赤い楕円形の発信器が取り付けられている。
背中のボリュームが少ないためストライクガンダムとしてはシンプルな見た目をしている。
だが、見た目にはわからない3つの特殊機能を備えており、それらを組み合わせることで既存のガンプラにはない性能を発揮する。
- アブソーブシステム(Absorb System)
- シールドに内蔵されたビーム吸収機能。吸収したエネルギーを後述のディスチャージシステムへ転用可能。
- ビーム兵器に対し無敵ともいえる能力だが、吸収機構が破損した場合使用不能となり、ディスチャージのエネルギーの再充填も困難となる。
- ディスチャージシステム(Discharge System)
- アブソーブシステム等で機体内部に充填したプラフスキー粒子を解放し、大出力を発揮する機能。発動時に、『プラフスキーパワーゲート』という星型のフィールドが形成される。
- 「SPEED」では、『パワーゲート』内部に機体を侵入させることで高密度の粒子を纏って大きな推力を得る方式。光の翼のようなエフェクトと背中に『パワーゲート』を背負うような姿となり、移動に生じる衝撃波だけで周囲のファンネルを粉砕するほどのスピードを発揮。
- 「RIFLE」ではシールドとライフルを連結し、大量のビームとして射出する方式。正面に展開された『パワーゲート』にビームを照射することで、圧倒的な大質量の機体でも焼き潰すようなさながらビームの雨を飛ばすことができる。
- 他、「AQUA」機能が武器スロットに登録されているが、これはまだ劇中未使用。
- RGシステム(Radical General Purpose System)
- この機体における最後の奥の手。機体の出力を最大まで引き出すいわば「リミッター解除」
- ガンプラバトルでガンプラを動かす動力であるプラフスキー粒子をリアルグレードのごとく作りこんだ内部フレームまで浸透させることで規格外の運動出力を発揮する機能。粒子効果で機体が光り輝き、特にフレームは青く煌く。
身体部位を限定した使用も可能。 - 敵のガンプラを水平に吹き飛ばす、伸縮アームの拘束を千切る、刺突をスウェーで避けた後、相手が反転する間に背後に回った後飛び掛るといった驚異的な運動性とパワーを発揮する。
- ただし構造への負担は尋常ではなく、自壊してしまうシーンもある諸刃の剣。まさに捨て身の機能といえる。
- 発動の際、ハイグレード準拠と思っていた視聴者はそのセイの工作力に感嘆することとなった。
その機能と動きで世界大会予選ではポイントレースのトップグループを走る。
余談だが、ガンダムと呼ばなくなったのも名前が長くなるからではなくその規格外の性能ゆえなのか。
ビルドストライクガンダムコスモス
本編より一年後のガンプラバトル選手権にて、レイジと別れたセイが自分自身の機体として作り上げたガンプラ。セイの口からは「ビルドストライクコスモス」と呼ばれていたが、GPベースには上記のように(BUILD STRIKE GUNDAM COSMOS)と表示されていたため本記事でもそれに倣って記載。
外見はスタービルドストライクとほぼ同じだが、機体のプラフスキー粒子を実体化させ、左右に展開して赤と青の粒子で機体全体を覆うシステムを搭載している。最終回ラストで登場、続編である「GMの逆襲」でガンプラマフィアに奪われ、セイは後述のスターバーニングガンダムで対戦を行うという事態になった。
赤と青の粒子はそれぞれセイとレイジのイメージカラーだが、名前繋がりで同じく赤と青が交じり合ったデザインのウルトラマンコスモスを思い浮かべる人も。なお、ウルトラマンコスモスは機動戦士ガンダムSEEDの前番組である。
スターバーニングガンダム
上記ビルドストライクガンダムコスモス(以後コスモス)がセイが自分で使うのに対して、レイジと交わした約束通り彼専用として制作したガンプラ。形式番号SB-011。モチーフになるガンプラが存在しない完全オリジナル(部分部分で歴代ガンダムに似ている個所はあるが)
大型ビームライフルにビームサーベル、シンプルなシールドとガンダムの王道とも云える装備で状況を選ばない汎用性とサーベルラック兼用の可変式スラスターが特徴。RGシステムも標準で装備しておりコスモス同様赤と青が均等に混じったスタイルであるが、青い部分はプラフスキー粒子貯蔵機能のある特殊装甲である。前述「GMの野望」でコスモスが奪われたため緊急措置として未完成の同機で戦闘を行う。
同機は後に約束通りレイジに渡され、セイは奪回したコスモスを駆って対戦。その後改修されビルドバーニングガンダムとなり、紆余曲折でカミキ・セカイに託される事になった。
その他
中学一年生、12~13歳という年齢はウッソ・エヴィン、キオ・アスノ(共に13歳)とほぼ同じでシリーズでも年少の主人公。SDやOVA等も含めるとリプリン(12歳)、アルフレッド・イズルハ(11歳)、シュウト(10歳)とさらに下はいる。
ガンダム公式ポータルサイト「GUNDAM.INFO」の連載漫画「週刊ガンダムニュース」ではアニメ放映より一足先に登場、レイジと共に二人羽織で戦う変人として描かれている。
データカードダス「ガンダムトライエイジ」ではBUILD MS3弾からパイロットカードとして登場している。当然こちらでは全然弱くないので安心して使用されたし。現時点ではビルドモビルスーツ開発とビルドファイターズモードのナビゲーターも担当している。
ビルドファイターズモードでは最初の敵としても登場するが、やはりというかなんというか弱い。何回か再戦する機会があるがそれなりに強くなっており、超電刃持ちのガンダムデスサイズ&デュオやビルドストライク&セイ等には気を付けたい。ボタン入力はかなり下手な方に入る。
コロコロコミックにおける「ガンダムビルドファイターズ プラモダイバーキット&ビルト」では、ビルドストライクガンダムとウイングガンダムをベースに合体改修した機体、ビルトワイバーンガンダムが主役機となっている。本編第1話でセイが使った機体同士の合体もさることながら、ベース機になっていることからこの作品においてはセイの作ったビルドストライクが一般販売されている可能性もある。「ガンダム トライエイジ」ではライバル機・ザクエンペラーともども連動ミッションにて登場、ビルドMS限定ながらプレイヤー使用も可能なので、通常・スター・ビルトワイバーンと3機のビルドストライク系列機で小隊を組めるようになった。
関連動画
関連項目
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