イクサランの束縛単語

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イクサランの束縛とは、マジック:ザ・ギャザリングカードの1つで、ルール問題児である。初出はイクサラン

概要

イクサランの束縛/Ixalan's Binding
(3)(W)
エンチャント

イクサランの束縛が戦場に出たとき、対戦相手がコントロールしていて土地でないパーマネント1つを対とする。イクサランの束縛が戦場を離れるまでそれを追放する。
対戦相手は、その追放されたカードと同じ名前を持つ呪文を唱えられない。

意識を取り戻したとき、ジェイスはただ途方に暮れるだけだった。

公式サイトexit
MTG WIkiexit


《払拭の/Banishing Light》のようなエンチャントされたパーマネントを追放する効果を持ち、更に追放したカードを唱えられなくする効果を持つ。
上手く決まると事実上の手札破壊として機するため、キーカードを絞ったデッキが相手の場合は投了すら考えるほどだろう。

…しかし、この便利すぎる効果に問題点があった。(後述)

イラストにはアモンケットにてニコル・ボーラスに大敗を喫し、命からがら逃げ延びたジェイス・ベレレン記憶を失い、イクサラン無人島に流れ着いた場面が描かれている。ジェイスの頭上にはどこかで見た紋章が浮かんであり、プレインズウォークを封じられている。
(なお、これは実はウギンがゼンディカージェイスと出会った時に極秘裏にジェイスの精に仕掛けていたものと後に判明し、何者かがジェイス記憶を読もうとした場合、それをトリガー魔法が発動し、ジェイスをイクサランへ強制的にプレインズウォークさせるという非常用のバックドアを仕込んでいたからであった。)

問題点

イクサランの束縛は、典的なの役割の1つである一時的な除去に、キャスト禁止の効果のついたカードである。通常であれば、手札から唱えられる新たな呪文を封じるから、特に問題はない。だが、追放領域から唱えられるカードがあったらどうなるか。というより、約半年後のドミナリアでそういうカードが出てしまった(なお、それ以前にも該当するカードはあったので、モダン以下では問題になったが、ドミナリアはスタンダードで共存するため、解決しておかないとスタンダードで問題が起きてしまう)。

不死身、スクイー/Squee, the Immortal
(1)(R)(R)
伝説クリーチャー - ゴブリン

あなたはあなたの墓地や追放領域から不死身、スクイーを唱えてもよい。

公式サイトexit
MTG Wikiexit

このカードは、スクイーの不死身の性質を表現するために、墓地からでも、追放領域からでも唱えられる性質を持っている。呪文を唱えることの定義は総合ルールの601に規定されているのだが、2018年4月27日(ドミナリア発売日)の版では、このようになっている。

601.2. 呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある場所(通常は手札)から取り、スタックに積み、コストを支払うことである。呪文を唱える、という中には、その呪文を示す(rule 601.2a-d)ことと、コストの決定と支払い(rule 601.2f-h)が含まれる。呪文を唱えることは、以下の順番で以下の手順を踏む。プレイヤーがこの手順を始めるには、その呪文を適正に唱えられる必要がある(rule 601.3 参照)。その際、その呪文を示している間の情報に基づいて唱えられなくする効果はこの時点では考慮せず、rule 601.2e に示すチェックの際に考慮する。呪文を唱える途中のどこかの時点でプレイヤーが手順を了できなくなったら、その呪文を唱えることは不正である。ゲームはその呪文が示される直前の間まで巻き戻される(rule 721〔不正な処理の扱い〕参照)。

601.2a 呪文を唱えることを示す場合、プレイヤーはまずそのカード(あるいはそのカードコピー)を元の領域からスタックへと動かす。それはスタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそのカード(あるいはそのカードコピー)のすべての特性を持ち、そのプレイヤーがそのコントローラーとなる。呪文は、打ち消されるか解決されるか、あるいは効果によって他の領域に動かされるまでスタックにとどまる。

601.2b 呪文モードを持つ場合、プレイヤーモードの選択を宣言する(rule 700.2 参照)。プレイヤーがその呪文に他のカードを連繋(rule 702.46 参照)したい場合、そのカードを手札から開する。その呪文が、バイバックキッカーと言った、代替コストや追加コスト(rule 117.8、rule 117.9 参照)を持っている場合、プレイヤーはそのコストのうちどれを払うかを宣言する(rule 601.2f 参照)。単一の呪文に対し、複数の代替法で唱えたり、あるいは代替コストを支払ったりすることはできない。その呪文が、唱える間に支払う可変のコスト(マナコストに含まれる{X}など。rule 107.3 参照)を持つ場合、プレイヤーはその値を宣言する。その数字が、そのプレイヤーが後でその呪文の宣言中あるいは解決中に行なう選択によってその呪文の文章中で定義されている場合、プレイヤーはその選択をこの時点で行なう。その呪文を唱える間に支払うコストに混成マナシンボルが含まれている場合、プレイヤーは混成でないマナでどう支払うかを宣言する。その呪文を唱える間に支払うコストファイレクシアマナが含まれている場合、プレイヤーはそれらの各シンボルごとに 2 点のライフを支払うかその色のマナを支払うかを宣言する。前段階での選択(墓地からフラッシュバック呪文を唱えることを選んだ、変異つきクリーチャーを裏向きに唱えることを選んだなど)は、それ以降の選択を制約する。

601.2c プレイヤーは、その呪文める対それぞれについて、適正なプレイヤーオブジェクト、領域を選んで宣言する。代替コストや追加コスト(キッカー・コストなど)を支払ったとき、あるいは特定モードを選んだときにのみ対を必要とする呪文は、それ以外の場合には対を必要としないものとして唱えられる。同様に、代替コストや追加コストが選択された場合にだけ他の対を必要とすることがある。呪文が可変の数の対を取る場合、プレイヤーは対を宣言する前にいくつの対を取るのかを宣言する。対の数が、呪文の文章によって定められていることがある。呪文の定める対の数が決定されたら、その対の数を決定するために参照された情報が変わったとしても、その数は変わらない。同じ「target」ので示される中で(日本語版では、「[性質]N 個」」「[性質]N 個か[別の性質]M 個」としてまとめられている中で)、同じ対を複数回選ぶことはできない。複数の対群がある場合、同一のプレイヤーオブジェクト、あるいは領域を(条件を満たしているなら)それぞれで 1 回ずつ対に取ることができる。あるオブジェクトプレイヤーが対として選ばれなければならないという効果がある場合、対を選ぶプレイヤーは、オブジェクトプレイヤーを対にできないとするルールや効果に反しない限りにおいて最大の数のその種の効果に従うように対を選ぶ。選ばれたプレイヤーオブジェクト、領域はその呪文の対となる。(それらが呪文の対となったときに誘発するはこの時点で誘発する。この呪文が唱えられ終わるまで、そのスタックには積まれない。)

例:「クリーチャー 2 体を対とし、それらをタップする。」というがあった場合、同じクリーチャーを 2 回対にすることはできず、適正な対 2 つが必要である。一方、「アーティファクト 1つと土地 1 つを対とし、それらを破壊する。」というがあった場合、対群は 2 つあるので、アーティファクト・土地 1 つを 2 回対にすることができる。

601.2d 呪文によって、プレイヤーが 1 つ以上の対を含む複数のオブジェクトプレイヤーに効果(ダメージカウンターなど)を分配したり割り振って置いたりするとき、プレイヤーはどう分配するかを宣言する。その各個の対に、最低限(ダメージカウンターなどを)1 つは分配しなければならない。

601.2e ゲームはその示された呪文が適正に唱えられるかどうかを見る。示された呪文が不正だった場合、ゲームはその呪文を唱えることが示される直前の間に戻る(rule 721〔不正な処理の扱い〕参照)。

601.2f プレイヤーはその呪文の総コストを決定する。通常、そのマナコストだけである。追加コスト代替コストを持つ呪文や、支払うべきコストを増減させる効果、あるいは他の代替コストを使えるようにする効果も存在する。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップパーマネントの生け贄、手札のカードを捨てる、などが含まれる。総コストとは、マナコストまたは代替コスト(rule 601.2b で決定したもの)に、すべての追加コストコストの増加分を加え、コストの減少分を引いたものである。複数のコスト減少が適用される場合、そのプレイヤーは任意の順番でそれらを適用する。コストの増減を計算した結果として総コストマナ部分がなくなった場合、それは{0}として扱う。{0}未満に減少することはない。この計算後、総コストを直接変更する効果が適用され、総コストが「固定」される。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。

601.2g 総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーマナを起動する機会(rule 605マナ〕参照)を得る。マナコストを支払う前に起動する必要がある。

601.2h プレイヤーは全てのコストを任意の順に支払う。一部分だけ支払うことは許されない。支払うことのできないコストは支払えない。

例:マナコストが{1}{B}でクリーチャーを 1 体生け贄にげる追加コストを持つ《祭壇の刈り取り》を唱える。ここで、あなたの呪文を唱えるためのコストを{1}減らす効果を持つ《学院の使い魔》をこの追加コストとして生け贄にげた場合、呪文の総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《祭壇の刈り取り》のコストは{1}{B}になることはなく、{B}となったままである。

601.2i rule 601.2a-h で示された手順が了したら、その呪文が唱えられるに際してその呪文特性を変更する効果が適用される。その後、その呪文は唱えられたことになる。呪文が唱えられたこと、あるいはスタックに積まれたことによる誘発は、この時点で誘発する。その呪文コントローラーがそれを唱える前に優先権を持っていた場合、そのプレイヤー優先権を得る。

601.3. プレイヤーは、ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはできない。呪文を示し終わったあとで唱えることが認められなくなった場合、その呪文を唱えることは不正であり、ゲームはその呪文を唱えることを示す直前の間に戻る(rule 721〔不正な処理の扱い〕参照)。

601.3a 効果によって、プレイヤー代替コストや追加コストを支払った場合に呪文瞬速を持つかのように唱えることが認められている場合、そのプレイヤーはその呪文瞬速を持つかのように唱え始めることができる。

601.3b 効果によって、プレイヤー特定特性を持つ呪文瞬速を持つかのように唱えることが認められている場合、そのプレイヤーはその呪文を示している間にその特性を持たせるための選択をしてもよい。選択によってその特性を満たせる場合、そのプレイヤーはその呪文瞬速を持つかのように唱え始めることができる。

例:オーラ呪文瞬速を持つかのように唱えてもよい、という効果があるときに、授与を持つクリーチャーカードを手札に持っていた場合、授与 代替コストによってその呪文オーラ呪文になるので、この呪文瞬速を持つかのように唱え始めることは適正である。

601.3c 呪文特定の条件を満たした時にのみ瞬速を持つ場合、そのコントローラーはその条件を満たしているときにのみ瞬速を持つかのように唱え始めることができる。

(以下略)

以上はhttp://www.dcirules.org/resources/japanese/MagicCompRules_20180427_JP.pdfexitのP74-76から引用したものである。

つまり、どのようになるかというと

  1. イクサランの束縛で追放された不死身、スクイーを唱えようとする
  2. 不死身、スクイーを追放領域から唱えることは適正である(イクサランの束縛の唱えられなくする効果は601.2総則で考慮しないから)
  3. 不死身、スクイーが追放領域からスタックに移動する(601.2a)
  4. 適正に唱えられるかを確認する。イクサランの束縛で追放されたカードではないから唱えられる(601.2e)
  5. その後、総コストを決定し、実際にコストを支払い、呪文を唱える手続きを了する

普通呪文であれば全に束縛できるはずなのに全然束縛できてないのだ。さすがに問題だったので、特殊セットバトルボンド」の発売日である2018年6月8日ルール変更で、このように変更された(601.2は総則以外変更がないので総則以外略)。

601.2. 呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある場所(通常は手札)から取り、スタックに積み、コストを支払うことである。呪文を唱える、という中には、その呪文を示す(rule 601.2a-d)ことと、コストの決定と支払い(rule 601.2f-h)が含まれる。呪文を唱えることは、以下の順番で以下の手順を踏む。プレイヤーがこの手順を始めるには、その呪文を適正に唱えられる必要がある(rule 601.3 参照)。呪文を唱える途中のどこかの時点でプレイヤーが手順を了できなくなったら、その呪文を唱えることは不正である。ゲームはその呪文が示される直前の間まで巻き戻される(rule 721〔不正な処理の扱い〕参照)。

(中略)

601.3. プレイヤーは、ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはできない。呪文を示し終わったあとで唱えることが認められなくなった場合、その呪文を唱えることは不正であり、ゲームはその呪文を唱えることを示す直前の間に戻る(rule 721〔不正な処理の扱い〕参照)。

601.3a 効果によって特定の性質を持つ呪文を唱えることが禁止されている場合、そのプレイヤーは、その性質を変えうるような選択をその呪文を示している間にすることを考えてもよい。それらの選択によって、その効果がそのプレイヤーがその呪文を唱えることを禁止しなくなるなら、そのプレイヤーはその効果を無視してその呪文を唱え始めてもよい。

例:プレイヤーが「あなたの対戦相手は点数で見たマナコスト偶数呪文を唱えられない。(0 は偶数である。)」のを持つ《虚の選別者/Void Winnower》をコントロールしているとき、その対戦相手はマナコストが{X}{R}{R}である《とどろく鳴/Rolling Thunder》を唱え始めることができる。これは X の値の選択によって、その呪文の点数で見たマナコスト奇数になることがありうるからである。

601.3b 効果によって特定の性質を持つ呪文瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーは、その呪文の性質を変えうるような選択をその呪文を示している間にすることを考えてもよい。それらの選択によって、その効果が適用されるようになるなら、そのプレイヤーはそれが瞬速を持つかのようにその呪文を唱え始めてもよい。

例:オーラ呪文瞬速を持つかのように 唱えてもよいという効果があり、手札に授与を持つクリーチャーカードがある場合、授与 呪文代替コストを選ぶことでその呪文オーラ呪文になるので、瞬速を持つかのようにその呪文を唱え始めることは適正である。

601.3c 効果によって、プレイヤー代替コストや追加コストを支払った場合に呪文瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーはその呪文瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。

601.3d 呪文特定の条件を満たした時にのみ瞬速を持つ場合、その条件を満たしているなら、そのコントローラー瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。

601.3b 効果によって、プレイヤー特定特性を持つ呪文瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーはその呪文を示している間にその特性を持たせるための選択をしてもよい。選択によってその特性を満たせる場合、そのプレイヤーはその呪文瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。

例:オーラ呪文瞬速を持つかのように 唱えてもよい、という効果があるときに、授与を持つクリーチャーカードを手札に持っていた場合、授与 代替コストによってその呪文オーラ呪文になるので、この呪文瞬速を持つかのように 唱え始めることは適正である。

以上はhttp://www.dcirules.org/resources/japanese/MagicCompRules_20180608_JP.pdfexitのP74-77から引用したものである。

で、このルール変更でどうなったかというと「唱えられない」効果を参照するようになった。で、回避策があれば唱える手順を続けることができる形になっている。で、どうなるかというと

  1. イクサランの束縛で追放された不死身、スクイーを唱えようとする
  2. 追放領域から不死身、スクイーを唱えることは適正であるが、イクサランの束縛で追放されたカードと同じ名前カードは唱えられない効果があるので、唱えることができない。このため、唱える前に巻き戻される

これで、問題は解決したわけだが、この類の問題はたまに起きることがあるので、ジャッジたちには感謝をするべきである。

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イクサランの束縛はニコニコ市場にされてないようだ。

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1 ななしのよっしん
2018/07/11(水) 13:58:40 ID: kCcd1ffSk8
記事作成お疲れ様です。
イクサランの注ストーリーの1枚であり、記憶喪失になってしまった上にイクサランに閉じ込められて途方に暮れるジェイスについても触れていただけますと幸いです。
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2 ななしのよっしん
2018/07/13(金) 00:45:22 ID: n73DRNA3ew
一般的な感覚だと
「追放領域に送られたのと同名カードを使えない…つまり唱えようとする事自体できないんだろうなぁ」
てなりそうなのに

「唱えようとしたので追放領域から動きます。つまり問題く唱えられますよねぇ!」
とか言い出すとかどんな発想だよwと思ってしまったり。
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