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イラン
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基礎データ
正式名称 イラン・イスラム共和国
Islamic Republic of Iran
جمهوری اسلامی ایران
国旗
国歌 イラン・イスラム共和国国歌exit_nicovideo
公用語 ペルシア語
首都 テヘラン
面積 1,648,195 km2世界第25位)
人口(’17) 8100万人(世界第18位)
通貨 イラン・リヤル(IRR)
時間帯 UTC+3:30 (IRST,:+4:30)
政治体制 共和制

イラン(Iran)とは中東に位置する、世界を代表する産湾岸諸国の1つとして知られる。イラクアフガニスタントルコパキスタンサウジアラビア等に囲まれた、なかなかスリリングな地域にある。

概要

正式名称はイラン・イスラム共和国(英語Islamic Republic of Iran、ペルシア語:جمهوری اسلامی ایران)。

基本的にはペルシア帝国の末裔。それまでの長い歴史・詳しい概要などはWikipediaの記事exit歴史教科書にまかせて、ここでは簡単な概要と現代の様子について書いておこう。

土はアメリカアラスカ州と同じぐらいの大きさ。世界第三位の埋蔵量を誇る産で、石油世界の埋蔵量の11天然ガスは15を占める。イスラム教国家だが、他のイスラム教国家と違い少数であるシーア派教とする。山岳地帯が多く、内の気の差がしい。気温が38度をえるところもあれば、気温氷点下になる場所もある。

抵抗経済(外からの輸入に頼ることなく自分たちで農業や産業を育てる体制)を掲げ、教育準の向上やインフラ整備を行ってきた。また、石油に頼った経済を打開するためにいろいろ頑っているようで、自動車家電医薬品農業などにもを入れている。しかし現在でも、物価上昇に悩まされており、なかなか上手くいっていないようである。

体制・文化

現在のイランは共和制で、立法・法・行政の三権全てを握した「政教一致」となっている。イスラム法学者が「最高導者」として統治し、大統領はその下にいる。これは、イマーム(導者)が預言者ムハンマドの後継者とされ、導者による法解釈が絶対的な権限を持っていると扱われるシーア派の教義に基づくもの(イランはイスラム教の少数であるシーア派国家である)。

イラン革命以後、厳格なイスラム教作りに奔走している。厳格なイスラム法の遵守(特に女性装規定など)、名誉の殺人などについて、欧などから問題視されることが多い。

しかし、現在では人口8000万人のうち60%革命後に生まれた世代で、ネットの利用者も6000万人以上おり、現在の若い世代がネット世界ファッション文化に触れているためか若者たちはそこまで革命に対する熱はなく、かなり変化が進んでいるようである。

保守的な地域でも、チャドルを着ない女性やヘジャブをかぶらない女性ジーンズを履いている女性がいるとされ、公共の場で手をつないでデートするカップル衆の面前で女性プロポーズする男性が現れるなど、イランの保守的な体制に逆行するケースが増えている。公共の秩序を乱したとして逮捕されても「逮捕するなら腐敗した政治家だ」とはっきり抗議が上がったり、弁護士が開設したネットの相談窓口には「異性と手をつないで外を歩くのが何でダメなの?」といった質問が相次いでいるという。 [1] [2]

体制側ではSNS批判に使われるのを恐れており、テレビなどでは"反政府デモをもたらした存在"としてSNS批判し、「社会の秩序を乱す」との理由で遮断されてきた外サイトツイッターフェイスブック、欧ニュースサイトなど)も多々あるが、民はVPN経由で密かにSNSを利用しているとされており、保守強硬は「中国のようにネット全管理すべきだ」としているものの、インターネット現在イランの経済活動にも深く浸透してしまっているため、送や決済などはネットが当たり前、SNSビジネスをする企業もある。治安維持の関係者によると、ネット全に停止して抑え込もうとすると内外の批判経済混乱イスラム法による統治からかえって民心が離れるなどの懸念があり、対応に苦慮しているらしい。[3]

イランの歴史と国際関係

紀元前

イラン高原には、石器時代の頃に人が住み始めたとされている。紀元前6000年頃から麦を中心とした農耕が始まり、3000年頃にエラム人がしてイランの歴史が始まった。当時はエラム王と呼ばれていた。約1000年後、中央アジアからアーリア人が南下してきて、エルム人と一緒に暮らすようになる。やがて先住民はアーリア人と同化した。

紀元前550年、キュロス大王がイラン北西部メディア人を倒し、独立。アケメネスペルシアを建して勢を拡大。リディアメソタニアエジプトを征して大を作り上げた。ダレイオス1世(在位522~486年)の治世がアケメネス全盛期であり、イランの歴史から見ても最大の領土を持っていた。未だに野心を燃やすアケメネスは西へ勢を伸ばそうとギリシャに侵攻したが、492年にペルシア戦争になる。戦いに敗れたアケメネスギリシャ侵攻を断念しなければならなかったが、その後ペルシアが急速に弱体化。その隙を突き、時の王アレクサンドロスによって滅ぼされ支配下に収まった。しかし3年後にアレクサンドロスが病死し、後継者争いが勃発。セレウコス1世によってセレウコスが作られた。

紀元前226年に立されたサーサーン朝では、シルクロードを通じて遠く離れた日本との交流が始まった。

イスラム化

元々イランは、中央部の都市ヤズドを発祥としたゾロアスター教であった。しかしゾロアスター教教と定めたサーサーン朝が7世紀にイスラム教駆逐されて以後はイスラム化が進んだ。13世紀のモンゴル帝国の侵攻も経て、1501年にはイスラム教シーア派教にしたサファヴィー朝立。これ以後にシーア派化が進行し、シーア派とも評される現代のイランが構築された。

1925年、クーデターによってパフラヴィ立した導者レザー・ハーンは脱イスラム化を図り、戦後に至るまで様々な政策を打ち出した。しかしこれは秘密警察まで投入した強制的なものだったため民の反発を買い、脱イスラム化に失敗。のちのイスラム革命引き金にまでなってしまった。

第二次世界大戦での受難

1939年9月第二次世界大戦が勃発したときイランは中立を表明。しかし政権が反英独の体制を取っており、内にはドイツ情報機関が活発に活動していた。ドイツ人の追放を拒否し、連合鉄道使用を認めないなど枢軸の立場を取り続けた。加えてイランは膨大な石油埋蔵量を保有し、もしそらの資枢軸国の手に渡れば、大幅に強化される危険性があった。

イランの枢軸国入りを防ぎたいイギリスと、バクー田の安全を確保したいソ連軍が結託。1941年8月25日に、カウナンス作戦を発動。中立イランへの侵攻を開始した。脆弱な戦しか持っていないイランはされ、容易く上陸を許す。南からはイギリス軍とインド軍、北からはソ連軍に挟撃され、31日には両軍が合流した。田は略奪に遭い、縦貫鉄道は制圧された。

戦闘の結果、独政権が倒れ、のモハンマドが新首相が就任。ドイツイタリアハンガリールーマニア大使館を閉鎖し、内のドイツ人はイギリス軍に引き渡す約束を交わした。イランはイギリスソ連分割占領されたが、10月17日に撤収し権を回復。その後の1943年9月連合に入った。

戦後

イランは1979年のイラン革命によって建された。前の政権を倒して建てられたが、前政権がアメリカ的であったため、建当初から西側諸国批判を集める。さらに、攻撃的な外交を続けたために社会から孤立。そのままイラン・イラク戦争になだれ込むが、ただでさえ少なかった支援国家減。経済制裁などでが立ち行かなくなり、最後はイラン側が折れる形で終結。戦後はその教訓を生かし、宗教に捕らわれない合理的な外交を進めてきた。

2000年代初頭はさらにアメリカ側に譲歩するような政策を取ってきたが、核開発問題が表面化し、一変。イラン・アメリカとも双方名しの批判情報戦が行われている。内でも情報統制や意図的なデマの流布が行われているため、最新の情報を正しく読み解くのが難しい。電話などは、特定キーワードを言っただけで回線を切断されたり、新聞や雑誌も検閲が入っており空白の記事もある。そのため、最新の現地情報twitterなどからとられることも多く、情報社会の新たな形として注を集めている。

また、核兵器を製造しているとして、アメリカを代表とする諸から経済制裁を受けており、2009年現在アメリカイスラエルとの武衝突が懸念されている。それに加えて、イラクの東端に位置し、パキスタンアフガニスタンを接しているシルタン・バルチェスタン州では反政府組織が活発に活動。外国人に対する誘拐事件自爆テロなども発生しており、現在でも退避勧告が出ている。首都テヘラン周辺では2009年6月に行われた大統領選挙の開票結果を発端とした抗議デモが続いている。

イランの核兵器保有については、イスラエルが安全保障を脅かされると非常に強く警している。なおイランは核疑惑があっても核拡散防止条約(NPT)の加盟を継続しているが、イスラエル核保有し、しかもNPTすら未加盟である。これはイランの核保有正当化するものではないが、イスラエルも人のふり見てがふり直せ状態ではある。

イランは、アラブ人国家スンニ派の大サウジアラビアとも対立している。2016年からは特に顕著で、サウジアラビアシーア派導者殺→イラン民がテヘランサウジ大使館に放火サウジ交断絶を宣言…という険悪な雰囲気になってきている。

非常に簡潔に言えば、サウジアラビアイスラエルとめちゃくちゃ仲が悪い、ということである。

2013年6月保守強硬のアフマディネジャドから、保守穏健のハサン・ロウハニに大統領が交代した。ロウハニは、欧との対話路線を重視し、経済制裁を解除することを標に掲げていた。外交が実り、2015年露中英独との核合意に達した。要は核の察を受け入れ、その代わりに経済成長と平和利用を認めるというものである。

2016年現在経済制裁は解除されていないが、経済制裁解除を見越して、欧日本中国などの企業が進出をして奔走している。これはイランが人口8000万人の大で、大きなビジネスチャンス当てにしているためである。

反米への道

1950年代初頭、イラン内の田はイギリスアングロ・イラニア石油会社から厳しい搾取を受けて貧困に喘いでいた。そこでモサッデク首相田を営化する強硬手段を出て、英から反発を買う。1953年クーデターが発生してモサッデク政権が転覆。営化は白紙に戻されてしまった。その背後にはCIAがあった。首相の座にはパフレヴィ2世が返り咲き、アメリカ支援を受けて欧化を推進した。急速な欧化はイスラム教シーア派宗教導者から恨みを買い、また営化を白紙にしたアメリカにイラン民は怒りを抱き始めた。

2015年7月、核開発に大幅な制限を課す代わりに経済制裁を緩和する「核合意」にイランは合意。アメリカ(オバマ政権)、ロシア中国イギリスドイツがこれを認め、約束どおり制裁が緩和された。ところがアメリカで政権交代が発生。2018年5月になってドナルド・トランプ大統領が核合意からの離脱を宣言。同年8月に制裁の一部を再開、11月に制裁の全面再開および原油取引禁止を行ったことで経済に大打撃を受けている。29歳以下の失業率は24%に達し、イランの政権はアメリカへの批判などを行っているが、若者たちの世代からは体制側の失政を批判するも出始めている。 読売新聞 2019年2月13日 (水曜日)

これにブチ切れたイランは反米姿勢を過化させ、核合意で定められた制限を段階的に破棄。アメリカを脅す外交カードとして核開発を再開した。イランとアメリカの関係は最悪レベルにまで悪化し、日本の仲裁もむなしく修復の見通しは立っていない。さらに2020年1月2日イラク内で活動していたイラン革命防衛軍のソレイマニ官が米軍爆で死亡。実質ナンバー2の重鎮を殺され、世論は一気に反米へと傾いた。ソレイマニ官の葬式には数え切れないほどのイラン民が駆けつけ、「アメリカに死を!」と高に叫んだ。報復も辞さないと宣言するイランに対し、アメリカも反撃の用意があると明。両国間の緊により「第三次世界大戦」がトレンド入りした。何気にイランは世界14位の軍事を持っている他、内外問わず工作を行っている強である。アメリカ軍と衝突すれば甚大なが生じるであろう。

イランは1月8日ソレイマニ爆殺の報復として米軍が駐留するイラクアルアサド基地に複数の弾道ミサイルを発射した。死亡者は出なかったが複数の負傷者が出た。[4]

日本・ニコニコ動画とイラン

イランの輸出相手の第一位日本である。その95以上が原油。これは日本が輸入している原油の12%程度にあたる。日本への原油供給量は第三位。そのため関係はなかなか良好である。
1953年日章丸事件をきっかけに日本とは友好な関係が築かれ、あまり知られていないが今なおもしい間柄である。経済制裁を課すアメリカとの渡し役に日本を選んだのも、これが理由と思われる。しかし最高導者のハネメイ師は反米姿勢を崩さず、「日本とは対話するが、アメリカには対話する価値がい」と断じている。

イラン系日本人としてイラン人の日本人を持つプロ野球選手ダルビッシュ有がよく知られている。彼は日本国籍を選択するまではイランの籍も持っていた。ゲームファンの間では元スクウェア社員でアメリカ在住のイラン人プログラマーナーシャ・ジベリが有名である。日本で活躍するモデル、サヘルローズはイラン出身である。

ニコニコには軍事関連の他にスポーツイスラム系のしい文化が垣間見れる動画が多い。

IRIBイラン・イスラム共和国際放送は、日本語の短波放送exitを実施している。毎日。これは中東では一である。内容は一般ラジオ局と変わらないものから、西暦のほか、イランイスラムで日付を読み上げ、コーラン朗読なども行う。遠方の短波放送であるため、日本での生電波受信は非常に困難である。高価な機器の購入予定がない人は、公式ラジオモバイルアプリを聞ける。

関連動画

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関連項目

脚注

  1. *イランで公開プロポーズした男女が逮捕される。一体なぜ? (ハフィントン・ポスト日本語版 2019年03月10日 17時00分 JST)exit
  2. *夜の公園でキス、ジーンズの女性も…変わるイランの若者 (朝日新聞デジタル 2019年2月5日19時11分)exit
  3. *朝日新聞 2019年2月5日(火)
  4. *イランによる8日のイラク基地攻撃で米兵士11人負傷=米軍exit 2020.1.17

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1045 ななしのよっしん
2024/04/17(水) 22:15:45 ID: EbwRUkdB2K
その「切り捨てられる立場」に他でもないテメエら自身も入ってくせに、よくそんなことを放言できるよな
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1046 ななしのよっしん
2024/04/18(木) 01:45:00 ID: 4ArtKYRrFF
ユダヤ人問題の最終的解決かな?
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1047 ななしのよっしん
2024/04/18(木) 08:30:17 ID: 4kWlu1h7SY
>>1039
国連事務総長も先進諸大使爆撃への自衛権は認めなかったのだからそれでFAじゃね
大使館が攻撃されたから軍事報復とかアメリカでもやらないか
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1048 ななしのよっしん
2024/04/18(木) 22:07:54 ID: i9FdjhjfvT
ただ、イラン民も「インフレでやべえのにイスラエル戦争している余裕なんかねえよ!」とブチ切れ状態だからな
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1049 ななしのよっしん
2024/04/19(金) 11:42:29 ID: BIJ+aBS/P6
イスラエルからの報復攻撃でイラン領内にミサイル着弾
これに対してどう対応するか
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1050 名無しさん
2024/04/19(金) 12:01:21 ID: JuhkYjcFXG
アメリカも介入する事になったら第五艦隊とイラン海軍と交戦するかもしれん
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1051 ななしのよっしん
2024/04/19(金) 12:04:58 ID: GjyNb/S2o+
イランメディア爆発音は全て迎撃の成功によるもの。地上被害なし」
うーん…これをどう判断するか…
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1052 ななしのよっしん
2024/04/19(金) 14:52:23 ID: 2j3P1anMR3
イスラエルの攻撃は較的小規模だったから即時の再反撃はしないかも?
今、イスラエルはすでに警態勢に入ってるから、大規模な報復をしても効果があまり高くないかもしれない。
報復するにしても、イスラエル際的な評判が更に落ちるのを待って、数か後か数年後に奇襲した方が成功の見込みがあるかも
ハマスの奇襲以来、イランは徒に直接対決に引き込まれてきたように見える。
確かに湾岸諸国との関係善など、これまでよりも戦略的に良い環境恵まれているとは思うが、軍事的には準備不足では?
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1053 ななしのよっしん
2024/04/19(金) 18:13:57 ID: i9FdjhjfvT
たった数発だったのが拍子抜け
内のタカに配慮しないと行けないが、大規模なミサイル攻撃は際世論から支持されないから
ちょっとだけ撃ってお茶を濁しただけのような
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1054 ななしのよっしん
2024/04/20(土) 11:13:29 ID: 0jGA737mF8
またガソリンが高くなるの
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