イワン・レンドルは80年代を中心に活躍した元テニス選手である。現役時代の大半をチェコ・スロバキア国籍で過ごしたが、キャリア晩年にアメリカに帰化した。近年ではアンディ・マレーのコーチを務めたことで有名。
概要
Ivan Lendl | |
基本情報 | |
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国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | チェコスロバキア: オストラヴァ |
生年月日 | 1960年3月7日 |
身長 体重 |
188 cm 79 kg |
選手情報 | |
利き手 | 右 |
バックハンド | 片手打ち |
デビュー年 | 1978年 |
引退年 | 1994年 |
テニス選手テンプレート |
80年代のテニス界における最強選手の一人。80年代前半はジミー・コナーズ、ビヨン・ボルグ、ジョン・マッケンローらと争ったが、なかなか四大大会で勝てなかった。四大大会初優勝は84年の全仏オープン。翌年マッケンローから完全に王座を奪うと約3年に渡って1位を維持している。キャリア後半はボリス・ベッカー、ステファン・エドベリらと争い90年代初めまでトッププレイヤーであり続けた。プレースタイルは安定感のあるストロークを武器とするベースライナーである。成績も非常に安定しており四大大会での連続準決勝進出10大会はロジャー・フェデラーが更新するまで最長記録だった。最終的にランキング1位在位期間は270週に及び、こちらも引退当時の歴代記録である。ボレーはやや苦手だったようでネットプレーに分のあるウィンブルドンでは勝てなかった。彼はウィンブルドンタイトルのために自宅に芝生コートを設置した上、直前の全仏オープンをスキップまでして備えたりもしていた。
ツアータイトル数やマッチ勝利数など積算系の数字ではコナーズに次ぐ数字を挙げている大選手なのだが、その割にはイマイチ影が薄い。最大の理由は四大大会決勝8勝11敗という勝負弱さにあると思われる。特に全米オープンでは8年連続決勝進出という素晴らしい記録を持ちながら、同時に優勝が3回だけという最強選手としてはやや残念な結果に終わっている。ウィンブルドンでは2回決勝進出したが勝てなかった。特に2度目の決勝の相手はオーストラリアのパット・キャッシュで実績的に格下の相手だったため「今度こそ」と思われたようだが、ストレートで敗れている。決勝で負け続けたため四大大会優勝前にランキング1位を経験しているが、このような選手はATPの歴史上初めてだった(女子では最近増えてきている。男子では後にマルセロ・リオスが達成、リオスは男子で唯一四大大会を勝てずに終わったNo1経験者となっている)。
引退後はあまり大きな動きはなかったが、近年になってアンディ・マレーのコーチを務め、ウィンブルドン優勝に導いたことは特筆される。偶然なのかマレーの四大大会初優勝はレンドルと同じ5度目の決勝(2012年の全米オープン)だった。マレー側からは慰留されたようだが2014年になってコーチ契約は一旦解消された。自身が手に出来なかったウィンブルドンタイトルを取れたことで役割を果たしたと考えたのだろうか。その後チェコの後輩であるトマーシュ・ベルディヒからコーチを依頼されたようだが断ったらしい。2016年の全仏オープン後にマレーのチームに再度合流するとの発表があった。レンドルと判れてからのマレーは腰の手術の影響もあってかジョコビッチに全くと言っていいほど勝てなくなっているだけに、今後が期待される。マレーとの師弟が成功したことで、かつてのレジェンド級大選手をコーチに招聘するのが流行してきている。ベッカーがノバク・ジョコビッチ、エドベリはフェデラーと、かつてレンドルと競った選手たちがコーチに就任した。また錦織のコーチを務めるマイケル・チャンが全仏オープンで最年少優勝したときにも4回戦で対戦している。この試合はチャンが2セットダウンからアンダーサーブなども駆使した執念のプレイで大逆転したことで知られている。
主な実績
- ATPシングルスランキング1位(在位270週:歴代3位、引退時歴代1位)
- 全米オープン優勝3回(1985年~1987年)
- 全仏オープン優勝3回(1984年、1986年、1987年)
- 全豪オープン優勝2回(1989年、1990年)
- ウィンブルドン準優勝2回(1986年、1987年)
- 全米オープン準優勝5回(1982年~1984年、1988年、1989年)
- 全仏オープン準優勝2回(1981年、1985年)
- 全豪オープン準優勝2回(1983年、1991年)
- シングルス通算優勝回数 94回(歴代3位、引退時歴代2位)
- シングルス通算マッチ成績 1071勝239敗(マッチ勝利数歴代3位、引退時歴代2位)
- 四大大会連続準決勝進出10回(引退時歴代最長、現在歴代3位)
- 四大大会決勝進出19回(歴代4位、引退時歴代1位)
関連動画
関連項目
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