あの日から20年。
決戦に備えていたのは、
人類だけではない。
インデペンデンス・デイ:リサージェンスとは、2016年に公開されたアメリカ映画。『インデペンデンス・デイ』(1996)の続編である。
概要
監督は前作『インデペンデンス・デイ』に引き続きローランド・エメリッヒ。またジェフ・ゴールドブラムやビル・プルマンなど、前作の主要登場人物の多くが同じ役柄で続投している。
主演を務めるのはリアム・ヘムズワース。『ラスト・ソング』(2010)の好演でティーン・チョイス・アワード映画部門賞を受賞し、『ハンガー・ゲーム』全4作品に出演、『エクスペンダブルズ2』(2012)ではご老体ばかりの主演陣にあってひときわ目を引く若き戦士を演じるなど、順調にキャリアを築き上げてきたリアムは、本作では無茶が目立つ戦闘機パイロットとして人類の存亡のため空を、宇宙を駆ける。
なお前作で主演だったウィル・スミスは登場しない。理由は「ギャラが高すぎる」とのこと。ウィルが演じたスティーブン・ヒラーはエイリアンの技術を応用した新型戦闘機のテスト飛行中に不慮の事故で劇中の2007年に死亡したという設定になっている。
前作でも製作・脚本に携わったディーン・デヴリン、視覚効果アドバイザーに監督の盟友マルク・ヴァイガートとフォルカー・エンゲル、作品をエモーショナルに彩る音楽に『紀元前1万年』(2008)『2012』(2009)などのトーマス・ワンダーに製作と兼任のハラルド・クローサーといった実績のある布陣が、前作よりさらに大規模に、残虐に進化したエイリアンの襲来を別次元の大迫力で描く。
あらすじ
1996年、人類はエイリアンからの襲撃という未曾有の事態に直面した。圧倒的な戦力を有する敵に人類は結束、決して従容と死を受け入れないという意志を示し、30億人という大きな犠牲を払いながらも勝利を収めた。この日、7月4日は単なるアメリカの独立記念日ではなく、宇宙の何者からも支配されない自由を勝ち取った人類すべてにとっての独立記念日となったのだった。
あれから20年。遥かかなたの宇宙で、地球侵略に失敗したことを覚った存在がいた。報復のため、あるいは侵略という当初の目的を達成せんがため、“彼女”が動き出す……。
2016年7月4日、世界中で独立記念日を祝っているさなか、彼女……女王率いる超巨大な宇宙船が地球に来襲する。重力を自在に操り、接近しただけで月面基地を粉砕し、またたく間にニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、ドバイといった主要都市が壊滅。20年のあいだに築き上げた地球防衛システムをたやすく無力化され、世界がふたたび滅亡へのカウントダウンを刻みはじめる。星そのものを死滅させるこの凶悪な敵を前に、果たして人類に打つ手はあるのだろうか?
舞台設定
今作の地球は1996年のエイリアンとの死闘を経たことで、私たちの世界とは異なる道を歩んでいる。
人類以外からの攻撃を受けたことで、人種、国家、宗教の違いが取るに足らない些細なことと認識され、手と手を取り合い、平和とふたたびのエイリアン襲来にむけての防備に協力しあっている。
撃墜した多くの宇宙船(シティ・デストロイヤーと呼ばれる巨大なものだけでも36隻)から得た技術によって重力を克服し、プロペラもジェットもない航空機が飛び交い、戦闘機でそのまま地球から月面まで翔破してしまうほど文明が加速度的に発展しており、月には地球防衛のための基地まで建設された。
また、エイリアンのテクノロジーで印象的だった翡翠色のビームやシールドも人類は我が物としている。
登場人物(前作から続投している俳優は赤字)
- ジェイク・モリソン(リアム・ヘムズワース)-地球防衛軍の戦闘機パイロット。ディラン・ヒラーとは因縁がある。恋人のパトリシアはホイットモア大統領の娘。
- デイヴィッド・レヴィンソン(ジェフ・ゴールドブラム)-前作では敵のシールドを破る秘策を編み出し、世界を救った。現在では地球宇宙防衛の部長という要職。
- パトリシア・ホイットモア(マイカ・モンロー)-ホイットモア大統領の一人娘で、彼の妻の忘れ形見でもある。ホワイトハウスにスタッフの一人として勤務。
- トーマス・ホイットモア(ビル・プルマン)-前作では大統領でありながら自ら戦闘機に搭乗、エリア51上空で敵宇宙船攻撃の陣頭指揮を執った。20年経った今はすでにホワイトハウスを去っている身だが、エイリアンと精神感応した経験からか、悪夢で敵の再度の来襲を察知、奮闘する。
- ディラン・ヒラー(ジェシー・アッシャー)-スティーブン・ヒラーの息子。父と同様、優秀なパイロットとして成長している。
- チャーリー・ミラー(トラヴィス・トープ)-ジェイクの相棒。
- アダムズ将軍(ウィリアム・フィクナー)-宇宙防衛本部の指揮官。地球規模の危機に敢然と立ち向かう。
- キャサリン・マルソー(シャーロット・ゲンズブール)-デイヴィッドの旧友。エイリアンの言語、とりわけテレパシーについて研究している。
- ブラキッシュ・オーキン博士(ブレント・スパイナー)-エリア51の地下基地で長年UFOとエイリアンを研究していた科学者。前作ではエイリアンに捕まり腹話術にされた。じつは生存しており、この20年ずっと昏睡状態にあったが、突如として目を覚まし……。
- アイザック博士(ジョン・ストーレー)-オーキン博士の友人。植物状態の彼にセーターを編んだり病室を花で飾ったりと20年間ずっと面倒を見てきたようだ。
- ジュリアス・レヴィンソン(ジャド・ハーシュ)-デイヴィッドの父親。ユダヤ教徒。前作でデイヴィッドが反撃のアイデアを思いついたのはほかならぬ彼のおかげ。
- ランフォード大統領(セラ・ワード)-現アメリカ大統領。初の女性アメリカ大統領でもある。エイリアンの侵略に数々の決断を下すが……。
- ジャスミン・ヒラー(ヴィヴィカ・A・フォックス)-スティーブン・ヒラーの未亡人で、ディランの母親。ストリッパーだったが現在はワシントンDCの病院に看護師として勤めている。前作でマリリンを助けられなかったからだろうか。
- レイン・ラオ(アンジェラベイビー)-中国人女性パイロット。才色兼備でファンも多い。
- ウィリアム・グレイ将軍(ロバート・ロッジア)-前作でホイットモア大統領の良き理解者として補佐にあたった。ロバート・ロッジアは今作が遺作となった。
- マリリン・ホイットモア-ホイットモア大統領夫人。故人。今作では出演はしていないが、エリア51内の病院は彼女の名を戴いて「マリリン・ホイットモア病院」と名づけられている。
エイリアン
1996年7月2日に突如として地球に襲来、世界中の主要都市群と軍事拠点を同時に破壊し人類を滅亡の危機に陥れた、地球外知的生命体。人類よりはるかに進んだ技術力を有し、一撃で都市を灰燼に帰す強力無比なビームや、核攻撃すら完全に防御せしめる鉄壁のシールドを駆使する。全長550km、質量が月の4分の1ほどもある母船に直径24kmの円盤を多数搭載し、尖兵として送り込む。円盤は都市を一瞬で破壊したことからシティ・デストロイヤーと称されている。さらにシティ・デストロイヤー内からは無数の小型飛行艇を空母のように発進させることも可能だった。
前作のデイヴィッドとヒラーの活躍によりシールドを無力化したことで、地球に侵攻したシティ・デストロイヤーはすべて破壊されたが、それから10年ほどはエイリアンの生き残りが現地の軍と徹底抗戦していたようだ。本作では、アフリカのウンブトゥ族が治める土地に1隻のシティ・デストロイヤーが着陸しており、直径800mほどもある穴を地中深く掘削していたこと、母船破壊とともに機能を停止させたことが明らかとなる。
エリア51でオーキン博士らが研究したところによれば、このエイリアンは一見すると身長2mはあろうかという屈強な肉体と長い触手を持つが、これはいわばパワードスーツのようなもので、本体がそれを着用しているにすぎない。本体は人間の幼児ほどしかなく、非力で貧弱な存在である。人間と同様に酸素で呼吸しているが、声帯に相当する器官は見受けられず、コミュニケーションも音声ではなくテレパシーによっておこなう。前作において
「望みはなんだ?」
と問いただしたホイットモア大統領(当時)に精神感応で答え、自分たちがこれまであらゆる銀河で繰り広げてきた闘争の歴史と、地球に来た目的とを脳へ直接伝えている。そのさいすさまじい情報量を短時間にやりとりするため地球人の脳ではとても処理できないらしく、悶絶するほどの頭痛をもたらす。また、いちどエイリアンと精神感応した人間はある種の回路が作られるらしく、以降は好むと好まざるとに関わらず彼らの思念波を傍受するようになるようだ。
彼らの生態はテレパシーを受けたホイットモア大統領いわく「イナゴ」。星から星へと渡り歩き、侵略した星の資源を食い尽くしたら別の星へ移住する。和平や交渉の余地はなく、先住民に対しては絶滅させること以外の関心を持たない。
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関連項目
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