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インフリキシマブ(Infliximab)とは、関節リウマチやクローン病などの治療に用いられる分子標的治療である。先発医薬品の商品名はレミケード®(Remicade®)。

概要

インフリキシマブは、世界初の抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体である。アメリカ合衆国のセントコア社が開発し、日本では2002年からクローン病の治療として製造販売が開始された。2003年に関節リウマチの治療として、2010年潰瘍性大腸炎の治療としての承認を得るなど、ほかにも自己免疫疾患に対する適応が追加承認されている。2014年にはバイオシミラー(バイオ後続品)も上された。

2020年8月現在、レミケード®の適応症は、関節リウマクローン病潰瘍性大腸炎、ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎、尋常性関節症性膿疱性癬性皮症、強直性脊椎炎、腸管ベーチェット病、神経ベーチェット病、血管ベーチェット病、川崎病。いずれも既存治療で効果不十分な場合のみ。また、バイオシミラーの適応症は下線を引いて示した疾患のみ。

インフリキシマブは抗TNF-α抗体であるが、このTNF-αとは、免疫細胞マクロファージなどが産生する炎症性サイトカインである。炎症応答に関与する転写因子NF-κBなどの発現を誘導し、炎症性サイトカインのIL-1、IL-6などの産生、IL-1受容体、IL-6受容体の発現を誘導するため、炎症を増悪させる。インフリキシマブは、マウスヒトTNF-α抗体の可変領域をもつため、可溶性および膜結合のTNF-αに特異的に結合する。そして、TNF-α活性の中和作用、TNF-α発現細胞に対する傷作用、受容体に結合したTNF-αの解離作用により、炎症応答が抑制される。

副作用として、免疫応答を抑制することに起因する敗血症日和見感染症がある。重篤な感染症結核の患者への投与は、症状の悪化につながるため禁忌。さらに、多発性硬化症などの脱髄疾患、うっ血性心不全の患者への投与も禁忌である。このほか、投与中・投与後にインフュージョンリアクションという副作用が生じることがあり、多くは軽度の皮、嘔気、頭痛などにとどまり投与速度を緩めるなどの対策で対処可だが、低確率アナフィラキシー様症状など重篤なものが生じることもある。また、投与後3日以上経過したのちに遅発性過敏症をきたすことがある。

インフリキシマブ(Infliximab)はマウスヒトキメラ抗体(-ximab)であり、中和抗体によって作用が減弱する可性や過敏反応を惹き起こす可性がある。免疫抑制を併用すると中和抗体が発生しにくくなるため、関節リウマチの治療においてメトレキサートを併用する。インフリキシマブと作用点が同じ剤として、TNF-αに対するヒト抗体のアダリムマブ(ヒュミラ®)やゴリムマブ(シンポニー®)、可溶性TNF-α受容体のエタネルセプト(エンブレル®)なども上されているが、これらはメトレキサート併用が必須ではない。

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