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インフルエンザワクチンとは、インフルエンザ(流行性感冒)を予防、またはインフルエンザの重症化を予防するためのワクチン(予防接種)のことである。
概要
主に季節性インフルエンザの予防、または重症化の予防のために使用されるワクチンである。
インフルエンザウイルス(特にA型インフルエンザウイルス)はとても変異しやすいウイルスであるため、インフルエンザワクチンの材料となるウイルス株は毎年変更される。また、この性質から(変異しにくい天然痘ウイルスなどと異なり)ワクチンを接種していてもインフルエンザを発症することはあるが、もし感染したインフルエンザウイルスの株がワクチンの株と異なっていても重症化を予防する効果はあるとされる。
特に以下の人はインフルエンザにかかると重症化しやすいため、インフルエンザワクチンの接種が強く推奨される。
- 6歳未満の乳幼児…稀だが、致死率が非常に高いインフルエンザ脳症を発症する可能性がある。
- 妊娠中の女性(妊婦さん)
- 65歳以上の高齢者…合併症として肺炎を起こすことがある。
- 医師、看護師などの医療従事者
インフルエンザワクチンは不活化ワクチン(ウイルスを殺したものを入れたワクチン)であるため、後天性免疫不全症候群(エイズ)などで免疫力が著しく低下している人に対しても使用することができる。しかし不活化ワクチンであるため免疫の持続期間は短く、毎年打つ必要がある。
※ちなみに天然痘ウイルスや麻疹ウイルス、ロタウイルス、黄熱ウイルスなどのワクチンは生ワクチンであり、弱毒化させた生きているウイルスを接種する。副作用のリスクが(不活化ワクチンより)やや高く、未治療のエイズ患者に対しては禁忌であるという弱点はあるが、免疫の持続期間が長く10年以上続くものが多いとされる。
稀ではあるが重大な副作用としてはギラン・バレー症候群やアナフィラキシーショック、薬剤性肝障害(肝炎)などがある。過去にワクチンを受けてアナフィラキシーショックなどのアレルギー症状を起こした人に対しては禁忌とされる。
関連項目
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