イーサン・ウィンターズ(Ethan Winters)とは、ゲーム『バイオハザード』シリーズの登場人物である。
概要
1984年生まれ。身長180cm。体重75kg。
アメリカ合衆国ロサンゼルス在住の一般人男性。
既婚者。職業はシステムエンジニア。
ナンバリングタイトル『バイオハザード7 レジデント イービル』で初登場し同作の主人公を務める。実質的なバイオハザード8となる『バイオハザード ヴィレッジ』でも主人公として続投している。
バイオハザード7 レジデント イービル
2017年(当時33歳)、3年前に謎の失踪を遂げた妻ミア・ウインターズよりビデオレターが届き、彼女が消息を絶ったとされるルイジアナ州のベイカー農場へと向かう。その地域では数年前より原因不明の失踪事件が多発していた。
荒れ果てた農場の屋敷地下でミアと邂逅を果たすも、突如狂乱したミアに左手首をチェーンソーで切り落とされてしまう。彼女を止めるためやむを得ず発砲し撃退。その後、ベイカー家の主ジャックにファミパンを喰らって気絶させられてしまう。
その後、ベイカー家で唯一正気を保っているゾイの助力により左腕は修復され、屋敷からの脱出を試みることになる。ベイカー家の住人ジャック、マーガレット、ルーカスとの死闘を経て、一家を取り巻く謎の病を治療する血清の入手に成功。しかし、運悪くジャックとの再戦で血清を1本使ってしまったため、苦慮の末にゾイを残してミアに血清を使用し脱出を試みる。
脱出の際に事件の元凶である生態兵器(B.O.W.)エヴリンの妨害を受けてしまうが、ミアの尽力により辛くも支配を逃れるも彼女とは再びはぐれてしまう。妻を取り戻し一連の事件に決着をつけるため、イーサンはベイカー邸でエヴリンとの決戦に挑み勝利を収める。その後は、クリス・レッドフィールド率いる特殊部隊に保護され妻共々地獄からの生還を果たした。
バイオハザード ヴィレッジ
ベイカー家を襲ったバイオテロ事件から生還し数年が経過。妻ミアとの間に娘ローズを授かり、クリス率いる対バイオテロ組織BSAAの庇護を得て穏やかな生活を手にしたイーサン。しかし、恩人であるはずのクリスが突如イーサンの家を襲撃し、娘のローズを連れ去ってしまう。
愛する家族のために再びイーサンは死地へと赴く。辿り着いた場所は邪悪と狂気に満ちる村だった。
人物
主人公でありながら登場作品はいずれも主観視点のアイソレートビューを用いているため、作中で素顔を覗かせる機会がほぼない異質なキャラクター。しかし、一部のシーンでは後ろ姿が見えたり、ゲームの内部データでは素顔も作られている。
また、これまでのバイオ主人公は、クリスやジルをはじめとした特殊部隊に身を置く戦闘のプロフェッショナルが多かったが、イーサンは戦う力に乏しい一般人とされており、これもシリーズの中では珍しい。
こうなった経緯について『7』のディレクターである中西晃史氏は以下の様にインタビューで答えている。
『7』では、より怖いゲームにするために、できるだけ没入感を高くしようという狙いがあります。キャラクターを操作している感覚ではなく、自分自身がゲームの世界にいる感覚に近づけようとしているんです。そこに近づけるために、プレイヤーにとって等身大に近い主人公を設定しました。また、主観視点やフォトリアル表現、UIを極力シンプルにしたのもそのためです。
――主人公の素性については、いろいろな憶測が出ていますね。
主人公のキャラクター性も、なるべく“プレイヤーより前に出ない”ように薄くしています。つまり、必要以上に描いてません。なので憶測が出るのもあるんでしょうね。『バイオハザード』は最初は不利なのですが、状況を把握して、戦う術を身に着けていくことで、キャラだけでなく、プレイヤーも成長して強くなることで喜びを感じられるタイトルだと思います。結果として、クリアするころにはキャラに頼もしさを感じるようにもなります。
――確かに成長したからこそ、2周目をやると自分の成長を感じられますね。
実は初代『バイオハザード』のクリスなどもそうだったんですよね。洋館を生き抜くことでヒーローになり、シリーズを重ねて、さらにヒロイックになって、いまのキャラクターイメージができています。
「『バイオハザード7』中西Dにネタバレありでインタビュー。マーガレット戦や老婆の秘密、物語の謎に迫る」より引用
実際にこの試みは功を奏し『7』は少なくとも前作『6』よりホラーゲームとしての怖さは倍増。非購入者へのアンケートでもゲームを買わない理由が「怖すぎるから」という回答が1位になるなど、プロモーションとしての効果も大きかったとされる。
しかし、実際に『7』を遊んだ一部のプレイヤーからはイーサンに感情移入し辛いとの声も出ている。これは、イーサン本人の素性が曖昧なことに加え、色々な面で一般人離れしたイーサンの能力が原因とされている。
肉体面では、ベイカー家に足を踏み入れた時点で特異菌に感染してしまっているため、ちょっとやそっとじゃ死ぬことがないゾンビ級のタフネスを得ている。自己再生能力も化け物染みており、左腕が切断されてもホチキス止めで元のように動き、致命傷を喰らっても腕に薬液をかけるだけでみるみる体力が回復する。銃火器の扱いも素人とは思えない程手慣れており、左手がチェーンソーで切り落とされた際は片手でハンドガンのリロードを行っている。
精神面では、どんな局面でも必要以上に驚くことがない上に、異常事態に遭遇しても「マジかよ」「クソッ」と軽く悪態をつくだけで流してしまうことが多い。これは前述のインタビュー内で言うところの「主人公のキャラクター性を、なるべく“プレイヤーより前に出ない”ように薄くした」結果なのだが、何事にも動じない鋼メンタルのせいで、逆にゲームへ没入できないプレイヤーを生んでしまうことになった。
もちろん、そういったイーサンのキャラクターを好むファンも存在し「お前のような一般人がいるか」「自分を一般人だと思い込んでいる逸般人」とネット上ではネタとして許容する声もある。また、イーサンが冷静なおかげで怖がらずにゲームをクリアできた、という報告も皆無ではない。更には、歴代主人公でも一際ミステリアスなキャラクターであるため、正体を巡って考察の対象とされることも多い。
続編『ヴィレッジ』では、ベイカー家での死線を潜り抜けた上に、クリス直々の戦闘訓練をこなしたおかげで前作以上に心身が鍛えられ頼もしい存在となった。また、『7』において不明瞭だったイーサンの人物像にも多くの描写がなされ、理不尽な苦難に遭遇しつつも家族のため懸命に戦うイーサンというパパの勇姿がクローズアップされている。
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関連項目
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