イースターエッグ(Easter Egg)とは、復活祭(イースター)を祝うためのキリスト教圏における風習である。転じて、コンピュータにおいてはソフトウェアなどに隠された隠しメッセージなどを指す。本記事には双方について述べる。
概要
文字通り、イエス・キリストが復活した日である復活祭の休日や春を祝うために作られた卵で、基本的に塗ったり染めたりなど装飾を施した卵を使うが、近年ではチョコレートで作られていたり、プラスチック製で、中にジェリービーンズなどのお菓子やおもちゃ、金貨を詰めた卵も使われている。
そもそも卵にはキリスト教以前から豊穣のシンボルとして扱われており、ユダヤ教でも新しい命と信仰のシンボルとして塩水で味付けされた固ゆで卵が食べられている。その後キリスト教ではキリストが復活した際に、死という殻を破って蘇ったことを象徴する物として復活のシンボルとして扱われている。
イースターエッグ自体はこのイースターに行われる風習で、主に子供向けに行われており、隠した卵をどれだけ多く探し当てる事ができるか競うエッグハントや、殻を割らないように転がして遊ぶエッグロールが行われている。
コンピュータソフトにおけるイースターエッグ
イースターエッグの、特にエッグハントが転じる形で、ソフトウェアなどに隠しコマンドを仕込んでおき、それを実行することで隠しメッセージが表示されることを「イースターエッグ」という。ゲームにおける所謂裏技/小ネタの類とされ、隠しメッセージなどもゲームに入っていたりするが、主に"イースターエッグ"として話題に上がるのはそれがゲーム以外のOSやアプリケーションソフト、Webサービスなどに仕込まれている点である。
昔はいろいろなソフトでこのようなイースターエッグが仕込まれていたりしたのだが、近年ではセキュリティ対策や品質向上のため、こういったお遊びを仕込む余地が少なくなっている。それでも開発者側にもユーザーにも愛好者はいるようで、気づいたときにイースターエッグが見つかることが多いようである。
当然だが、日本においてゲームのイースターエッグは裏技や小ネタと表記され使われないが、ゲームでも英語圏ではEaster egg(s)として表記されるので注意。
有名なイースターエッグ
- アドビシステムズのソフト(Photoshopなど)にはヘルプメニューにあるクレジット表示を出して特定のキー操作を行うとイラストが変わったりする。
- 開発スタッフのスタッフロールを組み込むのもよくある手段で、中でもMicrosoft Windows95でフォルダを作って特定の文字列で命名・改名を行った後にフォルダを開くとスタッフロールが表示されるのは有名。
- ゲームを仕込むことも有り、Microsoft Excel97では簡単なフライトシミュレーターが仕込まれている。
- Googleはやたらイースターエッグを仕込むのが大好きなようで、iOSのGoogle Mapで海の向こう側への経路検索をすると手段にカヤックが入っていたり、検索ワードに「Tilt」を入れると画面が傾いたり、Google Earthにフライトシミュレーターを組み込んでいたりとやりたい放題。「人生、宇宙、すべての答え」で検索すると「42」が出るのもイースターエッグだといえる。
- Google繋がりで言えばAndroidの端末情報画面。バージョン情報を連打すると隠しイラストが登場。ご丁寧にバージョン毎に違うイラストが表示され、物によってはさらにパズルゲームまで仕込まれている。
- 2014年6月に話題になったのがTwitterのWeb表示。コナミコマンド、つまりカーソルキーで上上下下左右左右を押した後にBキーとAキーを入力すると、上中央の鳥マークが回転する。
- カシオの電卓にもイースターエッグがあって、1・3・7・9・ACの5のキーを同時に押すと液晶のセグメントが「CASIO」になる。
- DVDやBDにも特定の操作をすることで隠しメッセージが表示される物が有り、「水曜どうでしょう」のDVDには毎回隠しコマンドが仕込まれているのは有名。中には「てーきゅう」の2期のBDのノンOPぶっ続けVer.を20周(=7時間!)再生し続けると、隠し動画がでる、なんてのも。
関連動画
本来のイースターエッグ。
こっちは隠しコマンドのほう。
関連商品
関連項目
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