ウ=ス異本(Yiu-th variants of manuscripts)とはクトゥルフ(クトゥルー)神話における魔道書の一つ。ただし厳密に言えば「一つの魔道書」ではなくそれぞれが独立した書籍として完結した魔道書群の総称である。ウス異本とも表記される。
概要
魔道書としてその名を意識され始めたのはここ数十年の比較的新しい時期ではあるが、その中では異形の神々ですら冒涜し凌辱するがごとき正気の人間が想像するあたわざる振る舞いすらも描かれており、閲覧するものを不定の狂気に導くとも賢者へと至らしめるとも言われている。
日々、熱に浮かされたがごとき衝動に突き動かされた作家たちによって日に夜を継いで書き継がれており、こうしている今もその数は増え続けている。その全貌を網羅することは人智を超えた業であろう。
かくもおぞましき書物ではあるが、熱に浮かされ閲覧を求める人々の前にはけして正規の商業出版にのることのないウ=ス異本取引のための場である「ソクバ異界」が現出する。一説によれば「ソクバ異界」は複数あり様々な異界の口「ジ=ァンル」が定期的に開かれるという。そこでは一般の人々が知ることとて無い符牒を取り交わす作家と閲覧者の間で不浄なる取引が大々的に行われるとも言われている。邪神によりSAN値が奪われた者ほどこのウ=ス異本を蒐集してしまうらしいが、詳しいことは判っていない。
クトゥルフ神話TRPGにおける扱い
というものである。研究に必要な時間は異本の種類に応じてキーパーが設定するが、短いものでは一日(もしくはそれ以下)であることもある。ゲーム内に様々の、異なった効果を持つウ=ス異本が存在することは珍しくない。
ゲーム内におけるウ=ス異本の特徴的な傾向としては、その内容の表現において、文章よりも図表・挿絵に多くの部分を負っているという点が挙げられる。そのため、不注意にウ=ス異本を開いてしまった閲覧者が「言語」ロールに成功しなくても「アイデア」ロールに成功したばかりにSANチェックのダイスを振るはめになる事態がしばしば出来する。
オ=レラ、オマ=エラ
呼び名が二つあるがどちらも同じ神話生物を指す言葉である。
冒涜的な地を走るもの、酷暑と極寒に並ぶもの、ウ=ス異本の信奉者などの呼び名を持つ。
神話生物としての目撃情報は比較的新しく、生息地は主に日本各地であるが、最近は海外でも目撃例が報告されている。
姿はガリガリに痩せた、もしくはおぞましく太った成人男性の姿に似ているとされるが、中には有り得ない髪色の女性に似た姿だったという報告もある。 ぬめった表皮を持つ、おぞましい穢れを身にまとう、自分や人間の排泄物を容器に入れて保管するなどの生態を持つという。
普段は薄暗い閉所に閉じ篭るだけで無闇に領域を荒らしたりしなければ無害なのだが、「名状しがたき逆方錐体施設」で夏と冬の二度行われる「秘められしウ=ス異本」の儀式の時期のみ注意が必要。
《おぞましいオトコツ=ナミの召還/従属》の魔法をもって呼び出された時は非常に気性が荒くなり、凶暴になる。
この儀式で呼び出される数は一万とも十万とも言われており、その光景を目撃した人間は、大地を埋め尽くさんばかりに蠢く、昆虫の大群めいたその群れに正気を保つのは難しいと言われている。
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