『ウィザードリィ外伝 五つの試練』とは、2006年にPCで発売、後に2021年にSteamで配信(2023年10月に正式リリース)、2025年にNintendo Switch版で発売されたウィザードリィシリーズの派生作品である。
主な略称は『五つの試練』。ニコニコではこちらのタグが多用される。→「五つの試練」でタグ検索
かつての『ウィザードリィ外伝』シリーズを手がけたアスキー系の外伝作品。
前作に『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄』があり、そのDLCに『慈悲の不在』がある。
これらを含めて『ウィザードリィ外伝』シリーズから続く『ディンギル』が外伝5、『戦闘の監獄』が外伝6、『慈悲の不在』が外伝7と考えれば、本作『五つの試練』は外伝8~12、さらに追加されたシナリオ『偽りの代償』が外伝13と言える。
さらにシナリオエディタ機能を搭載、数多のウィザードリィファン達が作った190本以上の『ウィザードリィ外伝』が待っている。中には明らかに本家の作品より出来が良いものも。
PC版が発売されてから対応OSのアップグレードに難儀し、Apple側からの通達最期告知で急いで動くこととなった。
そして結果的にUnityで作り直し、2021年12月にsteamでリニューアルされて発売となる。
Steam版の早期アクセス配信開始日にはSteamストア国内売上1位を獲得。
カスタマーレビューは87%が「好評」の評価で、国内外から「非常に好評」と受け入れられている。
2006年版のAmazonでの評価は4.4/5.0。
2025年1月30日にNintendo Switch版が発売された。好評すぎて予約注文が殺到したため受注分の生産が間に合わず、パッケージ版の発売が2月27日に延期されるという驚愕の事態が発生した。パッケージ版の初週の売上は11000本を超え、週間販売ランキング3位に輝いた。
前作
DLCとして配信されているため、予備知識として前作も手短に紹介。
戦闘の監獄
3階+6階+10階+20階の4つのダンジョンが待ち受ける大規模な作品。
4番目の「テッドの迷宮」は一度1レベルに戻してから挑戦し、クリアするまで脱出できない。
ハクスラがメインのウィザードリィに、「竜系の敵に物理攻撃で2倍ダメージを与える」「炎系の攻撃で受けるダメージを半減」「ターンごとにHPが自動で回復する」などの魔法効果がランダムで付くシステムを導入。賛否両論だが、はまる人は非常にはまる。
このシステムは「魔法効果AUTO」という名で『五つの試練』にも引き継がれているが、採用しているシナリオは少ない。
『五つの試練』はこれの後継作で「前作・戦闘の監獄をプレイした人用」の造りをしており、逆に『戦闘の監獄』は「初めて/久しぶりにウィザードリィに触れる人用」の趣があり、最初に触れるにはこちらの方が適している。
『五つの試練』のデフォルトの公式シナリオが難易度が高いものばかりなのはこのせい。
『五つの試練』のDLCとして配信されたバージョンは、以前には無かったイベントや5つ目のダンジョンの追加などがあり、より遊びやすくなっている。
公式シナリオ5本の難易度が高いものばかりなこともあり、「公式シナリオでどうしても1本遊びたい」というならこちらを購入するのがおすすめ。
慈悲の不在
魔法効果AUTOシステムを撤廃。ごく普通のウィザードリィになった。
もともとは『戦闘の監獄』の追加シナリオとして作られたため、初心者向けチュートリアルのような要素やミニマップ表示機能が無い。慣れた人がプレイする作品と言えるだろう。
同じマスで別の事が起きる場所があるのが特徴で、その事を知らずに「あの場所はすでに終えたイベントのはずだから、もう行っても意味は無いはず」と考えてしまうとクリアできない。
概要
旧来のウィザードリィ外伝のシステムをシンプルに受け継いだ作品。新作のたびに増えて行った種族・職業・呪文体系は初期作相当の5種族・8職業・魔法使い系と僧侶系2系統の呪文に戻っており、システム的には『外伝2』からの続編と言える。タイトルロゴは久々にWの字を剣先が貫いていない。
版権の問題のため呪文名は「ファイア」「ニュークリアブラスト」などの英語名になっている。が、簡単な手順でトゥルーワードにする事も可能。
また2006年版では「ホビット」と名乗れていた種族がSteam版では「ホブ」になってしまった。
ゲームの進め方
ゲームを開始するまで
- タイトル画面の「STORY SELECT」で遊ぶシナリオを選ぶ。最初にセットされている「偽りの代償」は初心者向けのチュートリアル的な内容で、ウィザードリィの経験が無い人はまずこれがお勧め。
- シナリオセレクトでは「シナリオセレクト」を選ぼう。
- 「ユーザー作品リスト」から、好きなシナリオを選択する。人気のシナリオや、初心者向けのシナリオは下に記載。
- タイトル画面に戻って、「GAME START」を選択。
冒険に出るまで
- 町外れ→訓練場でキャラクターを登録する。
- 酒場で冒険者を集めてパーティーを作る。
- お城で冒険の目的を確認する。ここに進行上必要な情報が載っている場合もあるので読んでおこう。
- 商店で装備を購入する。
- 町外れ→迷宮に入る で冒険に出発する。
クリアの仕方
- 迷宮の中でクリアアイテムを手に入れる。その前に強いボスとの戦いや、難しい謎解きがあると思われるが、あくまでゲームの目的はクリアアイテムを持ち帰る事である。
「ラスボスを倒したがアイテムを全員いっぱいに持っていたのでクリアアイテムの入手ができず、ラスボス戦をやり直し」というのはお約束の悲劇なので、常にアイテム欄を3つ(念には念を入れるなら4つ)空けておく癖を付けておこう。 - クリアアイテムを持ってお城に行くとエンディング。エンディングを見たキャラクタには称号が付く。
- シナリオによっては複数の迷宮があったり、クリア後に遊べる難易度の高いフロアがあり、長く楽しめるようになっている。
- 完全にやる事が無くなったら、タイトル画面に戻って「STORY SELECT」から別のシナリオへ。
重要なシステム・仕様
- リセット
キャラクター死亡など重大な被害を無かったことにする伝統の技。
これを使わないのは縛りプレイと言えるほど一般化しており、これ前提で作られている難易度のシナリオも多数。 - カスタムポートレート
キャラクターに好きなイラストを設定し、移動中や戦闘中に表示することができる。
HPが減ったり状態異常で差分を表示、泉に入るイベントでも専用の絵を設定できるためエロゲー同然のイラストも散見されるが、構うことは無い。なぜなら本作『五つの試練』は成人向けゲームなのである。サッキュバスなど裸身の女性モンスターが登場するためSteamの規約でそうなってしまったらしいが、このため「女性の裸が出てくる18禁ゲーム」として堂々とエロ冒険者を出す事ができるのだ。実際、女キャラ用にエロ防具やらエロイベントを出しているシナリオも複数あったりする - オートマップ
疑似3Dのゲームなので位置を把握するためにある機能なのだが、これが常時表示されるゲームでは無い。魔法使い系呪文1レベルにある「ウィザードアイ(旧名:デュマピック)」を使わないと表示してくれないのだ。しかも使うとMPがしっかり減るので、安易に使いまくるわけにも行かない。表示される地図も簡素な造りで、イベントの位置や内容などは細かく記録してくれない。これは「地図はプレイヤーが紙とペンで自作するもの」という方針のゲームだからである。
なお、プレイヤーの意思でこの機能を使わずに遊ぶ(デュマピックは座標と向きを表示するだけ)ことも可能。
シナリオ制作側は「自分のシナリオではこれを絶対に使わせず、地図は必ず自力で作るように」とする事ができる。……が、さすがに本当にそうしている作品は少ない。 - ミニマップ
画面の隅に小さな地図を常に表示して、冒険者たちの周辺の地形を見せてくれる機能。非常に便利だが、この機能を使わせてくれるかどうかはシナリオ次第。
これもプレイヤーの意思で使わずにプレイすることは可能。
シナリオ制作側は「自分のシナリオにはこの機能は登場しない」とする事ができる。 - 探索
冒険中に、キーボードの M で出てくるメニュー。目の前を「調査」する、仲間(死体)を探す、といった行動を行う。目の前のスイッチを押したり、かんぬきを開けたりといった事に使うので、ゲームの進行に必須。 - スイッチ
ダンジョンの壁にON/OFF式のスイッチがあり、上記の「調査」で入れたり切ったりする。主に鉄格子の開閉と、移動床(水流、ベルトコンベア)の停止や行き先変更に使われるが、他にも用途は多彩。ダークゾーンや透明壁に仕掛けられている場合もある。 - シークレットドア
目に見えない扉。盗賊が時々「気配を感じた」と言うので、そこで「調査」するとドアが出てくる。
旧作では『災渦の中心』に登場した。 - ダークドア
目に見えたり見えなかったりする扉。ブライトネス(旧名:ミルワ)、マジックライト(旧名:ロミルワ)を使うと確実に見える。見えなくとも無理矢理突き進めば突破可能。
旧作では『狂王の試練場』などに登場した。 - ダークドア2
目に見えない扉。ブライトネス(旧名:ミルワ)、マジックライト(旧名:ロミルワ)の呪文を使わないと絶対に見えず、無理矢理突破することもできない。調査すると「ドアがあります」と言ってくるのに通れないのがこれ。突破方法を知らないとこれで詰まってしまうので注意。行き先が無くなってしまったらまずこれを試してみよう。ダークゾーンや呪文封じ地帯で明かりが消えた後に配置されるのはお約束。
旧作では『ワードナの逆襲』の冒頭で登場した。 - ダークゾーン
視界が見えなくなる地域。ここに入ると明かりの魔法が消されてしまう。割と白いのでグレーゾーンとかホワイトゾーンに見えなくも無い。本作ではオートマップがあるので適当にうろついてマップを埋めて呪文で確認すれば割と簡単に突破できてしまうので、ダークゾーン内に回転床や落とし穴やテレポートなどを配置して複合的に利用される事も多い。
突然迷宮の全域がダークゾーンになってしまった場合、アイテムのどれかに「全てダークゾーン」という効果が付いているはず。バグでは無いので落ち着いて対処しよう。 - 透明壁
透明な壁で、見ることはできないがオートマップには普通の壁として表示されるのでたいして難しくは無い。透明壁にスイッチを設置する組み合わせはお約束の一つだ。 - キャラクター作成
種族、性別、性格を選び、各能力値にボーナスポイントを配分し、職業を選択する。
本作ではコンフィグで「得られるボーナスポイントの上限が高いが、職業選択に必要な能力を求められる」という従来通りの「BP優先」と、「ボーナスポイントを無視して最初に職業を選択できる」という「職業優先」から手順が選べる。職業優先ならロードも忍者も最初から簡単に作れる。 - キャラクター転生
あるシナリオで使っていたキャラクターを別のシナリオで使う機能。レベル、経験値、アイテム、覚えていた呪文などは初期値に戻る。称号も継続されない。
旧作では一人ずつ転生させたが、本作では20人まとめて一括で転生させるようになった。 - 酒場のアイテムボックス
所持金やアイテムを入れておける「アイテムボックス」という機能がある。
このため「そうこ」や「ぎんこう」などのキャラを作る必要は無くなった。 - 宿屋の仕様
宿屋でまともにHPを回復していたら金が持たないし年齢が増加していくので、無料の馬小屋でMPだけ回復して呪文でHPを回復する方法がウィザードリィの定石。
だが本作の馬小屋は1/7の確率で1週間ぶん加齢する。
HPを全快にして有料の部屋に泊まることで歳を取らずにMP回復が可能。旧作ではこの方法で無料回復ができたが、本作では宿代を取られる。 - 死者蘇生、キャラクターロスト
死亡したキャラクターを蘇生させるには寺院に金を払うか僧侶系呪文を使うのだが、失敗すると灰になり、もう一度失敗するとキャラクターはロスト(喪失)してしまう。こうなると絶対に復帰させることはできない。(旧作ではアイテムのスペシャルパワーで復活させることができたが、『五つの試練』ではそれも駄目)
本作では寺院による蘇生成功率がかなり高いので頼りになる。
また、蘇生成功率に関わるのは術者のレベルや信仰心ではなく、死体の生命力である。つまり「蘇生に失敗したのは寺院が悪いのではなく死体が悪い」という事なのだ。寺院の蘇生なら生命力14、呪文での蘇生なら生命力16あればまず安心。 - 岩の中
従来は「いしのなかにいる」だったが本作では岩の中。壁の中という作品もあるそうな。
呪文や宝箱の罠などで岩壁のマスに実体化して全員喪失するイベント。本作では「岩からの帰還」という効果を持つアイテムがあれば「全員死亡で、死体は城に戻る」という事にできるが、デフォルトでは喪失である。
公式シナリオ
「五つの試練」の項目から選択できる5本のシナリオはいずれもウィザードリィ自体の初心者へのチュートリアル的なものはなく、大体がWizの特徴を知っている人向け。
初心者は新たに追加された「偽りの代償」か、下記に並べた初心者向けユーザーシナリオをチェックしプレイしてもらいたい。
偽りの代償
2023年10月26日から新たに加わったデフォルトの公式シナリオ。
ウィザードリィ自体に初めて触れる人のために説明が多く付けられたシナリオで、地下1階からWizardryのルールや仕様についてたくさんの説明をして貰える。まずこれをプレイしてゲームに慣れよう。
旅人の財産
当初、ゲーム購入時に最初に選ばれているデフォルトのシナリオだった。だがお世辞にも初心者向けとは言い難く、アイテムの魔法効果が全く分からない(これは以下の公式5作品全て共通)、いきなりシュートで地下に放り出される1階・2階、強制的に呪文が封じられるのに敵は呪文を遠慮無く使ってくる4階、テレポートだらけの6階、敵が急激に強くなるうえに特定のアイテムを敵から取らないと先に進めない9階、さらに敵が強いうえにランダムテレポートで侵入しないと先に進めない10階、倒したと思ったら即座に復活するラスボスなど酷い箇所がたくさんある。シナリオ難易度★3、クリア時間10時間以内とあるが、大嘘である。9階で必要なアイテムを狙うだけでも10時間以上かかる可能性があるのに。さすがにまずかったと思われたか、いつの間にかクリア時間は48時間以内に変わっていた。ある意味『五つの試練』の評価を理不尽に下げている戦犯。ついに新デフォルトシナリオ「偽りの代償」が追加され、「ゲーム開始時に起動しているシナリオ」の座から降ろされた。
なお、しょっちゅう間違えられるが「旅人の財宝」「旅人の遺産」「旅人の試練」などでは無い。
満月王の子供達
謎解きがメインのシナリオで、力では突破できないので分からなかったら一生クリアできない。
敵から得られる経験値が低く、成長自体も思うに任せないのも問題点。
欠けた大地
高レベルまで成長させるインフレシナリオだが、経験値が低い、良いアイテムが全然出ない、と評価は低い。
偽の称号を取ってしまったキャラでは絶対にクリアできなくなるという問題点も。
ガルヴァンの酢漬け男
酒にまつわるネタを多数入れたシナリオで、他の公式シナリオより良い出来である。
が、ラスボスが繰り出す攻撃の被害があまりにも酷く、この一点だけで著しく評価を下げてしまっている惜しいシナリオ。
灼熱の車輪
世界観がロックで、このシナリオだけ専用BGMでプレイすることになる異質なシナリオ。
だが内容が一番確かなのはこのシナリオで、旧作『ダイヤモンドの騎士』をオマージュしたイベントが待っている。
なお、最終階層に入るためにはあるアイテムが必要なのだが、そのアイテムを持っているパーティーが最終階層で全滅すると誰も救助に行く事ができなくなり、訓練場でアイテムを持っているキャラを削除するしか無くなるのに注意。まさかこれも『リルガミンの遺産』で同様のハマリが起きた事のオマージュなのだろうか。
シナリオエディタ
本作の最大の特徴で、迷宮やモンスターやアイテムのみならず、細かいルールを様々に設定・調整したシナリオを作成できる。旧来の作品のイメージを受け継ぎ発展させたシナリオや、これまでの常識に囚われない斬新な作風の作品も多くある。
これで『狂王の試練場』とかが作れるの? と経験者ならみんな思うだろうが、「似たようなものは作れなくも無いが、細部まで完璧に再現することは不可能」である。権利問題のため規制が厳しく、「マップの構造が過去作品と完全に同じものは作れない」などの制限が存在する。
また、「ワードナ」「トレボー」「マーフィーズゴースト」「マイルフィック」などの名前が使用できない(使おうとしても弾かれてしまう)。そのため『五つの試練』に登場する経験値稼ぎ用の幽霊は、各シナリオで多種多様な偽名で現れる。そのネーミングセンスを楽しむのも一興である。
名作ユーザーシナリオ
2006年から制作された170本以上のユーザーシナリオの中から、特に人気が高い作品を紹介。
「これまでウィザードリィの経験がある」という事を前提に作られた難易度のものが多く、歯ごたえのあるシナリオが楽しめる。
永遠の守護者
ダウンロード数が圧倒的な大差で最多を誇るシナリオで、以前から名作と名高い。シナリオのイベントや戦闘のバランスなどは素晴らしい。
クリア後のやり込み要素である2種類の隠しボスの撃破と、ボスから得られるレアアイテムを揃えるのはかなり大変。
龍の邂逅
永遠の守護者と並んで名作として名高いシナリオ。二つの塔を並行して攻略していく進行やギミック、7人目の仲間となるNPCを連れてのストーリーの評価が高い。
もつれっ宮
シナリオコンテスト大賞受賞作。ルイス・キャロル作品風のナンセンス文学な世界観を味わえる異色作。有名どころの「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」以外の作品キャラクターも登場する。
迷宮は広めでギミックに富むが、特徴的なイベントテキストはまさに不思議の世界に迷い込んだかのよう。最後の最後で戦う事になる隠しボスとメッセージは、まさにこのナンセンス作品のオチを飾るに相応しいと言えるだろう。
階級別格闘大会
マップの構造はひたすら玄室が並んでいるだけ。マッピング不要でひたすら戦闘だけを楽しめる、割り切った造りのシナリオ。3Dダンジョンやマッピングが苦手な人でも楽しめる。
そのぶん戦闘は激しく、ラスボスのロバート&アンドリューはあのダイヤモンドドレイクよりも強い!?
ガーブの宝珠
旧作ウィザードリィのネタをふんだんに取り込んだオマージュ色の強いシナリオ。経験者なら誰もが覚えている名場面が目白押し。
ラスボス戦は、冒険者達&ル’ケブレス vs ワードナ&デーモンロードという超オールスター!全員偽名だがそこは我慢。
不死者の秘宝
これも旧作のイメージを強く採り入れたシナリオで、徹底的なブラッシュアップによる精緻なバランスが持ち味。多彩なアイテムによって冒険者達を好みの性能にカスタマイズできるのでアイテムハントやキャラ育成が楽しい。そして迷宮の奥で待つ不死王バンパイアロードが語る、冒険者達と不死の存在とは……?
クリア後のダンジョンでは、ゲーム内で可能な行動を活かして攻略するギミックが登場。「キャラクターが強くなる」だけでなく、「プレイヤーが上手くなる」事が求められる。
聖者の経典
ウィザードリィにとっては兄弟作とも言える『ウルティマ』からネタを得たシナリオ。八つの徳に対応した階層を越え、究極の知恵の写本を手に入れろ!
だがクリア後に行ける「暗黒の時代」の方がハクスラ(殺戮と略奪)を楽しむウィザードリィと相性が良かったりする……。
IN THE BLACK JAIL
『ウルティマ アンダーワールド2』を元ネタにしたシナリオだが『聖者の経典』ほどストレートでは無い。
迷宮内に閉じ込められた冒険者達が脱出を目指す。隔離された空間での冒険は厳しいが、高難易度の迷宮を制覇するやりがいは十分。
古代遺跡の深淵
シンプルかつ重厚な難易度を持つ名作。デフォルト設定からの変更点が多く、シナリオの癖を掴むまで苦労するかも知れない。「昔のウィザードリィと比べて五つの試練は楽になりすぎた」と感じる方にはぜひお勧め。
scenario #-1
広大なマップと重厚なストーリーが魅力的な大作。心穏やかな魔物が作った集落や、凶暴化した人間の冒険者をはじめ、謎めいた導入から始まる。シナリオが進むにつれ、この世界で起こった過去の出来事が明らかになっていくのだが……。
豊富なスペシャルアイテム、まれに襲ってくる「強敵」、プレイヤーの選択次第でまったく正反対の結末を迎えるマルチエンディングなど、意欲的かつ独特な要素がふんだんに盛り込まれている。難易度は総じて高めだが、いざとなれば制作者が自身のホームページに用意したスポイラーを頼ろう。
ノッキーの井戸
架空の近未来日本を描いた異色作。徴兵制が復活し、兵士となったプレイヤーキャラは謎の人物「ノッキー」の探索を命じられるが……?
日本人なら誰もが脳裏に残っている(?)、昔懐かしい過去の記憶を辿っていく、ホラー調の演出と政治的なメッセージが特徴的な作品。戦闘バランスはやや手強いが、リスクの高い強敵から得られるリターンは大きく、Wizardryらしいハクスラ要素はキチンと押さえられている。
平和への妄執
旧作のイメージを色濃く残す城塞都市の様々な住人達とのやりとりや、敵として登場するキャラクターの描写が良好。作者のブログで世界観やアイテムの詳細な情報が公開されており、これを読んでいるだけでも楽しい。名著「ウィザードリィのすべて」の再来と言える。
The Lost Spell
短編の連作で常に飽きさせないストーリー構成。「失われた呪文」の題の通り、普通には覚えられない封印された高位呪文の存在によってインフレが進んだ終盤でも魔法使いの強さが損なわれない。
ストーリーでは、あの『風よ。龍に届いているか』の続編的展開に!我らがウィザードリィ世界を蝕む怨敵ア○ガン○デーモンを打ち倒せ!
作者のMr.L-ed氏はこの他にも多数のシナリオを手がけており、いずれも名作揃い。
まぼろしのしあわせの実
ホビッ……ホブたちが暮らすのんびりした国で事件が起きた。登場する強力なアイテムはどれもこれもホブ専用であり、基本的にホブ6人で挑む異色のシナリオ。ストーリーの文章もホブらしくのんびりほのぼの。
人間やドワーフでも行けるが相当な縛りプレイになる。
作者の松友健氏はプロのゲームブック作者で文章力はさすが本職と言うべきもの。この他にも多数のシナリオを手がけており、いずれも名作揃い。
大王の後継者
『永遠の守護者』の作者が贈る、規模・インフレ・難易度いずれも一級品の超大作シナリオ。ユーザーシナリオの中で最大の傑作と言っていい。アレクサンドロス大王死後のディアドコイ戦争を舞台としており、冒険者達は大王の遺した「最も強き者へ」の戦いに身を投じて行く……。
彷徨う美姫を求めて
アレクサンドロス大王亡き後、東西に分裂した帝国を舞台とした物語。奇しくも『大王の後継者』の少し後の時代にあたり、そちらを先にプレイしていれば感慨もひとしお。
ある事に気づかなければ絶対にクリアできない謎解きがあり、その解法は「ウィザードリィならでは」の要素を用いる。自力でクリアできた時の感激はとても大きいので、試行錯誤を重ねてみよう。
千年金庫は破れるか
natsuki氏の第三弾は一転して「ウィザードリィのルールを使ったパズルゲーム」という異端の作品。レベル上げ要素は無し、敵との戦闘は固定イベントだけでやはりパズル的なもの。
Infinite Labyrinth
全99階層のマップを全て使った巨大な迷宮で、ランダムテレポートで小さな区域に飛ばされては生還を目指す疑似ローグライク。凄まじい数の迷路、イベント、戦闘、アイテムが待っており、常に「突破しなければ生きて戻れない」環境が緊張感を持続させる。
Infinite Labyrinth:L
別作者による『Infinite Labyrinth』のリメイク的な作品で、大規模なインフレぶりは本家に引けを取らない。
終盤のボスラッシュでは『Infinite Labyrinth』『龍の邂逅』『もつれっ宮』『大王の後継者』『不死者の秘宝』のボス達がゲスト出演! ……なので元ネタの作品をプレイしておく事がお勧め。
呪われた王都
デフォルト設定から変更点が多岐に渡るシナリオで、取り入りられた様々なネタ、ドラゴンボールばりの超インフレが待っている。
特異な設定が多いが、制作者の個人サイト
で詳細な設定が紹介されているのでプレイ前に目を通しておく事をお勧め。
冒険者の楽園
『戦闘の監獄』のようにアイテムの効果がランダムで付く「魔法効果AUTO」のルールを採用したシナリオで、戦闘特化でトラップなどの要素は無い。
後にこのシステムはより細かいところまで設定できるようになったのだが、それ以前のバージョンで作った作品としては可能な限りの楽しさとバランス調整を実現しており、その分野の頂点と言える作品。
七ツの永キ名に並び、名モ無キ汝と成ル勿レ
戦闘でレベルを上げるのではなく、レベルアップ用のアイテムを消費して強くなっていく異色のシナリオ。
職業間のバランス調整、多様なアイテムの取捨選択、魅力的なストーリーなど褒めるべき点の多い名作。
『五つの試練』で作られた様々なユーザーシナリオの良いところが盛り込まれており、完成度は高い。
偽典 アシュイーズ異聞
普段のウィザードリィのルールを大胆に改造。オープンフィールドを模した広大なマップが特徴。物凄い数のアイテムによって、いつもと一味違う冒険者たちをメイキング可能。めったに出会えないレア敵や隠しイベントも。
深き淵のテセラクト
『ウィザードリィ ディンギル』の系統と言える、凄まじい強敵達と戦えるインフレシナリオ。数値的にはかつての作品群を大きく上回るうえに、クリティカルヒットなど即死攻撃、スティールライフ(ラバディ)、セブンスブーン(マハマン)と言った呪文は通用しない。この強敵達から、それぞれの固有レアアイテム(複数)を稼ぐのだ。
CAVES&CHIMERAS
フロア攻略のギミックが凝っており、上記の『大王の後継者』を彷彿とさせる技巧が凝らされた迷宮。
ただレベルを上げて先に進むだけではクリアできないが、パズルゲームのような楽しさがある。『五つの試練』のイベントの造りに慣れた人向け。
エクシアードの伝説
原典のシナリオ1~3をモチーフにした3つのダンジョンがあり、クリアするとインフレダンジョンに進める。『リルガミンサーガ』+『外伝3』のドラゴンの洞窟+ダイヤモンドドレイクといった内容。「五つの試練を買ったらそういうのを作るんだ」と考えている方も多いはず。
昔を知っている人が序盤を軽く触れるだけなら簡単だが、隅々まで攻略しようとすると物凄い難易度になる。歴戦のベテランプレイヤーが「今風にリメイクされたリルガミンサーガ」を堪能できる。
初心者向けユーザーシナリオ
隠密を追う冒険者たち
初めて『五つの試練』やウィザードリィそのものに触れる人のために作られた、様々なイベントを順番に体験できるチュートリアル的なシナリオ。つまり公式の『偽りの代償』と同じコンセプトで、あちらを先に体験した人にはすでに履修済みの内容となってしまうかも知れないが、こちらはこちらで丁寧に作られている。
真実の財宝
非常に丁寧な造りで最初から最後まで楽しませてくれる、内容・ストーリーともに上質な作品。
購入して最初に『旅人の財産』で「五つの試練ってこんなゲームだったのか……」と思ってしまった人に特にお勧めで、「本当の五つの試練ってものを見せてあげますよ」と言わんばかりの出来映えを体験させてくれるだろう。
修練の洞穴
旧来のウィザードリィの常識に囚われず大胆に呪文構成を変更したり、ミニマップの搭載、稼ぎやすい迷宮の構造などユーザーフレンドリーでストレスフリーな造り。その快適さはもはや「ウィザードリィのガワを着た別タイトル」レベルで変わっており、これに慣れたらもう昔のウィザードリィには戻れないかも!?
とっつきやすく、迷路探索要素はほぼ無い戦闘一直線の内容だが、そのぶん戦闘は頭を使わせる難易度になっている。アイテムを稼ぎ、レベルを上げて冒険者を鍛え上げ、強敵を倒せるようになっていく成長を堪能しよう。「最初から無双できる」ではなく、「無双できるほど鍛えていく」のがウィザードリィの醍醐味なのだ。
作者のZero氏はツイッターで細かい作品設定や攻略情報を公開しており、プレイする際には読んでおく事がお勧め。
英雄の産声
同作者の第二作。シナリオの雰囲気は『エルミナージュ』などに近く、割と明るくお気楽なノリ。前作からさらにユーザーフレンドリー路線を推し進めており、「昭和の厳しいウィザードリィ」とは対照的な「令和の優しいウィザードリィ」の新スタンダードになりつつある。実に快適にプレイできるよう整えられた作品だが、これから始めると、他のデフォルト設定の作品が厳しすぎるように感じられるのが欠点と言えば欠点か?
つー助教授のやる夫
はこの人の作品で心を癒やすといいよ
星屑の迷宮
「何十年も前にウィザードリィをプレイした事はあるんだけど、これから復帰するにはどれから始めればいいの?」という人にぴったりの作品。その内容はほぼ『狂王の試練場』のコピ……オマージュで形成されており、いつもの階層でいつものイベントが起きる、実にいつものウィザードリィ。昔なじみの敵と戦いながら『五つの試練』で追加された要素に慣れていこう。ポイゾンジャイアントにサフォケーション(旧名:マカニト)が効かない事に注意。PC-88版とかリルガミンサーガとかの感覚だ。
さすがに迷宮の構造までコピペでは無いが、そこは「未知の迷宮を探検する」という楽しみがある。ブルーリボン入手後は9階まで一直線ではなく、各階層を順に降りていく形になっている。
また、「エディタで昔のウィザードリィを作って遊ぶんだ」と考えている人は、まずこれをやってみよう。
実際に作ったらどんなものが出来上がるのか体験できる。と言うか、わざわざ作らなくてもこれを遊べばそれでいいのでは……。
宇宙は夢にある
「ウィザードリィは難易度が高いと聞いて」とやる夫の苦難を見て
足を踏み出せない方にお勧めのシナリオ。敵を圧倒的強さで粉砕する超強力なアイテムが早い段階から登場し、戦闘はほとんど楽勝で進む。イベントや迷宮の構造も簡単で、詰まる要素はほとんど無い。まるで「転生勇者のハーレム無双」みたいな内容である。エロいアイテムやイベントもあるぞ
『五つの試練』では難しい方向に振り切ったシナリオも作れるが、steam版発売からはこうした低難易度の作品が増えつつある。
饅頭の謎
ゆっくりしていってね!でおなじみ饅頭たちの冒険。序盤から稼ぎやすく難易度は低い。
最後の階層では超強力なアイテム稼ぎも楽しめる。
前略 村正様
城の入り口近くにHP全快の泉&MP全快の泉、先に進むと経験値稼ぎ用クリーピングコインなど、楽にレベル上げをさせてくれる要素がたくさん。盗賊が戦闘中に暇にならないよう補助呪文を無限に使えるアイテムが登場するなど、プレイしやすい内容。
適当RPG
気の抜けたタイトルと軽いノリのテキストに似合わず、オーソドックスなウィザードリィのバランスを保っている作品。3フロア前後の短めのダンジョンを複数攻略していく連作短編的なスタイルで、戦闘バランスは優しめだがダンジョンはやや手強い。時には以前にクリアしたダンジョンに戻り、新たなイベントやアイテムが必要になる場面もある。
五つの疑問
こちらも旧作ウィザードリィの設定を受け継ぎ、『リルガミンサーガ』のボーナスダンジョンを元にしている。無印と「ver.T」の2バージョンあり、後者の方がより旧作に近いが呪文の数が減ってやや難しくなる。
序盤から強いアイテムが大量に出るので難易度は低い。パーティーにビショップがいると鑑定がはかどる。
ストーリーは迷宮内で起きる様々な現象について考察や突っ込みを入れる内容。
悪夢の動物園/Re
コンパクトな迷宮で、ミニマップを表示するアイテムが商店にあり、3Dダンジョンが苦手な人も安心。ダークゾーンに踏み込んでもミニマップを見ながら歩けば怖くない。全4フロアで終わる短編で、シークレットドアなど他のシナリオにもよくある仕掛けを体験しながら進める事が出来る。
「魔法効果AUTO」を採用している作品で、それはどういったものなのか知るためにも手軽に試せるシナリオだ。
この他、「幽霊屋敷へようこそ」「暗黒の秘法」などが初心者向けの作品として挙げられている。
初心者向けシナリオの選び方
まず「公式シナリオを順番にクリアしてから、次にユーザーシナリオを」という発想を捨てよう。それは罠だ。
というのも、デフォルトの5本のシナリオは上記の通りいずれも難易度・癖が強く、初心者がいきなり触れるには厳しいものとなっているからだ。
ただし、Steam版では2023年10月より追加された『偽りの代償』は初心者向けチュートリアルを強く意識した作品になっている。公式シナリオで遊ぶならまずはここから始めるといい。
シナリオセレクトで各シナリオの「シナリオ主要設定」を見てみよう。
「魔法効果・SP表示:無し」の作品は避ける。アイテムの効果が全く分からない。公式の5作品はその状態なので、これだけでも初心者へのお勧めはできない。
「マップ表示アイテムの存在」とは、オートマップを見ることができるアイテムがあるか無いか。「有り」を選んだ方がいい。
「ミニマップ表示」は、ミニマップを表示するアイテムやイベントがあるかどうか。「無し」か「それ以外」という変な表現だが、「それ以外」ならミニマップが使える可能性がある。
「作品情報」にある「シナリオ難易度」はいまいち当てにならない。明確な統一基準は無く、各シナリオ作者が自称した査定に過ぎないからだ。ただ、作者が★5を付けている作品は「難しい」と言い切っているわけなので、その覚悟は必要となるだろう。
「更新日」でソートして、上の方にある作品は「作者がバランス調整やバグ修正に積極的である」という事。古い作品の中にはバグが残ったまま作者と連絡が取れなくなっているものもあるが、作者が活動中である作品は良作の可能性が高い。
「ダウンロード数順」でソートして上位の作品はいずれも名作揃い。ただし、「筋金入りのウィザードリィファン達が選んだ名作」という意味なので、初心者向けでは無い高難易度の作品も含まれている事には注意。
高難易度シナリオ
百戦錬磨のウィザードリィの達人たちが集った『五つの試練』では、当然その基準に合わせた高難易度シナリオも制作されている。かつてウィザードリィを十分にやり込んだ人ですら歯ごたえのある、あるいは『ワードナの逆襲』を彷彿とさせる超難易度のシナリオたち。
ただし、単にゲームバランスが悪いとか、敵が強すぎる、アイテムが出なさすぎる、といった「クソゲー」は存在しない。これはプレイヤーへの挑戦状なのだから。死んでしまいますよ!きっとお気に召しますよ。
また、名作の欄で挙げた『大王の後継者』『古代遺跡の深淵』もここに名を連ねて良い難易度を誇る。
悦楽の殿堂
恐らく、『五つの試練』でも最強の難易度を誇るシナリオ。
知らないと全滅、知ってても全滅、全滅したら救助隊を送り込む事はできないのでゲーム最初からやり直し、ヒントを聞き逃したら二度と聞けないのでゲーム最初からやり直し……などなど凶悪ギミックの雨霰がプレイヤーを待ち受ける。もはや「難しい」を通り越して「殺しに来る」「クリアさせまいとしている」シナリオだ。
これは「冒険者のレベルを上げて強敵を倒す」ゲームではなく、「解法をプレイヤーが導き出す、開発者との知恵比べ」なのだ。ゲームが誰でもクリアできるものでは無く、クリアできたらメーカーから認定証が送られてきた時代の設計思想。このシナリオをクソゲーだと思わない強者の挑戦を待っているのだ。
夢見ル胡桃
幻想的な雰囲気の中で進行する、複雑怪奇なギミックの数々。こちらは純粋に「あまりにも難しい」タイプのシナリオ。文章で書くと短いが、とにかくその難易度は凄まじい……。
奈落の底に
正統派の高難易度シナリオ。最初のうちは「まあ歯ごたえがあるな」くらいで済んでいくが、迷宮の深部になるとかなり厳しいギミックが待っている。
揺り籠と墓場の島
レベルの上限が決まっており、果てしなく育て続ける事はできない。そして、その制限の中で常に限界ぎりぎりの敵を倒し続けなければならない。
迷宮内でセーブができず、リセットしたら直前から再開ではなく、一気に出発前まで戻ってしまう。
「レベルを上げて強くなって勝てるようになる」が通用しないのがこれほどきつい事なのかと思い知らされるが、それだけに勝ち筋を見出した時の喜びは大きい。
従来のウィザードリィからルールが変更された部分も多く、独自性や見所は数多い。
壁は高いが、クリアできた人からの評価は高い。『大王の後継者』と同じく、「難易度が高い名作」の一つ。
闇の覇王と地下迷宮
「オートマッピング強制禁止、地図はプレイヤー自身の手で書け」という断固たる決意をもって臨むシナリオ。それだけでも他の作品とは一線を画した難易度であるが、他にも常駐呪文のほとんどが最初は使用禁止(レベルアップしても習得しない)という難関。
それを乗り越えてしまえば強烈なインフレを強力なアイテムで撃破する楽しい戦いが待っている。ただ単に難しくプレイヤーを苦しめるだけではない名作。
ユーザーシナリオ開発の歴史
第一世代 シナリオエディタ1.0初期
該当作品:シナリオ主要設定で「魔法効果・SP表示:無し」であるもの
2006年にシナリオエディタが公開されてからしばらくはアイテムの魔法効果を表示する設定が存在しなかった。この最初期に作られた作品ではアイテムの効果をはっきり確認できず、プレイに支障が出る場合もある。今となっては正直言ってお勧めはできない。
第二世代 シナリオエディタ1.0
2006年版では最も多くの作品が作られた時期。
この時期の作品では素早さの設定に注意が必要で、「そのシナリオで最も素早い種族がレベルアップで到達できる最上限を突破してから、素早さによる行動順優先が働く」という事になっている。
具体的には、最も素早い種族がホブとノームの素早さ10で、レベルアップで20まで育ち、アイテムのスペシャルパワーで25まで育つシナリオの場合、素早さが機能するのは21からなのだ。普通にプレイしているとホブですら素早さの恩恵が無く、遅いはずのドワーフと全く変わらなくなってしまう。
これを是正するため、「素早さ+5」といった効果のアイテムを出して補強できるシナリオもある。
第三世代 シナリオエディタ1.5
2011年7月までに五つの試練の本体のバージョンはver.19まで進んでいた。ここでエディタの内容が拡張されるエディタ1.5版と、本体ver.19Tが登場。新たなイベントの設定や、呪文の内容をシナリオ独自に変更できる機能が現れ、より優れた作品を作成可能になった。これ以前に作られたシナリオの中にも新機能を採り入れて更新されたものもある。シナリオ主要設定で「呪文の設定:独自」になっていれば間違いなくこちらである。
素早さが機能する数値の基準が、おそらく「素早さ14から」に変更されており、「普通にプレイしているとホブでもドワーフでも行動順が変わらない」という事は無くなった。
第四世代 シナリオエディタ1.5 Steam版発売以降
Steam版五つの試練がアーリーアクセス版として発売された後に制作されたもの。
第三世代と同じくシナリオエディタ1.5版で作成されたシナリオであるが、10年以上の年月を経てシナリオ制作者の世代が変わり、優しい難易度や軽めの雰囲気の作品が多くなってきている。
第五世代 オンラインエディタ
Steam版の新しいエディタで製作されたもの。エディタのバージョンとしては3代目にあたる。
それまでのシナリオエディタ1.5には無かった新しい機能が追加されており、特にモンスターグラフィックを独自に設定できる機能は新たな世界の広がりを期待させてくれる。
関連動画
ウィザードリィの灰汁の強さを知りたい人向け(初見ロールプレイ)
関連リンク
関連項目
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