ウィルヘルム・フォン・ミュッケンベルガー(Wilhelm von Mückenberger)は、「銀河英雄伝説」外伝『螺旋迷宮』に登場するキャラクターである。
概要
帝国暦5世紀前半頃のゴールデンバウム朝銀河帝国軍人。階級は中将。伯爵家の生まれで、のちの宇宙艦隊司令長官グレゴール・フォン・ミュッケンベルガーの父。
勇気と用兵能力においてともに水準以上と評される優秀な指揮官。旗艦は<クーアマルク>。帝国暦436年の第二次ティアマト会戦で戦死した。
第二次ティアマト会戦
帝国暦436年12月の第二次ティアマト会戦において、ウィルヘルムは帝国軍艦隊司令官のひとりとして参加した。開戦に先立っては敵司令官ブルース・アッシュビーを斃すよう、部下に熱烈に訓辞している。
第二次ティアマト会戦前半、前進した同盟軍第9艦隊(司令官ベルティーニ中将)と同第11艦隊(司令官コープ中将)のうち後者が帝国軍の集中砲火を受け、同第5艦隊(司令官ウォーリック中将)が救援に入った。この交戦のさなかにウィルヘルムは旗艦<クーアマルク>を突出させたが、そこに第11艦隊の集中砲火を浴びて<クーアマルク>を破壊され、戦死した。12月6日14時30分のことである。
この戦死によりミュッケンベルガー艦隊は指揮の統一を失い、第11艦隊の後退を許す事となった。
石黒監督版OVAでの活躍
石黒監督版OVA外伝における第二次ティアマト会戦では、帝国軍左翼を担う。同盟軍右翼の第9艦隊と同左翼の第11艦隊が前進を開始した際、中央と呼応して敵第9艦隊を足止めし、前進した敵第11艦隊が帝国軍右翼シュタイエルマルク艦隊の反撃を受けた機に乗じて両艦隊の中間に進出、敵第11艦隊を挟撃せんと試みた。
しかし同盟軍左翼後方に配置されていた第5艦隊がミュッケンベルガー艦隊の左後方を衝いたため、第11艦隊を早急に撃破する必要に迫られることとなる。焦燥の中で積極攻勢を指示したウィルヘルムの旗艦<クーアマルク>は味方を引き離して第11艦隊中に突出する事となり、周囲の同盟軍艦艇の攻撃を受け撃沈。ウィルヘルムも戦死し、彼の艦隊は統制を失って第11艦隊を取り逃がす結果となった。
ところで、別にかつて彼が憲兵隊に所属して犯罪捜査を担当していたとか、そこで隣の窓際部署と仲が悪かったとか、別にそんな設定があったりはしないので安心してくれて構わない。
血縁
妻はウィルヘルミナ、息子(次男)にグレゴールがいる。
この戦いで父を失った少年グレゴールは以後母親の教育を受けて軍人の道を歩み、やがて元帥・宇宙艦隊司令長官まで位階を進める。彼の旗艦は「ウィルヘルミナ」。敬愛する母の名を取って名付けられている。
また、おじとして第二次ティアマト会戦直前に病死した軍務尚書ケルトリング元帥がいる。彼は同盟軍指揮官アッシュビーとの戦いにおいて二子ヘルマンとカール・ハインツを共に失ったためにアッシュビーを憎悪し、全軍にアッシュビー斃すべしと激語を飛ばすも、願いがかなわぬまま病死した。
ウィルヘルムはおじの病床でその願いを託されており、第二次ティアマト会戦開戦前の訓辞は「軍務尚書の無念を晴らしてさしあげる」というものであった。この訓辞は僚将ハウザー・フォン・シュタイエルマルク中将には「私戦を扇動するようなもの」と批判されており、この戦いで帝国軍の内部意思が不統一なものとなった一因となっている。
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関連項目
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