ウキウキWatchingとは、2014年3月31日まで土曜日以外のお昼に流れていた名曲である。
How do you do? 概要いかが?
1982年10月4日(月)からスタートし、以降足掛け32年もの間、平日には昼12時、日曜日には昼10時にブラウン管から流れていた曲。
言わずと知れた、タモリ司会のバラエティ番組『森田一義アワー 笑っていいとも!』のオープニングテーマにして、同番組を代表する楽曲であり。そもそも、この番組のテーマ曲はこれと「いいとも気分」以外にほとんど作られていない。
スチャラカな雰囲気の楽曲とは裏腹に歌詞は「明日への希望」を終始謡っており、意外に深い。ラストの「いいトモロー」とは「いいとも」と「Tomorrow」をひっかけたダブルミーニングになっている。しかし、昭和天皇が崩御した際にはその雰囲気が自粛ムードに似つかわしくないということからか、1988年末から翌1月16日まで無難で無関係なBGMがオープニングに使われていた時期もある。
当時のテレビ番組は番組独自のテーマ曲があるのがほぼ定番で、この番組のようにオープニングテーマを司会者が歌って番組が始まる、というのも結構あった。今となってはアニメ番組や子供向け番組とミュージックフェア、堂本兄弟ぐらいでしかこの形式がないので、完全に廃れた形式である。
作詞は小泉長一郎(作詞家。ばんばひろふみの代表曲「SACHIKO」の作詞も手がけている)、作曲は伊藤銀次(山下達郎や大貫妙子が在籍したことで知られる伝説のロックバンド・シュガーベイブの元メンバー。ナイアガラトライアングル Vol.1の参加でも知られ、大瀧詠一ともつながりが深い)。編曲は鷺巣詩郎で、シンセサイザー、ブラスバンド、エレキギター、ピアノなどを用いたバンドサウンド系統のバージョンが最も有名。
2011年から一時期、地上デジタル化に伴う機器更新によって番組SEや本曲を含めたBGMなどを小西康陽によるアレンジバージョンも使用されたが、あまり評判がよくなかったのか、1年ほどで元のBGM、SEにすべて戻され、最終回まで使用されている。
ニコニコでは、アニメのOPなどにこの曲を当てはめた主題歌差し替えMADが時折見られるなど、国民的に知られたメロディーであると同時にネタ元としても絶好の素材のひとつになっている。
製作の秘話は正確に
本作は曲先ではなく、詞が先に出来上がっていた。
「THE MANZAI」「オレたちひょうきん族」「ライオンのいただきます」など数々の名番組を手がけた伝説のテレビプロデューサーである、いいとも初代プロデューサーの横澤彪(故人)より「タモリといいとも青年隊が踊りながら歌うテーマ曲を書いてくれ」という依頼が伊藤銀次にあり、それに、『シャボン玉ホリデー』のエンディングでみんながボックス(ダンスステップ)を踏みながら歌う『明日があるさ』のような曲はどうでしょうか?」と伊藤が提案。
「タモリが歌って踊れるように」として、なんとわずか20分であのメロディーを完成させてしまった。
横澤が伊藤に曲を依頼したのは、自身が手がけたメガヒット番組「オレたちひょうきん族」で、伊藤銀次作詞、山下達郎作曲によるシュガーベイブの「DOWN TOWN」が起用され、横澤自身もその軽快なナイアガラ・サウンドを気に入っていたためとされる。そして、当時アングラで深夜のイメージが強かったタモリを「昼番組のスターにする」という意気込みも相まって当時ポップスの最前線で活躍していた伊藤を抜擢したのであった。ちなみに、「DOWN TOWN」にも「ウキウキ」という歌詞が登場する。
伊藤はこの作品が自分の作品ということが意外と知られていないという事実は知りつつも、「宝くじみたいに授かったもの。自分が作ったメロディーをみんなが知っているから、本当にアーティスト冥利に尽きる」といいとも終了時のインタビューで答えている。
How do you do? 音源の情報
長年、番組のテーマ曲として歴代青年隊が歌ってきたが、実はレコード化されたのは初代いいとも青年隊のバージョンだけである。しかも、扱いはB面曲。
ある意味、日本一有名なB面曲と言っても過言ではないかもしれない。
そして、そのレコード音源バージョンにおいて実はタモリはボーカル参加をしていない。
タモリが本来歌うべきパートもいいとも青年隊が分担して歌っている。
よって、タモリが歌うウキウキWatchingはテレビ以外ではお耳にかかることは不可能だった。しかも、記念すべき第1回放送では出てくるタイミングを間違えて上手く歌えず、最初にタモリが歌ったのは「昨日までのガラクタを処分 処分」からというNGを以てのスタートであった。
タモリバージョンは若干レコードバージョンと譜割が異なり、具体的にはレコードバージョンでは「ご機嫌斜めはまっすぐに」や「昨日までのガラクタを処分 処分」の部分を一息で歌っているのに対し、タモリバージョンでは「ご機嫌 なっなーめはーまーっすぐに」「きのっおまーでのガラクタを 処分 処分」とスタッカート気味に歌っている。
また、「楽しませすぎたらごめんなさい」の部分はレコードだと「たーのしませすぎたら」と入るが、タモリ版は8分休符が入って「ったのしませすぎたっら」と若干早回し気味に歌う。「時間通りにCome with me」の部分も同様で、「Come with me」がタモリの場合若干早い。
なお、一度だけビートたけしが番組に乱入したことがあり、この時もたけしが適当なリズムでこの歌を歌唱した。
2000年3月31日放送分を最後にタモリのオープニングでの歌唱は無くなる。理由は「歌うのが恥ずかしい」という点と「いきなり司会者が出てきて歌うのはおかしい」ということからだった。
しかし、番組の人気絶頂期である1980年代後半から1990年代にかけては曲中で腹踊りをしてみせたり、「ご機嫌斜めはまっすぐに」の後に「イェーイ!」と観客を煽ったり、「時間通りにCome with me 笑っていいともウキウキWatching」の後に「今日もいいかな!」などと掛け声を入れたりとそれほど嫌がっていたと言うわけではないようだった。また、にこやかにノリノリで歌っていることが多いなか「ホントにご機嫌斜め!!」などと怒りながら登場したこともある(理由は不明)。
これといった振り付けはないものの、歴代青年隊による踊りはさまざまで、大抵は「お昼休みは~」の部分でブレイクダンス調の激しい動きでタモリ登場前にバック転することが多かった。タモリの登場位置は必ずセットの左側からだった。そして、タモリが歌っている部分で系列ネット局のテロップが流れる。最後の「いいトモロー」の部分で1回転して歌が終わり、当日のレギュラーが全員登場する。
これとは別に番組終了の10年前に岡村靖幸と石野卓球によるユニット「岡村と卓球」がカバーしている。アレンジは全然違うので、一度聴いてみるのも面白いだろう。
さらに、2012年には30年以上の時を経て、作曲者伊藤銀次によるセルフカバーが発表された。音楽家活動40周年を記念したベストアルバムの目玉トラックとなっている。アレンジはフォーク調で、ナイアガラファミリーらしく一人多重アカペラによる伊藤銀次青年隊がコーラス部分を担当し、レコーディングは本家に敬意を払い、昼12時丁度に行われたそうな。
伊藤によるセルフカバーは2011年にインターネット番組でワンコーラス歌ったのが最初で、その後Ustream番組で2番まで歌った。現在では伊藤のライブでフルコーラス歌われることもある定番になっている。
いろんな歌詞が作られた 紹介 紹介
第1回放送から歌われている「ご機嫌斜めはまっすぐに」で始まるオリジナルバージョンの仕事のストレスを番組を見て発散しようという内容の1番が最もよく知られている。イントロが無いため、番組で使用するバージョンには青年隊が歌う前にドラムカウントが入る(テレビOA時にはあまり流れない)。
ただし、初期は必ずしも1番の歌詞を採用しておらず、2番の歌詞やオリジナルを使っていた時期もある。
- 初代のいいとも青年隊は1番の「楽しませすぎたらごめんなさい」のところを2番の「冷たくされても、あり、ありがとう」を使っていた時期がある。(「明石家さんま騙され事件」ではこの歌詞であった)
- 2代目の新いいとも青年隊、3代目のスタッフ隊、4代目の半熟隊の時代(1985年10月~1987年9月)には1番、2番とも違うオリジナルの歌詞(一部では3番とも言われている歌詞)が使われたが、このバージョンはレコード化もされておらず、正式な文字起こしもされていないため、時期や記憶、聞き 方によって 多少歌詞が変化している可能性もある。たけしが乱入した回はこのバージョンだった。
- 5代目のチャイルズ時代(1987年10月~1989年3月)はレコード音源版の2番の改変を使われている。レコード音源版の前半は電話ボックスにケンカ中の恋人から電話がかかってくる内容になっているが、チャイルズ版はマイルドな内容になっている。
特大号では最初の部分が「今夜はクリスマス ウキウキWatching」や「今夜は年越し ウキウキWatching」などと変更され、歌詞の中身も大方時事ネタを盛り込んだ内容に変更される。また、神父姿からの早着替え時間確保の目的もあり、オリジナルに存在しない「イントロ」があるのはこのバージョンのみである。タモリの歌唱部分も「今年も来ました特大号」などとオリジナルのものになる。クリスマス向けのアレンジのため、テンポを緩やかにして、どちらかというとブラスのきいたバージョンになっているのがオリジナルとの違い。年末放送なので、最後の歌詞は大体「いいとも いいとも いい年を」となっている。
一時期、春休みや夏休み期間中に番組宣伝目的の特大号が乱発されたことがあったが、その際にもこのバージョンが使われた(しかし、年末の特大号と異なり、タモリの歌唱はなかった)。また、『FNSの日』に行われる「27時間テレビ」などで特別版の笑っていいとも!が放送される際にもたまにこの曲が歌唱されることがあった。
なお、ほぼ全ての歌詞違いバージョンで「笑っていいとも ウキウキWatching」の部分のみは番組名が入るため変更されていない。
2008年4月~2010年3月の間は「いいとも少女隊」となり、チャイルズに次ぐ史上2組目の女性ユニットになり、チャイルズと異なりキーの上がったウキウキWatchingが使われた。但し、この時すでにタモリは歌っていなかったので、「お昼休みはウキウキWatching」の部分のみだった。チャイルズバージョンは通常のキー(mid1E~mid2F#、タモリパートはmid2Eまで)で演奏されており、男性にとっては丁度歌いやすいが女性にはオクターブを上げても原曲通りでもどちらも苦しいというキーであったため、「お昼休みは~」の部分は原曲と同じ、タモリが歌うパートでは1オクターブ上げて歌っていた。またこのとき2番が使われ、稀にタモリがわざと声を甲高くして歌い、笑いを誘ったりもしていた。
また、同じタモリがパネラー兼司会を担当した「タモリのボキャブラ天国」が「タモリのSuperボキャブラ天国」として復活した時の最初のネタ(No.564)がこの曲の替え歌で「お尻ヤスリで フキフキ ウォッ 血!」という汚いものだった(なお、バカパク7・4評価)。これにはタモリも「一発目なんだからネタ選べよな~」とコメントした。ボキャブラでは替え歌が幾つも作られたが、ウキウキWatchingのネタは最後までこれ一本だけだった。
地上デジタル放送への全面移行が行われた2011年7月24日には「デジタルWatching」として歌われ、フジテレビ系列では最初に流れた音楽となった。このころにはタモリはオープニングで歌わなくなっていたが、地デジ化記念の意味合いで特別な歌詞でマイクを握った。
また、記念回放送では特別版となることもあり、第2000回記念放送では、全レギュラーが妖怪や歌舞伎役者に仮装してワンフレーズずつを歌い、最後に全身緑で真黄色に唇を塗った河童の格好をしたタモリが登場して歌いきり番組が始まるという構成になっていたほか、第8000回記念放送ではかつてレギュラーだったゴスペラーズがOPを担当、タモリも歌唱参加し、非常に珍しいアカペラバージョンのウキウキWatchingとなった。最後の歌詞も「8000回目のいいトモロー」と変更されている。
最終回では昼放送でかつてと同じように1番を歌唱し、カメラアングルも当時のものが再現された。
夜に行われたグランドフィナーレ特大号では第1回のセットを模したスタジオでこの曲を歌唱し、さらに特大号バージョンの「今夜でお別れ ウキウキWatching」とした全レギュラーによる合唱、そして最後の最後で草なぎ剛による提案でもう一度全員で(アレンジは通常版)ウキウキWatchingを歌っての締めくくりとなり、その場面は33.4(寂しい)%もの視聴率を記録した。 よって、この日は1日に計4回もタモリのウキウキWatchingが流れた最初で最後の日となった。なお、この最後の歌唱では第一回放送とは対照的に、ドラムカウントのタイミングが合わず、青年隊パート1回目の「お昼休みはウキウキWatching」を会場側が歌えなかったという、最後の最後までいいともらしいものだった。
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