ウッドマン(Woodman)とは1983年生まれのアメリカ産の競走馬。
競走馬としては2歳GIIIを2勝したに留まったが、種牡馬として早熟のスピード馬を多数送り出した。
ミスタープロスペクター系が早熟の短距離血統扱いされる要因の一つだが、逆にそれだけ優れていた。
名前は「木こり、森の番人」とかそういう意味。父ミスタープロスペクターが「採鉱者」という意味から、坑道を掘るための伐採とかから連想、したんだと思う。
概要
父Mr. Prospector、母Playmate、母父Buckpasserという血統。
本馬はミスタープロスペクターの8年目の産駒で、彼の出生時には既にコンキスタドールシエロやミスワキがGI競走を優勝していた。ミスタープロスペクターはバックパサー牝馬との間にニックスがある事が知られ、前述のミスワキやシーキングザゴールドなど活躍馬を輩出した。母は未勝利馬だが、6代母はアメリカが誇る名牝系の祖・ラトロワンヌである。本馬と近いところでも伯母のナンバードアカウントが繁殖牝馬として成功しており、同馬の牝系子孫には*アサティスなどがいる。
さて、そのウッドマンは米国最大規模の競り市であるキーンランドセールにて300万ドル(当時のレートで約6億7000万円)で購買され、アイルランドのオブライエン厩舎(ヴィンセントの方)に送られた。
そのウッドマンだが、アイルランドでGIII2勝を含む3連勝を収め、デューハーストSでは5着に敗れたものの高い評価を得た。しかし3歳時には順調さを欠き、僅か1戦(3着)したのみで終わり、引退となった。
通算成績5戦3勝。一応アイルランドの最優秀2歳馬には選ばれたが、勝ち鞍はGIIIが2勝と、微妙と言う他ない。
我ら早熟戦隊ウッドマン
1987年から種牡馬入りすると、初年度からプリークネスS、ベルモントSの2冠を達成した*ハンセルや、フランスのマイル戦線を蹂躙した*ヘクタープロテクターなど、活躍馬が多数。
ウッドマン産駒の特徴として、2歳時から走りまくり、短距離から中距離戦線において絶対的な強さを誇っていた。*ハンセルは12ハロンのベルモントSを勝ったが、産駒のGIレースの大半は長くても2000m(10F)までである。
代表産駒を列挙すると、
- *ハンセル(Hansel、アーリントンフューチュリティS、プリークネスS、ベルモントS)
- *ヘクタープロテクター(Hector Protector、グランクリテリウム、プール・デッセ・デ・プーラン、ジャック・ル・マロワ賞)
- *ティンバーカントリー(Timber Country、BCジュヴェナイル、プリークネスS)
- ボスラシャム(Bosra Sham、フィリーズマイル、英1000ギニー、英チャンピオンS)
- ホークウィング(Hawk Wing、愛ナショナルS、エクリプスS、ロッキンジS)
といった具合。日本ではデカすぎる事で有名な*ヒシアケボノや、快速で鳴らした(けどすぐに鳴り止んだ)*スピードワールドがおり、その豊富なスピード能力を示した。
ウッドマン産駒の最大の特徴として、フランスで2歳リーディングサイアーを2回獲得したように仕上がりの早い産駒が多い一方、その早熟性ゆえに「ある時を境に一気に走らなくなる」という早枯れ傾向を持っている点がある。実際、産駒の殆どは4歳前半まではかなり走るが、それ以降は急激に成績が落ちる。ヒシアケボノの成績を見てもらえれば明瞭かと。どうも成長のピークを越えると、圧倒的な身体能力を支えきれずに尻すぼみになってしまうようだ。
母父としても優秀で、日本ではエイシンデピュティやアストンマーチャンを、海外では10頭以上のGIホースを送り出している。後継種牡馬は皆そこそこ活躍馬を輩出したが、父系はやや勢いに欠けるのが現状。
ウッドマンは2007年、老化による衰弱著しいとして安楽死の措置が執られた。享年24歳。
血統表
Mr. Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native 1961 栗毛 |
Native Dancer | Polynesian |
Geisha | |||
Raise You | Case Ace | ||
Lady Glory | |||
Gold Digger 1962 鹿毛 |
Nashua | Nasrullah | |
Segula | |||
Sequence | Count Fleet | ||
Miss Dogwood | |||
*プレイメイト Playmate 1975 栗毛 FNo.1-s |
Buckpasser 1963 鹿毛 |
Tom Fool | Menow |
Gaga | |||
Busanda | War Admiral | ||
Businesslike | |||
Intriguing 1964 栗毛 |
Swaps | Khaled | |
Iron Reward | |||
Glamour | Nasrullah | ||
Striking | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Nasrullah 4×4(12.5%)、War Admiral 4×5(9.38%)、Bull Dog 5×5(6.25%)
- 母*プレイメイトは1993年に日本に輸入されたが、高齢もあったのか3頭の仔を産んだ後は不受胎が続いて1999年に死亡している。日本で産んだ3頭の産駒から活躍馬は出ていない。
- 6戦1勝の全弟*ガダボートは血統を買われて種牡馬入りしたが、この手の種牡馬は大半そうではあるものの全く成功できなかった。
- チーフズクラウン産駒の半妹*クラウンフォレストが繁殖牝馬として日本に輸入され、直仔にニューイングランド(ネコパンチなどの父)を、孫に共同通信杯を勝ったハンソデバンドを出している。
主な産駒
1988年産
1991年産
1992年産
- Gay Gallanta (牝 母 Gallanta 母父 Nureyev)
- *ティンバーカントリー (牡 母 Fall Aspen 母父 Pretense)
- ヒシアケボノ (牡 母 Mysteries 母父 Seattle Slew)
1993年産
1994年産
1995年産
1996年産
1997年産
1998年産
1999年産
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関連項目
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