ウメムスビ(Ume Musubi)とは、2020年4月21日生まれのウメ娘競走馬である。黒鹿毛の牡馬。
概要
父ファインニードル、母ヴィオレッタ、母父シンボリクリスエスという血統である。
父ファインニードルは2018年の高松宮記念、スプリンターズステークスを勝った馬で、2020年生まれが初年度産駒となる。また、その父アドマイヤムーンの産駒には短距離の重賞で勝利した馬が多い。
母はこれが初仔である。未勝利ではあるが、その母プリンセスカメリアの産駒の中には朝日杯FS勝ちのアルフレード、またウメムスビから見て3代母のラトラヴィアータは、いまだ日本競馬史上最強スプリンターと名高いサクラバクシンオーの全妹にあたる。
こうしてみると短距離方面で活躍しそうだ。
また、母父シンボリクリスエスは2002年・2003年の天皇賞(秋)、有馬記念をともに連覇し2年連続年度代表馬に輝いた名馬。その血統の大きな特徴である「ボリクリ耳」もしっかり受け継がれている。
また、サンデーサイレンスの4×3という「奇跡の血量」と呼ばれる配合となっている。今のところ同配合はエピファネイア産駒での活躍が知られているがこちらも期待したい。
2020年4月21日、日高町の奥山牧場で誕生。2021年の北海道サマーセールで日本中央競馬会に800万円で落札され、宮崎育成牧場で育成された。その後、2022年のJRAブリーズアップセールにて、現オーナーに1450万円(税抜。税込1595万円)で落札された、いわゆる「JRA育成馬」である。最近の活躍馬で言うと、熊本産馬初の重賞馬となったヨカヨカ、ダート戦線を捲り逃げで引っかき回すテリオスベルなどが同じ育成馬である。
馬主は和歌山の老舗梅干し屋さん「紀州ほそ川」の代表取締役CFO・細川陽介。一口馬主をきっかけに個人馬主の資格を取得し、ウメムスビが初の所有馬である。現在は法人馬主に登録形態を変更し、彼が代表取締役社長を務める「㈱紀州ほそ川飼料」となっている。
馬名は「梅+結び」から。馬主にとって初めて所有する馬であることから、ご縁を大切にしたいという思いを込め、梅おむすびと掛けて名付けたという。
梅むすび食べて掴むぞ一着を
2歳時(2022年)
クラウンプライドやグランブリッジ、リメイク、ゴライコウなどが所属する、開業4年目の栗東・新谷功一厩舎に入厩。入厩当初は「短足」などと言われていた。
ウメムスビの初出走は6月12日、中京芝1200mの新馬戦。3キロ減量特典のある新人角田大河騎手を背に乗せ出走した。坂路の時計はよく5.4倍の2番人気。枠が3番で赤帽なので、頭に大きな梅干しをのせて万全の体制で臨んだ。レースは好スタートからハナを切った5番人気サイレントストームと並んで2番手で先行。直線で抜け出しを図ったが、外から断然の1番人気プロトポロスにかわされ、突き放されての2着となった。なお1着は白米、もとい白帽で、3着は海苔に見えないこともない黒帽だったので梅おむすび馬券(?)となった。
中3週で7月2日小倉の芝1200m未勝利戦に出走。1.3倍の断然の1番人気に支持される。今度は5枠黄帽なのでたくあんをのせて出走することとなった。前走一緒に逃げて3着だったサイレントストームの逃げに今回もついていき、4コーナーで捕まえて抜け出すとあとはそのまま後続の追撃を押し切って初勝利。ファインニードル産駒の初勝利となった。
次走は小倉芝1200mのフェニックス賞(OP)に決まる。6枠緑帽なのできゅうりの浅漬けを売り歩くファンアートが描かれた。8頭を相手に逃げたものの直線でタガノタントと競り合いとなり、その間に女性ルーキー今村聖奈騎手が手綱を取るミカッテヨンデイイが差して1着。ウメムスビは競り負け、さらに後ろからきたアルルカンにも差されて4着となった。
前走は敗戦となったものの、陣営は初の重賞となる小倉2歳S(GIII)に出走することに決めた。8枠のピンク帽、たらこをのせて挑むことに。ここには土をつけられたプロトポロスとミカッテヨンデイイも出走しており、この2頭に挑戦する形になった。中団の内に控え、直線で馬群が横に広がる中で内から抜け出しを図ったものの、横並びの追い比べに競り負けて7着。ただ12番人気だったことを考えれば頑張ったほうである。一応ミカッテヨンデイイ(10着)にも勝ったし。
さて5戦目は中山芝1200m、カンナS(OP)に出走することとなった。7枠のつぼ漬けカラーで挑むことに。馬主が作っている紀州南高梅に近い枠色であり、実質梅干しカラーなのでよい順位が期待できる。また、鞍上は若手の菅原明良騎手に乗り替わり心機一転といった感じで挑むことに。
当日は重馬場。シンボリクリスエスが母父にいるので重馬場には強いのでは?とは言われていたが、前走の敗戦を受けてか人気は14.3倍の6番人気と控えめだった。しかし、スタートして2番手の好位につけ、直線で抜け出してそのまま勝利するといういつもの好走パターンで1着を勝ち取った。これで初のオープン勝利。この時個人名義でこの一頭しかもっていなかった馬主は喜びのあまり、しばらく色々なものがウメムスビにしか見えなかったという。
6月から9月までの4か月間で5戦もしたため、一度ここでチャンピオンヒルズで休みを取ることに。さて次走は中京2歳Sか、福島2歳Sなのか、と思ったらなんと朝日杯FS(GI)と決まった。主戦の角田大河騎手がGI騎乗に必要な31勝を達成したことと、マイル適正を探る狙いがあったとみられる。とにかく2歳マイルの頂点を決める戦いに向かった。
馬にとって、馬主にとって、騎手にとって、産駒にとって初めてのGIに挑戦することに。そんな新米チームが相手をしなければならないのは、前走サウジアラビアRCの大逃げを差し切り1と1/4馬身の差をつけたドルチェモア、デイリー杯2歳Sでは2着に敗れたものの凄まじい上がりタイムを見せつけたダノンタッチダウンなどの有力馬たち。枠番は5枠のたくあん。ちょうど真ん中あたりで、しかも初勝利を決めた縁起のいい枠番。これはもしかしていけるかも…?馬主は休養中にお手製のサプリを与えて勝利を願い、角田騎手もゲン担ぎにと梅おにぎりを食べたようだ。
ファンファーレが鳴り響き、ゲートが開いてスタートする。好スタートを決め内に入っていった。コーナーを回り始める地点で1番人気のドルチェモアの横につく形に。そのままコーナを抜け、直線に入ったところで少し外に移動し先頭を目指し始めた。だが伸びない。すでに1200mを越え経験したことのない距離に入った。前に出てきたドルチェモアに一瞬追いつこうとするもそこでスタミナが切れたかズルズルと下がっていった。1着はドルチェモア。ウメムスビはやはり1600mは長かったか15着に終わった。
結果だけ見れば残念ではあるが、GIという舞台に立ち1着馬と馬体を合わせてコーナーを回ってくることができた。人馬共に良い経験になったに違いない。
3歳時(2023年)
3歳になり、ニュースが3つくらい入ってきた。
1つ目はサウジアラビアにて行われるダート1600mのサウジダービー(G3)に予備登録したというもの。2つ目はメイダンにて行われるドバイ国際競争のうち、いずれもダート1200mで行われるドバイゴールデンシャヒーン(G1)とアルクオーツスプリント(G1)に登録したというもの。まあ、これは登録だけなら数百頭の馬がするので、一応登録しただけであり、出走は現実的な話ではない。
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https://twitter.com/Umasite2022/status/1615272845868732416
なんとウマウメ娘化したのである。名前から勘違いしやすいけど男の子やぞ。というかこれってまんま佐賀に縁のある某会社が出しているウマのゲームでしょ。
この絵はなんと馬主公認で、しかもある程度のグッズ展開を考えているらしい。ウマsite(ウマサイト)という現役・引退馬のグッズを作り、その利益を引退馬支援の団体に寄付をするプロジェクトが主導で行っているので、グッズを買って支援!というのが将来的にできるかもしれない。
まあそんな外野の話は馬自身には関係なく、3歳初戦は阪神・芝1200mのマーガレットS(L)となった。たくあんカラーの5枠5番で30.4倍の7番人気である。
レースは先行勢を見ながら中団に構えたが、直線で前が塞がっている間に前に突き放されてしまい、そこから伸びず10頭立ての8着。悔しい結果に終わった。
引き続き角田大河騎手と、中京・芝1400mのファルコンS(GIII)へ。3枠3番で赤い梅干しを載せて69.4倍の14頭中10番人気。レースはスタートから押し気味に前へ出していき、3コーナー前でアームズレインをかわして先頭へ。そのままハナでレースを引っぱったが、4コーナーでもう捕まると、直線では力尽きてずるずる交替、ブービーからも8馬身差のシンガリ14着に撃沈。
当初は続いて葵Sを予定していたが、新谷師の判断で見送って自己条件に戻り、6月の函館・芝1200mのSTV杯(2勝クラス)から出直しとなったが、15頭立て15着のしんがり負け。その後も知床特別15着(16頭立て)、壬生特別15着(16頭立て)と芝1200mで全く太刀打ちできなかった。
父ファインニードルもオープン入りは4歳のはじめ、重賞初制覇は4歳秋。育成牧場によれば父に似て晩成型だそうなので、まだまだ焦るような時間ではなかったはずなのだが、脚部不安により2024年1月17日、早々と引退の運びとなった。
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ウメ娘もといウメムスビの戦いは、オーナーの、鞍上の「はじめて」を積み重ねていくものであった。オーナー2頭目の所有馬となるウメテマリもデビューしたが、先輩としてのこの経験は無駄ではなかったはずである。
血統表
2013 鹿毛 |
アドマイヤムーン 2003 毛色 |
*エンドスウィープ アメリカ |
*フォーティナイナー アメリカ |
Mr. Prospector |
File | ||||
Broom Dance | Dance Spell | |||
Witching Hour | ||||
マイケイティーズ | * アメリカ |
Halo | ||
Wishing Well | ||||
アメリカ |
Kris | |||
Katies | ||||
*ニードルクラフト 2002 栗毛 アイルランド |
Mark of Esteem | Darshaan | Shirley Heights | |
Delsy | ||||
Homage | Ajdal | |||
Home Love | ||||
Sharp Point | * アメリカ |
Nijinsky II | ||
Crimson Saint | ||||
Nice Point | Sharpen Up | |||
Alpine Niece | ||||
ヴィオレッタ 2013 青毛 FNo.F4-m |
1999 青鹿毛 アメリカ |
Kris S. | Roberto | Hail to Reason |
Bramalea | ||||
Sharp Queen | Princequillo | |||
Bridgework | ||||
Tee Kay | Gold Meridian | Seattle Slew | ||
Queen Louie | ||||
Tri Argo | Tri Jet | |||
Hail Proudly | ||||
プリンセスカメリア 2001 栗毛 |
アメリカ |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
ラトラヴィアータ | サクラユタカオー | *テスコボーイ | ||
アンジェリカ | ||||
サクラハゴロモ | ||||
*クリアアンバー | ||||
競走馬の5代血統表 |
クロス:*サンデーサイレンス 3×4(18.75%)、Hail to Reason 5×5(6.25%)
関連リンク
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関連項目
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