ウルティマとは、リチャードギャリオット氏(ロード・ブリティッシュ)により、個人的に制作され発売されたAkalabeth、を祖とするPCゲームのシリーズタイトルである。
1979年に、企業から商品化もされ話題になり、1980年に発売されたUltimaから大ヒット作となりシリーズ化された。
リアルタイムRPGの始祖と言われ、またウィザードリィに並ぶコンピュータRPGの代表格に挙げられる。
また、Ultima Onlineは、MMORPGの祖として、現在のオンラインRPGの原型ともなった。
注)Akalabeth(アカラベース、アカラベス)は、J.R.R トールキン「指輪物語」のファンであったリチャード氏が、シリマリルの物語など、ミドルアース(中つ国)の過去の地名からとったもの。
フィールド2D、ダンジョン3D表示のコンピュータRPGである。
概要(三部作)
ウルティマは『地球人である主人公アバタールがソーサリアという世界の救世主として悪の権化を打ち倒す』というのが基本的なあらすじである。ウルティマは正編9作、3部作構成になっている(Akalabethを除く。これはウルティマのプロトタイプになる)。それぞれ3作で1部になっており、Ⅰ-Ⅲが暗黒時代、-Ⅵが啓発の時代、-Ⅸがガーデアン・サーガと呼ばれる。
暗黒時代(U1-U3)
ウルティマⅠ The First Age of Darkness(1980年発売)
- 魔導師モンデインが不死の宝珠の力を使い、世界を支配し始めてしまい、アバタールがそれを倒しに行く。
- なぜかスペースシャトルやタイムマシンまで登場しており、武器にもピストルやブラスター等が存在している。
- 最後に不死の宝珠が砕け、その欠片1つ1つに平行世界が生まれ、これがウルティマオンラインのサーバー(呼び名はシャード)の誕生のきっかけとなる。
ウルティマⅡ The Revenge of The Enchantress(1982年発売)
- モンデインが死に、愛弟子であり、愛人でもあったミナクスが復讐を開始する。
- 地球の歴史を変え、地球を滅亡させたミナクスと、それを修復しに来たアバタールが対立する。
- 当時ミナクスは16歳だった!モンデインはロリコンだったのか……
ウルティマⅢ Exodus(1983年発売)
- 甲板に「EXODUS」という血文字の書かれた幽霊船が発見される。
- EXODUSによって災厄が起こり、アバタールはEXODUSの正体を調べ、災厄を止めに行く。
- シリーズ初のパーティシステムが導入される。
- 日本語版は、1985年にスタークラフトから、ようやく発売される。
啓発の時代(U4-U6)
主人公がアバタールとして定義される。それまでソーサリアと呼ばれていた世界がブリタニアと呼ばれるようになった。
ウルティマⅣ Quest of The Avatar(1985年発売)
- 三原理と八徳の概念が導入される。徳を実践することを求められることになった。
- コデックスが登場、コデックスを探すことになる。
- アバタールコンパニオンというものの設定が、この辺りから固定されるようになる。
- 今作から、世界が「ソーサリア」から「ブリタニア」に名前を変える。
ウルティマⅤ Warriors of Dsetiny(1988年発売)
- アバタールがコデックスを持って帰った後、巨大な地下世界の存在が明らかになった。
- 国王が探検隊を率いて地下世界を調べに行き、そのまま行方不明となってしまう。
- 国王代行のブラックソーンによって圧制が敷かれ、アバタールは国王を探しに行くことになる。
- これを機に「あの王様、ゲーム内最強なんだから自分で冒険に行けばいいじゃん」と批判するプレーヤーがいなくなる。
- 時間の概念が導入される。
ウルティマⅥ The False Prophet(1990年発売)
- 日本語タイトルは「偽りの預言者」
- 街とダンジョンが一体として表示される。いわゆるシームレスな状態を目指したもの。
- FM-TOWNS版がCD-ROMということもあり、ほぼフルボイスで登場し、当時は衝撃的だった。
- 昔コデックスを持って帰ったせいでガーゴイルが滅亡の危機に。アバタールって実は要らないんじゃ…
ガーディアン・サーガ(U7-U9)
アバタールと対極にある、ガーディアンとの決戦を描いたシリーズ。
ウルティマⅦ The Black Gate(1992年発売)
- トップビューを採用。ただし建物などに立体感を持たせるためやや右に傾いたような描き方になっている。
- 連続猟奇事件を解決していくうちに現実社会にも通じる悪徳・社会問題が顔を覗かせる。
- 開発資料の紛失により、日本語版の開発が唯一断念された作品。
- スーパーファミコンで日本語版が出たが、仕様は似ても似つかぬものになり、クソゲー呼ばわりに。
ウルティマⅦ PART2 Serpent Isle(1993年発売)
ウルティマⅧ PAGAN(1994年発売)
- ウルティマオンラインの基にもなったインターフェイス。クウォータービューを採用。
- というより、92年からUOと同時開発だったため、使い回しの部分が非常に多かった。
- アバタール、異世界ペイガン(Paganとは異教徒という意味)を滅ぼして帰る。徳の限界を描いた。
- あまりのアクションの難度からPrince of Persiaに喩えられる。Ultimarioとも。
- エンディングの内容が分かりづらく、今見てもよく理解できないユーザーが多数存在する。
- スピーチパックという音声追加ディスクがあり、CD-ROM版は最初から全部入っている。
- 追加ディスクを開発していたらしいが、作品の不評さがゆえに断念したらしい。
ウルティマⅨ ASCENSION(1999年発売)
- アセンションとは「昇天」のこと。キリスト教用語で、ただの死ではなく現世の葛藤などから超越した存在になること。
- 3Dで作られた世界。しかしメモリリークのせいで激重。
- 声優が豪華。EAが頑張っていたころである。
- ロード・ブリティッシュが声優出演している。日本語版でもカタコトながら出演してくれていた。
- EAから開発中だったものを急遽発売するように指示され、内容は不完全で中途半端なものとなってしまった。
ウルティマオンライン
米国での販売開始は1997年9月。遅れる事一ヶ月、同年10月に日本でもサービス開始。
現在もサービスを行っているMMORPGとしては最古であり、最も有名なネットゲームの一つである。
2014年2月に、権利がEAからBroadswordに移行され、運営、開発、サポートを受け持つことに。
ただ、詳細などは伏せられているが、課金やアカウントなどの管理はEAのままである。
同年の3月12日にはEAJのUO担当も終了となり、日本の公式サイトも停止となったが、
UO公式サイトが、アーカイブとして公開しているため、現在でも閲覧することは可能である。
サービス開始当初は(外人しかいない)海外サーバーしかなく、ゲームの元々の世界観や用語の全てが英語(アルファベット以外使用不可能)という事と相俟って所謂「洋ゲー」テイストに溢れており、1998年に日本サーバーの運営が始まってからも国内外の古典ファンタジー愛好家から支持され続けている。
ネット創成期のサービス開始であるため、多くの古参ネットゲーマーはUOかEverQuestかDiabloをプレイしている事が多く、動画中に上記のゲームネタが出ると反応が激しかったりする。
現在となっては非常に古臭いとされる俯瞰視点2D形式であるが、
- プレイ方法次第では戦闘要素が皆無でも遊ぶ事が出来る
- 上限設定はあるものの、自由度の高いスキルシステム
- デザインや内装も自由自在な持ち家システム
- 空き地に家の建築すらも可能な広大なマップ
- 徹底的にオブジェクト化され、布類の染色や地面に置くのは勿論、重ねるのも家の内装に使うのも自由な膨大な数のアイテム
- ストーリーに沿った多数の世界の変化
- 「遊ぶ砂場は用意した。スコップやバケツ等の遊ぶ道具も用意した。あとは君の自由だ。好きにしたまえ。」
というプレイヤーの想像力に全てを委ねる点(そしてそれを実現可能にするシステム)が最大の特徴である事から「砂場」と評されている。
ゲームそのものの開発者であり、作中にもロード・ブリティッシュとして登場するリチャード・ギャリオットが残した言葉
ホコツ
日本語ユーザーの中で度々話題になるサーバー。本当は「HOKUTO」というサーバー名であるが、運営の誤植により「HOKOTU」と表記された時期があり、それ以来ホコツと呼ばれるようになった。ホコツに住む人々、「ホコツ民」には独特の文化がある。バシネットという兜(?)を頭に被り、パンツ一丁で歩き回るが(多少のアレンジもある)、それがホコツでの正装と呼ぶ声も高い。
ホコツという呼び方、そしてスタイルは、運営サイドにも認知されているほどである。
フェルッカ
UO関連の動画を見ていると「フェルッカなら死んでいる」と書き込まれていることも多い。フェルッカとはUOの世界に存在する並行世界である。フェルッカは戦乱の世界であり、PK、盗み、PKK、何でもありの世界である。フェルッカは危険に満ちているが、ボスモンスターがいたり、戦利品が沢山取れたりするなど利点も多い。いや、こんなものはフェルッカの住人にとって駄菓子のおまけにもならないだろう。フェルッカの住人にとって盗み、殺すことこそが最大の利点である。その気性の荒さから「トランメル」という平和で秩序に守られた世界の人からは恐れられている。隣人のジョークに笑う前にPKしてそれから笑うほど気性が荒いため「フェルッカなら死んでいる」とすら言われるのである。
フェルッカには派閥制度が導入されており、街の支配権を握る「シギル」というアイテムの奪い合いをやったり、他の派閥のプレイヤーを殺すことができる。ただしどのエリアでもギルドWarという形でのPvPは導入されており、両者の合意が必要だとはいえど、他の場所で全く殺しが出来ないわけではない。
ウルティマオンライン2
完全な3Dオンラインとして開発されていたが、EAの財政事情により中止となった。
しかしながら、YouTubeには、同時公開されていた動画が多数残されている。
ただ、作った3Dが勿体無かったため、転用する形でウルティマオンラインの今は無き3Dクライアントが誕生した。
2011年に、再び作ろうとリチャード・ギャリオットとEAが議論している。(開発が決定しているわけではない)
ウルティマX Odyssey
ウルティマオンラインの続編ではなく、オリジナルシリーズの続編であり、3Dオンラインゲームとして開発されていた。
2003年8月に発表されたが、どうせウルティマオンライン2と同じ結果になるのではないか?と予想するユーザーが多数存在し、2004年7月にその予想は見事的中した。
アメリカの大型ゲームイベントで、お客さんにプレーを楽しんでもらえる環境にまで至っていたにも関わらず、なぜ開発中止になったのかは不明である。
関連動画(オリジナルシリーズ)
関連動画(ウルティマオンライン)
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
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- 0pt