『ウーフーアイランド』(Wuhu Island)とは、任天堂のゲームに登場する架空の島である。
概要
宮本茂は、この島を一種のキャラクターとし、様々なゲームに登場させる「アイランド構想」を発表。実際にWiiシリーズを始めとする様々なゲームの舞台となっている。
初登場は『Wii Fit』。ジョギングコースとして登場した。この時は「ウィフィ島」という名前であり、ジョギング以外のトレーニングで登場することもなかった。 『Wii Sports Resort』以降、「ウーフーアイランド」と名前を変え、すべてのミニゲームがこの島で行われることとなった。この際、島全体に大幅な改装が行われた。
以後の作品では、そのゲーム独特のギミックが追加されたり、マシンスペックの都合で一部が削除されたりしているが、基本的なグラフィックはそのままである。膨大な作業量の伴う「マップ」を使い回せるので開発側としてはリソースの節約が期待できる。ただし、そのゲーム特有のしかけを設置したり、Wii版のものを3DS用、WiiU用などに作り変える手間が残る。
ユーザーは、1つの島が色々なゲームに登場することで、隠された秘密やネタ、別のゲームではこの地形がどう使われていたかなどを少しずつ発見できる。後の世でいう「聖地巡礼」のような楽しさがある。
ウーフーアイランドはゲームごとに入れる場所や行ける場所が制限されていることがほとんどで、好きなところに行けて好きなものを好きなだけ見られることは少ない。例えば、『Wii Sports Resort』の遊覧飛行は、飛行機なので止まれない上に時間制限があるため、1箇所をじっくり見ることができない。このことで、ウーフーアイランドを気に入った人が葛藤を抱えることになってしまった。
また、ウーフーアイランドは、舞台が常夏の島に固定されてしまうという難点があり、バリエーション豊かな世界観を作りづらい。『ルイージマンション』『スーパーマリオサンシャイン』が抱えていた問題点が複数の作品に及ぶ形になってしまう。
Wiiシリーズを遊んでいるプレイヤーはライトユーザーがほとんどで、『Wii Sports Resort』と『Wii Fit Plus』を両方持っている人は少ないし、持っていても「両者に共通のマップが使われている」と気付けるほどやり込む人は多くなかったと思われる。
これらの理由から、「ウーフーアイランド」という舞台にそこまでの知名度はなく、マップをキャラクターIPとして活用しよう、というアイディアは成功したとは言いづらい。
しかしながら、「ゲームの舞台も立派なキャラクターである」という哲学は後の作品でも生きており、ユーザーにそこへ行ってみたいと思わせるような丁寧なマップづくりは、むしろWii UやNintendo Switchの時代に花開いた。
『スプラトゥーン』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』『スーパーマリオ オデッセイ』などは、そこの観光客になっていたいと思えるほどの舞台づくりに成功している。
ウーフーアイランドのもう一つのコンセプトである「このゲームに出た舞台を別のゲームでも遊んでみたい」という需要には、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズが、各ステージの精巧な原作再現という形で応えている。
ウーフーアイランドの構成
本島とウェッジ島からなる。ウェッジ島は全島がゴルフ場となっており、ゴルフ以外のゲームには登場しない。
『Wii Sports Resort』の遊覧飛行か、『パイロットウイングスリゾート』の自由飛行を利用すれば、島を自由に見ることができる。各チェックポイントユーモアと皮肉にあふれた解説も楽しい。
ただし、時間制限があるため、ほんとうの意味で「自由に」見ることはできない。
『Wii Sports Resort』によると、島全体の電力は風力発電で支えている。
本島
海・山・街など様々な場所があり、島全体が一大リゾート地になっている。
登場するゲームによって専用の施設が適宜撤去・増築されるが、『Wii Sports Resort』に登場した施設は(ゲームの邪魔にならない限り)そのまま残っていることも多い。
容量の都合かコース設定の都合か、『マリオカート7』では一部施設が撤去されている。
- デンガ・ナマンガ火山
- 絶叫の滝
- レッド・ゲート・ブリッジ
- ダクリング湖
- ジャイアント・キャンドル・ムヨーノ
- テンカ・ウント(島の北部にある古代遺跡。テンカウント→10カウント→マリオシリーズの10カウントブロック?)
- ホテル・シーサイド・スーペリア
- パウダー・ホワイト・ビーチ
- プライベート・ウィラ・コソコソ
- ラクダ岩
- ウィンド・パーク
- レイクピア・キャッスル
ウェッジ島
全島がゴルフ場であり、『Wii Sports Resort』で新登場した9ホールがここにある。
ウェッジ(wedge)は英語で「くさび」の意だが、ここではゴルフクラブの一種「ウェッジ」が由来と思われる。
ゴルフ専用という立ち位置から、Wii Sports Resort以外には登場していない。
登場作品
Wii Fit シリーズ
概要の通り初登場作品で、当時は「ウィフィ島」という名称だった。
第1作ではジョギングのみだったが、『Wii Fit Plus』ではジョギングのほか、サイクリング、セグウェイチャレンジ、パタパタ飛行、足踏みパレードでも島が舞台となっている。
『Wii Fit U』でも、新しいミニゲームにウーフーアイランドが登場している。
関連動画
Wii Sports Resort
ゴルフ(クラシックステージ)を除いた、全ての種目がウーフーアイランド内で行われる。ゲームの初回起動時にはスカイダイビングでウーフーアイランドへ飛び降りる。
島の全景は、遊覧飛行で見て回ることができ、夕方・夜に飛ぶ事もできる(ある条件クリアが前提)。
休業中のテニスコートが存在し、ゴルフコース・ボウリング場・ボクシングの練習場がほぼ共通であるなど、前作『Wii Sports』とのつながりを匂わせる部分がある。
関連動画
パイロットウイングスリゾート
ニンテンドー3DSではこの作品が初登場。
関連動画
マリオカートシリーズ
『マリオカート7』にてウーフーアイランドを舞台としたコースが登場。レースコース2つとバトルコース1つの計3コースも登場した。
フラワーカップ「ウーフーアイランド 1」、スターカップ「ウーフーアイランド 2」、バトルステージ「ウーフータウン」ではその名の通り島内でレースをする。ウーフーアイランドで流れているBGMは『Wii Sports Resort』メインテーマのアレンジ。
通常は3周するとゴールとなるが、本作の「ウーフーアイランド 1」「ウーフーアイランド 2」は長いコースを3セクションに区切り、1周すればゴールとなるセクション制コース。
当初、1と2両方のコースで一定の場所からコースアウトすると、ショートカットとなるバグがあった。特に2の方は大きな問題となり、現在は修正されている(本記事のレスが荒れてるのはこのため)。このショートカット修正が3DS最初の修正パッチとなった。
ウーフーアイランド 1
島の外周部に存在する道路を一周する環状線を走るコース。時間帯は昼。
ウーフータウンの噴水前からレッド・ゲート・ブリッジ方向へとスタートする。途中からN64キノピオハイウェイのように一般車両が同じ道を並走するようになる。そのわりにジャンプ台やら木箱やらが置かれているが。
第1セクションはウーフータウンからレッド・ゲート・ブリッジを通って環状線第一トンネル入口までのセクション。レッド・ゲート・ブリッジを通過する以外に特徴と呼べるものはないおだやかな道が続く。
第2セクションは環状線第一トンネル入口から環状線第二トンネルまでのセクション。途中にテンカ・ウント内部を通過してグライダー飛行ができる分岐が存在しているがかなり大回り。また細い石柱の上を飛び移るアイテムが不要でリスキーなショートカットもある。
第3セクションは環状線第二トンネルからウーフータウンに戻るセクション。崖際でガードレールのない部分ややたら木箱が散乱している部分がある。途中でジャイアント・キャンドル・ムヨーノのそばまで続く分岐路があり、こちらもグライドを使用する。
ウーフーアイランド 2
砂浜から山道を登ってグライダーで飛び降りるコース。わかりにくいがこのコースも周回できる構造になっている。時間帯は夕方。
第1セクションはパウダー・ホワイト・ビーチの端から滝ノ下登山道トンネル入口までのセクション。太古の石舞台のあたりではアイテムを使うことで大幅なショートカットができる。
第2セクションは滝ノ下登山道トンネル入口から一本杉へとつづくトンネルまでのセクション。長いトンネルの先にあるダクリング湖には岸を走るルートと水中を走るルートがある。その後のレイクピア・キャッスルは内部をショートカットすることが可能で、ダート区間が短いためアイテムなしでも侵入可能。例のバグショートカットを使用するとほぼすっ飛ばされるセクションでもある。
第3セクションは一本杉へとつづくトンネルからラクダ岩の奥に設けられたゴールまでのセクション。トンネルを抜けて落石が転がってくる道を通って、嘆きダイチャブのあたりに設置されているグライダーで山の上から一気に砂浜まで滑空する。途中に浮いているランディングパッドやホテル・シーサイド・スーペリアの屋根の上に乗ることもできる。
ウーフータウン
建物によって視界が遮られ道もあまり太くないので出会いがしらの攻防が発生しやすい。
『マリオカート8DX』でリメイク。時間帯は昼に変更された。
Wiiシリーズ特有のディティールを省いたローポリゴンではなく、リアルな質感となって生まれ変わった。
BGMはマリオカート7とは違ったアレンジになっている。
関連動画
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』において、ウーフーアイランドが舞台となるステージが2つ登場する。この2つは出典作品が異なるため、シンボルマークが別々にされている。
Wii U版にはフィギュアも存在し、拡大や回転を駆使して隅々まで見ることができる。
2つとも、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』でもそのまま移植されている。
他のゲームでは、ウーフーアイランド内のMiiは本体に保存してあるものから選ばれるが、スマブラではこの機能がなぜかオミットされている。
ウーフーアイランド
出典は『Wii Sports Resort』。
同ゲームの「ウェイクボード」に似た足場が島各所に着地するクルーズタイプのステージ。
着陸する場所は、原作で各種スポーツの舞台となった場所が主だが、ただの岩山に着陸したりもする。
パイロットウイングス
出典は『パイロットウイングス』および『パイロットウイングス リゾート』。同作の飛行機が「リングくぐり」をしている中、機上をステージとして大乱闘する。
SFC版『パイロットウイングス』の複葉機が同作のフライトエリア3から離陸し、ウーフーアイランドに接近する。島付近で『リゾート』の単葉機に乗り換え、島の中を縦横無尽に駆け巡る。
その後のウーフーアイランド
主流ハードがNintendo Switchに移行すると、新作には全く登場しなくなる。
「Wii〇〇」シリーズの流れをくむゲームは引き続き作られるものの、それらはすべてが一からステージを作っており、ウーフーアイランドを使い回すことはなくなった。
一方、Wii時代の再現という形では依然一定の人気があり、『マリオカート8DX』『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』にウーフーアイランドが移植されているのは前述のとおりである。
類似のコンセプト
リゾート地の巨大マップを最初から作り、その中に各種ゲームを仕込むというコンセプトは、バンダイナムコゲームスの『ファミリースキー』シリーズでも採用されている。
こちらはマップの好きなところに好きなだけ行け、好きなミニゲームが遊べるという、今で言うオープンワールドに近い形式をとっている。
のちに登場した『GO VACATION』は、各種リゾートをひとまとめにした巨大リゾート島という、ウーフーアイランドのコンセプトを取り入れたものになっている。
また、ゲームが変わっても基本的な間取りが共通というマップは、『スーパーマリオ』シリーズのピーチ城が先行している。『スーパーマリオ64』で登場したピーチ城は、『マリオカート64』『マリオストーリー』『スーパーマリオオデッセイ』などで、外観や中央ホールの間取りが共通するように作られている。
関連商品
関連項目
マリオカート | |
---|---|
ゲーム | 初代 - 64 - アドバンス - ダブルダッシュ!! - DS - Wii - 7 - 8 |
アーケード | アーケードグランプリ |
スマートフォン | ツアー |
ラジコンカーセット | ライブ ホームサーキット |
関連項目一覧 | コース一覧 - BGMリンク - マリカー現象 - よゐこの○○で○○生活 |
- 5
- 0pt