概要
エケベリアとは、ユキノシタ目Saxifragales/ベンケイソウ科Crassulaceae/エケベリア属Echeveriaに分類される春秋型の多肉植物である。名前の由来は植物画家のアタナシオ・エチェベリア・イ・ゴドイ氏にちなみ命名された。メキシコや南アメリカ大陸に約190〜200種類が確認されており、現在も新種が発見されているため今後も増える見通しである。日本では明治時代に、松澤進之介氏がメキシコからエケベリアを輸入し園芸植物として販売したのが始まりとされている。販売する際に、東雲・月影・花うららなどの和名が付けられ現在まで使われている。エケベリアの特徴にバラの花のようなロゼット型の美しい葉があり、寒さにあたると赤や紫やピンクなどに紅葉する。観賞価値が高く栽培が盛んに行われ、新しい園芸品種が次々と作出されている。また、近縁種のセダムやグラプトペタルムなどと一緒に寄せ植えにしたり、葉挿しで無限に増やしたり、リメイク鉢や作家鉢に植えたりと楽しみ方は様々である。
エケベリアの育て方について
1年を通して日当たりが良く風通しが良い場所に置くのが望ましい。夏は日差しが強すぎる場合があるので遮光シートなどで調節が必要である。生長期の春と秋は土が乾いたら鉢底から水が流れるまでたっぷりと与える。高温多湿で蒸れやすい梅雨と真夏や、生長が鈍くなる冬は様子をみながら少量の水を与える。耐寒性は0℃ほどで、品種にもよるが霜にも耐えられる。増やし方は主に実生・挿し木・葉挿し・胴切りで、特に挿し木と胴切りは成功率が高くおすすめである。主な病害虫はアブラムシやカイガラムシや黒星病など。アガボイデス系はハダニも付きやすい。見つけ次第薬剤散布を行い病気で痛んだ葉は取り除く。
愛好家で用いられる専門用語
- イカ…葉挿しで根が出たものの、生長点から芽がでない状態。品種により葉挿しの成功率が低い場合がある。
- オバケ(ゴースト)…生長の過程で葉緑素が無くなり、真っ白になる現象で、光合成が出来なくなりいずれ枯れてしまう。斑入りの品種を購入するときは生長点に葉緑素があるのを確認する必要がある。
- お一人様…植木鉢に一つ一つ植える育て方。育苗ポットでまとめて管理することがある。
- お星様…枯れてしまったエケベリア。高温多湿の環境で急に調子を崩しそのまま枯れてしまうことがあるため、多くの愛好家を悩ませる。
- 韓国苗…エケベリアの栽培が盛んな韓国で作出された品種。発色が良く可愛らしい品種が多いため愛好家の間では人気が高い。100ショップなどで育てやすい品種も流通している。
- 原種系…ワイルドエケベリアと呼ばれる。エケベリアの愛好家では交配親として園芸品種と同じく原種のエケベリアが人気である。
- ジュレる…細菌感染や高温多湿の状態が続いたことで葉が蒸れてゼリーのように透明になる様子。一度発生すると元には戻らず、その葉は枯れてしまう。
- 先祖返り…斑入りの品種が生長の過程で斑が消えてしまう現象。日照不足が原因の場合がある。
- デカべリア…長年育てて巨大化したエケベリア。または大きく育つ品種のエケベリアを指す。カンテや高砂の翁などがあげられる。
- 丼(○○丼)…同じ品種または同じ種族の植物を鉢いっぱいに植える育て方。
- ナゾべリア…品種名が分からないエケベリア。品種不明いわゆる札落ち。ランダムに紅葉するので、多肉植物の寄せ植えのアクセントに使われている。
- バラバラ事件…急に茎が腐り葉が地面にパラパラと落ちてしまった様子が、凄惨な事件現場を連想させることから呼ばれるようになった。
エケベリアの品種一覧
- アガボイデス/東雲
- アボカドクリーム(韓国苗)
- アフィニス/古紫
- インブリカータ/七福神
- エレガンス/月影
- オウンスロー(韓国苗)
- カルニカラー/銀明色
- カンテ
- クリスペートビューティー(韓国苗)
- コロラータ
- スーパーミルク(韓国苗)
- 高砂の翁
- チワワエンシス
- デレンベルギー/静夜
- ノドゥローサ/紅司
- 白鳳
- ピンクルビー/ピンクルルビー(韓国苗)
- ファンクイーン/みどり牡丹
- プリドニス/花うらら
- プルプソルム/大和錦
- マッコス(韓国苗)
- 女雛
- 桃太郎
- ラウイ/雪蓮
- ルンヨニー
- ローラ
- ロメオルビン…など多数。
交配可能な近縁種
同じベンケイソウ科の植物
関連項目
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兄弟記事
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