エスカレーターとは、高さが異なる2つの場所の間で人を運搬する、階段状の運搬機である。
身もふたもなく言えば動く階段。
概要
エスカレーターでは、階段状になり自動で斜め方向に昇降するステップに人間が乗り、移動する。また、人間がつかまるためのベルトもステップと連動して動く。
エレベーターとの比較
動いているステップに人が直接乗るために移動速度が遅く、建物の複数階層間の移動には乗り換えが必要になることが多いため、エレベーターと比べて高さに大きな差のある階層間の移動には向いていない。しかし、(長い待ち列に並ぶ必要がある場合を除き)待ち時間が無いため、隣接した階層の移動にはエスカレーターの方が向いている。
副次的に災害・停電時に閉じ込められない、単純な階段として利用可能といった利点もある。
角度
角度は(日本においては)基本的に30°以下、一定条件下では35°まで可能。
設定速度は転倒事故などを防ぐため、全長・角度・施設等によっても若干異なる。
設置場所
屋内外問わず、様々な場所に設置されている。特に、デパートやスーパーマーケット、ショッピングセンター・駅・病院など、複数階層に売り場・窓口・乗降口が分かれている施設の必需品と言える。
2機が隣接して設置され、それぞれが上り/下りで運転されているものが多い。駅などでは、その片方の代わりに階段が設置されている場合も多い。小規模な店舗においては上りのみ設置されていたり、3台以上が並ぶ大規模なものは時間帯(通行量)に応じて上り下りが切り替えられる場合もある。
- 複数段が同じ高さになり、車椅子の運搬が可能な製品もある。
- 傾斜が非常に緩やかでショッピングカート等を運搬可能な製品もある。ただし倍以上の全長を取る。
- 空港など、傾斜なく平坦なものは「動く歩道」と呼び分けられやすい。
方式・メーカー
直線型のものがほとんどだが、スパイラルエスカレーターと呼ばれる曲線型のエスカレーターも存在し、横浜ランドマークプラザなどに設置されている。実はこのスパイラルエスカレーター、日本の三菱電機のみが実用化している。スパイラルエスカレーターを見かけたら、乗り場の床板を見てみよう。そこには間違いなく、三菱が製造したことを示すロゴや模様があるはずだ。
エスカレーターのほとんどは、エレベーターの大手・中堅メーカーが製造している。メーカーは、乗り場の床板の模様、ステップの形状などで判別することが出来る。これがマスター出来れば君もエスカレーターマニアだ!
片側空け
日本や他の多くの国では、2人分の幅があるエスカレーターに乗るときに、1人分の幅を急ぐ人を通すために空けておくというマナーが存在する。
しかし、もともとエスカレーターはステップを歩くことを前提に製造されておらず、転倒や機器の故障の原因になるとして、メーカーや設置されている施設などは、そのような利用をやめるように呼びかけている。
関連動画
関連静画
関連項目
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