エスコンフィールドHOKKAIDO(エスコンフィールドほっかいどう)とは、北海道北広島市にある屋根開閉式のドーム型野球場である。2023年3月14日に開業。
概要
エスコンフィールドHOKKAIDO ES CON FIELD HOKKAIDO |
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基本情報 | |
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所在地 | 北海道北広島市 |
起工 | 2020年4月 |
開場 | 2023年3月14日 |
所有者 管理・ 運用者 |
株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント |
使用球団 | 北海道日本ハムファイターズ |
収容能力 | 35,000人 |
グラウンドデータ | |
左翼 | 97m |
中堅 | 121m |
右翼 | 99m |
フェンス | --m |
面積 | 12,000㎡ |
経歴 | |
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競技場テンプレート |
日本プロ野球の球団・北海道日本ハムファイターズが、2023年シーズン以降の本拠地移転先として建設した球場。プロ野球以外にも全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)南北海道大会の準決勝・決勝(3試合)も本球場にて開催する(詳しくは後述)。
福岡ドームに次いで2例目の屋根開閉型ドーム球場で、球場には天然芝を貼る。外野側の壁はガラス張りとなる。
ブルペンが両翼にあり、外野の観客席からのぞき込める開放型ブルペンとなる(打球がブルペンに入ればホームラン)。リリーフカーはクボタのユーティリティビークル(多目的四輪車)を使用している。
2020年1月、不動産会社の日本エスコンが球場の命名権を取得し「エスコンフィールドHOKKAIDO」と命名した。契約期間は2020年1月から10年以上。
95%工事完了としていた2022年11月7日に新たな問題が浮上する。エスコンフィールド北海道のファウルゾーンは15mとされているが、公認野球規則によると60フィート(18.288m)が必要とされ、3m足りていなかったことが12球団とNPBの実行委員会から指摘された。その後は日本ハムによって協議が行われ、11月14日の会議で2023年シーズンは使用するとしたが、2023年オフと2024年の間に改修工事を開始するとして合意された。しかしその後日本野球機構より「ルール順守の姿勢表明」「野球復興協力金」を支払う事等を条件とした上で改修工事をせず永続的に使用できる事を提案、日本ハム側もこの提案を受け入れ改修工事を行わない事となった。
そして2023年のシーズン終了後に公認野球規則が改定され「本塁後方のファウルゾーンの広さについて、60フィート(18・188メートル)以上を「必要とする」と定めているのを「推奨する」に変更」これによりエスコンフィールド北海道のファールゾーンが晴れて規定通りとなった(また現在尼崎市小田南公園で建設中の阪神二軍球場もこの改定後に沿った球場が建設される予定である)。
特出すべきはとにかく飲食店・アクティビティといった施設が充実しており、野球観戦そっちのけでも楽しめる。その為試合がない日は無料で球場内の施設が利用でき、運が良ければファイターズの練習風景も見る事が出来る(なお試合等イベント開催日を除き火曜日が休館日となる)また試合がある日は「野球観戦よりも飲食店や施設を楽しみたい」方向けに入場券を発売しており(800円~1200円)座席での観戦は出来ないが、球場内の飲食店で食事を楽しみながらコンコースで野球観戦も楽しめる。またコンコースには立ち見エリア「ハイカウンター」も設置されている(立ち見エリアは有料で発売する場合がある)。
また自前の球場を持てたということで、札幌ドームではできなかったイベントを積極的に実施。一例をあげると、2023年はGW期間中ファイターズが遠征している時は同球場でテレビの公開収録やキッチンカーイベント、夏は盆踊り・花火大会・グランドでの1泊2日のキャンプイベント、秋はエスコンフォールドで秋季キャンプを実施し無料開放、そして冬はスキーやクリスマスイベントと1年を通して来場者を飽きさせない。
高校野球としての使用
2021年、日本ハムは北海道高野連エスコンフィールド北海道での高校野球開催を打診。2023年7月に新球場開場を記念して南北海道大会・北北海道大会の準決勝・決勝の計6試合をエスコンフィールド北海道で開催された。そして2024年以降も南北海道大会の準決勝・決勝の3試合を同球場で開催する事が決まっており、3年間使用してその後も使用していくかを検討していく。なお北北海道大会は地域によって北広島までの移動が1日がかりとなり、選手への負担が大きい事から2024年以降は旭川での開催となるが、節目となる記念大会はエスコンフィールド北海道を使用する可能性があるとしている。
なおエスコンフィールド北海道で高校野球が開催される際、日本ハムは無償で同球場を提供している。これは阪神甲子園球場で高校野球を開催する際、持ち主である阪神電鉄が無償で同球場を提供する考えと同じ「野球振興に貢献」という要素がある。
北海道ボールパークFビレッジ
本球場を中心に展開するボールパークエリア。「次世代ライブエンターテインメント」「最先端ウェルネスライフ」「未来型リビングコミュニティ」の3つのテーマを掲げる。
- TOWER 11(タワー・イレブン)
- 球場レフトスタンドに併設する、5階層で通年営業の商業施設。4階に温泉・サウナ、5階に宿泊施設を開業する。
- OBでメジャーリーグへ移籍したダルビッシュ有、大谷翔平両選手に敬意を表し、両選手が日本ハム時代に着用した背番号「11」を命名した。(球団発表)
- レ・ジェイド北海道ボールパーク(物件ページ)
- ボールパーク内に建設するタワーマンション。総戸数119戸(うち住居118戸)。
- 北海道医療大学移転
- 当別町にある北海道医療大学を新駅が開業する2028年を目途にFビレッジ内にキャンパスを移転させる事が2023年10月に発表された。当別町には薬草園と総合グラウンドを残し、それ以外の医療機関と大学病院をFビレッジの新キャンパスへ移転する。
日本ハムの本拠地移転について
2004年に東京から北海道に移転して以来、北海道日本ハムファイターズは札幌ドームを本拠地として使用していた。ドームは札幌市の所有施設で試合ごとに賃料が発生し、その一方で球団親会社の日本ハムは広告収益を得られない状況だった。またドームがサッカースタジアム兼用の多目的施設であるが故に自由度に乏しいことから、2016年にファイターズは独自の新球場建設を検討するに至った。新球場の候補地としては北海道大学キャンパス(札幌市北区)、真駒内地区(札幌市南区)、きたひろしま総合運動公園敷地予定地(北広島市)ほか道内の15か所以上が検討された。
一方、北広島市は1972年冬季札幌オリンピックに合わせて総合運動公園構想を練っており、1990年代にも計画が再浮上していた。しかし採算が取れるか不明なこと・札幌一極集中の恩恵を受け人口が激増したためインフラ整備を優先せざるを得なかったこと・折からの財政難と国庫補助が打ち切られたことなどから見送られ、一部が体育館として整備された他は専ら雪捨て場として活用されていた。北広島市はボールパークを通じた街づくりで市の活力を維持する狙いがあり、2015年から球団と対話を重ねていた。この時点で下地は整っていたのである。
2016年12月19日、日本ハムと日本野球機構が新球場構想に関する共同部会を発足し、2018年3月までに一定の方向性を示す計画を発表した。発表の翌日・20日に北広島市の上野正三市長が球団担当者と面会し、きたひろしま総合運動公園用地を活用するボールパーク構想を提案した。
札幌市側は当初、札幌ドームを野球専用球場化しての継続利用を提案していたが、北広島市側の計画提案が速いことに危機感を抱き、北大キャンパスや八紘学園周辺(豊平区)の2か所を新球場予定地に提案したが、日本ハムはどちらも使用不可と判断した。そこで札幌市は2017年末までに真駒内地区を新候補地として提案した。しかし同地区内の緑地保全に対する懸念から、周辺住民の理解が得られないと球団は判断した。
結局、日本ハムは2018年3月、北広島市のボールパーク構想を採択した。北広島市は球場用地の無償貸与、商業施設を除く公園施設への固定資産税・都市計画税の10年間免除、JR新駅の建設や道路整備を進める方針を表明した。
アクセス
開場(2023年3月予定)時点の最寄り駅は、JR北海道・千歳線の北広島駅(球場まで徒歩約20分)。ボールパーク構想と一体で、日本エスコンが同駅西口エリアの活性化事業を請け負っている。シャトルバスも運行し、試合がない日でも運行する(野幌駅発着便はイベントのみ運行)
- 北広島駅~Fビレッジ(大人:200円小人:100円)北海道バス・千歳相互観光バス共同運航
- 新札幌駅~Fビレッジ(大人:400円小人:200円)北海道バス・エルム観光バス共同運行
- 野幌駅~Fビレッジ(大人:500円小人250円)エルム観光バス運行、試合がない日は運休
- 新千歳空港~Fビレッジ(大人:600円小人300円)北海道バス運行
北広島駅・新札幌駅・新千歳空港発着便の時刻表→コチラ(北海道バスホームページより)
運賃は全路線「現金(北広島駅発着便のみ)」「事前に乗車券を購入」「VISAタッチ」「交通系ICカード」で交通系ICカードは端末機の関係上SAPICAが利用できない。[1]
また新札幌駅・野幌駅・新千歳空港便は車内で現金の支払いが出来ず事前に乗車券を券売機などで購入する必要がある。また試合終了直後は大変混雑する為、余裕をもった行動が必要である。
JR北海道と北広島市は、千歳線の北広島駅~上野幌駅間に本球場と直結する新駅(仮称:北海道ボールパーク駅)の設置を請願駅と計画し開場から5年後の2028年頃を目指しているが、昨今の資材高騰の煽りで建設費用が当初の4割増(約115億)となる見込みで、請願駅である以上全額負担する北広島市としてはこの価格は厳しい為、現在駅を建設場所をズラす等をした協議をJR北海道と行った。そして2023年9月にその具体案が発表され「当初予定していた場所から200m北広島駅側にずらし、駅の構造の簡略化「上下線の間に据える1本の「島式」だったホーム」を「線路の外側へ2本に分けて配置する「相対式」」に変更等を実施。これにより工事費を当初の3割減の80~90億、工期を4年とする案を策定。2023年10月に北広島市が正式に合意、2028年開業を見込んでいる。
このため主なアクセスはバスや自家用車になると見られ、球場には大規模な駐車場が整備される。また国道36号・道央自動車道(北広島IC)・道道1080号に連絡する道道1180号が建設中で、札幌市清田区からのアクセスも便利になる。
球場グルメはここが変わった
球場グルメに関しても札幌ドームから大きく変化。一番の目玉はファイターズファン念願の『シャウエッセンのホットドッグやソーセージ盛りを食べながらの試合観戦』が叶う事だろう。ニッポンハムグループの監修商品を用いた直営レストランが2ヶ所あり、札幌ドーム時代の約20年間叶わなかった悲願がエスコン移転により達成されることになる。
軽食関連についてもピザーラや築地銀だこといった大手など31店舗が出店。ショッピングモール並の規模でファンを飽きさせない。
関連静画
関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
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セントラル・リーグ | MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 - 阪神甲子園球場 - バンテリンドーム ナゴヤ 横浜スタジアム - 明治神宮野球場 - 東京ドーム |
パシフィック・リーグ | みずほPayPayドーム福岡 - 京セラドーム大阪 - ZOZOマリンスタジアム ベルーナドーム - 楽天モバイルパーク宮城 - エスコンフィールドHOKKAIDO |
脚注
- *交通系ICカードは導入コストが非常に高く、またシャトルバスを運行しているバス会社が「観光バス」「千歳市・函館市のローカル路線」「高速バス路線」をメインとしている為Fビレッジの路線だけでは採算が取れるか不明だった為、交通系ICカードの導入を見合わせ「VISAによるタッチ決済」を導入したが利用が3割もなかった。しかしJR西日本が開発した「簡易型IC端末機」を導入する事でコストが1/3に抑えられる事、また北海道バスのグループ会社である「大阪バス」がこの簡易型IC端末を路線バスに導入している事からすでに実績があった事から、2023年7月21日から順次Fビレッジのシャトルバスに導入。導入直後にもかかわらずすでに利用率が7割に達している。
参考資料「Fビレッジ発着の路線バス・シャトルバスにおける交通系IC決済の導入について(JR西日本サイトより)」
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