エディタ(エディター、editor)とは、コンピュータ上にあるデータを編集するソフトウェア。
概要
元の意味としては出版などで編集を行う人、つまり編集者を指す。→編集者
編集する対象の種類によってテキストエディタ、バイナリエディタ、アイコンエディタなどと呼ばれる。
単にエディタという場合、テキストエディタ(特にプログラミング用)を指すことが多い。
テキストエディタとワードプロセッサ(以下ワープロ)との違い
細かいことを抜きに言えば、「見出し」や「段落」「下線・太字」などの装飾情報を含まないテキストデータのみを扱うのがテキストエディタで、紙に出力されることを前提として装飾情報やページの区切りなども含めたデータを編集・保存するのがワープロである。
ワープロのほうが当然多機能だが、その分どうしても鈍重なので、装飾が必要ない場合には軽快な動作を期待してテキストエディタを好んで用いる人もいる。
また、プログラミングなどテキストデータ形式そのままの編集に使いたい時、むしろ余計な装飾情報が紛れ込んでは困る時などもテキストエディタの出番である。
高機能テキストエディタにはワープロとして使用可能なものもある。また、装飾情報をテキストデータに埋め込むMarkdownという書式もを用いればテキストファイルに装飾情報を持たせることも出来る。そのあたりまで考えると境界線が曖昧になってくるが、最終的に保存するデータがテキストファイル形式ならテキストエディタということでよいと考えられる。
テキストエディタと統合開発環境との違い
プログラムを書く時にはテキストエディタを使う方法以外に、統合開発環境が使える場合がある。
テキストエディタはテキストを編集するためのもので、コンパイルやデバッグはテキストエディタの仕事ではない。
統合開発環境にはコンパイラ・デバッガなどプログラミングに必要なもの一式がが含まれており、コンパイルやデバッグなどの操作をボタン一つで行えるようになっている。
…というのが本来の定義だが、プログラミング用テキストエディタにはプラグイン拡張などによりエディタ上からコンパイラやデバッガを呼び出し・連携することができる高機能なものも増えてきており、境界線は曖昧になりつつある。
エディタの一覧
括弧内は、T:テキストエディタ、B:バイナリエディタ、H:HTMLエディタ、O:その他のエディタ、となっている。
- ed、edlin - (T)ラインエディタ
- sed - (T)ストリームエディタ。正規表現を利用可能
- vi - (T)UNIX系における代表的なテキストエディタ。POSIX標準。
- emacs - (T,B,H,O)
同じくUNIX系の代表的なテキストエディタ。emacs lispによる拡張が可能。
拡張によりブラウザ、IDEとして使えたりするので本当に「なんでもあり」(そしてワープロとしても使えたりもする - Visual Studio Code - (T,B,H,O)Microsoftが開発したプログラミング向けエディタ。Visual Studioとは別物。軽い、大容量ファイル対応、拡張機能も多彩など、2015年リリースの後発エディタながら2019年にはトップシェアを誇る万能エディタとして君臨、Microsoftの本気といわれる(ほかのソフトもこれぐらい気合入れて作れ)。
- Atom - (T,B,H,O)GitHubが開発したエディタ。拡張により様々な用途に用いることができ、気軽に拡張機能をカスタマイズできるのは強み。だが、拡張機能を使いすぎると重くなる。
- Brackets - (T,B,H,O)Adobeが開発したエディタ。AdobeだけあってWEBページ作成に特化しており、ブラウザのライブプレビュー機能を標準搭載。拡張機能も色々使える上、拡張機能のカスタマイズを前提としているので、Atomと比較するとあまり重くはならない。
- Sublime Text - (T,B,H,O)任意シェアウェアだがフリー使用もできる。「恋するエディタ」がキャッチフレーズ。軽いのだが、ちょっと技術がないと日本語に対応できないので他のエディタに浮気されている。
- notepad++ - (T,B,H,O)フリーソフト。VS Codeの登場までは世界で一番使用されていたエディタ。軽いし機能も多いが、エンコードは気を付けないといけない。
- Geany - (T,B,H,O)フリーソフト。エディタからコンパイルができるのでPython、Ruby、Perl使用者あたりから重宝されている。日本語フォントに難がある。
- メモ帳 - (T)Windows付属のテキストエディタ。Windowsのバージョンアップごとに地味に改善されている。
- テキストエディット(textedit) - (T,H)Mac OSに標準でインストールされているエディタ
- サクラエディタ - 国産エディタの雄。軽い上に機能が多彩で、マクロの拡張性も高い。デフォルトがSJISなので注意。
- TeraPad - 国産エディタの雄。開発は止まっているが、Windows10でも普通に動く。
- 秀丸エディタ - (T,B,H)シェアウェアのテキストエディタ。マクロによる拡張性の高さから愛好者が多い。アンドゥ(戻り)機能に優れており、最大1万回のアンドゥが可能。
- Mery - 国産エディタ。他のエディタと比較するとプログラムよりワープロの代用として使えるような工夫が多数されている。
- ニコニコ大百科のHTMLエディタ - (H)JavaScriptで実装されている
関連項目
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- 0pt